東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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あけまして、おめでとうございます!

遂に申年となりましたね!

みなさん、今年一年も宜しくお願いします!

……取り敢えず、今年の目標としては、この一年の間にこの作品を完結させる事ですね!頑張ります!目指せ!スランプ脱出!

あ、今回は葵さん達、神無月家は出てきません。理由はお話の中で。

それでは!どうぞ!


特別編〜元旦〜

大晦日の日、鐘の音を108回聴き終えた日の朝。

 

遂に新たな年が始まるのである。

 

「クスクス、さてさて、今年の博麗神社はまあまあ人が来ているのね♪」

 

空を飛んで鳥居を潜ってやって来たレティシアは、新年の挨拶と初詣をしに、紅魔館一同を連れてやって来た。

 

そんなレティシア達は何時もの洋風の服とは違い、振袖である。

 

「本当ですね、お姉様。人間達がまあまあいますね。ですが、これも進歩です」

 

そう言って日傘を差して直射日光に当たらないようにしているレミリアは、梅と鶴の柄が描かれた紅い振袖を着ている。

 

「すごいすご〜い!お兄様!人間って、こんなにいるのね!凄いわ!」

 

「そうだな。だが、本当はもっとこれ以上にいるんだぞ、フラン」

 

レミリアの近くでは、アルカとフランが仲良く話していた。アルカはいつも通りの服だが、フランは白百合が描かれた紅い振袖を着ている。

 

「クスクス、さて、初詣なのだから、早く行きましょうか」

 

そう言ってレミリア達に手を差し出したレティシアは芍薬柄の漆黒の振袖を着て、長いその金髪の髪を上で纏めており、その所為か、うなじが見えている。

 

もしレティシアのうなじに見とれている者がいれば、レティシアの年齢がその見た目相応だった場合、確実にロリコン認定されていただろう。

 

「……あの、お姉様?この手は何でしょうか?」

 

レミリアが純粋な疑問をぶつけると、レティシアはそれにニコッと笑って答える。

 

「クスクス、迷子防止♪この人数だもの。私達は身長的に小さいから、迷子にならないとも限らないじゃない?」

 

「お姉様!わ、私もお兄様ももう子供じゃありません!」

 

「そうです姉上!俺達は子供じゃ……!」

 

「クスクス、私からしたらいつまで経っても可愛い愛子だけれどね〜♪」

 

「う〜!」

 

レティシアの言葉に少し照れ、そして恥ずかしくなったレミリアは、振袖を着たままその場に蹲ってしまう。

 

「私、お姉様と手を繋ぎたい!」

 

「クスクス、良いわよ、フラン。手を繋いで一緒に行きましょうか♪」

 

「うん!」

 

そして、アルカとレミリアを余所に、フランとレティシアはお互いに手を繋ぎ、嬉しそうに笑いあっていた。

 

「あ〜らら、レミリア様もアルカ様も素直じゃないな〜」

 

「それなら、ユニ、私とも手を繋ぐかしら?」

 

「迷子になっても見つけれる自信あるけど、姉さんと手を繋ぐのも嬉しいから繋いでいいなら繋ぐよ!」

 

「……すごく純粋に喜ばれて私も嬉しい限りだけど、ごめんなさい。罪悪感も凄いわ」

 

レティシア達の後ろでは、ユニとペスがレティシア達を見ながら話をしていた。ちなみに、ユニは百合の周りに金粉で縁取りされた、白い振袖。ペスは菖蒲柄の白い振袖を着ている。

 

因みに、その後ろにいたシファとギルはいつも通りの執事服である。

 

「……別に振袖を着るのは構わないのだが、如何にも慣れないな……」

 

「そうか?随分と似合ってるが?朱鳥は。流石は一番近くで見ている絶月が柄を決めただけあるな」

 

「……チッ」

 

「あはは。くおんちゃんのは僕が決めたけど、嫌だったのかい?」

 

「え、い、いや!そんな、嫌だったわけじゃ……な、いさ」

 

「そっか!なら嬉しいよ!」

 

(振り回されてるな……)

 

そんなユニ達の後ろでは、絶月達が話をしていた。

 

因みに、絶月と紅葉はやはり執事服だが、朱鳥は鳳凰柄の朱い振袖。くおんは藤柄の薄黄色の振袖を着ている。

 

「それにしても、新年早々から咲夜達は残念ですね……仕事で立て込むとは」

 

「本来は私達もしないといけない事だったのに、すごく申し訳ない……」

 

「クスクス、貴方達が付いてきてくれたのは、私の我儘に付き合ってくれたから、でしょう?それに、咲夜達は、明日二人でデートついでの初詣に来るそうだからね。明日は私も今回のお返しとして手伝うわ」

 

レティシアの言葉に従者一同がダメというように首を横に振ると、次の話題に移る。

 

「あと、マリアも残念だよね〜。熱出しちゃったし」

 

「しょうがないでしょ。蛇は冬の間は冬眠してるけど、冬眠は逆に体に負担が掛かって、寿命が短くなる。それを本人も分かっているから、冬の間、部屋を暖かくして過ごしやすくしているんだから」

 

「それでも、体が弱い点は如何しようもないからな……」

 

アルカの言葉に一同がもう一度頷き、話を終えると参拝の列に並んだ。

 

と、其処で近づく者が一人。

 

「よっ!おチビ!」

 

「チビじゃないと何度言えば分かるんだ雪華!」

 

現在、博麗神社に居候している雪華である。

 

「せっちゃん、いきなり移動して如何したの……あ、アルくん!久しぶりだね!」

 

「ああ、織姫か……本当に、此奴の親友であるお前が真面で良かった……」

 

「ごめんね?せっちゃんがまた意地悪したみたいで……」

 

「意地悪じゃない!これは弄りだ!」

 

「俺を弄って遊ぶな!……で、今日はいつもの着物じゃなくて、振袖なんだな」

 

「あったりまえ!今日は元旦だよ?着物でもいいけど、やっぱり振袖でしょ!」

 

そう言って雪華が見せびらかしているのは、自身が着ている露草の色をした蝶々柄の白い振袖である。

 

「それはやっぱり織姫が作ったのか?」

 

「まあね?これを作ってくれたから、お金渡して買ったの」

 

「私は贈り物として渡したつもりだったのに……」

 

「そんな織姫は撫子柄の淡いピンクの振袖か……似合っているな。お前らしい」

 

「ふふ、ありがとう、アルくん。でも、それ以上に似合っている子がアルくんの隣にいるから、その子も褒めてあげてね?」

 

「大丈夫だ。来る前にすでにベタ褒めだ」

 

「お、お兄様!!」

 

アルカの言葉にレミリアは顔を紅くして声を上げるが、アルカと織姫からは生暖かい目を向けられるだけだった。

 

それでカリスマブレイクしたレミリアは少し『うー』と唸っていたが、ふと気付いたように周りを見た。

 

「そういえば、霊夢と葵は何処にいるのかしら?」

 

「ああ、霊夢は御守り販売。珍しく巫女の仕事の一つをしてるね。あの青い方はここ以上に参拝客来てるんだろうから、向こうで巫女の仕事をしてんじゃない?」

 

「ああ、成る程ね……」

 

「というか、お前はいい加減にあの青い方の名前を言ったら如何だ?」

 

「それ人の事言えないじゃん、あんた」

 

雪華はまるで如何でもいいと言うように欠伸を一つすると、アルカ達にあるものを見せ始めた。

 

「アルカ達は参拝したら帰んの?」

 

「いや、このあと、人里にでも行って甘味でも食べようかと考えている所だ」

 

「クスクス、ちなみに提案元は私ね♪」

 

「ふ〜ん。ならさ、余興の一つとしておみくじ引いてみたら?」

 

「おみくじ?今年の運勢がうんたらかんたらって書いてあるあの紙?」

 

「そうそう。因みに私は中吉」

 

「私は大吉だけど、商売繁盛が上手くいかなそうなこと書いてあって、本当に大吉と捉えていいのか分からない……」

 

「ああ、あるよね〜、そういうおみくじ」

 

其処でさも分かるように頷くユニを呆れたように横から見るペス。

 

「まあ、余興としてさ、やってみたら?案外良いこと書いてあるかもよ?……アルカの場合は特に恋愛の部分とかさ♪」

 

「……」

 

雪華はそう言ってアルカの方に顔を向け、ウインク一つすると、アルカは考えるように顎に手を当てる。

 

「……ちょっと待って。ねえ?雪女。その発言、まるでお兄様に好きな人がいるみたいに聞こえ……」

 

「さってと!織姫!私達は先に甘味を食べに行こっか!もち割り勘で!」

 

「うん!良いよ!行こっか!」

 

雪華の発言とアルカの反応から、レミリアは予測を口にしていると、それを阻まれ、雪華と織姫は人里の方へと飛んで行ってしまった。

 

「……さて、行くか」

 

「クスクス、そうね♪子孫繁栄でも願おうかしら♪あ、でも先に恋愛成就ね♪」

 

「……姉上、俺をからかわないでくれ……」

 

「クスクス、ごめんなさいね♪さ、順番だから参拝するわよ♪」

 

「待ってください!さっきのは如何いうことかの説明を……!」

 

レティシアの言葉を受け、全員が歩き出すのを見たレミリアは、渋々ついて行き、参拝を終え、おみくじを引いた。

 

「クスクス、皆んなどうかしら?私は大吉よ♪」

 

「あ!お姉様!私も大吉!」

 

「私は末吉〜……末吉って良いの?悪いの?どっち?」

 

「私は中吉ね……ギルとシファは?」

 

「俺も末吉だな。シファは……シファ?」

 

ギルが其処でシファの方に顔を向けると、さめざめと泣いているシファの姿が。

 

「え、何で泣いてるのシファ!?」

 

「ど、どうしたシファ!?何があった!?」

 

「うぅ……僕、凶です……」

 

それで理解した三人は、シファを慰め始める。

 

「……お前は良いのか?朱鳥」

 

「私は別に良いさ。運勢が良かろうが悪かろうが、結局は私自身の行動の問題だ」

 

「……そうか」

 

「くおんちゃんもしなくていいの?」

 

「私も別に。あんまり興味がないんだ、こういうのに対して」

 

「ふ〜ん、そっか〜。アルカ様達はどうですか?」

 

紅葉の言葉を聞き、まだ開いていなかった二人が紙を開き、結果を見る。

 

「「……大吉!」」

 

「クスクス、つまり、私達兄妹は大吉だったわけね♪それで?くじの内容は?」

 

「えっとですね……」

 

「…………」

 

くじの内容を読んでいた二人はそれぞれ固まってしまった。

 

しかし、アルカに何かしら変化はなかったが、レミリアに関しては顔を真っ赤にして、紙とアルカを見比べていた。

 

「……クスクス、大体は内容は分かったわ♪さて、大吉組であんまり良くないことが書いてあるとかじゃないなら、そのくじは持って帰りましょうか。それから、シファ達は其処に結んできたら良いわ」

 

「あ、はい。少々お待ちください」

 

「ほらシファ!くじ結んでこよう!」

 

「……そうですね、結びましょう!」

 

「よっし!」

 

四人がくじを結びに行くのを見ると、レティシアは二人のくじを盗み見て、優しい笑みを浮かべた。

 

(……このくじが、叶うと嬉しいわね〜)

 

そんなレティシアの目に見えた内容は、二人とも一緒であった。

 

『『恋愛……勇気を出し、行動すれば成就する』』




さて、調べた所、振袖の柄にはそれぞれ意味があるとのことなので、今回、それを探し、着せてみました!

……ただ、着物の柄の意味として、というのもあるので、これで合っているのかの保証は全くないです。

ということで!最後の挨拶の後に今回出た柄の意味を書いておきますね!

それでは!さようなら〜!



梅と鶴柄……鶴は「生命力の豊かさ」、「長寿」、梅は「忍耐力」、「繁栄(または安産祈願)」、「澄んだ心」
百合柄……「威厳」、「純潔」、「無垢」
芍薬柄……「幸福」と「富貴」
菖蒲柄……「必勝」、「礼儀正しい」、「魔除け」
鳳凰……「優美」と「長寿」
藤柄……「いつまでも美しく」、「子孫繁栄」
蝶々柄……「長寿」、「復活」、「変化」
撫子柄……「笑顔」、「優美」

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