東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第百九十三話

聖の復活したその姿を見ると、一輪と村紗が嬉し涙を流し、抱き着いた。

 

「聖!」

 

「姐さん!」

 

「お二人とも……それに、皆さんも……」

 

聖は最初、驚いた表情をしたが、しかし直ぐに嬉しそうな顔へと変わった。

 

それを見ていた葵もまた嬉しそうな表情をし、ルカも警戒度を下げてその様子を見ていた。

 

その空気を暫く見ていると、聖が葵達に気付いたようで、一輪達から離れると近づいてきた。

 

「貴方方が、星達の手伝いをしてくれた方ですか?」

 

「あ、はい……」

 

葵が恐縮そうに答えると、聖は綺麗な微笑みを浮かべた。

 

「有難うございます。星達の手伝いをしてくださって、そして、私を助けてくださって」

 

「そんな……お礼を言われるほどでも」

 

葵がそういうと、鬼灯は後ろで溜息を吐く。

 

「で、もう用事は終わったんだろ?帰るぞ」

 

ルカがそう言って来た道を戻ろうとして瞬間、霊夢の驚く声が聞こえた。

 

何事かと思い振り向いてみれば、そこには驚きの光景があった。

 

なんと、あの夢幸がどうしてか聖に頭を下げているのだ。

 

これにはルカも驚いた表情をする。

 

いや、ルカだけでなく、夢幸のことを知っている全員が驚いてる表情をしている。

 

それもそうだろう。

 

あの夢幸が頭を下げる姿など、想像出来なかったのだ。

 

その夢幸が頭を下げている。これほど貴重なことはそうそう起きないだろう。

 

「む、夢幸、さん……?」

 

葵も戸惑った様子を見せながらも名前を呼ぶが、反応はない。

 

そんな夢幸は、聖に一つの頼みごとをした。

 

「貴方に一つ頼みがあります」

 

「?何でしょうか?」

 

「俺と魔理沙と、戦ってくれませんか?」

 

それに対して、聖は少しだけ考える仕草をすると、頷くのだった。

 

***

 

夢幸と魔理沙、聖が戦闘態勢をとってる場所から離れた場所では、葵達が見守っていた。

 

「それにしても、彼奴のあんな対応初めて見たわ」

 

「同じくです……いつもの夢幸さんとは違いますね」

 

霊夢と葵の言葉にルカと歩が頷くと、朱鳥が言う。

 

「つまり、彼奴があの聖という尼の実力が分かったということだろ」

 

「実力ね~、そんなに強いわけ?彼奴」

 

その言葉に対して、一輪が嬉しそうに言う。

 

「勿論。姐さんは強いよ」

 

その言葉を聞いた葵達は、聖を見つめる。

 

それから少しすると、聖が夢幸と魔理沙に声をかけた。

 

「貴方方との戦い、とても楽しみです。お互いに頑張りましょう」

 

「おう!頑張ろうぜ!」

 

魔理沙の返事を聞いて嬉しそうな顔をすると、直ぐに真剣な顔をし、弾幕を生成する。

 

それを見て、魔理沙と夢幸も弾幕を生成すると、両者ともに打ち合いを始めた。

 

最初こそ互角かと思われたが、直ぐに聖が優勢となった。

 

「……夢幸さんと魔理沙が、押されてる?」

 

葵の呟くその声に、言葉を返す者はいない。

 

霊夢達は驚き、朱鳥と絶月は真剣にその勝負を見ており、一輪達は聖を応援していた。

 

最初に一枚目を宣言したのは夢幸だった。

 

「天符『スピニングシザール』」

 

夢幸は自分の持つサーフボードを回転させはじめ、竜巻を起こすとそれに乗る。

 

そこから聖に跳び蹴りをするが、聖は軽く避けてしまう。

 

そんな避けている処に魔理沙は自分のよく使うスペルを宣言する。

 

「恋符『マスタースパーク』!」

 

その砲撃は真っ直ぐ聖に向かう。

 

聖はその砲撃に対して驚いた様子を見せるとそのまま飲み込まれる。

 

……が、砲撃が消えた時、その場に聖はいなかった。

 

「!?彼奴、どこに……」

 

魔理沙が聖を探していると、スペルを宣言する声が聞こえてきた。

 

「光魔『スターメイルシュトロム』」

 

そのすぐ後に、魔理沙と夢幸の左右から曲がりながら進んでいるレーザーが魔法陣から現れた。

 

魔理沙も夢幸もそれを避けていると、何かが地面に着地する音が聞こえると同時に、自分達を狙う弾幕が増えた。

 

「これぐらい!」

 

しかし、魔理沙も夢幸もそれを避ける。

 

その姿を見ている聖の顔は、どうしてか嬉しそうな顔をしている。

 

そのスペルが終わると、魔理沙はスペルカードを持って叫ぶ。

 

「今のが避けられたなら、それより高威力の砲撃ならどうだ!魔砲『ファイナルマスタースパーク』!」

 

魔理沙はミニ八卦炉を構えて、そこからマスタースパークよりも更に威力が上がっている砲撃を撃つが、聖は今度は左に避けてから次のスペルを宣言する。

 

「大魔法『魔神復誦』」

 

すると、聖の近くに魔法陣が四つ現れ、パワーを貯めきると、それをレーザーとして撃つ。

 

それと同時に網目状のワインダー弾幕も放たれる。

 

魔理沙はそれに驚いた表情をするが、直ぐに楽しそうな顔で聖から上に放たれ、下に降り注ぐ中玉弾幕と、三方向に向かって放たれている赤い大玉弾幕を避け始めた。

 

しかし、この弾幕から逃れるために隙間を探すが、量が量なだけに見付けにくく、いくつか当たってしまっている。

 

そんな状態から暫くすると、先ほどのレーザーが再び放たれ、今度は左右に振られ始める。

 

そこからなんとか避けていると、今度は聖から直接、中玉弾も撃ち始めた。

 

魔理沙達は増えた弾幕も避けなければならなくなり、苦しそうな顔になる。

 

そこからまた時間が経つと、今度は全方位に小型弾幕を撃ちはじめる。

 

これを見ていた霊夢もさすがに魔理沙に同情の視線を向ける。

 

そんな中でも、魔理沙達はいくつか当たりながらも避け続け、ようやくスペルが終わる頃にはすでに疲れ切っていた。

 

そんな二人に聖は油断せずに見据えてると、夢幸が近付いてきた。

 

聖はいつでも避けることが出来るように、自身の魔法で身体強化を施す。

 

対して夢幸はというと、聖の前で跪いた。

 

『……え』

 

そんな夢幸を見て、いつもの様子を知っている者達は驚いた。

 

あの夢幸が、誰かに跪く日が来るとは、誰が予想できただろうか?

 

その夢幸はと言うと、その状態で聖に話しかけた。

 

「貴方の魔法の実力、魅力共に見事。敬服致しました。自分の負けです」

 

その言葉を聞いたことでようやく魔理沙の意識が現実に戻り、夢幸に問い詰めはじめた。

 

「おい!夢幸!まだ弾幕ごっこは終わってない!まだ私達は負けてないだろ!」

 

その言葉に冷静に言葉を返す夢幸。

 

「俺達は魔術師、そして魔法使いだ。幾ら勝負で勝てようと、真っ向からの魔法で勝てなければ意義はないだろう」

 

その言葉に納得してしまった魔理沙は、渋々といった感じでミニ八卦炉を構えるのを止めた。

 

この聖と夢幸、魔理沙との勝負は、夢幸が降参したことにより聖の勝ちとなったのだった。




今回、投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

今後は早く投稿したいとは思いますが、リアル事情で少し難しいので、出来る日に投稿していきます

それでは!さようなら~!
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