そして、この章では『儚き命の理解者』の主人公だあり、私が尊敬するEXさんの作品とクロスしております!
今回のお話はその小説の方でクロスしていただいた時の間の話となっておりますので、気になる方はそちらの小説もお読みください!とても面白いですから!
それでは!どうぞ!
第二百一話
時間が経ち、日が何日も過ぎた幻想郷には、また春が来た。
彼方此方で鼻が咲き誇り、とても綺麗な世界となっていた。
ーー!その世界に、『神霊』が漂っていなければだが。
「……最近、多いな」
今現在、神無月神社に泊まり込んでいる異世界の幻想郷の住人であり、想起と早苗と同じ外の世界出身の一人、一夢命は空を見ながら縁側でお茶を飲んでいると、其処を通りかかったルカ。
「……お前、こんな所にいたのか」
「ああ……どこに行くんだ?」
「……お前には関係ない」
ルカはそれだけ言うとさっさと去っていく。
ミコトはルカに未だに警戒されている事に嘆息すると、鬼灯がやって来た。
「彼奴は未だにお前を警戒しているのか……」
「ああ……仕方ない事だが」
「……自分が嫌われる存在だから、とか思っていないだろうな?」
「大丈夫だ。それは思っていない」
「なら良い」
鬼灯はそう言うと、縁側にある桜に目を向けた。
その桜は永久的に咲き続ける桜だが、やはり花は散っている。
それを嫌そうな顔で見ているミコトに鬼灯は顔を向けないままに聞く。
「桜は嫌いか?」
「ああ」
「どうしてか聞いても良いか?」
「……鬼灯、豊穣神としてのお前に一つ聞きたい」
「……なんだ?」
ミコトからそう言われ、鬼灯の雰囲気は『神聖』なものへと早変わりする。
それをミコトも感じながらも質問を投げかける。
「花に取っての『死』はなんだと思う?」
「花に取っての『死』は枯れる事だ」
「……まあ、そうだな」
ミコトはそれが当然という風にとるが、今度は自分の考えを言う。
「俺の考えは、『散る』時が『死』だと思ってるんだ」
「……なるほど。貴様らしいな」
鬼灯はそれだけでミコトの考えを理解する。
ミコトが『死』ぬ方が『綺麗』なのが許せない考えなど、すべてお見通しであった。
「……人の考えは様々だ。それは神とて同じ。皆が皆、同意する考えなどありはしない。だからこそ、その考えもアリだと我は思うぞ」
「……そうか」
ミコトは鬼灯の言葉にそれだけを返すと、鬼灯を見やる。
その目は真摯にミコトを見ており、真面目に答えたのがうかがえた。
……『命』を理解出来るミコトにとっては二度目の確認では無く、顔を見るための行為だが。
「それにしても、口調が変わったな」
「『豊穣神』としてと言っただろ。普段の『私』ではなく」
「両方、鬼灯だ」
「そうだな」
鬼灯はそれだけ言うとミコトを見やる。
そのミコトは鬼灯から見たら、どこか眠そうに見えた。
「なんだ?眠いのか?」
「この陽気だからな……」
「なるほど……あっちの霊夢に殺られそうだが……まあ良い。その時はその時だ」
鬼灯はそう言うと、ミコトの後ろに回り、座った。
それに首をかしげるミコトに対して鬼灯は言う。
「今回だけだ。私の尻尾を貸してやるからそれで眠れば良い。お礼は勿論、稲荷寿司だ」
「数は?」
「三十個お願いしよう」
「……ありがとう」
「どういたしましてだ」
ミコトはお礼を言うと、鬼灯の尻尾に顔を埋めた。
その尻尾はどこか暖かく、ミコトは眠りについた。
鬼灯はそのミコトを、母親のように優しい目で見ていたのだった。
***
葵は博麗神社へと来ると、早速、霊夢と話し合っていた。
その場には他にも魔理沙、夢幸、想起、早苗がいる。
「霊夢、これはどう考えても異変です!直ぐに解決に行きましょう!」
「そうだぜ!霊夢!早く行こうぜ!」
魔理沙と葵が霊夢にそう言うと、霊夢は頷いた。
「そうね……明らかにこの『神霊』の数はおかしいわね……面倒だけど仕方ない。異変解決に乗り出しましょう」
霊夢の言葉に葵達は立ち上がる。
その話し合いをしていた部屋の扉を勢いよく開く音が聞こえた。
直ぐに入口の方に目を向けると、其処には笑顔の歩がいた。
「!歩!」
「よう!霊夢!約束通り、無事に帰って来たぞ!」
歩は元気よく笑顔で、そう部屋に響かせるように言い、帰って来た歩に思わず霊夢は抱き着いた。
その数分後、霊夢からの説明を受け、異変解決組に入った。
その異変解決はどうしてか夜出発となり、昼間の間は十全な準備をする事になったのだった。