東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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本が無いからと前半はオリジナルにする予定でしたが、今日買ってきました‼︎

ということで‼︎此処からは原作通りの流れになります‼︎

それでは!どうぞ!


第百六十一話

兎を見つけたその日の夜、霊夢と葵と歩は永遠亭へとやって来ていた。

 

その兎は姿からして竹林に住む妖怪兎。そう考えたからこそ、此処にやって来たのだ。

 

歩の検査は葵が治したのもあり、歩自身も能力が能力な為に、その辺の心配はしていないのだ。

 

そして、永遠亭へと到着すると、霊夢は扉も叩かずに勢いよく扉を開けた。

 

「ちょっ、霊夢⁉︎流石にそれはダメ……」

 

「宇宙人‼︎いるんでしょ?話があるから出て来なさい‼︎」

 

「霊夢、落ち着けって……」

 

葵と歩が二人して霊夢を落ち付けようとしていると、其処に鈴仙と雷羅がやって来た。

 

「何だよこんな満月の、しかもこっちは例月祭が終わった所で……」

 

「普通、夜中に大声は出さないわよ?」

 

二人は呆れた顔をして霊夢達を出迎えた。

 

それに対して霊夢は腰に両腕を当て、仁王立ちし、怒った状態で要件を言った。

 

「あの赤青服の宇宙人を呼んで頂戴。あんた達の仲間が怪我してうちの神社を占領してる事を言いに来たのよ!」

 

それを聞いた二人は一度互いに顔を見合わせると、鈴仙だけが永琳を呼びに行った。

 

「……それで?俺達の仲間がお前の所にいるって本当か?」

 

「そうよ。ねえ?二人とも」

 

霊夢は葵と歩に同意を求めると、二人は曖昧に頷いた。

 

「まあ、そうだね」

 

「服はてゐ達と同じだったし、兎耳も有ったからな……」

 

それを聞くと、雷羅は顔を顰めた。

 

「いや、そうだとしても俺達の仲間は誰一人として怪我は……」

 

その言葉の途中に「雷羅」と呼ぶ声が聞こえてきた。

 

全員が雷羅の後ろを見てみると、其処には幻想郷随一の名医である永琳がいた。

 

「あ、やっと出てきたわね、宇宙人。あんた達の仲間が怪我してるって神社を占拠して困っているの!何とかしてよ‼︎」

 

と、霊夢はやはり怒った状態で言うと、永琳は首を傾げた。

 

「私達の仲間?怪我?」

 

「そう、傷付いてた妖怪兎がうちで寝ているの。怪我の方は葵が治したけど、そらでもまだ気絶してるんだから、引き取るなり何なりしてよ」

 

「ちょっと待って。雷羅、例月祭は……」

 

「無事に終わりましたよ。誰一人として怪我人は出てません」

 

雷羅は永琳の言葉の途中でそう言った。

 

「じゃあ、もしかして、てゐかしら?」

 

「怪我人なんて知らないよ。こうやって話を聞いていたけど、私の知る限り妖怪兎は一匹も減っていない」

 

と、今度は霊夢の背中からてゐが上半身だけ出して声でそう言うと、霊夢と葵は驚いた表情をした。

 

歩はこの中で唯一、てゐが来てたのを知っていた為、驚いてはいなかった。

 

「お、てゐ。どこ行ってたんだ?鈴仙が怒ってたぞ?」

 

雷羅がそうてゐに言うが、しかしてゐは相手にしなかった。

 

「ふあぁあ。祭りが終わると何故か兎達が陽気になるからね。少し散歩して酔いを覚ましてただけ」

 

てゐは『何故か』の部分を強調して言ったが、葵達は全く分かっていなかった。

 

その話に付いていけるのは永遠亭の住民だけなのだから仕方がないのかもしれないが。

 

「まあ、そういう訳だからわたしゃ疲れたよ。奥で休む」

 

そう言って玄関を上がり、家の奥へと行こうとするてゐを、

 

「あ、ちょっと待って。てゐ」

 

永琳が止めた。

 

「ん〜?何だい?」

 

「祭りの最中、神社の方で気になることは無かったかしら?」

 

そう聞かれたてゐは少し考えると「……ああ、そう言えば、なんか爆発してたね」と言い、永遠亭の廊下を走って行った。

 

「ば、爆発?」

 

永琳が驚いた顔をした後、直ぐに霊夢達の方を見た。

 

対して霊夢達三人は、顔を逸らしたのだった。

 

***

 

霊夢達は永琳に客間に案内された。

 

雷羅は永琳にお茶の用意をお願いされたので今は居ない。

 

「あのね〜、そっちが知らないって言っても、うちに傷付いた妖怪兎が眠ってるのは事実なの‼︎今は傷付いてないけど‼︎」

 

「怪我は治しましたけど、確かに兎がいるのは本当です」

 

葵がそう言うと、永琳は頭をまた傾げた。

 

「う〜ん。妖怪兎って言ったってね〜」

 

「まあ、あのてゐが知らない妖怪兎はいないだろうしな……」

 

歩のその言葉に永琳は頷いた。

 

「一匹くらい知らない妖怪兎が湧いて出てきたって不思議じゃないでしょ?妖怪なんてボウフラみたいなもんだし」

 

「いや、ボウフラじゃないからね?霊夢。寧ろ、妖怪は人間よりも生まれにくいから」

 

葵のその言葉に、永琳は頭の中で賛同した。

 

「それで?その妖怪兎は何か言ってなかったの?」

 

「今の所は唸っているだけです。けれど、誰にやられたとかは話そうとしないのです」

 

「あ、そう言えば、雪華が綺麗な衣を持ってたわね。私も見せてもらったし、彼奴がそんなのを持ってたら絶対に自慢してくるでしょうから確実にあの兎のよ」

 

それを聞いた永琳は、瞬きを一度だけした。

 

「う〜んとね。その妖怪兎は気を付けた方が良いわ。私の想像では、大方狸に化かされているんだと思う」

 

「何ですって?」

 

「てゐが知らない妖怪兎が居ないってのは本当よ。てゐが全員無事だって言うのなら、神社にいる妖怪兎は偽物の筈」

 

「なるほど、確かにそうですね」

 

その言葉に納得がいった葵と霊夢。

 

「でも、それなら私が治した怪我は治らない筈なのですが……」

 

「それは能力か何かでしょう。それなら納得もいくでしょう?さて、結論も出たわけだし……貴方達は早く帰った方が良いわよ?」

 

「「「?」」」

 

永琳からそんな言葉を聞いた三人は、意味が分からずに頭にハテナを浮かべた。

 

それに苦笑を漏らしながら永琳は続ける。

 

「今頃、神社の食べ物を食べられているわよ?その雪華という子がいたとしても四六時中見張れるわけでもない筈。早く帰らないと無くなっちゃうわよ?」

 

「‼︎そ、そうね。急いで帰らないと!」

 

それを聞いた霊夢は急いで立ち上がると、慌てて客間を出て行った。

 

「あ、霊夢!待って!」

 

「あ、こんな夜分にお邪魔して悪かったな!じゃ‼︎」

 

それを言うと、葵も歩も客間から急いで出て行ったのだった。

 

***

 

「……どうしてそんな嘘を?それに、化ける妖怪なら狐も入れていいのでは?」

 

霊夢達が帰った永遠亭では、永琳が霊夢達との話を鈴仙と雷羅に話していた。

 

そして、それを聞いた後に鈴仙からそんな質問が返ってきた。

 

「あの葵がいたという事は、近くにはあの狐の祖である鬼灯もいた筈。狐だと言ったなら即座に葵が嘘だと分かるわ。例え嘘を信じ易いぐらいに純粋な葵でも、身内がどんな立場なのかぐらい忘れないわ。なら、『狐』という選択肢は最初から消えるでしょう?」

 

「まあ、そうですね」

 

「それに……鈴仙、雷羅、驚かないで聞いてくれるかしら?」

 

それに対して鈴仙と雷羅は「はい」と返事をすると、永琳はその兎が妖怪兎ではなく、恐らく月の兎だと教えた。

 

それに対してなぜ分かるのかと鈴仙が質問すると、永琳はこう答えた。

 

「貴方達には話していなかったけど、例月祭の時、神社の方に月の羽衣が降りていくのを見たの」

 

その言葉に驚いた表情をした鈴仙と雷羅だった。

 

***

 

その翌日。霊夢が朝の掃除をしていると、兎が寝ている部屋から物音が聞こえてきた。

 

「あ〜、どうやら起きたようね」

 

霊夢はそう言うと、羽衣を持った。

 

と、同時にその部屋が開き、兎が慌てた顔をしているのが見えた。

 

「何を探しているのかしら?」

 

霊夢のその声に最初こそ警戒して少し離れた兎だが、しかし霊夢の持っている羽衣を見ると、見る見るうちに明るい顔になった。

 

「!それそれ。それ私の羽衣!」

 

「言われなくても返すつもりはないわ」

 

霊夢がとても柔かな顔でそう言うと、兎は「意地悪」と一言言うと、一瞬にして霊夢の前から消えた。

 

「⁉︎」

 

それに対して驚いていると、霊夢の隣から小さな叫び声が聞こえた。

 

「⁉︎あ、何だ。雪華か……」

 

「全く。気を付けてよ、霊夢」

 

そう言いながら、雪華は兎の片腕を掴んでいる手を霊夢に見せた。

 

「な、何で……」

 

その兎の質問に対して、雪華は意地悪い顔で、

 

「内緒♪」

 

そう言ったのだった。




雪華さんの能力は皆さんで想像してみてください。答えは次作で分かります

それでは!さようなら〜!
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