「・・・」
「おい、なんでこんなにシリアスなんだ」
だって、そもそもからこうするつもりでしたし・・・
「お前な!」
そ、それでは!どうぞ!
〜葵side〜
私が目を覚ますと、辺りは真っ暗でした。それこそ、光が全くないぐらいに
にも関わらず、私自身の体はよく見えます
手も普通に見えますし、服も普段から着ている巫女服です
「・・・ここは、何処なのでしょうか?」
私は取り敢えず、歩いてみることにしました
もしかしたら、霊夢やルカ、鬼灯や紫さんが居るかもしれませんので
・・・怖いと思う気持ちを抑えてですよ
そして、そうやって探してみても、誰もいませんし、何処にも着きません
ここで漸くですが、これはもしかしたら、夢なのかもしれませんね。私の
久し振りに、アレだけの暗闇を体験してしまったからでしょう
私の中の恐怖が大き過ぎたせいで、夢でもこうやって経験してしまうことになるとは・・・
・・・それでも
「・・・どうしよう。霊夢!ルカ!鬼灯!紫さん!魔理沙!誰かいないの!ねえ!」
私は自分が出せる声量で出しましたが、誰の声も聞こえませんでした
「・・・どうしよう。本当に、どうすればいいの?」
私の心は、もう恐怖に負けてしまい、体も震えています
そして、ついには立っていられなくなり、体の震えを止める様にして包み込みながら、座り込みました
「・・・怖いよ、霊夢、ルカ。誰か、助けて・・・」
この暗闇の中にいると、今にも、聞こえてきそうです
母の怒鳴り声が
『葵!?何処にいるの!?出てきなさい!』
その声が聞こえたと思った瞬間、私の体は強張りました
私は、直ぐに耳を塞いでしまいました
母の怒鳴り声が聞こえない様に。聞こえていない振りをして
『葵!そこにいたのね!貴方は何で家事も出来ないの!この出来損ない!そんな能力持ってても唯の疫病神なのよ!』
私は、後ろから聞こえてきている声を聞きたくなくて、耳を塞いだままにしていました
『そんな疫病神を置いてあげている私に感謝はないのかしら?貴方を産んであげた私に感謝は?・・・お母さんの声が聞きたくないほどに私が嫌いなのかしら?』
「そんな事はないよ!お母さん!」
私は、自分はそんな風に思っていないと伝える為に、お母さんの方に振り向きました。勿論、耳に当てていた手も退けて
そして、久方ぶりに見た母の顔は、歪に笑っていました
『なら、なんで食器を割ったの!そんな事も出来ないほどにグズなの!貴方は?』
「いえ、割ってしまったのは手が滑ってしまって・・・」
『言い訳なんていらないわ!』
そう言うと、母は私の頬を思いっきり叩きました
そして、その勢いに負けてしまい、倒れこんでしまった私に(正確にはお腹に)蹴りを入れてきました
「うっ・・・」
『そんなグズにはコレだけのお仕置きじゃあ足りないわ。来なさい!』
そういうと、母は私の髪を引っ張りながら、近くにある私の嫌いな物置小屋へと連れて行こうとしました
「!いや!彼処だけはいやだ!行きたくない!」
私は抵抗したけれど、抵抗も虚しくそのまま物置小屋へと押し込められてしまいました
『そこで一晩暮らしなさい!いいわね!』
そう言うと、母は扉を閉めてしまいました
「お母さん!開けて!お願い!嫌だよ!此処にはいたくない!ねえ!お願いだから!開けて!お母さん!」
私は扉を叩きましたが、そんな事で開く扉はありません
物置小屋の扉も、板で塞がれています。その板を退ければ開けることは可能ですが、中からでは無理です
「ルカ、霊夢、鬼灯、魔理沙。誰か、此処から、私を、出して、お願いだから・・・」
私は、涙を流しながらも、仲のいい四人の名前を呼びましたが、開けられる気配はありません
・・・そんなの、分かっていることなんです。何せコレは
私の『悪夢』だから
「・・・うっ、ううっ、ひっく、ルカ、霊夢、鬼灯、魔理沙・・・誰か・・・」
そして、私が見ていた夢はそこで終わりました
***
「・・・ん」
私が目を覚ました際に最初に見た光景は白い天井でした
そして、お腹の辺りに重さを感じた私はそこを見ると・・・
「え?り、霖之助さん?」
私の横で寝ている霖之助さんがいました。手も握られていました
「・・・なんで、此処に霖之助さんが」
「・・・ん?・・・!あ、葵!起きたのかい!大丈夫かい?怪我は!?」
霖之助さんは、起きた途端に私の体を心配し始めました
「わ、私は大丈夫ですよ!怪我だって、自分で治せますし・・・」
私は霖之助さんに大丈夫だと言うことを分かって貰う様に、そう言いました
「そ、そうか・・・。良かった」
そして、霖之助さんはそう言いながらも、顔は何かを決心したかの様な顔をして、私に向けました
・・・もしかして
「・・・」
「あ、葵、こんな状況で、しかも、君はこうして倒れていて、起きたばっかりでこんな事を言うのも可笑しいとは思う。けど、聞いてくれないか?僕は・・・」
霖之助さんが何かを言おうとした瞬間、扉が大きな音を立てて開きました
「クスクス、葵、大丈夫・・・」
扉を開いて入って来たのはレティシアさんでした
「・・・あ」
「・・・え、えっと」
「クスクス、ごめんなさいね?何かお邪魔してしまったみたいね♪」
レティシアさんは本当に謝っている様に思えないような感じでそう言いました
「あ、いや、邪魔と言うわけじゃあ・・・」
「クスクス、そう。なら、霖之助。一旦外に出なさいな。もう居ては駄目だってここの医者が言っていたわよ」
「え!?そうなのかい?わ、分かったよ・・・」
そう言う霖之助さんの顔はとても残念そうな顔をしていました
その顔のまま、外に出て行きました
「クスクス、葵。大丈夫かしら?」
「え?あ、はい。大丈夫です。・・・あの」
「クスクス、何かしら?葵」
私は、一つの疑問をぶつけてみました
「異変の方は・・・」
「クスクス、異変は解決よ♪」
「・・・え?で、でも、私達は負けましたよ?」
「クスクス、最初に言ったでしょ?『二人の実力を知る為』ってね♪そして、私は二人の実力を知れた。それでこの異変は解決よ♪宴会については日が伸びちゃったけどね♪まあでも、お疲れ様♪」
「わ、分かりました」
・・・まあ、異変が解決したことは良いことですね。これ以上の事は何も言わないでおきましょう
「クスクス、それじゃあね・・・あ、一つ言い忘れていたわ」
レティシアさんは扉の付近まで行ってから此方に振り向きました。どうしたのでしょうか?
「?どうしました?レティシアさ「貴方、霖之助が告白してきたら断るつもりだったんでしょ?」・・・」
・・・どうやら、レティシアさんには全てお見通しの様ですね
「・・・はい」
「・・・葵。私は貴方の過去を紫や鬼灯からしか聞いていないけれど、コレだけは言わせてもらうわ。・・・少しぐらい、幸せになっても良いんじゃないかしら?そんなに他人の幸せばかり気にして自分の幸せを蔑ろにしていたら、一生幸せになれないわよ?」
「・・・」
「・・・まあ、あくまで私の意見で貴方がどう考えるかは私の知ったことではないけれどね。それじゃあ、今度こそ、さようなら」
そう言いながらレティシアさんは今度こそ帰っていきました
「・・・幸せ、ですか。私はもう、今の生活で幸せを感じているのですがね」
私はそう呟き終わると、また横になりました
・・・今度は、悪夢を見ずにすみました
はい!どうでしたか?
「シリアス展開過ぎるだろ」
だって思いついちゃったんですから仕方ないでしょう?
「そして、レティシア、お前悪いタイミングで入ってきたな。絶対に狙っただろ」
「クスクス、そんなの、当たり前でしょ?あの時にああやって割って入らなかったら、霖之助は撃墜してたわよ?」
「まあ、そうなんだが・・・」
それでは!さようなら〜!