東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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さあ!やっていきましょう!

「まあ、あの人が出てくる分には私は構わなかったんだが・・・」

「あ、あはは(汗」

「あいつが出てきた時点で、不安だな」

それでは!どうぞ!


第十九話

〜葵side〜

 

あれから少し日にちが経ち、少しずつ肌寒くなってきた今日この頃。私は境内の掃除をしていました。落ち葉が少しずつ増えてきましたので掃く必要があるのです。

 

そして、私が掃除をしている所に一人の来訪者が来ました。空から。

 

「こんにちはー!文々。新聞をお届けに来ましたー!」

 

「あ!文さん、こんにちは!でも、私の所も新聞は取っていない筈では?」

 

この方は『射命丸 文』さん。姿は黒い髪で目が赤く、頭の上には赤い山伏風の帽子。服装は白のTシャツに黒のスカート。そして背中からは黒いカラスの羽が生えていて、靴もまた天狗が履いている様な靴の綺麗な女性です。

 

「いいじゃないですか〜、受け取ってくださいよ〜!そして愛読者になってあの博麗の巫女にも面白さを語って下さい!!」

 

つまりは霊夢に愛読者になって欲しいと……無理な気がします。

 

「それ、無理だと思いますよ?」

 

「あやや!何故ですか?」

 

「いやだって、霊夢はそう言うのに余り興味を示しませんし……」

 

まあ、興味を示さない理由は、あの子の能力も関係してくるのでしょうね、この場合。

 

霊夢の能力は『空を飛ぶ程度の能力』。一見するとこの幻想郷では誰しも(普通の人以外)飛べる事から意味をなさない様な能力ですが、実は違います。

 

『空を飛ぶ程度の能力」』。この能力の本領は広く、何事からも浮く事が出来る能力です。例えるとですね、皆さんは厳つい顔の男の人から脅されたら、萎縮してしまいませんか?まあ、萎縮すると想定して話を進めるとですね、そんな時でもこの能力があると、その脅しも無意味になってしまいます。つまりは、霊夢は怖くないんです。それに先程言いましたように、この能力は何事からも浮きますので重力だろうとヘッチャラなんです。これが霊夢の能力です。

 

「いや、興味を持つ持たないの前に、まず霊夢はお前に目を覚ませと呼びかけると思うが?」

 

「あ、ルカ」

 

「あやや!ルカさんではなないですか!新聞を一つ、どうですか?」

 

「貰っておくよ。新聞とは本当に便利だからな、窓拭きとかに」

 

「うんうん、そうなんですよね、窓拭きとかに……て、え?」

 

る、ルカ。新聞を売ってる人の目の前でなんて無情な一言を……。

 

「あ、今日はまだ居たのか。良かった」

 

ふと、そんな声が聞こえた為、其方に顔を向けると、そこに居た人はお弁当の様な帽子に赤いリボンが付いており、腰まで届くのではないかと思われるほどに長い青色がかった銀髪。そして青色のワンピースを着た人が居た。

 

「あれ?慧音さん、どうしたのですか?」

 

この人は『上白沢 慧音』さん。人里で寺子屋を開いており、子供達に勉強を教えている人です。ただ慧音先生は半人半妖……いえ、半分人間でもう半分はワーハクタクのちょっと人とは違うだけの人間です。

 

そう、満月になるとワーハクタクの姿になるだけなので、そこまで問題でもありません。

 

「えっと……」

 

「すまない、葵。君に話があるのだが、今いいかな?」

 

え?私に話、ですか……。

 

「いいですよ。ですが、申し訳ないとは思いますが、此処の掃き掃除を切りの良い所までやらせてもらってもよろしいでしょうか?」

 

「ああ、構わない」

 

「有難うございます。ルカ、慧音さんを客間まで連れて行ってあげてくれないかな?」

 

「分かった」

 

「ちょっと待ったーーー!」

 

という声にビックリしてしまい、何かと思い顔を向けると……、

 

「私もそのお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか‼︎」

 

凄く目をランランと輝かせている文さんがいました。

 

「それは別にいいが、お前にとってはそこまで面白い話ではないと思うぞ?それでもいいのか?」

 

「はい!面白いか面白くないかは私が決める問題ですから、良いんです!」

 

「ということで、私は了承するが、葵はどうする?」

 

「私も、別に「断っといた方がいい」え?」

 

「だから、其奴の頼みは断った方がいい。後で新聞に何書かれるか分かったもんじゃないぞ」

 

「え?ど、どういうこと?ルカ」

 

「私が説明するより、読んだ方が早い」

 

と言うと、先程文さんがルカに渡した新聞を此方に見せてきました。

 

そしてその新聞の内容には有ること無いことが書かれていました。

 

「……成る程、これはルカがそういうのも分かるな」

 

「……えっと」

 

「葵さん!これは違うんです!信じてください!」

 

信じてください、と言われましても……この内容では流石に……。

 

「……」

 

「……」

 

チラッと文さんを見てみると、目がウルウルして祈るように両手を組んでいる文さんが見えました。

 

……はぁ、仕方ありませんね。

 

「分かりました、信じます」

 

「‼︎葵さん!」

 

「葵、こんな奴を信じるのか?」

 

「うん、なんか、いたたまれなくなっちゃって……」

 

「はあ、まあお前がそれで良いのならいいが」

 

「そうだな、君がそれで良いのなら良しとしよう」

 

こうして私達の中では、文さんは一時的にではありますが無罪になりました。

 

「じゃあ慧音、中へと案内するから着いて来てくれ」

 

「分かった。お願いする」

 

話が終わって直ぐにルカは私がお願いをしたことを行動に移してくれた。

 

慧音さんと文さんはルカに着いて行きました。

 

さて、私も切りが良い所まで掃き掃除をしましょうかね。

 

***

 

客間には私、ルカ、文さん、慧音さん、そして、鬼灯がいた。

 

因みに、私達の対面に文さんと慧音さんがいますよ。

 

「何故お前がいるんだ、鬼灯」

 

「別に構わないだろ?それで一体、何の用で来た?慧音」

 

「それはな、葵に頼みたいことがあるんだ」

 

「?私に、ですか?」

 

「ああ」

 

「鬼灯ではなくて?」

 

「そうだ」

 

「そうですか、それで私に用とは?」

 

すると慧音さんは頭を下げて私にこう言いました。

 

「頼む!!一日だけでもいいんだ!!寺子屋で子供達に勉強を教えてやってくれ!!」

 

「「断る」」

 

「え!?ルカ?鬼灯?なんで二人が断ってるの?」

 

「だったら葵。お前は断るつもりだったのか?」

 

「うっ、そ、それは……」

 

実際、私には断るつもりなどありませんでした。寺子屋が人里にあるにも関わらずに。

 

「慧音も知っているだろう?人里の者たちから葵への対応を」

 

「ああ、知っている。それを知っていての頼みなんだ」

 

「……」

 

「?ルカさ……ヒッ‼︎」

 

文さんが小さな悲鳴をあげるのも仕方のないことです。今のルカの目は凄く冷たい、まるで絶対零度を思わせるような目で慧音さんを睨んでいますから……。

 

「……ルカ、落ち着け」

 

「だがな」

 

「落ち着けと言っている」

 

「……」

 

……ルカの冷たい目はまだ残っていますが、幾分が良くなったみたいです。

 

「それで?葵はどうしたいんだ?」

 

「……え?」

 

「だから、葵はどうしたいんだと聞いているのだ。これはお前の問題だ。最終決定権はお前が握っている。だからお前が決めろ」

 

「鬼灯‼︎」

 

「ルカ、私達に決定権はない。私達がこの場で出来るのはあくまで意見だ。それ以上の事は出来ない」

 

「……さっき私と一緒に断ると言った奴の言葉か?それが」

 

「ルカの気持ちは分かる。私も同じ気持ちだからな。だが、私は葵の気持ちも尊重してやりたい。それだけだ」

 

「……」

 

ルカは話す事を止めて私の方に目を向けました。

 

私の意見ですか。……もう、決まっていることなのですがね。

 

「慧音さん、顔を上げて下さい」

 

「……」

 

慧音さんは顔を上げてくれました。だから、私の意見を言いましょう。

 

「慧音さん。その話、受けます」

 

「‼︎本当か!?」

 

「はい」

 

「葵……」

 

「大丈夫だよ。安心して?ルカ」

 

「だがな……」

 

「ルカ、そこまで心配するなら私達も付き添いとして行かせてもらえばいいだけだろう?」

 

「……そうだが」

 

「私は両方の過去を知っているからな、気持ちは分かるが、葵が心配な様ならそうするか?っとお前に提案をしているだけだぞ?私は」

 

「……そうだな、分かった。慧音」

 

「付き添いなら構わんぞ」

 

「そうか、ありがとう」

 

「あやや!!ちょっと待って下さい!!」

 

と、此処までルカの睨みで萎縮していた文さんが待ったを掛けました。

 

「私もその現場に立ち会わせてもらいます!」

 

「「「ダメだ」」」

 

「えーーー!なんでですか!」

 

流石は記者という一言からのルカ、鬼灯、慧音さんからのダメ発言。……文さんが可哀想になってきました。

 

「どうせお前の事だ。またあることないこと書くつもりだろ?」

 

「うっ……」

 

「悪いが、私もそれを知っているのでな。お前の事を信用など出来ん」

 

「ぐっ……!」

 

「あの新聞を見せられてはな、一体君の何処を信用すれば良いのか分からなくなった」

 

「うぅ……あ、葵さーーーん‼︎」

 

「えっ!あ、文さん!」

 

「皆さんが〜!」

 

文さんが遂には私に助けを求めてきました。

 

……仕方ありませんね。

 

「あ、あの〜、三人共?」

 

「なんだ?」

 

「許して上げませんか?取材許可」

 

「……は?」

 

「!!あ、葵さん!」

 

……何故だか文さんから女神を見る様な目で見られています。何故でしょうか?

 

「だがな……葵も読んだだろう?あの新聞を。アレを書いた其奴の何処を信用して許可しろと?」

 

「そ、そうだけど……」

 

「……はあ、仕方ない。ルカ、こういうのはどうだ?」

 

「?なんだ?鬼灯」

 

「葵はもう無理だから。だから、まだ教えると決まっていない私とお前の何方か、あるいは両方で其処のカ鴉を見張る。これならどうだ?」

 

「……そうだな。私は良いが、慧音はどうする?」

 

「そうしてくれるなら私も構わない。許可しよう」

 

「やったーーーーー!やりましたよーーー!」

 

文さんは許可を貰えた途端に嬉しそうにしています。

 

「良かったですね、文さん!!」

 

「はい!本当に良かったですよ!それで?その授業の担当は何時になるのですか?」

 

「あ、そういえば聞いていませんでした。慧音さん、何時でしょうか?」

 

「ああ、二日後にする予定だが、良いか?」

 

「明日ではないんですか?」

 

「ん?明日でも良かったですよのか?」

 

「まあ、書物を見ればある程度は……」

 

多分、いけるでしょうね。

 

「そうか、なら明日にしよう」

 

「了解です!!それでは私はこれで!!準備をしなくてはなりませんので!!」

 

そう言うと文さんは客間の障子を開けて、空へと飛んで行きました。

 

「それでは私も此れで失礼しよう。葵、これが子供達も使っている物だ」

 

慧音さんはそう言うと、私に子供達も使っている書物を渡して「よろしく頼む」と言い帰って行きました。

 

私は慧音先生を見送った後、家に入りました。すると……、

 

「さて……私達もどうするか決めようか、ルカ」

 

「そうだな、早めに決めよう」

 

……今のような話をしていたルカと鬼灯がいた。

 

……文さん、本当にご愁傷さまです。




さて、今回は人里編の前編、どうでしたか?

「文さんへの対応が酷かった様な気が・・・(汗」

「いや、あいつはあの対応でいいんだ。自業自得だ」

「クスクス、そうね。私の所も、あのカラスのせいで酷いことを書かれた訳だし、これで良いのよ」

え?なんて書かれたんですか?

「クスクス、貴方達の目で読みなさい。はい、これ」

あ、どうも。えっと、何々・・・

「・・・コレは」

「・・・本当に酷いな」

「こんな風に、私達も書かれるのでしょうか?」

あ、内容は皆様のご想像にお任せします

「クスクス、それじゃあ・・・」

「「「「「さようなら〜!」」」」」
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