東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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今回は原作とはちょっと違う流れになってますが、結果は変わりませんので大丈夫(?)です

それでは!どうぞ!


第百七十三話

レミリアが依姫と戦い始めて数分間、依姫はずっとレミリアの突進に当たり続けている。

 

「……あんた、何時まで遊んでるつもりだい?魔理沙の時なんて、アレだけ動いていたのに」

 

レミリアは油断なく構えながらも、依姫を鋭い目で睨んでいる。

 

相手にされなければ、それは誰だって怒るだろう。

 

「あんたが遊んでるから、こんなちっぽけな天体を一周してきちゃったじゃないか」

 

レミリアのその言葉に依姫は一息つきながら立ち上がる。

 

そして、そのレミリアを見ながら一言言った。

 

「貴女……羽から煙が出てるわよ?」

 

「ん?……うわっ⁉︎」

 

「お嬢様‼︎」

 

煙に気付いたレミリアは日傘を貰おうと後ろを向くと、咲夜が傘を投げ渡した。

 

それを掴み、すぐさま開いて日を遮る……が、しかし、少し出ている羽からまだ煙が出ている。

 

しかし、それには気付いていないレミリア。

 

「危ないところだった。日光の下では長く生きられないのだよ。強すぎるから」

 

「……その傘、全然カバーしきれてないみたいだけど」

 

その言葉を聞くと、サッと光を傘でちゃんと遮った。

 

「……それで?どうしてちゃんと戦わないのかしら?もしかして、スタミナ切れ?」

 

レミリアは再度、睨みを利かしながら問うと、依姫は少し余裕そうな顔をした。

 

「私が攻撃すれば、貴女は必ず一撃で負けるでしょう。だから、貴女の技を全て見てからでも遅くはない。

貴女も体当たりばかりじゃなくて、スペルカードを使ってみたら?

ーーー美しいスペルカードを」

 

その言葉に怒りを覚えたレミリアは両手を前に突き出してスペルを宣言した。

 

「『クイーン・オブ・ミッドナイト』!永遠に明けない弾幕の夜を、悪夢のたびに思い出せ!」

 

その宣言後、何故か周りは夜へと変わってしまった。

 

レミリアが出した弾幕は一度、そのレミリアの周りで回っていたかと思えば、その全てが依姫の元へと向かっていく。

 

それを見ると、依姫は目を瞑って集中しながらも、避けていた。

 

「大御神はお隠れになった。夜の支配する世界は決して浄土になり得ない。『天宇受売命』よ。我が身に降り立ち、夜の侵食を食い止める舞を見せよ」

 

すると、天宇受売命の思われる神様が依姫に降り、依姫の体は発光しだした。

 

「なんだ?ただ光ってるだけじゃないか」

 

「……いや、違うな」

 

レミリアの言葉に鬼灯はある確信を抱いた。

 

(成る程。依姫の言葉はそういう事か……確かに、レミリアは負けるな。一発で)

 

そんな鬼灯の考えなど分からないレミリアはそのまま依姫に向けて弾幕を放つが、しかし依姫はまるで舞を踊るようにして、その全ての弾幕を避けている。

 

「……弾幕は当たらないってわけか。なら‼︎」

 

そう言うと、足に力を入れ、依姫へとまた突進をする。

 

それを見た依姫は、レミリアには必ず勝てる神様を降ろした。

 

「女神の舞に大御神は満足された。天岩戸は開き、夜の侵食はここで終わる」

 

「……アルカ、日傘を依姫の方に向けておけ。お前も吸血鬼だろ」

 

「……ああ」

 

その鬼灯の言葉に一応従い、アルカは日傘を依姫の方に向けた。

 

「『天照大御神』よ!圧倒的な光でこの世から夜をなくせ」

 

すると、依姫の背後に天照大御神が降り、その光で夜を侵食し、暗闇は消えてしまっていた。

 

その後に残ったのは、やられたレミリアと、まだ背後に残っていた天照大御神。

 

その天照大御神は鬼灯の方を一度見ると、ニコッと綺麗に笑って帰っていった。

 

***

 

「……」

 

「レミィ、大丈夫か?」

 

アルカがレミリアの元に近づくと、レミリアはそのアルカに勢いよく抱き着くと、負けた悔しさから泣き始めた。

 

「ぐすっ……お兄様ぁ……うわぁぁん‼︎」

 

「よしよし、レミィ、お前はよく頑張った」

 

その二人を依姫は見ると、少し言葉を零した。

 

「……あの子の上も、しっかり者なのね」

 

「?どういう事よ」

 

霊夢の言葉に依姫は少し呆れたような、しかし嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「私にも姉がいるのだけど、何時も姉は自由でね。見てない隙に、いつの間にか庭に出来てる桃を取ってたりするのよ。もう、本当に手がかかる」

 

その言葉に霊夢はただ「ふ〜ん」と言うだけだった。

 

「……それで?次は誰かしら?」

 

「お兄様……」

 

依姫の言葉でレミリアはアルカを見た。

 

アルカはそれを聞き、依姫の顔を睨み付けると、それに気付いた依姫も睨み付けた。

 

互いの威圧のぶつかり合いで、月の地面に亀裂が入り始める。

 

しかし、その沈黙の睨みあいは数秒で終わりを告げる。

 

「……俺でもいいが、それだとお互い損をするだけだ」

 

「そうですね。貴方は強い。この場の誰よりも。それだと、お互い、流したくもない血を流すことになってしまう」

 

「そうだ。だから、ここは最後にはやはり、幻想郷の代表である博麗の巫女がやったら良いと俺は思う」

 

「……は?」

 

そのアルカの言葉に嫌そうな顔をする霊夢。

 

「嫌よ。今回はこっちが100%悪いじゃない。しかも、戦闘なんて面倒」

 

「お前は雪華か」

 

「彼奴よりかは面倒臭がりじゃないと断言出来る」

 

〜〜〜

 

「クシュンッ‼︎」

 

博麗神社では、雪華がくしゃみをしていた。

 

そんな雪華を心配そうに見るトウヤと、いつの間に来たのか分からないコガネ。

 

「あ、大丈夫だ、トウヤ、コガネ。多分、誰かが噂をしたんだろ。……しっかし、私の噂をする奴なんて誰だ?」

 

実は月で噂をしていたなどとは知りもしないのであった。

 

〜〜〜

 

「兎も角、悪い立場は私達じゃない。悪い奴は必ず負けるのよ」

 

「やってみなければ分からないだろ?」

 

未だに駄々を捏ねる霊夢を見かねたのか、鬼灯がアルカの加勢に入る。

 

それに対して歩に加勢をしてもらおうと顔を向けた。

 

「……確かに、霊夢の言う通りだしな」

 

「でしょ?」

 

「だが、勝負をしなければ、一生地上に帰れないぞ?」

 

その鬼灯からの脅しとも取れる言葉に霊夢は折れた。

 

帰れないのは嫌なのである。

 

「……じゃあ、仕方ないからやるわよ。はぁ、悪いのはこっちなのにな〜」

 

そう言いながらも立ち上がり、お札を構えるの霊夢だった。

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