少女はその力を人々を守ることに使ったが、炎は少しずつ彼女を蝕み、
やがて少女は炎を制御する事ができなくなっていった。
少女の名はシズエ・イザワ。
炎系の最上位精霊『イフリート』をその身に宿し、
爆炎の支配者と謳われた英雄だった。
シズの身体を炎が完全に包み込み、現れたのは燃え盛る炎のような赤い髪の男・・・恐らくコイツがイフリートなのだろう。
「念のために聞いておくぞイフリート!お前に目的はあるのか!?」
リムルがそう問うと、イフリートは左手人差し指を上に向ける・・・・・・上?
見ると、空中に大量の火球が生成されていた。
そして手を振り下ろすと同時に、一斉に俺達に向かって飛んできた。
「エンカ、まずは回避に専念していろ。」
「はっ!」
炎の雨を縫うように走り、火球を避ける。たまに当たりそうなのがくるが、それは太刀で斬るか刃の腹で打ち払う。本来は両手で扱う太刀だが、俺は片手でも扱えるよう訓練していたので、走るエンカの背の上でも難なく太刀を振るうことができる。
とにかく、今のイフリートでわかることは、会話をする気などまずなく。俺達全員を始末しようとしている事だ。しかも奴の視線から察するに、俺達の事は単なる障害物程度にしか見ていないのがわかる。
「おい!お前達無事か!」
リムルが三人組に声をかける。俺も三人の方に視線を向けると・・・
「あっちぃ!あっつ!!」
「死んじゃうーー!!」
「無理!無理でやすーー!!」
・・・・・大丈夫そうだな。しっかり剣で防御したりしてるし。
さて、このまま回避するだけではキリがない。奴の母体であるシズさんの身体が心配ではあるが、リムルの回復薬があるから大丈夫だろう。まずは奴を無力化しなければ。
「エンカ。奴に接近するんだ。」
「お任せください!」
奴が発生させる火球や火柱を避けながら接近し、太刀を構える。
そしてすれ違った瞬間、奴の左腕を斬り裂いた・・・・・のだが、ここで俺は違和感を感じた。
(斬った感触がない・・・?)
疑問に思って少し離れながら奴の腕を見ると、傷など最初からなかったのように腕は無傷であった。リムルも水刃を放つが、奴の眼前にきた所で蒸発した。
「我が主よ。精霊種に爪や牙などの攻撃は通用しません!」
「何だと?」
「下位の精霊であれば、雨などで弱体化するのですが・・・・」
うーむ、弱体化するとしても俺が変身して雨を降らせる事はできるが、二次被害が大きい・・・・・・・いや、待てよ。
(『相棒』。リムルが水刃を放つ為に溜め込んでいる大量の水や俺がガノトトスなどのモンスターの水ブレスを放つことでも弱体化できないか?)
《解。弱体化には成功しますが、水蒸気爆発が高確率で生じる可能性があります》
(爆発だと!もし生じたらどうなる?)
《建設中の町を含むこの辺り一帯が更地になります。実行しますか?》
(実行しますかじゃねーよ!却下だ却下!!)
鏖魔ディアブロスやネロミェールでもそこまでの威力は・・・・いや、場所が拠点からかなり離れていただけで普通にあったな。
しかし、このままだと無力化するどころかこっちが体力を削られていってやられちまう。実体が無いような奴と戦った事なんてないし、リムルの黒稲妻や俺の毒とかも効かないだろうしな・・・・・・
(だが、俺も初見のモンスターと戦った時はこんな感じだった。徹底的にあらゆる攻撃を試して、通る攻撃を見つけてやる。)
しかし、こちらを嘲笑うかのように奴はニヤリと笑みを浮かべると、奴の髪から炎が横に広がり、いくつもの人影を生み出し、更に空中に炎を纏った小型の飛竜種のようなものが複数現れる。
《告。イフリートが中位精霊
(マジか・・・・分身だけでなく他の精霊も呼び出せるのかよ。有効な攻撃方法も見つかってすらいない現状でこれは厳しいぞ。それにあの顔、自身の勝利をまったく疑ってないからか、かなり油断しているようだ。チャンスは必ず訪れる!)
更に増えた火球やサラマンダーの熱線を避けながらそう思っていた時だった。
「
突然、後方の方から氷の飛礫が飛び出し、サラマンダーの一体を貫く。貫かれたサラマンダーは火花を散らしながら蒸気となって消えた。
(効いただと!?)
後ろを振り向くと、カバル達に庇われながらエレンが杖を構え、空中には紋様が浮かんでいた。
(あれは・・・そうか!あれが魔法か!)
つまり魔法なら効くという事なのだろう。
だが、俺は魔法は使えない・・・・・そうだ!
俺はある事を思い付き、エンカの背から降りてある武器を出す。ある弾の連射が可能なヘヴィボウガン。『デルフ=ダオラ』だ。
そして俺はデルフ=ダオラに『氷結弾』を込めてその場にしゃがみ、引き金と持ち手から自身の魔素を送り込む。
その間にリムルは、エレンがもう一度放った
同時にリムルは
当たったサラマンダーや分身は次々と蒸発するかのように消滅していき、奴が生み出した全ての分身とサラマンダーを消し去る事に成功する。
単純な物理攻撃を防ぐのであれば、魔素を込めてスキルの効果を乗せた攻撃ならばどうかと思ってやったが、上手くいってよかった。
「後は貴様だけだ。」
「イフリート・・・!」
「・・・・・
奴がそう言った瞬間、俺とリムルの足元に紋様が浮かび上がる。
「マズっ・・・・!」
一瞬にして、巨大な火柱が俺達を包み込む。
「「主よ!」」
「ちょっ!今のヤバイだろ!」
「あれを直撃だなんて・・・・今頃旦那達は灰も残さず燃え尽きて・・・・・・」
「・・・・いや、よく見て!あれ!」
ランガやエンカが心配する声を上げているのが聞こえた。普通ならば今の炎で俺達は消し炭になっていると思うだろう。だが、生憎と俺は五体満足の状態だ。
確かに紋様が浮かび上がった瞬間はマズいと思ったが、俺はその時に『思考加速』を行い、ある事を思い出していた。俺の耐性は『変身するモンスター及び装備した装備によって変化』するということを。
だから俺は、炎に包まれる瞬間に炎に強い耐性を持つモンスター『斬竜 ディノバルド』の防具、『ディノSシリーズ』を纏い装飾品も同時に装着してスキル『火耐性[小]』を発動。炎を完全に無効化させていた。
リムルも『熱変動耐性』を持っているからこの炎は効かないはずだ。
・・・・・・・・さて、俺達を倒せたと思い、油断している今のうちだ。そろそろシズさんを返してもらおう。
俺は指先から燃えにくいネルスキュラの糸を出し、念のために魔素を纏わせながらイフリートに巻きつける。
「!?」
突然自身を拘束した糸に困惑表情を浮かべるイフリート。
「これで終わりだ。残念ながら俺達にはお前の炎は効かないぞ。今だ!やれ、リムル!」
「おう!任せろ!」
そう言ってリムルは飛び上がり、『捕食者』を発動し、イフリートを飲み込み、強い光を放つ。そして次の瞬間には、先程までイフリートが立っていた場所に傷一つない状態のシズがいた。
倒れるシズを俺とリムルは慌てて駆け寄り、支える。
「スライムさん・・・ジンさん・・・ありがとう・・・・・」
気が付けば、イフリートは真っ暗で何も無い空間にいた。
恐らくあのスライム達の仕業だろうと思い、この謎の空間から脱出をする為に右手に炎を溜める。しかし、それを止めた者がいた。
「観念せよ、イフリート。貴様にこの空間は破れん。」
イフリートが振り向くと、そこにはイフリートにとって驚くべき存在が佇んでいた。何せ、それはこの世界の最強種である竜の一体であったのだから。
「リムルとジンはこの我の
「暴・・風・・竜・・・・・」
あれから1週間が経った。家ができるまでの間、生活する為に建てたテントの中のベッドの上でシズはずっと眠り続けている。
おかしい・・・・彼女を苦しめていた元凶のイフリートは確かにリムルが喰ったはずなのに・・・・・・
《告。イフリートとの同化が彼女を延命させていたようです》
(何・・・!?だとしたら、俺達がやった事は逆に彼女を死なせる事に・・・・)
《彼女の気力は、通常ではイフリートを抑える事ができないほど激しく消耗していました。イフリートとシズを分離させ、浄化しなけば、やがては自我を失い、暴虐の限りを尽くしていたでしょう。そしてそれは、シズエ・イザワの望みではないと思われます》
(・・・・・・・・・そうだな。)
「・・・・・・スライムさん。ジンさん。」
「シズさん!?」
「気がついたか。具合はどうだ?」
「・・・・ずっと傍にいてくれたの・・・?」
「あ、あぁ・・・・良かった。もう目を覚まさないんじゃないかと心配してたんだ。」
「少し待っていてくれ。今、リグルドに水を持ってくるよう頼んでくるから。リムルはシズの傍にいてくれ。」
「ああ、わかった。」
そのまま俺が扉から外に出ようとすると、
「スライムさん。ジンさん。」
「ん?」「どうした。」
シズが俺達を呼び止める。
「いいよ・・・・必要ないから。」
「え・・・・」「それってどういう・・・・」
「もう何十年も前にこっちに来て、辛いことも沢山あったけど、良い人達にも沢山出会えて・・・最後にはこんな奇跡みたいな出会いがあった。心残りが無い訳じゃないんだけど・・・私はもう・・十分生きたから・・・・・」
そう言うシズの黒髪は見る見る白くなり、肌も皺だらけになっていく。まるで止めていた時間を一気に進めていくように・・・・・
「シズ・・・・」「シズさん・・・・・」
「俺達に何か出来る事はないか?」
「心残りがあるのなら言ってくれないか?俺達がなんとかしてみせる。」
「頼めないよ・・・・貴方達の人生の重荷になってしまうよ・・・・・」
「俺達があんたの力になりたいんだ。」
「言ってくれ。」
「わかった。必ずなんとかする。」
「だから・・・・ゆっくり休んでくれ。」
「・・・ありが・・・・とう・・・」
そして、リムルがゆっくりと、“シズを包み込んでいく”・・・・・
真っ白な空間を、シズエは1人歩く。
そして何かに気づき、後ろを振り向く。
そこには二つの人影。1つは背の高い女性。もう一つは小さな獣らしきものを肩に乗せた少女。
安堵し、微笑みを浮かべて人影に向かってシズエは走る。
「そこにいたんですね!もう、私を置いて行かないで!」
だが、人影は首を振り、背の高い女性がある一点を指差す。
彼女は悲しげな顔を浮かべ、指差す方へ顔を向ける・・・・・
その先には一際大きく輝く光があり、光の向こうには古い民家があり、その縁側に1人の女性が座っていた。
「・・・ぁっ。」
それを見たシズエは勢いよく走り出す。
「お母さん!」
声に気づいた女性がシズエに顔を向け、彼女の顔を見るや、笑顔を浮かべて手を振る。
「お母さん!」
いつの間にか、転移して成長した少女はかつての転移される直前の姿に戻っていた。
「お母さん!!」
そして光を抜け、少女は母親に抱きつき、母親もそれを受けとめる。
「お母さん・・・・・」
二つの人影はそれを確認すると、消えた。まるで、最初から存在していなかったかのように。
あるいは、それは少女の想いの生み出した、幻なのかもしれないけれど。
こうして、少女は母親と再会する。
少女の長い旅は、今、終わりを迎えたのだ。
リムル達の居るテントを目指して、カバル達は歩いていた。
「シズさん、大丈夫かな・・・・・」
そう言うエレンの手には、お見舞いの為に摘んできた花があった。
「心配いらねーって。リムルの旦那とジンの旦那がついてんだからよ。」
「そうでやすよ。旦那達がくれた回復薬、すげー効き目で、俺達の傷をあっという間に直したじゃないでやすか。きっと大丈夫でやすよ。」
すると後ろからやってきた人物が三人に気づき、声をかける。
「おや、これは御三方お揃いで。」
「あ、リグルドさん。」
「皆さんもお見舞いですかな?」
「ええ。リグルドさんもっすか。」
「はい。シズ殿の着替えをお持ちした所です。」
そしてリグルドはテントの扉をノックし、中へと入る。
「リムル様、ジン様。失礼しま・・・・」
「「「「!?」」」」
中に入ると、部屋のベッドの近くでジンが顔を俯けて座り込み、部屋の真ん中には服も何も着ていない青みがかった銀髪の少女が立っていた。
「え・・・何!?」
「裸の女の子!?」
「え、誰!?え!??」
混乱するカバル達だったが、リグルドはその少女の正体に気づいていた。
「リムル様、そのお姿は・・・」
「「「え!?・・・えええええええええ!?」」」
「こ、この子が・・・」
「リムルの旦那ぁ!?」
カバル達が姿を大きく変えたリムルに驚愕してから約10分。リグルドが持ってきた服にリムルが着替えた後、俺達はシズについて彼らに話した。
「そうか・・・・シズさん、逝っちまったのか。」
3人の表情は暗く、エレンは涙を浮かべている。
「というかあんた・・・・本当にリムルの旦那なんでやすか?どうにも、その・・・・なんか髪と瞳の色だけを変えたちっこいシズさんっぽいっつーか・・・・・・」
まぁ、普段のあのスライムの姿だけを見ていたらそう思うのも無理はない。
「本当だよ。ホレ。」
そう言ってリムルはいつものスライムの姿に戻る。
「「おお!」」
「ふへーーー・・・。」
「見事なもんでやすね・・・・」
「・・・・・シズさんを食べたの?イフリートを食べたみたいに。」
「・・・それが俺達にできる。唯一の葬送だったからね。」
そう言うリムルの言葉で思い出すのは、シズの最後の言葉。
『貴方が見せてくれた懐かしい故郷の景色の中で、眠りたい・・・・・』
「・・・・・・・・すまないな。仲間のお前達に相談もなく。」
「いや・・・・それがシズさんの望みだったのなら、仕方がないさ。」
「すまんなエレン。割り切れないかもしれないけど。」
リムルがそう言うとエレンは首を振り、涙を拭って、微笑を浮かべる。
「最後にお別れの挨拶くらい、言いたかったな。」
「シズさんは最後の旅でお前達と仲間になれて楽しかったと言ってたよ。」
「ちょっと危なっかしいとも言ってたがな。」
「あーーーーね・・・」
そう言ってギドがカバルに目を向ける。
「おいコラ。なにこっちを見てんだお前らっ!」
「だって・・ねぇ・・・」
「お前だってこの前
「あ、あれは姉さんが急に押してきたからでやす!」
「ちょっとぉ、私のせいにしないでよぉ。あの時は突然蜘蛛が落ちてきて・・・・・」
・・・・・何と言うか、さっきまでの雰囲気よりも、こういうのが彼ららしくていいな。だからこそ、シズは最後の旅を楽しめたのだろう・・・
「あの時シズさんが蜘蛛を取ってくれたのよねぇ。」
「あれ以来シズさんが罠探しを手伝ってくれやして・・・・」
「ホレ見ろ!俺だけじゃねぇじゃん!」
いや、お前らシズに頼りすぎだろ。
「さてと。じゃ、そろそろお暇するかね。」
あれからしばらく彼らとシズの旅の話を全て聞き終えた頃、カバルがそう言って立ち上がった。
「帰るのか?」
「ああ。ギルマスにこの森の調査結果と・・・・それに、シズさんの事も報告しなきゃならんからな。」
ギルマス・・・ギルマス?もしかしてギルドマスターの略か?
「ギルドがあるのか?」
俺がそう聞くと、
「おうよ。自由組合つってな。ほとんどの冒険者が所属してるんだ。」
そうカバルが教えてくれた。
形は違えど、こっちの世界にもギルドがあるんだな。
「もちろん、ここの事は悪いようには報告しないぜ。」
「リムルさんとジンさんの事、ギルマスにちゃんと伝えとくね。」
「旦那達も、何か困ったことがあれば、頼るといいでやすよ。」
「おう、そうさせてもらうよ。」
「気をつけて帰れよ。」
だが、扉を開ける前にカバルが立ち止まり、
「あっ、と最後にもう一つ。なぁ、リムルの旦那。もう一度人の姿になってもらえねぇかな。」
振り返りながらそう言ってきた。
「?いや、それぐらいは・・・・」
「ああ。別に構わないけど。」
そしてリムルは再び、人の姿に変わる。
「一体なんだって・・・・」
「「「シズさん!ありがとうございました!!」」」
そう言って三人は頭を下げる。
「俺、貴女に心配されないようなリーダーになります!」
「貴女と冒険できたこと、生涯の宝にしやす!」
そして、エレンがリムルに抱きつく。
「ありがとう・・・・・お姉ちゃんみたいって、思ってました。」
・・・・・本当に、彼らがシズの最後の旅仲間でよかったよ。
「ところで、お前らの装備ボロッボロだな。」
「そういえば、確かに。」
「「「ひどっ!」」」
「・・・・・って、え?」
「あ、あの・・・」
「こ、これって・・・・」
最初に会った時からそうだったが、彼らの装備がイフリートとの戦いで完全にボロボロになっていたので、餞別を渡す事にした。
この三つに加え、帰るまでの食料と新しい武器だ。
「餞別だよ。ウチの職人の力作だ。」
「紹介する。カイジンとガルムだ。」
「力作っつっても、まだ試作品だけどな。」
「着心地はどうだい?」
すると・・・・
「え?カイジンってあの伝説の鍛治師の?」
「じゃあ、まさかガルムって、あのガルム師でやすか?」
「うおーーーーーーーっ!家宝にしますぅぅぅ!!」
この喜び様だ。どうやら、俺達が思っていた以上にカイジン達は有名人だったようだな。まぁ、国王が直々に留まらないか?と誘うほどだしな。
良い土産を渡せて良かったと思う。
「また来るぜー!」
「ありがとー!」
「おたっしゃでー!」
悲しみを吹き飛ばすように大はしゃぎした後、彼らは去っていった。ハンター並のたくましさを持った三人だったな・・・・・
「さてと。」
三人を見送り、リムルはスライムの姿に戻り、リグルドに声をかける。
「しばらく1人になりたい。俺のテントに誰も近づけないでくれ。」
「はっ。」
「じゃあ、俺は少し用事を済ませに行ってくる。」
「ん?何処に行くんだ?」
「まぁな。これをただ置いておくだけにする訳にはいかないだろ?」
そう言って俺は腰に差した物に指を差す。
「ああ、そうだな・・・・・じゃあ頼む。」
「おう。」
エンカの背に乗り、やって来たのは、今建設中の町を見下ろせる位置にある丘の上に立つ樹の根元だ。
「我が主。今から何をなされるのですか?」
「身体はリムルが取り込んだから中身はないが、シズの魂が安らげるように、ここに墓を作ろうと思ってな。」
「墓・・・ですか。」
「まぁ、墓といっても簡易的な物だが、ここからならいつでも町が見えるだろうと思ってな、リムルに相談しておいたんだ。」
そう言って、俺は土を盛らせ、彼女が使用していた剣を刺し、あらかじめ摘んでおいた花を供える。
どうか、彼女の魂が幸福な夢の中で眠り続ける事ができるよう、俺は祈った。
そして、ちょうど人への擬態の確認を終わらせたリムルと墓を作り終えたジンは同じ事を思い浮かべていた。
(シズさんの心残りは彼女の教え子達のことだった。)
(ドワルゴンに行った際の占いで見た5人の子供達、そして2人の男女。)
(しかし、こいつ等が何処に居るのかもわからん。)
(地道に情報を集めるしかない。それこそ、ギルドを頼るのも一つの手だ。)
(それからもう一つ。)
(俺達にはやらなければならない事がある。)
((魔王、レオン・クロムウェル。))
「覚悟しろよ。そのイケてる面をぶん殴ってやるからな。」
「何故、彼女を召喚し、辛い人生を送らせたのか、問いただしてやる。」
斯くして、リムルという名のスライムと、ジンという名の異世界の狩人は、1人の女性の姿と想いを受け継いだ。
そして世界は、激動の時代を迎えることになる・・・・・・・・・・
そこは乾ききった大地。雨は何日も降らず、草木が全く生えていないその場所に、1人の魔物、
するとそこに、仮面を着け、シルクハットを被り、杖を持った男が近づく。
「・・・・お前に、食事と名をやろう。」
「・・・・・・・・・・あ、貴方は?」
「俺の名はゲルミュッド。俺のことは父と思うがいい。」
「お前の名はゲルド。やがてジュラの大森林を手中に収め、
どうも、邪神イリスです。
今話にて地位向上編は終了。これからどんどんキャラが増えてまいります。
因みにディノSシリーズを纏った理由は見て目のデザインが良かったからです。グラビモスとかのでのよかったのですが、ちょっと見た目がふっくらすぎるし、もっとたくさんのモンスターを出したいなと思いましたので。
氷結弾ならイヴェルカーナでもいいだろ!と思われた方もいらっしゃると思いますが、マスターランク=G級という解釈をしているので、『今』のジンでは使えないのでデルフ=ダオラにしました。
それと、昨日から映画『モンスターハンター』&新作『モンスターハンターRise』狩猟解禁!
作者は初日最初の公開映画を観てから予約しておいたゲームも購入しました。いやーあれですね。ネタバレになるのであまり言えないのですが、どちらも素晴らしかったです!
特に映画はあまり予告を見ないでほぼ前情報無しで行ったので、色々と驚きました。それと、つくづくプレイヤーが操るハンターが化け物なのだと実感しましたね。
いくつかこの作品でも使えそうな設定もありましたし、これからの進み方次第では設定を流用するかもしれません。