東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百九十話

葵達はナズーリンと別れ、飛倉探しを再開した。

 

「ありませんね……飛倉の破片」

 

「だな……こんなに見つからないものなんだな」

 

「霊夢、いつもの勘はどうした?」

 

「私の勘を万能だと思わないでよ」

 

「異変主の居場所を勘だけで見つけれたら、それは万能だと思うぞ」

 

霊夢と鬼灯の会話を他所に葵と歩は真面目に飛倉を探す。

 

そんな時に、四人は此方に来る人物の気配を感じ、一旦動きを止める。

 

その人物は着実に葵達に近付き、葵達の前に現れた。

 

「!ルカ!」

 

葵達の前に現れたルカは葵の声が聞こえた瞬間、顔を上げた。

 

「!葵……」

 

「ルカ、一人で探すのは大変だよ?やっぱり一緒に……?」

 

其処で葵はルカの姿を見て、ある事に気付いた。

 

「……ルカ、その髪、どうしたの?」

 

「?髪?」

 

「毛先に赤いのが付着してる……」

 

それを言われてルカは漸く前髪の先を確認すると、確かに赤いのが付着していた。

 

「……もしかして、それ……血?」

 

葵が少し震声でルカに聞く。

 

信じたくはない葵だが、しかし赤いのが付着する理由など、誰かの返り血しかない。

 

そう考えてる葵の問いに、ルカは頷いて返した。

 

その答えを聞き、葵は顔を青ざめさせる。

 

対して、他三人は険しい顔である。

 

「……まさか、幻想郷の住人を殺したの?」

 

「いや、外来人。しかも私に恨みがある奴で、私の復讐相手だ」

 

「……そうか」

 

鬼灯はそれだけを聞くと、霊夢に視線を送る。

 

その意味を理解した霊夢は頷くと、鬼灯は青ざめた顔をしている葵を連れて、奥に行った。

 

「……だから知られないようにしてたのに……甘かったか」

 

「俺達の前に現れた時、何時もよりも冷たい雰囲気で、目にも光が無いと思ったら……そういうことだったのか」

 

歩はそれに納得した顔をした。

 

それを見てからルカは葵が行った方に顔を向ける。

 

「……」

 

「……どうしたのよ?」

 

ルカの何処か悲しそうな表情を見て霊夢が聞くと、ルカはポツリと零す。

 

「……葵を、悲しませてしまったな、と」

 

「……葵だって、あんたの復讐心は理解してた筈よ。というか、過去見た事があるから、それぐらい知ってるわよ」

 

「……そうだが」

 

「今は少し悲しんでるけど、ちゃんと元気になるわよ」

 

「……そうか」

 

ルカはそれだけを言うと、霊夢と歩に背を向けて歩き出す。

 

「何処行くのよ」

 

「飛倉探しだ。それ以外に何かあるか?」

 

「それは俺達と一緒でも良いんじゃないか?離れた理由はその復讐相手に気付いてたからだろ?」

 

「まあな。だが、離れると最初に言ったのは私だ。だから、一人で探す」

 

「……そう」

 

霊夢はルカの言葉にそれだけを言う。

 

ルカはその反応を見てから、その場を去っていった。

 

霊夢と歩はそんなルカの背を見ていたが、自分達の上に何かの影が指したことに気づき、上を見てみれば、小さなUFOがあった。

 

「「……何あれ」」

 

霊夢と歩は同時に反応すると、歩が釣竿を使ってUFOを手に入れたのだった。

 

***

 

朱鳥と絶月もまた、そのUFOを手に入れていた。

 

「これは本当に何だろうな」

 

「……UFOだろ?」

 

「……本当にそう思ってるのか?」

 

朱鳥は絶月の顔を見ながら言うと、絶月はそれに舌打ちで返す。

 

と、何かに気付いた顔をして、真正面を睨み付ける。

 

朱鳥もその顔に気付き、顔を向けてみると、其処には黒いショートボブで真紅の目、背中には赤い鎌のようなのが三枚、青い矢印の様なのが三枚という特徴的な羽があった。

 

「……テメェ、誰だ」

 

絶月はその人物を睨み付けるが、相手はとても余裕そうな笑みを浮かべている。

 

「ふふっ、私は『封獣 ぬえ』。『鵺』よ」

 

ぬえのその紹介に朱鳥と絶月は警戒の色を強くする。

 

「……」

 

「なんで鵺であるお前が現れた?」

 

朱鳥はそう問うと、ぬえは朱鳥達が持っているUFOを指差した。

 

「?これが何だ?」

 

「貴方達がそれを見ても怯えないから興味が出たのよ。まあ、そこのあんたは妖怪だから分かるけどね」

 

ぬえはそう言うが、しかし絶月を見て首を傾げる。

 

「貴方は人間……なのよね?」

 

「……」

 

その問いに対して絶月は何も言わない。

 

その反応に少し興味を持ったのか、ぬえは笑顔を浮かべる。

 

しかし、朱鳥が其処に割り込む。

 

「さっきの言葉、どういうことだ?」

 

朱鳥が割り込んできたことで一気に顔が不機嫌そうになるが、しかし律儀に答えるぬえ。

 

「それはね、貴方達が探してる『飛倉の破片』に私が『正体不明の種』を付けて、『正体不明』にしたの。彼奴らを困らせるためにね」

 

「彼奴ら……村沙達か?」

 

「そうよ。妖怪の癖に人間を助けようとするから……だからしたんだけど……」

 

「霊夢達が怯えないから興味が出たという事か……」

 

「そういう事……ということで、賭けをしましょう」

 

「?賭け?」

 

ぬえの言葉に朱鳥は訝しげな顔をすると、ぬえはまた笑顔を浮かべ、絶月を見る。

 

「そう。弾幕ごっこで貴方が勝ったらその種を取り除いてあげる。私が勝ったら、そうね〜……私の下僕になりなさい」

 

「……は?」

 

ぬえに相手として指名された絶月は、その賭けの内容に顔を顰める。

 

「私ね、人間に恨みがあるの。私を地底に封印した恨みがね。だから……多分、人間の貴方を下僕にして、その心に恐怖を植え込んであげる」

 

そんな絶月に対してぬえはそんな賭けを言った理由をちゃんと説明する。

 

「ということだから、弾幕ごっこ、始めましょう」

 

ぬえはそう言うと、容赦なく弾幕を撃つのだった。

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