東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第七十三話

〜霊夢side〜

 

ミスティアが私に向かって撃ってくる弾幕を私は全て交わし、隙をついては弾幕を撃って攻撃していた。

 

・・・それも当たってないけどね。

 

「あー、もう!なんで当たんないのよ!あんた!」

 

ミスティアはついに耐え切れずに怒鳴ってきたけれど・・・

 

「避けなきゃ当たるでしょ。何を当たり前な事を言ってるわけ?」

 

私はそう言い返した。

 

「くっ!だったら・・・、声符『梟の夜鳴声』!」

 

すると、紫色と緑色の鱗型弾幕が配置され、バラバラではあるけれど、とてもゆっくりと交差しながら飛んできた。

 

交差して飛んでくるって事は、それだけ避ける事が難しいけど、冷静に見極めれば難なく避ける事が出来た。

 

「はい。スペルブレイク」

 

「くっ・・・!」

 

そう言えば、葵がいない状態での弾幕ごっこは初めてかもしれない。

 

・・・なんでか、隣にいないってだけで安心出来ないでいる自分がいる。どうして?

 

今、此処で加勢なんてしてきたら無粋だ。それは分かってる。それでも、何でかしら?どうして安心出来ないでいるの?

 

「・・・ああ、そういうことか」

 

なんだ。答えは簡単じゃない。あんまり気にしてなかったけど、こんな時になるまで気づかないなんて、私も馬鹿ね。

 

「あんた!何笑ってんのよ!」

 

私が自分の滑稽さに笑ってると、ミスティアに怒鳴られた。まあ、コレばっかりは仕方ないわね。

 

「いえ、私はあんたに簡単に勝てそうだなって思ってね」

 

私は軽くミスティアを挑発してみると・・・

 

「・・・そう、だったら、コレを避けてみなさい!『ブラインドナイトバード』!」

 

私の挑発に簡単に乗ってくれた。ふ、簡単な奴ね。

 

ミスティアが撃ってきた弾幕は鱗型弾幕で、それが私に向かって来ていた。

 

私はそれを見ると避けようとしたけれど・・・

 

「♪〜♪〜」

 

ミスティアが歌い出した途端、私の視界が一気に狭くなってしまった。

 

「・・・」

 

けど、それでも私は焦らなかった。自分でも吃驚するぐらいに。

 

私がコレだけ冷静で居られるのは『葵が居なくて安心出来ない』でいるからよ。

 

何時もは後方支援の葵が一緒にいるから背中を安心して預けてられるけど、今はいないからね。

 

『安心出来ない』って事は『余裕でいられない』って事でもあるからね。

 

でも、視界が狭いと結構避けにくい。けど、私は全て避けている。

 

理由?勘で避けてるのよ

 

そして、そのままスペルブレイクした。

 

「あ・・・」

 

「さて、コレで終わりよ!霊符『夢想封印』!」

 

私は、妖怪に向かって私の得意技を撃ってやった。

 

〜葵side〜

 

弾幕ごっこの結果から言えば、霊夢の勝ちです。

 

ただ、此方に戻って来た時、霊夢の目が鳥目になっていたのはとても驚きました。弾幕ごっこの途中でミスティアさんが歌いましたが、アレが原因でしょうか?

 

・・・ちなみに、私と本人である霊夢以外は全員、その状態の霊夢を見て吹き出していました。

 

霊夢が夢想封印を撃ちそうになっていたので必死に止めましたよ、私。

 

それにしても、ミスティアさんが歌ってから鳥目になったとしたら、どうやって避けていたのでしょうか?

 

・・・勘ですね、絶対。

 

「あ〜、もう。私は気持ち良く歌ってただけなのに〜」

 

今にも夢想封印を撃ちそうな霊夢を必死に止めてる時に、ミスティアさんが起き上がりました。

 

「れ、霊夢!ほら、落ち着いて!話を聞くんでしょ?」

 

「・・・それもそうね」

 

私が霊夢を落ち着かせようとそう言うと、なんとか落ち着いてくれました。良かったです。本当に。

 

「ねえ?あんた。この異変の事を教えなさいよ。知ってるんでしょ?」

 

霊夢がそう聞きますが、私は追求しません。

 

というか、今のこの場でミスティアさんが何も知らないことを知らないのは霊夢だけです。

 

「知らないわよ、そんなの」

 

「霊符『夢想・・・」

 

「ダメだからね!?」

 

霊夢がミスティアさんにまた夢想封印を撃ちそうになっていたので、私はまた止めに入りました。

 

仕方ないじゃないですか!ミスティアさん、涙目になってるんですから!

 

そのままなんとか霊夢を宥めて、私達はまた移動し始めました。

 

***

 

今度は迷いの竹林に来ています。

 

ですが、迷いの竹林ではあまり飛べませんので、此処では歩いています。

 

飛ぶにしても、竹が沢山あって飛びずらいんですよね・・・。

 

「・・・ストップ」

 

「?どうしたの?霊夢?」

 

私達の先頭を歩いていた霊夢が、私達を手で制しました。どうしたのでしょうか?

 

「ここ、罠があるわ」

 

「え?罠!?」

 

私は、霊夢の横から見るようにして地面を見ると、何かを上に乗せたような後が残っていました。

 

「本当だ・・・」

 

私がそう呟くと、視界の端に見慣れた黒色が映りました

 

「え?魔理沙?」

 

「おいおい、何で止まってるんだ?早く行こうぜ!」

 

どうやら、魔理沙には霊夢の声が届いていなかったようで、そのまま歩いて行ってしまいました。

 

「あ!待っ・・・」

 

私が待ったを掛けようとしましたが遅かったようで、魔理沙は落とし穴に引っかかってしまいました。

 

「ま、魔理沙!」

 

私はその落とし穴に近付き、落ちてしまった魔理沙を引っ張り上げようとしましたが、私の力が弱い所為で、中々引っ張り上げることが出来ません。

 

「う〜ん!」

 

「・・・ハア、私も手伝おう」

 

私の後ろからそんな声が聞こえたと思うと、人型となった鬼灯が私の隣に来て、魔理沙を引っ張り上げる手伝いをしてくれました。

 

そして、そのお陰で魔理沙を引っ張り上げる事が出来ました。

 

「ハア、ハア・・・」

 

「鬼灯、ありがとう」

 

「いや、これぐらいなら別に構わないさ」

 

私が鬼灯にお礼を言っている隣で、魔理沙は疲れて座りこんでいました。

 

「・・・こんな事をする奴は、彼奴だけだな」

 

私達の様子を見て安堵したルカは、すぐに目を瞑って辺りにある気配を探っていました。

 

少ししてからルカは目を開けました。

 

「・・・そこか」

 

ルカは私達から見て右側に生成した氷柱を飛ばしました。

 

すると・・・

 

「きゃあ!」と、そんな声が聞こえ、出て来たのは、やっぱり・・・

 

「てゐさん・・・」

 

「あ、あはは、ゴメンね〜」

 

てゐさんは私達から目を逸らしながらも謝って来ました。・・・ルカが反応しないところを見ると、嘘ではないようです。

 

「それにしても、何であんた達は此処に来たんだい?姫様達は何もしてないよ?」

 

てゐさんは顔を私達に向けると、そう質問してきました。

 

「異変を調べてんのよ」

 

「異変?もしかして、花の異変のこと?」

 

「え?知ってるんですか!?てゐさん!」

 

私はとても驚きました。が・・・

 

「いや、知ってるかって言われても、それだけだよ?何が原因でこんな事が起こってるのかは知らないよ」

 

と、言われました。

 

「え?でも・・・」

 

「いやだってさ・・・竹の花が咲いてるんだよ?こんな事、異変じゃない限りないだろ?」

 

「そうですね・・・」

 

確かに、そう言われればそうですね。頭が回っていませんでした。

 

「そ、ならこの先に進むだけよ」

 

霊夢がそう言うと、

 

「姫様達のとこに行くのかい?だったら、私と弾幕ごっこをしてからにしろ!」

 

と、てゐさんが言ってきました・・・て、え?

 

「え?てゐさん、弾幕ごっこをしたいんですか?」

 

「そ。だって退屈だったからさ!良いだろ?」

 

てゐさんの頼みを私はどうしようかと迷っていると、二人が前に出て行きました。

 

「そうだな!それに、私はさっきの事もあるからな!さっきのお礼も兼ねてやってやるぜ!」

 

「アレはお前が止まらなかっただけだろ」

 

「うっ・・・な、なら!何でお前も出てるんだよ!」

 

「私は、ちょっと此奴には『お仕置き』が必要だと思ってな。だから参加するんだ」

 

「え?お仕置き?え?え?」

 

てゐさんがルカの言葉を聞き、少し戸惑ってる間にも話が纏まり、魔理沙とルカがてゐさんの相手をすることになりました。

 

「と、いうことで、私と魔理沙がお前の相手をすることとなった。それで良いな?てゐ」

 

その言葉を聞いたてゐさんがハッとして意識を此方に戻し、ルカと魔理沙を見て、遊ぶのを待ちきれない子供の様な顔をして、

 

「いいよ!さあ、始めようか!」

 

と、言いました。

 

そして、てゐさん対ルカと魔理沙の弾幕ごっこが始まりました。

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