東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百八十六話

凱火はその両手で持つ大剣を朱鳥達目掛けて振りかざすと、それを朱鳥達は左右に分かれて回避する。

 

そして其処で朱鳥が一枚目のスペルを宣言する。

 

「炎符『ファイヤー・ロード』!」

 

ゼロ距離から炎のレーザーを放つ朱鳥だが、相手はその大剣でそのレーザーを消し払った。

 

そして、一度距離を取ってから今度は凱火が宣言する。

 

「熱符『バーニングライオン』‼︎」

 

するとその大剣から熱が発せられる。

 

そしてその大剣を一振りすると、そこからライオンを象った炎が出て、朱鳥達を襲おうとする。

 

……が、それに対して朱鳥は笑う。

 

「……お前は私とは相性が悪いかもな」

 

そのライオンは絶月を食らおうとして、止まる。

 

「?どうした?」

 

「……」

 

そして、そのライオンは口を閉じ、向きを変え、凱火の方へと襲いにかかった。

 

「はあ⁉︎」

 

「それが炎なら、私が操れるということさ」

 

「……お前」

 

「ああ、能力を言ってなかったな、絶月。私は炎を操る事が出来る能力を持っている」

 

朱鳥の説明の後ろでは、未だライオンに襲われている凱火がいる。

 

しかし、その大剣でそのライオンを消すと、楽しそうに笑う。

 

「へ〜、お前は炎を操れるのか」

 

「……お前、さては戦闘狂か?」

 

「さあな?それは戦えば分かることだ‼︎」

 

凱火はそう言うとまた朱鳥達を斬り裂こうとするが、それを避ける二人。

 

「……死なないとはいえ、痛いのは御免被る」

 

朱鳥が冷静にそう言葉にすると、また一つのスペルを宣言する。

 

「この前ちょっと改良したスペルだ。炎符『炎舞神楽』‼︎」

 

すると、炎の弾幕が一度バラバラに拡散する。

 

それを凱火は避けるが、その弾幕の全てが、今度は向きを変える。

 

左に行った弾幕は右へ、右に行った弾幕は上へという風に滑らかに移動する。

 

それに多少驚きながらも避けると、また向きを変える。

 

上に行った弾幕は下に落ち、他の弾幕は全て凱火を取り囲む。

 

「……成る程な」

 

「この前はただ拡散するだけのスペルだったが、それだと『神楽』じゃないからな」

 

「……『神楽』は踊りの一種だからこそ、踊る様に滑らかに移動し、その動きもまた踊りの様にってか」

 

「まあな……それよりもだ」

 

絶月の言葉に朱鳥はそう言ってから絶月に視線を向ける。

 

その視線の意味を理解すると、絶月は舌打ちをしながらもスペルを宣言する。

 

「四ノ罪『嫉妬の束縛』」

 

すると、鎖の形をした緑色の弾幕が凱火に向かって行き、凱火に当たる。

 

「うお⁉︎動けねぇ‼︎」

 

しかし、絶月の攻撃はまだ終わらない。

 

「三ノ罪『色欲の妄想』」

 

今度は桃色のレーザーが凱火に当たる。

 

それを見てから朱鳥は手を動かすと、凱火の周りを舞っていた炎が全て凱火に向かっていく。

 

しかし凱火は動くことが出来ない状態なのでどうしようも出来ず、その弾幕全てに当たることとなった。

 

当たるぐらいなら少しとは言わずとも大ダメージにはならないだろうと考えていた凱火だが、結果、その予想は外れる事となる。

 

「⁉︎ぐぁぁあ‼︎」

 

凱火に襲ったのは尋常じゃない程の苦痛。

 

それこそ、一歩間違えば気を失いそうになる。

 

その後、その弾幕が全て当たり終わると、縛りも取れた。

 

凱火は少しの間は立っていたが、しかしその大剣を床に刺し、体を支える様な状態となった。

 

だが、それを見ても朱鳥達は警戒を緩めない。

 

なぜなら、未だに凱火の表情には笑みが讃えてあるからだ。

 

「熱符『クラッシュイクスプロージョン』‼︎」

 

その宣言後、朱鳥は自身の足元に熱がある事を感知した。

 

そして、何が起こるのかを予測すると、絶月に飛びかかる。

 

「危ない‼︎」

 

「⁉︎」

 

そうして押し倒す形で先程までいた場所から離れると、その床が大爆発した。

 

それを目で見て理解すると、朱鳥と絶月は立ち上がった。

 

「……礼は言わねえぞ」

 

「いらないから安心しろ。それと、今は戦闘に集中しろ」

 

その会話の後に凱火を見据えると、既にその足で立っていた。

 

「あ〜、避けられたか」

 

「炎を操るからこそ、熱感知は得意でな」

 

「やっぱり、戦闘だと相性が悪いな、お前と俺は」

 

「そうだな」

 

そう言うと、またスペルカードを持つ。

 

そしてチラッとだけ絶月を見てから、宣言する。

 

「炎符『炎の踊り子』」

 

すると、凱火の周りにまたもや炎の弾幕が現れると、凱火の周りを回り始める。

 

それにより、自分が閉じ込められたと知ると、その弾幕を消し去ろうと一振りする。

 

勿論、その弾幕は消えたが、素早く新たな炎が現れた。

 

それに対して力を込めて一掃する事を決めた凱火だが、一足遅かった。

 

「二ノ罪『傲慢の処罰』」

 

絶月が宣言すると、その周りに金と銀の帯状弾幕が現れ、それを凱火に向けて攻撃する。

 

そして当たると、凱火はまるで肉を斬られた様な痛みを感じた。

 

「がぁ⁉︎」

 

そして、暫くしてからその弾幕も消え、炎も消えると、其処には凱火が倒れていた。

 

***

 

朱鳥と絶月は凱火の側で如何するかを話し合おうとするが、意見が一致した為にすぐ決まった。

 

「放ってさっさと行くぞ」

 

「……ああ」

 

そうして先を急ごうとしたが、その進む先から二本足で歩くネズミと、赤いリボンを付けた短い金髪の女性が、凱火が現れた方向から現れたら。

 

「‼︎凱火‼︎」

 

「……なんともタイミングが悪いな」

 

そのタイミングの悪さに対して、少しばかり溜息を吐く朱鳥であった。

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