皆さん、今年一年もお疲れ様でした!新年も頑張りましょう!
それでは!どうぞ!
紅魔館へと着くと、門にはいつも通り美鈴が門前にいた。
しかし、珍しく寝ていない。
「あら?あんた、珍しく寝てないわね」
「いつも寝てるわけじゃないですよ」
霊夢は美鈴とそんな会話を少しした後、そのまま中へと入っていった。
そして前を見ると、大勢の招待されたであろう客達がいた。
「これはまた大勢呼んだんだな」
魔理沙は周りをキョロキョロみながらそんな感想を言うと、幽々子はクスッと笑った。
「まさか、あの吸血鬼が月に行く時代が来るなんて、思ってもいなかったわ。本当、困った動く肉ねぇ……妖夢?何か?」
幽々子は妖夢の視線に気付きそう聞くと、妖夢は首を横に振った。
「あ、でも、レミリア達のロケットが完成したのって妖夢が『航海の神様』ってヒントを持ってきたからじゃない?」
以前、咲夜からロケットの相談を受けた事があった霊夢は、その時、咲夜から『三段の筒状の魔力を持った物』と言われ、最初こそピンときていなかった。
しかし、その時に丁度良く妖夢が永久と共に現れ、『ロケットは宇宙を飛ぶ船だから、推進力を探すなら航海に関する物を探さないといけない』とヒントを与えていた。
余談だが、その時に咲夜と共に一緒に来ていた光冥と喧嘩になりかけていたりする。
「私はてっきり、あんたが吹き込んだと思っていたけど?妖夢じゃ思いつきもしないだろうしね」
「いいえ?とんでもない。私がなんでそんな事しなきゃいけないのかしら」
霊夢の言葉に幽々子はそう言った。
「お前も紫やレティシアと同種だからだろ」
ルカのその言葉については幽々子はスルーを決め込んでいたが。
と、霊夢達の前の扉が急に開き、そこから霊夢達が見た事がない金髪の執事が出てきた。
「お?最後の客か?……って、雪華じゃねえか」
「やっほ〜!『ギル』!こっちの紅魔館には慣れた?」
「ああ、まあな」
そう雪華と親しそうに話す青年『ギル』。そんな二人の外野は全員、首を傾げていた。
「あの、雪華さん……」
「ん?何?葵」
「この方は誰ですか?」
「ああ、そうだったね。お互い、初対面だったね」
雪華はそう言うと、先ずは『ギル』という青年の紹介を始めた。
「此奴は『ギル・ディザスター』。私の生まれ故郷の幻想郷でも紅魔館の執事をしてた奴よ」
「紹介に預かった『ギル・ディザスター』だ。よろしくな」
その後、葵達も自分の紹介をすると、そのまま中に入れてもらう事が出来た。
勿論、雪華のペット達もだ。
そして、中に入ると、もう既に多くの客達がお酒を飲んだり、食べ物を食べたり、談笑したりと好きな事をしていた。
「さ〜て、アルカからかってこよ〜っと♪」
「言っても効果ないだろうけど、やり過ぎるなよ〜」
「やり過ぎるぐらいにからかってくる!トウヤ、コガネ。行くよ!」
「ワォン!」「コン!」
雪華のその言葉に一吠えして答えると、雪華の後について行った。
「……彼奴、元の幻想郷でもあの男吸血鬼弄ってたわけ?」
「殆ど日常と化してた」
「……アルカさん、御愁傷様です」
葵がそんな風に同情していると、何処からともなく「弄るのやめろぉぉぉ!」と、アルカの声が聞こえてきた。
どうやら、もう既に雪華の弄りが始まったらしい。
「……彼奴、絶対に生き生きしてるぞ。顔が」
魔理沙は頬を引きつらせながらそう言った。
と、そんな時に、今度は何かが割れる音と何度も謝る声が会場内に響き渡った。
「ひゃぁぁぁぁ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼︎」
「ああ、いや、気にしていない。だから、謝らなくとも……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼︎」
「藍姉、これはずっと謝り続けるパターンだぞ」
「ど、どうすれば……」
それを遠目から見ていたギルは少し頭が痛そうな顔をした。
「またマリアか……」
「いつもの事だね」
ギルは歩のそんな言葉を後ろに、そのままマリアの元まで向かって行く。
そして、ギルが藍達に謝る声が聞こえると、別の足音が聞こえてきて、今度はペスの謝罪の声も聞こえてきた。
「……結構、大事になり始めたわね」
「今回の被害者は藍達か」
「鬼灯、その言い方は駄目だよ」
葵のその言葉の後、霊夢は溜息を吐いた。
「?霊夢?どうしたんだ?」
歩はそれに気付き、聞いてみると、霊夢は何時の間にか持っていたお酒を見せながら答えた。
「いえ、立って呑むのは落ち着かないな〜っと……茣蓙でも持ってくれば良かったわね」
「え、こんな所で茣蓙しいて座ったら異様だ……」
そう言っている途中で、その歩の視界の中、何かが動いた。
気になって其方の方に顔を向けてみると、幽々子が床に正座して食べ物を食べていた。
「幽々子様⁉︎」
「あら、周りの目なんて気にする必要はないわ」
そう言ってから持っている食べ物を口に入れると、「それもそうね」と霊夢も習って座った。
それに魔理沙は面白そうに笑い、葵は苦笑し、鬼灯とルカは溜息を吐いた。
其処に近付く影が一つ。
「どうしたの?そこの重力が強くなったのかしら?」
その声の方に霊夢は顔を向けると永琳がいた。
「永琳さんも来てたのですね」
「ええ、まあ、招待されたので」
葵に笑顔を向けた後、今度はまた霊夢達の方に顔を向けた。
「……地上では月の六倍、体が重いのです」
「へ〜、そうなの。……あ、そうそう。今度、私達もあんた達の故郷に行くけど、何かお土産でも欲しい?」
霊夢のその質問に永琳はワインを飲みながら答えた。
「じゃあ、イルメナイトを……」
「イルメナイト?」
葵は首を傾げるが、しかし説明は無かった。
「でも、私の故郷は地上だけどね」
「それは月に行く前の故郷だろ?」
鬼灯がそう言うと、「そうですね」と永琳は言った。
その会話が一段落すると、見計らったかのようにマイクを持ったレミリアの声が壇上から聞こえてきた。
「……そこで、このロケットの愛称を募集したいと思うんだけどー!」
「……ロケットの愛称募集か」
夢幸の言葉に魔理沙は面白そうにニヤニヤ笑い始めた。
「彼奴らには分からない様な言葉で変な名前つけてやろうぜ」
「……私達はそれに乗るのよ?」
「愛称って……ペットか何かみたいですね」
「ペット感覚というより、自分達が作った物に愛着があるがゆえなんだろう」
鬼灯のその言葉に納得した様子を見せる妖夢と桔梗。
その近くにいた永琳は困った顔をしていた。
「愛称……ね。あのロケットは住吉三神のご加護ざあるというのに。下手な名前をつけてしまえば、月に辿り着けないかもしれないというのに」
「……え?永琳さん、何で住吉三神の事を知ってるのですか?」
葵の言葉に永琳は少し焦った様子を浮かばせる。
鬼灯はそれを気にせず、静かに会場から出て行く幽々子達を見ていた。
「貴方達は全く話を聞いていなかったみたいだけど、さっき事細かに説明していました「嘘だな」……」
ルカのジト目を受けた永琳は顔を背けた。
……何処かから聞こえる『クスクス』という笑い声は気の所為だと思いながら。
「……だが、月に辿り着けないかもしれないという点は嘘を言ってない。もしかしたら、其処は可能性があるかもしれないな」
ルカのその言葉に魔理沙は困った顔をした。
「月に辿り着けないのは困るな」
その言葉に永琳は顔を戻し、話に入ってきた。
「吸血鬼は『スミヨシ』って和風の名前が気に入っていないのでしょう。もし月に辿り着きたいのなら、私の愛称を提案してもらえるかしら?」
「良い愛称があるのなら自分で提案してよ」
永琳の頼みに霊夢はそう言うが、その頼みを魔理沙が受け、その後、その三段ロケットの愛称は永琳の提案通り、上から『ミンタカ』『アルニタク』『アルニラム』となったのだった。
***
紅魔館から出てきた幽々子達は家に帰ろうとしていた。
「幽々子様。どうしてパーティの途中で抜け出したのですか?」
「そうですよ。何で抜け出したのですか?」
幽々子は妖夢と桔梗の顔を見た後、永久と必の顔も見た。
「どうしてって……彼処にスパイがいたじゃないの」
「あの月の民の事ですか?」
「まあ、確かに吸血鬼の月侵略計画を妨害するかもしれないが、俺達とは何の関係もないんじゃないですか?」
「それどころか、元々吸血鬼の計画を阻止するのが私達の目的……」
上から永久、必、桔梗がそう言うが、幽々子は目をパチクリとさせた。
「あの狡猾な月の民が吸血鬼の月侵略を阻止する?」
そういうと、急に笑い出し、扇子を四人に向けた。
「私はあの月の民をスパイと言ったのよ。永久達は別段心配は無かったけど、妖夢が余計な事を言わないように出てきたの」
その言葉に妖夢は顔を少し下に向けた。
「余計なことも何も……私には何も判らないのですが。何か説明していただけませんか?[
妖夢のその言葉に幽々子は答えず、
「紫の月計画は動き始めたばかり。敵を騙すにはまず味方から」
そう言うだけ。
その後、服の中から『鬼ごろし』をだすと、家に帰ってパーティの続きをと言うのだった。
文章内に出てきた『ミンタカ』『アルニタク』『アルニラム』は、星の名前で、三星共にオリオン座の星だそうです。
『ミンタカ』の種類が食変光星。
『アルニタク』が実現連星。
『アルニラム』が青色超巨星。
で、この三星があるのが、オリオン座のちょうど真ん中の三連星です。因みに、調べた結果ですので詳しくは皆さんでお願いします。
それでは!良いお年を!さようなら〜!