最近は、コナンの方に集中していましたが、此方もそろそろしないと終わらないと思い、取り敢えず、練習がわりに考えていた話を書いてみました!
ちなみに、今回の話がこの日常回、最後の話です。そして、今後、あまり出すつもりがないオリキャラまで出てきます。何してんでしょうね?私。
それでは!どうぞ!
全てが白銀に染まった世界となった12月。そこに、幻想郷では珍しい、茶色のダッフルコートと白いマフラー、青いジーンズを着た男性が、神無月神社の階段を上がっている。この男、服から考えても分かる通り、元は外の世界に住んでいたのだが、先程、この幻想郷に迷い込んでしまった。その為、ここがどんな所なのかさえ、把握していない。
階段を上りきった先、神社を見つけ、彼は数少ない財布の中の小銭を一枚入れ、元の世界に帰りたいと願った。しかし、そんな事で帰れるわけもなく、また、鬼灯は豊穣神であるため、豊穣祈願ならば兎も角、帰還の願いは彼女には届かない。どころか、この願った男は、神なんてものを信じていない。願ったところで、叶えられた事など一度もないからだ。
最後に溜息を吐いて踵を返したその時、視界の端で何かが動いた。
それが何かと確認するために右側を見れば、白い兎がいた。その兎は鼻をヒクヒクとさせると、そのまま右側側へと跳ねていった。男はそんな兎がなんとなく気になり、その後をついて行く。そして、右の角を曲がったその先には、ピンクの花弁がひらり、ひらりと舞い落ち、そんな中で、白い兎達に餌を与えている、優しい笑みを浮かべた黒がよく似合う美しい金髪を持つ美しい少女がいた。
黒いコートに黒の中折れ帽子、黒いロングスカート。全て黒一色であるのに、それが自然と似合っている。彼からしたら、『黒』という色は、彼女のためにあるのではないかと錯覚する程にーーーそんな彼女に、見惚れていた。
此方を見てほしい。兎ではなく、自分に気づいて欲しい。
その願いは、彼が一歩、積もった雪を踏みしめた事で、叶うこととなった。音に気付き、兎は草叢に逃げ隠れ、少女は男へと警戒心を持った目を向け、ゆっくりと、立ち上がる。
「……誰だ?お前は」
その少女の声さえ、男には心地がいい音色で、男はそんな彼女に、既に一目惚れしていた。周りの美しい銀色世界さえ、その少女には見劣りする。
だからこそ、彼は、警戒していることに気付き、その場で彼女へと跪き、驚いた表情をした彼女へと、男、『犬山 総司』は言ったーーー。
「ーーー俺と、付き合ってください!!」
「ーーーおい、なんども断っているのに、なんで何度も来るんだこいつは」
現在、此処は博麗神社の敷地内にて、ルカがうんざり顔で、数日前に出会った男から告白を受けていた。この男、どうやら初対面のあの日からルカへの恋心は薄れておらず、なんども跪き、告白し、そしてルカから振られる毎日を続けており、それを見ていた霊夢は大爆笑、魔理沙はニヤニヤ顔、葵はオロオロ、早苗は乙女な顔でキャーキャー叫んでいる。現在、男はこの告白している人物一人である。
「大体、なんで私が此処にいると知っているんだ」
「神無月神社の想起さんから教えていただきました!!」
「想起、今回ばかりは恨むぞ……」
ルカは額を抑えて溜息を吐く。
「大体、なんで私なんだ?葵……は霖之助がいるから兎も角、鬼灯だっているだろ……」
「鬼灯さんよりも貴方の方が美しい!!全ての美が詰まっているのは貴方です!!それに、神様というのもあって、畏れ多いというか、威厳ありすぎて近寄れません!!」
「あれ、こいつの話だと、ちょっと前まで神を信じてなかったんじゃなかった?」
「それが、私が此処の説明をして、妖怪の存在さえ否定しかけていましたから、隠れていてもらっていた鬼灯に姿を現してもらって、狐の状態から人になってもらったら、信じてくれました」
「凄い簡単に信じたわね」
葵と霊夢の会話の間にも、ルカと総司の会話は続いている。それも、総司からの一方的な愛の告白を、ルカが全て一蹴している。
「はぁ……もう、誰か助けてくれ……私は疲れた」
「いやよ、面白いんだから続けなさいよ」
「そうだぜ!それに、一回付き合うのも良いかもだぜ?もしかしたら、ルカがこいつの魅力に気付く可能性だって……」
「ない」
「一刀両断ですか!?」
「それでも、僕は、諦めません!!」
総司は拳をグッと作り、ルカに向けて宣言すれば、ルカは嫌そうな顔をする。
「なんなんだこいつ……想起と早苗以外は皆、こんな感じなのか?」
「別の幻想郷だと、ミコトさんとか、あとは如月さんとか、色んな人がいますから……」
「竜希みたいな道化師みたいな?」
「竜希みたいなロリコンショタコン変態紳士みたいなか?」
「悪意ある言い方やめませんか?あと、『ろりこん』と『しょたこん』ってなんですか?」
「……おい、霊夢、魔理沙。そこになおれ」
「そうですよ!お二人共、純粋な葵さんに何を言ってるんですか!?」
葵が首を傾げて二人の言葉の意味を聞けば、二人はマズイといった顔をし、ルカは般若の顔で、早苗は怒り顔で二人を叱りつける。そんなルカと早苗を見て、霊夢と魔理沙は互いに顔を見合わせると、飛んで逃げていった。
「あっ!?逃げました!!」
「待てお前達ーーーーー!!!!!」
その後をそんな叫びを上げながら飛んでいくルカと早苗。葵は首を傾げつつ、共に取り残された総司を見る。
「すみません、総司さん。結局、こんな事になってしまって……」
「いやいや、俺は別に良いよ。いつだって、俺はあの人に告白出来るし。……それにしても、妖怪って本当にいたんだな〜……」
「……」
総司が感慨深げにルカ達が消えていった方を見る。それに、葵は顔を俯かせる。彼女は、ルカと、総司の過去を見たからこそ、理解してしまった。この二人が、結ばれることはない事を。
(昨日、ルカからは総司さんをどう思っているかは聞いた。総司さんも、嘘を言ってない。言ってたら、ルカが反応するし……。ルカは、無意識に分かってるんだ……総司さんの血筋が)
ルカは葵に言っていた。総司のことを、気に入らないと。近付かれるだけで、声を聞くだけで、嫌悪感しか抱かない。殺意が湧く、と。そしてーーー時折、無意識に、氷のナイフを、小さいながらに作ってしまっている、と。
「俺、生まれは田舎だったけど、大人達は皆、子供に言って聞かせるんだぜ?『吸血鬼は実在する。見つけたら殺せ。特に、氷を操る吸血鬼は祖先の仇』って。ずーっとそんな大人達を馬鹿にしてきたけど、妖怪がいるなら本当にそんな吸血鬼、いるのかもな」
「……もし、本当にいたとしたら」
そこで、葵は問う。彼は知らない。ルカが、彼の祖先の仇である事を。ルカが、氷を操れる事を。だからこそ、もし、それを知ったら、彼はどうするのか。それを葵は知りたかった。
ーーー彼女は願う。
「ん〜、本当にいたら……」
ーーールカが昔に願い、そして諦めた事を。
「やっぱり、会ってみたいな〜。そして、話してみたい。どうして、俺達の先祖を襲ったのか。こっちとしては敵だって認識みたいだけど、もしかしたら、こっちが何かして、それで襲うしかなかっただけかもしれないしさ」
ーーー彼が、言ってくれることを。
はい、此処まで。
練習のつもりで書いたものですから、すみませんが短いです。もうちょっと長く書けれるよう、頑張ります。
ちなみに、この総司さん。皆さん、お忘れでなければ、この人の待つ未来は二択であると理解していただけるのではないかと思います。
ルカさんと結ばれず、そのまま幻想郷で平和に過ごしていく未来。
ルカさんに自身の出身の話をし、殺される未来。
彼に待つ未来は、実際、この二択しかありません。ルカさんは今の所、誰ともくっつくつもりもなければ、愛だ恋だをしてる心の余裕はあまりありません。出来ないわけではないですが、興味がありません。そもそも、人を信じれない人間不信なため、相当長い時間を掛けて何百枚とある心の壁と、心を包むダイヤモンド並みの氷壁を壊すか、もしくは葵さんやミコトさんの様な誰にでも優しい人でなければ無理でしょう。その点、今回出てきた総司さんは当てはまりません。優しそうに見えるでしょうが、案外、彼はドライですので、自身と関係しない事案になると、どうでもよくなるタイプの人間です。ですので、ルカさんの心をほぐす事も、壊す事も、彼には人間の人生全て捧げても無理です。彼自体はそれでも諦めるつもりはないでしょうが、望みはないと作者である私が断言します。
それでは!さようなら〜!