転生してもハンターだった件   作:邪神イリス

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死闘の果ての終わり

 

 

とある世界で新大陸と呼ばれる地にて、今、二つの命がそれぞれの背負う物を持ち、激突していた。1つは自身に傷をつけた相手へのリベンジを、1つは自身の後ろにいる仲間達を。

 

 

ガァァァァァァァァァァァァァァ!

 

「オラァァァァァァァァァァァァァ!」

 

 

ガキィィィィン!

 

 

「バリスタ!急げ!ガンナーは回復弾などの援護を忘れるな!」

「畜生!何でこんなとこまでアイツがやってくるんだよ!」

「前にジンが追っ払ったって言ってたけど、まさかジンを追いかけてきたのか?」

「だとしたらどんだけ執念深いのよ!」

 

彼等彼女等は、この世界でハンターと呼ばれる存在で、主にモンスターと呼ばれる者たちの調査・討伐などを依頼を通じて請け負い、日々を暮らしている者達である。

 

彼等はこの新大陸に調査団として派遣され、生活をしていたのだが、突如として、新大陸で最も恐れられているモンスターの一体である『悉くを殲ぼすネルギガンテ』が彼等の拠点、『調査拠点アステラ』へと攻め込んできたのである。

 

突然のことに総司令などの一部を除く者達が呆然とする中、一直線にネルギガンテに突撃し、ネルギガンテとの一騎討ちを始めた者がいた。

 

彼の名はライゴウ・ジン。これまでに多くのモンスターを狩り、モンスターハンターの称号を与えられた人物であり、第5期調査団として、この新大陸に来ていた人物であった。

 

彼にとって、このネルギガンテはこの新大陸における因縁の相手でもあった。今まで幾度も激突し、しかしながら完全な決着はつかなかった。しかし、彼はネルギガンテが拠点に現れた時に予感を感じていた。

 

今回で決着がつくと、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の旅はここまでだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼェヤ!フン!ハァ!」

 

長年の自身の愛用の太刀である『神滅爪 アルファリア』を振るう。本音を言うならばコイツを相手にする時は爆破属性の太刀が良いのだが、今日は本当ならイビルジョーを狩る予定だったところにコイツが現れたので、準備をする暇がなかった。

 

無い物ねだりをしていてもしょうがないし、高い斬れ味のお陰で戦えてるので、これ以上ぐちぐち言うのはやめよう。

 

しかし、戦い始めてどれぐらい経っただろうか?回復薬や秘薬などはとうに使い切り、オトモや援護をしてくれているガンナーの回復弾などでどうにかまかなっているが、それも限界が近い。

 

それ以上に長い時間戦ったせいで集中力が切れそうなのが1番ヤバイ。狩りの中で、集中力が途切れるのは死にも等しい。相手は自然界の怪物。常に油断せず、警戒し続けなければいけないのだ。

 

しかし、自身の相手もすでにかなり消耗している。

 

部位破壊はもうすでに完了しており、ぱっと見は満身創痍であと少しで倒せそうなのだが、こういう奴ほど手負いになるほど強くなる。現に俺もかなり手痛い反撃をくらっており、そこらに血が飛び散っているのが何よりの証拠だ。

 

あ、不味い。ちょっとふらつき始めた。次の攻防で倒さないと負ける。そうなるとかなりの被害が出てしまう。それだけは避けなければならない。

 

「なぁ、ネルギガンテよぉ」

 

「グルルルル・・・・・」

 

「お前が人間の言葉を理解できるかどうかを置いておいて、お前、ほぼ限界だろ?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「俺もさ。・・・・だからよ・・・次で決めようぜ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「次で・・・・お前を狩る!」

 

「!・・・・・ガァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

 

「へ、答えてくれんのかよ・・・・・・そんじゃあ、行くぜ・・・・」

 

俺は武器を構える、奴も突撃の体制をとる。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・カチャッ

 

 

「ッ!ウオオオオオオオオオオオオオ!」

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 

お互いに一気に距離を詰める。

 

奴が腕を振り上げる。俺はその勢いのまま、前方に転がり避け、奴の腹に剣を斬り上げ、斬り下がり、そして鬼神兜割を頭に命中させる。

 

「ガァァァァァァァァ!?」

 

だが、ここで兜割が命中したことで少し気が緩んでしまった。その瞬間を逃さず、奴は瞬時にこちらに体を向け、その巨大な腕を叩き込む。

 

「ガハァッ!」

 

俺はそのまま後方に吹っ飛ばされ、岩壁に激突する。

 

「グッ・・・・カハッ・・・」

 

油断した。頑丈な己の身体と鎧があるとはいえ、疲弊した今の体にはかなり響く。

 

「骨がいくつかやられたか・・・・・」

 

 

ズン・・・ズン・・・ズン・・・

 

 

奴がこちらに近づいてくる。

 

クソッ!動け!動きやがれ!

 

 

 

 

 

パンッ!

 

 

 

 

 

 

今の音は・・・・はじけクルミか?

 

「?・・・・グルルルル・・・・・・」

 

「貴方の相手は私です!ジャック、今のうちにジンの回復を!」

 

アイツ、まさか!危険だ!今すぐ止めねぇと・・・

 

「ご主人様、大丈夫ですかニャ!最後の回復ミツムシですニャ!」

 

!、力が戻ってきた!これなら戦える!

 

「ありがとよジャック!相棒!」

 

俺の声に反応し、奴が相棒からこちらに狙いを変える。

 

部位破壊ができると言っても奴の身体は頑丈、鎧そのものだ。腹以外の一撃で奴の柔らかい場所を攻撃して今度こそ、仕留めなくちゃならない。

 

「となると、狙うは一ヶ所だな」

 

そして俺は太刀を構えたまま、走り出す。奴もこちらが走り出したと共に突進してくる。そしてあと少しで激突する距離になったところで俺はその勢いのまま後ろにバックし、太刀を横に大きく振って納刀する。

 

「ガアアアアアアアアアア!?」

 

奴の顔に無数の斬撃がいくつか走り、剣の軌跡には、桜の花びらのようなものが見える。

 

新大陸に来る前、龍歴院に滞在していた際に教えてもらった技、『桜花気刃斬』だ。ここに来て以来、使ってなかったが、上手く成功できて良かった。

 

そして俺は、奴に向かって軽くジャンプしながら転がり、奴の体を足場として利用して空中に跳び上がる。これも龍歴院時代に使っていた『エリアルスタイル』の技だ。

 

空中に跳び上がった俺はある一点を目掛けて太刀を振り下ろす。そこはかつて通常個体のネルギガンテを狩ったときに調べてわかった弱点であり、しかしあまりにもそこを狙うのは危険すぎるために狩りをする際は無視されていた場所。

 

 

ザシュッ!!!

 

 

「ガアアアアアアアアアアン!?!?」

 

 

 

 

 

 

    首だ

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルギガンテの首にアルファリアが喰い込む。この剣は鎌のような形をしているから刺しやすかった。

だが、さすが古龍。倒れるどころか俺を振り落とそうとなりふり構わず暴れまくる。おかげで地面に叩きつけられたりして非常に痛いが、我慢し、更に太刀を喰い込ませる。

 

そして喰い込ませたまま、狩技の1つである『妖刀羅刹』を発動させる。

この技は自身の体力を減らす代わりに攻撃力を高め、相手にダメージを与えてその分だけ相手の体力を吸収して回復するという技だ。

 

「グオアアアアアアアアアアアアアン!」

 

体内から直接ダメージを送り込まれているからか、今まで以上に暴れ始めたが、俺はダメージを送るのをやめない。そうしてこれが少し続いた頃、段々とコイツの動きが鈍くなってきた。

 

今しかチャンスは無いと思った。

 

奴が疲労し、バランスを崩した瞬間、一気に太刀を抜きを奴から降りる。

そしてすぐに振り返り、気刃突きをし、跳び上がり、先程まで太刀を喰い込ませていた場所に気刃兜割を叩き込む。

 

 

「グオオオオオォォォォォ・・・・・」

 

その瞬間断末魔の如き巨大な咆哮したかと思うとだんだん音が小さくなり、そして・・・

 

 

ズズゥゥン・・・・・

 

 

   遂に倒れた。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・・やって・・・・やっ・・・た・・・・・ぜ・・・・・・・・」

 

 

   バタン

 

 

奴が倒れたのを確認したと同時に俺の体も倒れる。

 

相棒や総司令達が駆け寄ってくるのが見えた。

 

「相棒!しっかりしてください!相棒!誰か!誰か早く医者を!」

 

 

 ガシッ!!

 

 

「!!」

 

「その・・必要はない・・・・・」

 

「っ!相棒!」

 

「大丈夫か!お前さん!待ってろよ。今、医者を連れてくるかr」

 

「団長・・・・医者の必要はないですよ・・・・・」

 

「?どういうことだ・・って、お前まさか!」

 

「ッ!ガハッ!ゴホッ!・・・自分の死ぬタイミングぐらい、自分でわかるものですよ・・・・・・」

 

「な、何を言ってるんですか!」

 

「もうすでに内臓がかなりイカれている・・・・骨も何本も折れている・・・・いくら頑丈なこの身体でも、さすがに限界はある・・・」

 

「でm「奴がアステラの近くに降り立ったとき、俺の勘が囁いていた。」っっ!」

 

「コイツが最後の獲物だと・・・俺の旅はここで終わりだとな・・・・・・・」

 

「そんな、そんなのって・・・・・・・」

 

「・・・・・・・団長」

 

「何だ」

 

「あの日、ダレン・モーランを追っ払った後、『我らの団』に誘ってくれて、ありがとうございました。おかげで俺は、こんな所まで辿り着けた」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「相棒・・・・・・・」

 

「ッ・・グスッ・・・はい・・・」

 

「お前はいっつも、周りを見ずに危険な所に突っ込んで行って、心配かけさせやがって・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「だが・・・・・・おかげで・・この新大陸で毎日が楽しく過ごせた。ありがとな・・・・」

 

「ッッ!・・・・グスッ・・・・いえ・・こちらこそ・・・!」

 

「ジャック・・・・」

 

「ハイにゃ・・・・」

 

「お前にはいろんなところで助けられた・・・・・感謝してもしきれない・・・・・・・本当にありがとう」

 

「自分こそ・・・ご主人様と出会えて・・・幸せだったにゃぁ・・・・・」

 

「それなら・・・よかった・・・・」

 

「総司令・・・・・・」

 

「何だ」

 

「俺の武具は・・・・いつか使うにふさわしい奴が出たら・・・・ソイツに渡してください・・・・武器ってのは・・・自分を使ってくれる存在がいることが・・・何よりの誇りですから・・・」

 

「了解した。それが君の意思ならば」

 

「ありがとうございます・・・・」

 

あぁ・・・これでもう、安心して逝け・・・る・・・・・・・な・・・・・・・・・

 

「ッ!相棒!・・・・相棒!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《確認しました。龍達の意思により、ユニークスキル『龍戦士』を獲得・・・・・成功しました。続けて、龍の力を行使できる身体を作成します・・・・・成功しました》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターを始め、狩りの世界で生き続けること32年。

 

思えば色々とあったものだ。しかし、もし来世というのがあるのならば・・・またハンターとして生きて行きたいな。

 

《確認しました。ユニークスキル『狩人(ハンター)』を獲得・・・・・成功しました》

 

まぁ・・・・・一人旅とかは嫌だな・・・少なくとも相棒の1人はいてほしいな・・・・

 

《確認しました。ユニークスキル『相棒(トモニアユムモノ)』を獲得・・・・・成功しました》

 

・・・・・さっきから聞こえてたがこの棒読みみたいな無機質な声はいったい何だ?

 

まぁ、死ぬんだし、幻聴の1つや2つは聞こえてくるか・・・・・・・

 

最後にそんなことを考えながら、俺の意識は遠くなっていった。

 

こうして、俺は死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 お久しぶりです。邪神イリスです。
 
 前々から妄想の中で出来上がっていた作品がようやく形づいたので、投稿しました。
 
 他の作品同様、趣味で始めたものなので、相変わらずの不定期更新ですが、暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。
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