東方〜もう一人の巫女〜   作:ルミナス

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第八十八話

〜レティシアside〜

 

「さて、結界が危なそうだからさっさと終わらせましょうか」

 

私がそう言うと、裏人格さんは怒った様な顔をした。

 

「てめ!舐めてんじゃねえぞ‼︎」

 

そう言うと、私に向けて弾幕を放ってきた。

 

「……鬼灯、貴方の能力、借りるわよ」

 

私は、鬼灯の能力を借りて、その弾幕を無に返した。

 

「は⁉︎」

 

「これだけかしら?なら、もうやっても良いわよね?」

 

「まだまだだ!行け!関羽‼︎」

 

すると、外の世界では三国志で有名な関羽が現れ、私に攻撃してきた。

 

「……」

 

「これは俺の能力の一つである「『あの世とこの世を操る程度の能力』、でしょ?」……どうやって分かった」

 

「それが私の能力だから。まあ、封印時と違って、今はその能力に制限は無いし、他の能力もまた、元に戻ってるからね」

 

元の姿での能力は二つ。封印時にされてた能力が強力になったのと、分かれていたのが元に戻った様な能力である。

 

「貴方も能力を教えてくれたし、私も一つ教えてあげる。今の私の能力を」

 

そして、私は関羽を『あの世』へと返した。

 

これには流石に裏人格さんも驚いて……いや、初めから驚きの連続だったわね。

 

「私の能力の一つ。制限無しになった能力『ありとあらゆるものを見透かし、その全てを自分のモノにする程度の能力』」

 

「自分の……モノにだと?」

 

「そうよ。私はありとあらゆるもの、全てを見透かす事が出来る。だから、貴方の能力も使える」

 

「だが、ソロモンは俺にしか使えない‼︎ソロモン‼︎」

 

すると、フェンリルと戦っていたソロモンが私に近付き、攻撃しようとした。

 

「……そうね。黒龍を操れるのは貴方しか出来ないでしょう。私がその能力を自分のモノにできたとしても、使えなければ意味が無い」

 

そう。この能力の弱点は、『モノ』に出来たとしても自分と相性が合わなければ使えないこと。それがこの能力唯一の弱点。

 

他にもあるかもしれないけれど、今の所分かってる弱点はそれだけ。

 

だから、裏人格さんの言葉は間違っていない。けれど……

 

「その能力の持ち主が『私』でなければね」

 

私はそう言って、『もう一つの能力』を使用した。

 

すると、黒龍は動くのをピタッと辞めた。

 

「ソロモン?おいどうした⁉︎動け‼︎攻撃しろ‼︎」

 

「無駄よ。今その黒龍は私の配下。貴方の言うことは聞かないわ」

 

「……なん……だと‼︎どういうことだ‼︎」

 

これが最後の能力。私が『最強』と呼ばれる由縁。

 

「結局、最後の能力も言うのね。最後の能力『出来ないことが無い程度の能力』」

 

「……」

 

これの意味が分かった様で、絶望していた。

 

なんだ、結局、能力で片付いたじゃない。

 

「私に出来ないことなんて……無いのよ」

 

そして、私はソロモンに裏人格さんを踏み潰させ……

 

「駄目です‼︎やらせません‼︎」

 

……様として、葵がその間に入ったことから中断させた。

 

〜葵side〜

 

私は自分の体力が回復し、レティシアさん達の戦いを見て居ると、レティシアさんがソロモンを操りました。

 

……けれど、私には何と無く理解出来ていました。

 

レティシアさんが、ソロモンを操って、砕牙さんを殺そうとしていたことに。

 

だから、私はその間に入って、その攻撃を辞めさせようとしたのですが……、結果的にはレティシアさんから殺気の篭った睨みを受けています。

 

「……葵、そこを退きなさい」

 

……レティシアさんの殺気の所為か、木々が全て騒ぎだし、石は全て粉々になって、生き物は全て近寄ろうとしません。

 

正直に言えば、私も怖いです。頭の中では殺される想像しか出来ないでいます。

 

死にたくないなら、砕牙さんを見捨てて逃げるしかありません。

 

けれど、それは出来ません!

 

「嫌です。私は此処を退きません」

 

「……そいつはこの幻想郷を壊そうとした。それがどう言うことか、貴方にも分かってるでしょ?」

 

「分かっています。ですが、退きません」

 

「……」

 

レティシアさんはさらに殺気を強めて私に向けてきます。この殺気だけで私は死にそうです。ですが、死ねません。

 

「例えどんな理由であれ、人を殺すのは、命を散らすのは駄目です」

 

「……貴方達はその『命を散らす行為』をいつもしているのよ。分かってるのかしら?」

 

レティシアさんは私にそう問いかけてきます。

 

「……分かっています」

 

「貴女の論だと、その妖怪達も殺してはいけないんじゃないかしら?」

 

「……」

 

私は反論出来ません。それは例外だと、言えません。

 

……私が、どれだけその行為を嫌っていたとしても、やっているのだから理由にはなりません。

 

「……はあ、お前も意地が悪いな。レティシア」

 

私がそう考えていると、鬼灯がレティシアさんに話しかけました。

 

でも、『意地が悪い』ってどう言うことでしょう?

 

「……」

 

「お前も本当は分かってるんだろ?葵がその妖怪達に対して、何をしてきたのか。その能力で見たんだろ?」

 

鬼灯はレティシアさんにそう問いかけました。

 

「……はあ」

 

レティシアさんがどういう意味で溜息を吐いたのかは知りませんが、どうやらこれ以上何もしない様です。

 

現に、さっき迄溢れていた妖力や殺気もなりを潜め、妖力の量もさっきよりも少なくなり、姿も『大人』から『子供』に戻りました。

 

「クスクス、久し振りの姿だったからちょっと疲れたわ。年は取りたくないものね♪」

 

レティシアさんは此処に来た時の姿とは違い、いつも通りの羽が無い状態になると、そのまま一度博麗神社の後ろに行き、結界を直してから移動して行きました。

 

方角は勿論、紅魔館です。

 

「……さて、あんた。砕牙って言ったかしら?」

 

「……ああ」

 

「事情を説明してもらうわよ」

 

霊夢は砕牙さんにそう問いかけると、砕牙さんは了承してくれました。

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