〜葵side〜
「氷符『氷柱雨』!」
ルカがスペルを宣言すると、黒龍と砕牙さんの頭上に氷柱が出来上がり、それが降り注ぎました。
・・・ですが、黒龍の吹く炎で全て溶けてしまいました。
「ふん。その程度か」
「・・・」
ルカはとても悔しそうな顔をしていますが、コレばかりは相性が悪いです。
氷と炎。比べれば何方が圧倒的に有利なのか、分かりますよね?
「なら、これはどうだ!魔符『スターダストレヴァリエ』!」
魔理沙を中心として放たれた弾幕は・・・
「ソロモン。やれ」
『ソロモン』と呼ばれた黒き龍が尻尾を一振りしただけで簡単に消し飛ばされました。
「なっ⁉︎」
「次はこっちからやるぜ!激符『黒龍牙』!」
すると、砕牙さんの周りに牙の形をした弾幕が形成され、此方に飛ばしてきました
「!結界『四重結界』!」
私は、それを結界で防ごうとしました。が、二、三発当たっただけで罅が出来、その罅がどんどんと酷くなっていっています。
そして、最初に当たってからそんなに時間が経っていないにも関わらずに、一枚目の結界が壊れてしまいました。
「ッ‼︎」
私は一層、結界の方に意識を集中して維持させました。
その後、少ししてから弾幕は止みました。
・・・ただ、残った結界も二枚だけで、その二枚目も、あと少し続けば壊れていたでしょう。
そう思うぐらいに罅割れが酷かったです。
「・・・スペル」
今度は鬼灯がスペル宣言をします。
「幻符『幻炎術』!」
すると、鬼灯の周りには数千ぐらいの弾幕が形成され、それが砕牙さん達の方に飛ばされていました。
「ふん。それぐらいなら、ソロモン‼︎」
ソロモンはまた尻尾で落とそうとしましたが、今度は落とされるどころか通り抜けました。
「なっ⁉︎」
砕牙さんはそれに驚きながらも、避ける事に成功していました。
・・・ソロモンは駄目でしたが。
「おい・・・どう言うことだ?」
「スペルのままなんだがな。もう一度、行け‼︎」
鬼灯は再度放ちました。
「・・・そうか。なら、俺でも対処出来るな」
・・・砕牙さんの言葉と同時に、鬼灯の弾幕が消されました。
「・・・能力か」
「ああ。『幻と現を操る程度の能力』。この能力でお前の弾幕を消させてもらった」
「なら!霊符『夢想封印』!」
霊夢の虹色の弾幕が砕牙さんを襲いかかりますが、ソロモンによって、消し飛ばされました。
「もうっ‼︎」
「お前らじゃ俺に勝てねぇよ。これで終わりだ‼︎黒龍符『咆哮』!」
すると、ソロモンが私達に向かって咆哮してきました。
それはただの咆哮の筈なのに、私達の体は傷付きてしまいました。
「きゃぁぁぁあ!」
「次!黒符『黒雷』‼︎」
私達が体制を立て直す前にスペルが宣言され、私達に黒い雷が襲いかかりました。
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!」
私も、流石に状態が状態だった為に、スペル宣言が出来ずに受けてしまいました。
そして、そのスペルの制限時間が経つと、全員がボロボロになって倒れていました。
「・・・終わりだな。さあ、破壊するぞ。ソロモン」
「ぅ・・・」
私は、砕牙さんを止めたい。ですが、体が言うことを聞いてくれません。
・・・私は、霊夢達に比べれば、能力の関係上で直ぐに傷が治ります。
ですが、私一人では何も出来ません。
・・・このまま、幻想郷が壊されるのを見る他無いと言うのですか?
・・・嫌です。それだけは、絶対に・・・嫌です‼︎
「なら、後は私に任せなさい」
まるで私の考えなどお見通しとでも言うタイミングでそんな声が掛かり、前方を向くと・・・
「れ、レティシアさん・・・」
そこには長い金髪、紅い目、黒いゴスロリを着て、何時もとは違いますがレミリアさんと同じ羽が生えたレティシアさんが居ました。
「・・・お前、誰だ」
砕牙さんもレティシアさんを警戒しながら名前を問いかけました。
「クスクス、私はレティシア・スカーレット。レミィやフランという吸血鬼の『一応』の姉で、妖怪賢者の一人。最強の吸血鬼と呼ばれてるわ」
レティシアさんは何時もの『クスクス笑い』で話していますが、なんだか、雰囲気が違います。
「・・・さて、貴方はこの幻想郷を壊そうとしているのよね?それは流石に見逃すことなんて出来ないわ」
「ほう?なら、どうするん・・・‼︎」
砕牙さんが質問の途中で、レティシアさんの妖力が跳ね上がりました。
・・・その量は、鬼灯や紫さんと同じか少し上ぐらいです。
周りにある石がその妖力だけで全て粉々に壊れていました。
「今ならまだ許すことも可能よ。幻想郷を破壊するのをやめなさい」
レティシアさんは最後通達を砕牙さんにしました。
「・・・は、誰がするか。邪魔をするならお前を殺す!」
ですが、砕牙さんはその言葉に耳を貸さずに、そう言いました。
「・・・そう。なら、貴方を消すわ」
レティシアさんは、今度は妖力ではなく、殺気を放ちました。
その殺気を直接浴びていない私ですら、ピリピリとしたような、もっと言い表すなら薄ら寒いものを感じました。
・・・余り、此処に長く居たいとは思えません。
「・・・さて、鬼灯。平気かしら?」
「・・・これで、平気と言えるのか?お前は」
鬼灯はその場に倒れている状態ながらも、レティシアさんからの質問に答えていました。
「クスクス、話せるならまだ大丈夫でしょう?それで、聞きたいことがあるのだけれど、いいかしら?」
「・・・なんだ」
「クスクス、『本気』を出しちゃ駄目かしら?」
レティシアさんは鬼灯にそう問いかけました。
鬼灯は少し考えてから、答えました。
「・・・様子を見て、その状態でもキツそうならな。それなら、紫も許すだろう」
「クスクス、分かったわ。それじゃあ、殺りましょうか」
そこでまたレティシアさんの雰囲気が一変し、弾幕ごっこが始まりました。