此方の方の作品にも葵さん、レティシアさん、鬼灯さんが出ています‼︎
どんな立ち位置なのかなど、作品が気になる方、そしてこの小説を読んでくださってる方は是非読んでみてください‼︎此処とは違う葵さん達が見れますよ‼︎
それでは!どうぞ!
葵はこの日、紫に連れてこられるだろう相手を待とうしていたのだが、巫女服が少し汚れていたために、新しい巫女服を貰うために『香霖堂』へとやって来ていた。
「霖之助さんには悪いですが、話していたいですが、早めに帰って、来るであろう方を神社で待たなければ……」
そう言いながらも『香霖堂』へと移動して、到着したために扉をノックしてから入る。
すると、霖之助は葵を見ると、とても嬉しそうな顔をした。
「いらっしゃい。葵」
それを見ると、頬を紅くしながらも嬉しそうに笑みを浮かべた葵。
「来ました、霖之助さん」
そして、中へ一歩踏み入れた瞬間、狙ったかの様に葵の後ろでスキマが開き、男が出てきた。
「……此処か、紫が適当に選んだ幻想郷は」
葵は其処で後ろを振り向き、霖之助も中から出て来た。
その葵の後ろにいた男も前を見ると、葵を見てギョッとした。
「あ、葵⁉︎なんでお前が此処に⁉︎」
「え……」
「まさか、お前が住んでる幻想郷って此処なのか?」
「あ、はい……」
葵は驚き過ぎて固まっている。
それもそうだろう、誰しも、『見知らぬ相手』に名前を知られていたら、驚くだろう。
「葵、知り合い?」
そんな葵に後ろから霖之助が声を掛けると、その男は霖之助を見て、此処が『香霖堂』である事を知った。
「おお、此処の霖之助か〜。なら、お前とは初対面だな。俺は『新藤 武楽』だ。其処の葵とは知り合いだ」
「……知り合いなの?葵」
其処でようやくハッと我に返った葵は首を横に振って否定した。
それに次に驚いたのは武楽。
「は?葵、冗談だよな?」
「いえ、私は本当に武楽さんとは……あ」
葵は其処で何か考えに至り、確信を得る為に武楽の顔を見る。
すると、武楽は焦ったような顔をした。
「俺の過去を見るな‼︎」
しかし、少し遅かった。
葵は過去を見て……そして確信した。
「武楽さん」
「……」
「武楽さんが会ったという『私』は私ではありません」
「……え?」
「…………ああ、そういう事か」
武楽は葵の言葉に納得した様子を見せる。
武楽は葵の言葉で分かったのだ。
此処にいる葵は、自分が会った『葵』のパラレルなのだと。
「……と、兎も角、中に入って話さないかい?」
霖之助は長話になりそうだと察したのか、中に入るように言うと、武楽も葵も中に入っていった。
***
霖之助は二人を中に入れると、まず二人分の椅子を用意して、其処に座らせた。
勿論、葵は霖之助の隣に座っている。
それに霖之助は頬を紅くし、武楽は少し顔を顰めた。
そんな武楽を見た葵は内心、不思議に思った。
葵はどちらかというと人の機敏には鋭い方だが、しかし、理由が分からなければ、どうして武楽が顔を顰めてるかなど、分かるわけがないのだ。
「それで、武楽さんは私と会ったのですよね?」
「ああ、そうだな」
「それは、紫さんが私を?」
「そうだな……何でかは見たか?」
「はい。紫さんが面白いから行かせた、ですよね。過去を見ましたから、分かります」
それに益々顔を顰める武楽。
それを見て、葵は首を傾げた。
「あの、何か、違いましたか?」
「いや、気にするな……」
武楽はそれ以上、追求しない様に少し強めに言うと、葵も納得はしていない顔ではあるが「分かりました」と言って引き下がった。
「それにしても、パラレルっていうのは本当に幾つもあるんだな」
「そうですね……その色々な世界には、色々な人が住んでいて、私もこれまで色々な方と会ってきました。その度に世界の多さに驚きますが……それと同時にいつも楽しみになります」
「?楽しみに?」
「はい」
そこで葵は胸に手を当て、笑顔を浮かべて言葉にした。
「今度は誰に会えるのか?どんな方と会えるのか?どんな話が出来るのか?会えると分かると、私は何時も楽しみに思うんです」
「……」
「最初に別の世界の方と会った時は、それはもう驚きました。ですが、その方とは今はもう、良く会えるようになって……友人が増える事が、とても嬉しいんです」
「友人……俺もか?」
「はい!あ、武楽さんが宜しければですが……」
「……ああ、勿論だ」
武楽は嬉しそうな、それでいて何処か悲しげな笑顔で葵を見ると、手を差し出した。
「よろしくな、葵」
「はい、よろしくお願いします!武楽さん‼︎」
葵は武楽とは違い、良い笑顔でその手を取って、握手をした。
そんな葵を見て、霖之助も嬉しそうに笑う。
「良かったね、葵」
霖之助がそう葵に言うと、葵も嬉しそうな笑顔を向けた。
「はい‼︎」
そんな葵の反応を見ると、霖之助は頭を優しく撫で始めた。
葵はそれに頬を紅くしながらも、気持ちよさそうにしていた。
それに武楽はそれ以上見たくなかったのか、目を逸らした。
それを見て、漸く葵は察した。
(武楽さんはもしかして……パラレルの『私』の事が……)
葵はそう考えながらも、霖之助に撫でられ続けていたのだった。