東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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今回が星蓮船最終話!

……いつまで続くのかな?この小説。話数が多いよ……

それでは!どうぞ!


第百九十四話

結局、いつも通りに博麗神社で宴会をする事になり、葵達はその準備をしていた。

 

「それにしても……今回は異変らしい異変は無かったですね」

 

「そう?船が浮かんでるって時点ですでに異変だけどね」

 

「それもそうですね……」

 

鬼灯とルカから離れた所で葵と霊夢がそんな話をしている所に、歩が近付いてきた。

 

「なあ?後は何を運べばいいんだ?」

 

「あ、歩さん。お疲れ様です」

 

「いや、疲れてないけどな、俺」

 

葵の言葉に歩は苦笑いしながら返す。

 

そして、葵と霊夢は周りを見てから、歩に返した。

 

「今の所は無さそうですね……あとは多分、料理ぐらいでしょうか?」

 

「というか、なんで歩が働いて居候の奴らが働かないのよ」

 

「せ、雪華さんは向こうの友人達をつれて来るそうですから無理なのでは……」

 

「……はぁ」

 

霊夢がそれを考えて溜息を吐くと、お札を一枚出した。

 

「で?さっきからそこに隠れてる奴、さっさと出て来なさい。じゃないとお札を投げるわよ」

 

霊夢はそう言って、後ろにある木々を睨み付けながら言うと、音を立てながらその木々から出て来た人物がいた。

 

「?えっと、どちら様でしょうか?」

 

「……」

 

葵の質問に、相手は俯いてだんまりを決め込んでいる。

 

しかし、少しすると、口を開いて答えた。

 

「……ぬえ」

 

「ぬえさんですか。それで、何のご用件で此処に?……あ!宴会に参加する方ですか?」

 

葵が少し嬉しそうな顔で言うが、しかしぬえは動かなかった。

 

それに少し首を傾げる葵だが、ぬえは途端に頭を下げた。

 

葵はその行動に驚き、霊夢は冷静にぬえを見据えていると、ぬえは喋り始めた。

 

「……今回、飛倉探しを邪魔して……ごめんなさい」

 

「……え、邪魔……されてましたか?」

 

葵は首を傾げると、ぬえは頷く。

 

「……ええ、邪魔してたわ。私、貴方達が探してた飛倉を正体不明にして、邪魔してたのよ」

 

「……じゃあ、あのUFOに見えてたのは……」

 

「そういう事でしょうね。で、それをあんたは謝りに来たと」

 

「ええ、そうよ」

 

霊夢はそれを聞いて溜息を吐くと、ぬえに指を指す。

 

「なら、行動で示してよ」

 

「……え」

 

「あんた、私達は今、宴会の準備をしてるのよ。だから、手伝いなさい。なら、許してあげる」

 

「……わ、分かったわ」

 

ぬえは霊夢の言葉に一瞬戸惑ったが、最終的にそれを承諾した。

 

「あ、歩さん。お料理は……」

 

「今回も俺が担当するよ。あ、ぬえも手伝いで来て」

 

「わ、分かったわ」

 

ぬえはそのまま歩に付いて行き、残された葵と霊夢はそのまま準備の続きをしていたのだった。

 

***

 

その日の夜、予定通りに皆んな集まっての宴会が始まった。

 

「アルく〜ん!」

 

「……久しぶり」

 

「!……織姫と彦星……と、雪華」

 

「何?私は嫌いと?酷いな〜……しくしく」

 

「嘘泣きするな」

 

アルカが雪華の頭を叩くと、織姫が嬉しそうに笑顔を浮かべ、彦星は雪華に対して笑っていた。

 

それを見た雪華がその彦星を弄り始め、織姫はアルカ達と一緒に飲み始めた。

 

そこから離れた場所では、フィールがアリス達と一緒にいた。

 

「……此奴が、あっちのお前の妹か」

 

「実際には、近所の親しい友達みたいなものみたいよ。背的にも年的にも私の方が上だから、姉妹みたいな感覚らしいけどね」

 

「……フィール・マリオネットです。よろしく」

 

「よろしくな!私は霧雨魔理沙だ!」

 

「時雨夢幸だ」

 

「よろしく、霧雨魔理沙、時雨夢幸」

 

フィールはそういうと、人形の様にお辞儀をした。

 

見た目が既に人形の様なので、間違えば自律人形である。

 

それを見ながら朱鳥は一度周りを見ると、一人でその場から離れたのだった。

 

***

 

絶月は一人、宴会から離れた所場所でお酒を飲んでいた。

 

彼は騒がしい所を苦手としているため、この行動はおかしくないのだ。

 

そんな彼に近付く足音。

 

朱鳥は絶月を見つけると、その隣に立った。

 

「……隣、良いか?絶月」

 

「……ああ」

 

絶月の了承を貰った朱鳥はその絶月の隣に座ると、一緒に飲み始めた。

 

「……良いのかよ。あっちにいなくて」

 

「ああ、構わないさ。今はお前と一緒にいたいのさ」

 

「……そうかよ」

 

そうして暫く静かに一緒に飲む二人だったが、そこで朱鳥が口を開いた。

 

「……お前に、言いたい事がある」

 

「……」

 

「お前はぬえと戦ったあの時、私を守ると言ってくれたな。あの言葉、正直嬉しかった。だがな、私としてもお前には傷ついて欲しくない。

 

だから、お前が私を守るというなら、私もお前を守ろう。お前に傷を付けさせる訳にはいかない」

 

「……」

 

朱鳥はそれだけを言うと立ち上がろうとする。

 

しかし、その腕を絶月は掴んだ。

 

「?絶月?」

 

「……なあ?それは……俺への告白か?」

 

「……は?」

 

朱鳥は一瞬理解に遅れたが、理解すると顔を赤く染め、顔を背けた。

 

「……おい、答えろ。朱鳥。今さっきの言葉、俺への告白か?」

 

「……なら逆に聞くが、お前があの時私に言ったあの言葉は私への告白か?」

 

朱鳥はそう聞くと、絶月は少し考えた素振りを見せると、

 

「……ああ、そうだ」

 

そう答えた。

 

朱鳥はそれを聞いて更に顔を赤くすると、絶月の問いに答えた。

 

「……ああ、もう。告白と捉えてくれて構わない。それで?返事をもらいたいんだが……」

 

「返事ならお前の前に言ってんだろ」

 

絶月はそう言うと、一度朱鳥を引き寄せ、自分の腕の中でその唇を奪った。

 

「!?」

 

「……俺もお前が好きだ。愛してる」

 

「……絶月」

 

二人はその後、そのままキスを続けたのだった。

 

***

 

宴会から離れた別の所では、早苗と想起が一緒にいた。

 

この二人は別段騒がしい所は苦手ではないのだが、早苗から誘われて宴会から離れた所にいるのだ。

 

「……早苗?僕に何の用があるの?」

 

想起は自分の胸が物凄くドキドキしているのを必死に隠そうと冷静を保ってるフリをする。

 

対して早苗は二、三度深呼吸をすると、想起の方に顔を向けた。

 

その顔は赤くなっており、想起はそれを見てますますドキドキしてしまっている。

 

沈黙がその場を支配するが、少しすると、早苗と想起が同時に口を開いた。

 

「「あ、あの!」」

 

二人同時に言葉が被ってしまい、一瞬戸惑うと、二人して相手を優先して言わせようとする。

 

「「あ、先にどうぞ……」」

 

そんな被りに一度、体が止まると、二人して吹き出した。

 

「ど、どうして、こんなに被るの……」

 

「わ、分かりません……」

 

二人とも少しの間笑い続けると、早苗は目に浮かんだ涙を拭いながら提案する。

 

「あの、でしたらもう、一緒に言いましょうか」

 

「え、でも……」

 

「何となく、私と想起さんが言いたい事が一緒な気がするんです。だから……」

 

「……早苗」

 

想起は早苗を少しの間見つめると、頷く。

 

そうして、同時に合図をして、言葉にする。

 

「「貴方(君)の事が、好きでした!付き合って下さい!」」

 

二人はその言葉言ってから頭を下げる。

 

それから頭を上げると、お互いの顔は既に真っ赤になっている。

 

しかし、少しの間見つめ合うと、また吹き出して笑い始めた。

 

「あはは!なんだ、両想いだったんだ」

 

「ふふっ、ですね。良かった〜。これでも物凄く心配してたんですよ?私」

 

「僕もだよ。『これで振られたらどうしよう?』って思ってたし……」

 

「もう、本当に想起さんは鈍感ですね」

 

「え?」

 

想起は早苗の言葉に驚いたような顔をして早苗を見ると、早苗は笑顔を浮かべて想起に言う。

 

「私は、想起さんが気付くよりももっと前から、貴方の事が好きだったんですよ?」

 

「あ……ごめん、早苗」

 

想起は申し訳なさそうに顔を伏せるが、そんな想起に対して早苗は一番綺麗な笑顔を浮かべる。

 

「気にしないでください。だって、今はもう、お互い気持ちを知り合えました。それだけでも嬉しいんですから!」

 

「……うん!」

 

想起もまた嬉しそうな笑顔を浮かべると、早苗の手を取って宴会の場所に戻り始めた。

 

「葵の歌は聞かなきゃ損だからね!」

 

「ですね!早く戻りましょう!」

 

そんな風に笑顔で笑い合いながら。

 

***

 

雪華は彦星弄りを一旦やめると、宴会から遠く離れた、宴会の光さえ届かないような場所に歩く。

 

そして、ある木の下で止まると、上に向かって叫んだ。

 

「おーーい!あんたはまたそんな所にいるつもりかーーー!」

 

その叫びは確実に伝わったはずなのだが、相手からの返事はない。

 

雪華はやっぱりかとでも言いたそうな顔をすると、その木を登った。

 

そして、暗闇にまるで紛れ込むようにして枝に座ってる者がいた。

 

その者は全体的に黒い。

 

顔を覆ってる布は白なのだが、着物も、髪も、瞳も、その背から生えてる羽さえも黒。

 

その座ってる者は雪華に気付くと、俯いた。

 

「……私に触るのは、不味いから……間違っても触ったら……だから」

 

「そんな心配しなくてもいいと思うけどね、私は……」

 

「……雪華は良いよ。触らないように出来るから。……でも、他は?他はきっと……」

 

「それも多分大丈夫じゃないかな?この世界にはそれを治せる奴もいれば、そもそも効かない奴がいる。だから、そんなに心配なら、そいつらと話せば良い。仲良くなれば良い。それなら、あんたの心配もなくなるでしょ?」

 

「……」

 

その女性はまた顔を俯かせる。

 

それに対して溜息を吐く雪華。

 

「それに、それを防ぐ為にあんたはそんな素肌を出さないような格好をしてるんでしょ?」

 

「……羽は出てる」

 

「あ、そっか……さて、どうするかね〜」

 

雪華は空を見上げるような格好で考え込むと、顔を戻した。

 

「……いるじゃん。そんな問題を解決してくれる奴」

 

「……?」

 

「ちょっと待ってて!」

 

雪華はそう言ってから木から降り、暫くしてからある人物を連れてきた。

 

「お待たせ!『鴆蘭』!」

 

「おい、俺に何をさせるつもりだ?雪華」

 

雪華に強引に連れてこられた狼は雪華に文句を言うと、雪華は真面目な顔で狼に頼みごとをした。

 

「お願いがある。この子の『能力』を封じて!」

 

「……別に良いが、良いのか?お前は」

 

「……雪華」

 

「此奴の能力は『能力を封じる程度の能力』。だから、お前の能力を封じて問題を解決させる!そうすれば、人に普通に触れるし、近づけるでしょ?」

 

雪華は少しだけドヤ顔をしてそう言うと、鴆蘭は少しだけ惚け、次の瞬間にはプッと笑い始めた。

 

「……有難う、雪華。狼さんでしたっけ?……お願い、封印して」

 

「……分かった」

 

狼は言われた通り鴆蘭の能力を封じると、鴆蘭は嬉しそうに狼と宴会に向かっていった。

 

「……まあ、私達の世界は此処とは違って能力と命は繋がってないし、あれぐらいじゃ問題ない。ということであんたのとこの執事に手伝ってもらったけど、別に構わないよね?」

 

雪華はそう言って後ろを見ると、其処にはいつの間にやらレティシアがいた。

 

「クスクス、やっぱり、貴女は普通の雪女じゃないわね」

 

「私自身自覚してるよ〜、それぐらい。で?良かった?」

 

「クスクス、別に構わないわよ?それで、貴女は宴会場に行かないのかしら?もう直ぐ葵の歌が始まるけれど?」

 

「おっと、それはまずい!じゃあ、おっさきに〜!」

 

雪華はそう言って木を降りて去っていく。

 

レティシアはそれを見てから、また笑い出す。

 

「クスクス、本当に面白い子ね。アレでどうして『弾幕ごっこ』が弱いのかしらね?」

 

レティシアはそう言うと、木の枝に座った。

 

「クスクス、さて、もう直ぐ『アレ』が目覚める頃だし……どうなるかしらね?」

 

レティシアはそう呟くと、持ってきていたワインを飲むのだった。




今回、新しいキャラクターは此方の方!


煌 鴆蘭

容姿:黄昏乙女×アムネジアの『庚 夕子』


能力の事情で人との接触を止めてた妖怪です!

勿論、能力がどんなのかは考えて下さいね!

それでは!さようなら〜!


今回の曲……『雪琥珀-snow amber-』
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