東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

196 / 245
コラボ企画〜第六段〜

葵、霖之助と話をしていた武楽はその後、葵がお昼ご飯を出すという事で、霖之助と一緒に手伝おうとしたが、しかしそれは二人に『お客様だから』という理由で出来なくなってしまった。

 

そして、暇となり、霖之助達に一言言って、外に立って、目を瞑っていた。

 

魔法の森の風を浴び、空気を吸う。

 

そんな中、武楽は懐かしの気配を感じた。

 

「……出てきたらどうだ?レティシア」

 

「クスクス、葵同様、私とも知り合いなのね」

 

そう笑いながらスキマから現れたレティシア。

 

そんなレティシアに「やっぱりか」的な顔で溜息を吐く武楽。

 

「お前もパラレルなんだな」

 

「クスクス、貴方が知ってる『私』は、私からしたらパラレルだけどね♪」

 

そんなクスクス笑っているレティシアに対して、武楽は気になっていた事を聞いた。

 

「お前が葵に『偽の過去』を見せたのか?」

 

それに笑顔を称えた状態で頷くレティシア。

 

「クスクス、ええ、そうよ。あの子に『偽の過去』を見せたのは私よ」

 

「……俺の『秘密』を知っているのか?」

 

「クスクス、いいえ、知らないわ♪」

 

「本当か?」

 

「クスクス、本当のことしか言っていないのにね♪」

 

レティシアは未だに表情を崩さずにそう言葉にする。

 

それが一層、胡散臭さを強調している。

 

「……なら、知らないのに、どうして葵に『偽の過去』を見せた?」

 

武楽は顔を顰めて問うと、レティシアも軽く答えた。

 

「クスクス、貴方が心の底から願ったから、私は行動しただけよ♪」

 

「それだけか?」

 

「クスクス、それだけ。まあ、願いを叶えるのは私のメイドの能力だけどね♪」

 

「お前のメイドにそんな能力を持ってる奴がいるのか」

 

「クスクス、ええ♪」

 

レティシアはそれだけを言うと、『香霖堂』を少し見てから、スキマを開けた。

 

「クスクス、もうそろそろ葵が呼びに来るから、私は此処でね♪」

 

「ああ、じゃあな」

 

「クスクス、それじゃあね♪」

 

それだけを言うと、レティシアはスキマに入って消えていった。

 

それと同時に『香霖堂』の扉が開き、葵は周りを見て武楽を見つけると、笑顔を浮かべた。

 

「武楽さん、お昼ご飯が出来ましたよ‼︎」

 

「ん?ああ、有難うな‼︎葵‼︎」

 

そのお礼に対して、嬉しそうな顔を浮かべる葵であった。

 

***

 

お昼ご飯として出された白米、味噌汁、焼き鮭、ほうれん草の胡麻和えを全部食べ終えると、話を再開させた葵達。

 

と、そんな時に来客が来た。

 

「霖之助〜‼︎桃を持ってきてやったぞ〜‼︎」

 

「霖之助さ〜ん!遊びに来たよ〜……痛い〜。サリア、何で殴るの〜」

 

「私達は遊びに来たんじゃなくて商売しに来たの忘れたのか獏‼︎」

 

「あ、忘れてた〜!ごめんね〜、サリア〜」

 

「ごめんねじゃないからな⁉︎」

 

サリアは獏ののんびりさに溜息を吐いて、持っていた籠を近くに置いてから顔を上げると、見掛けぬ人間を見て驚いた顔をする。

 

「誰だお前?幻想入りしてきた奴か?」

 

「いや、別の幻想郷から紫に連れてこられたんだ」

 

「ふ〜ん、あのスキマ妖怪にね〜」

 

サリアはそう言いながら、武楽を興味深そうにジロジロと見る。

 

それに対して嫌な気分となったのか、武楽は顔を顰め、注意しようとする。

 

しかし、それを遮るようにして武楽に声を掛けた獏。

 

「ねえ〜、お兄さんは誰〜?僕は夢川獏だよ〜!よろしくね〜!」

 

獏はそう言いながら嬉しそうな顔で武楽に挨拶をする。

 

その言葉の中には悪意も疑心も一切ない。

 

知らない相手に対しての警戒心すらない獏に対して、武楽は少し焦った。

 

「獏〜‼︎」

 

そんな獏の襟を後ろから思いっきり引っ張り、武楽から引き離して持ち上げたサリア。

 

「うわわ⁉︎どうしたの〜?サリア〜」

 

「『どうしたの〜?』じゃない‼︎何で知らない相手に警戒心を持たずに近寄るんだお前は⁉︎」

 

「だって〜、良い人だから〜」

 

「なんでそう決めつけれるんだよ……」

 

サリアは頭が痛そうな顔で溜息を吐くと、そんなサリアを心配そうな顔で見る獏。

 

「大丈夫〜?サリア〜」

 

「ああ。ただ、頭が痛いだけだから心配するな」

 

「それは大丈夫じゃないよ〜?」

 

「いや、大丈夫だから。頭が痛い原因を作ってるお前にはそれを言われたくない」

 

「何だ此奴ら、現れた瞬間にコント始めたぞ⁉︎」

 

「いや、これがいつもの彼らのやり取りだから」

 

のんびり屋でマイペースな獏に、せっかちで比較的常識人なサリア。

 

そんな二人の会話を初めてみたら、コントのように思うのは仕方がないのかもしれない。

 

「それでサリア、さっき商売しに来たって言ってたけど……」

 

その言葉が聞こえたサリアは「そうそう」と言いながら獏を下に降ろして、置いた籠の中から桃を取り出した。

 

「ほら、お前以前、悪夢を見たからと店にやって来た時に言ってただろ?『幸せな夢を限定的に見れるような物はないか?』って」

 

「ああ、言ったね、確かに」

 

「それを聞いて作ってみたんだ。幸せな夢のみが見れる『桃』。食べればその日の夜に見る夢は必ず幸せな夢になる……予定」

 

「ちょっと待って。予定ってなにさ予定って」

 

霖之助は疑いの目をサリアに向けると、サリアはその目から顔を逸らした。

 

「いやホラ、試す相手がいないしさ〜」

 

「獏君には試してないのかい?」

 

「獏の奴は見た夢自体を食べちゃうから意味ないし、そもそも見た夢を此奴忘れるんだよ」

 

そう言いながらサリアは獏をジト目でみると、獏は何故か照れた。

 

「なに照れてんだ?褒めてないからな」

 

「そうなの〜?」

 

「そーなのー‼︎で、その後に人里の賢者がいるじゃん?」

 

「ああ」

 

「その人に試してもらったんだよ。そしたら、見事に見れたって言ってて……でも、たった一人だからまだ『予定』段階。で、霖之助にも試してもらおうと……勿論、報酬は弾むし」

 

「商売に来たのに報酬を弾むっておかしくねそれ?」

 

武楽の言葉に「成功したら商売になるから良いんだよ」と言うサリア。

 

「……はぁ、分かったよ。試してみるから」

 

「お、有難う‼︎」

 

そう言って『桃』を渡すサリア。

 

それを武楽は興味深そうにみると、手を挙げた。

 

「なあ?俺にもそれを一つくれ。試験者になってやる」

 

「お?マジ?」

 

「おお、マジだ」

 

そういう武楽に嬉しそうに桃を渡すサリア。

 

その桃を貰った武楽に向かって一つ疑問を持った様で、獏は言葉にしてだした。

 

「でも、お兄さんは別の幻想郷から来たんだよね〜?どうやって感想をくれるの〜?」

 

「それは紫にでも頼むさ。あと、『お兄さん』じゃなくて武楽だ‼︎よろしくな‼︎獏‼︎」

 

「うん〜!よろしくね〜!武楽さん!」

 

そんな二人の会話の間に、葵もその桃を貰っていた。

 

「夢を見た後にどんな夢だったかとかの感想を言ってくれ。あと、改善点とか」

 

「はい、分かりました」

 

そんな会話をした後、武楽は外を見た。

 

すると、既に外は暗くなり始めていた。

 

「おっと、もうそろそろ帰らないとな」

 

「それでしたら武楽さん。これを」

 

「ん?」

 

武楽は葵の方を見ると、葵の手にはお萩が五つ皿の上に乗っていた。

 

「帰ってから皆さんで食べて下さいね」

 

「ああ、有難うな!」

 

「どう致しまして」

 

そして、武楽はそのお萩を貰うと『香霖堂』から出て、スキマが開いたのを見ると、そこへと入って帰っていった。

 

それを見てからサリア達はその場で解散して、葵は一度家に戻ってから、その後は『香霖堂』で泊まったのだった。




先に言っておきます

最後の後には何にもないですよ?

ただお泊まりしたってだけですよ?

それ以外は桃を食べて寝たぐらいですからね?

さて、次回から本当の日常編スタート‼︎

誰の日常なのか、お楽しみに〜‼︎

それでは!さようなら〜!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。