「といっても、私もルカ同様、余り無いと思うが?」
とかいいながら、今回、ちょっとシリアスだったじゃないですか
「・・・」
それでは!どうぞ!
第六十四話
〜鬼灯side〜
神無月神社
この神社では、少し不思議な事がある
今回の話はそれが関連した私の日常を話そう
そう、その日はあの異変が終わってから少し経った頃のこと
***
私と葵は、神社からまた石段を登った場所に行こうとしていた
ルカはその場所に限り着いてこない
彼奴は、嫌いだからな。『アレ』がいるというだけで嫌気がさしているみたいだからな。仕方がない
「・・・着いたね、鬼灯」
「ああ、そうだな。此処は何時も変わらないな」
石段を登りきると、私達の目の前には一面のピンク色
まあ、つまりは桜だ
何故かこの場所にある桜は全部散ることが無い。だから、ずっと咲いている
ちなみに、この場所の他にも、神社の横にも咲き続けている桜が沢山ある。勿論、その場所にも縁側があるがな
「・・・それじゃあ、行こうか、鬼灯」
「・・・そうだな」
はあ、私も行くのは億劫だが、仕方ない
あんな奴でも、元は神社の巫女だったんだ。私が行かなくてどうする
そう自分を焚きつけて、葵に着いて行くことにした
***
「今回も来たよ・・・お母さん」
私達は、桜ばかりの道を歩き、その奥にある先代巫女の墓へと来た
・・・本当に億劫だ。なんでこの巫女の為に来なければ行かんのだ
・・・いやいや、ダメだ。仮にも私は神社の神だろ。巫女の墓参りもしなければいけないだろ
「・・・」
そういえば、離したことがなかったな
先代の名前は神無月蒼華(かんなづき あおか)。それが葵の母親の名前だ
能力は『癒し、治す程度の能力』のみ
葵がもし、『未来と過去を見る程度の能力』が無かったら、葵の事を愛してやれた哀れな巫女
葵の事を愛しておけば、私もルカも、好きでいれたであろう哀れすぎる巫女
まあ、だからと言って、それが葵を虐待してもいい理由にはならないがな
「はい、コレ。お母さんが好きだったキキョウの花束だよ」
そう言うと、葵はしゃがみ込み、蒼華の墓に丁寧に花束を置いた
「・・・」
「お母さん、今回の異変でね、私、初めて蓬莱人を見たんだよ。って、コレは輝夜さん達に失礼かな?お母さんはどう思う?」
・・・葵は、どれだけ蒼華に虐待されても、母親を嫌うことは無かった
多分、葵は嫌ったら最後、蒼華に二度と愛されることは無いと思ったからだろう
だから、母親の虐待には耐えたし、母親の言うことは全て聞いた
どれだけの無茶振りをされたとしても、それを失敗したら自分の所為だと考えた
・・・だが、結局は葵は愛されずに蒼華は死んだ
私とルカは死んだ時も泣かなかったが、葵は泣いた
だが、すぐに泣き止んだ。自分のすべきことを悟ってな
・・・満足に泣けないままにな
「・・・葵」
「ん?どうしたの?鬼灯・・・」
葵はそこから立ち上がり、此方に顔を向けたと思ったら、動きが止まった
「?どうした?何かあるのか・・・」
私も気になり、後ろを振り向いて見ると・・・
「ん?もしかして、葵か?」
蒼華のパートナーでもあり、霊夢の母親でもある霊紗がいた
***
あの後、霊紗は蒼華の墓参りをし終え、そのまま神社に来た
「はい、霊紗さん。粗茶ですが・・・」
「ああ、ありがとう、葵」
そう言うと、霊紗はお茶を少し飲み、私達に顔を向けながら話しかけてきた
「いや、それにしても、葵も大きくなったな。蒼華の葬式以来会ってないが、いや本当に大きくなったな」
「そうですか?まあ、年は重ねていますからそうなのかもしれませんね」
葵は少し笑みを浮かべながらそう言った
そうして、葵が少しお茶を飲もうとした時
「そういえば、葵達は全然人里に来ていない様だが・・・」
この話題が出た途端に葵の動きがピタッと止まった
「・・・まだ、人里の奴らの対応は変わらないか。全く」
「い、いえ!人里の皆さんの対応は大丈夫ですよ!皆さん、優しいですし・・・」
葵が慌てながらそう言うが、霊紗は目つきを鋭くして葵を一度見ると、今度はルカを見て
「ルカ、葵の言っていることは本当か?」
「いや、嘘だ」
霊紗はルカにそう問いかけると、一秒と経たずにルカは答えた
「ルカ!」
「葵」
葵はルカに何で言ったのか聞こうとしたが、霊紗のたった一言で葵は動きを止めた
「れ、霊紗さん?」
葵は霊紗の方を見ると、霊紗は鋭い目つきで葵を見ていた
それを見た葵は、怒られるとでも思ったのか、目を瞑ったが、すぐに暖かい体温を感じた様だ。目を開けて自分の状況を見た
そして、今の状況は、葵は霊紗に優しく抱擁されていた
「れ、霊紗さん・・・?」
「葵、無理はするな。お前は一人じゃない。お前のそばにはルカや鬼灯、それに私の娘の霊夢やその親友の魔理沙だっている。だから、少しぐらい甘えてくれ」
「あ、あの、私は自分が一人だとは・・・」
「ああ、お前ならそうは思っていないだろう。だがな、お前は周りに甘えているか?」
「!!」
・・・葵は確かに、周りに甘える事がない
周りに甘えさせてばかりで、自分が甘えることをやめている
「少しぐらい、甘えてもいいんだぞ?特に、今の場合は私がいる。一時期、お前の母代わりでもあった私にぐらい、甘えてくれないか?私が寂しくなる」
「れ、霊紗さん・・・」
霊紗はそれだけいうと、葵に抱きつくのをやめた
「さて、それじゃあ、今回は私が料理を作ろう」
「・・・え!で、でも、それは霊紗さんに悪いですから私が・・・」
「さっき言ったばかりだろ?『少しぐらい甘えてくれないか?』って。まあ、葵の正確じゃあ、自分から甘えに行くのは無理だろうから私が甘えれる様にしてやろうと思ってな。だから、今回は葵は待ってろ。いいな?」
霊紗が少し語彙を強くして言うと、葵は渋々了承した・・・が、心なしか嬉しそうだ
「それじゃあ、作るぞ!」
そして、霊紗が夕食を作り、私達はそれを囲んで少し騒がしくしながらも一緒に食べた
・・・もし蒼華があんな奴でなければ、こんな未来もあったのだろうな
私は、そう考えながら食べていた
それで?今回はどうでしたか?
「初めてお母さんの名前と霊夢のお母さんの名前がちゃんと出たね」
「そうだな」
ちなみに、どうしてあんな名前にしたかの理由は、別にありませんよ。何と無くです
それでは!さようなら〜!