転生してもハンターだった件   作:邪神イリス

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幕間2

 

 

 

お盆

 

 

 

 

 

 

 

月日が経つのは早いもので、大同盟締結から、半年が経過していた。

 

この期間では色々なことをしたな。

 

まず、春には「森の恵みに頼り過ぎず、自分達が喰う分くらいは自分達で賄うべきだ」

というリムルの呼びかけにより、畑づくりとリムルが発見した米作りの為の水田づくりを行った。

 

種を植える場所はドライアドであるトレイニーさんに協力してもらい、植物にとっての栄養が多い場所を見繕ってもらった。

 

大人だけでなく、子供の魔物たちも参加し、皆で楽しく作業しており、俺は作業中に、生前に出会ったユクモ村のモンスターハンターの彼も、土地の一部を譲ってもらって依頼がない時は畑仕事をしていた事を思い出した。

 

特にゲルドは飢饉を体験したことがあったからか、熱心に働いていた。

 

だが、残念ながらその後の夏の日差しと上手く土に馴染めなかったのか、数株を残して枯れてしまった。

 

しかし、諦めずに試行錯誤を繰り返した結果、何とか復活させる事に成功し、現在は三つ目の農場を開墾中だ。

 

他には、リムルの世界で行なわれていた『七夕祭り』などの祭りも二回ほど行った。

 

特に夏祭りは以前ユクモ村で行われた祭りを彷彿とさせて中々楽しかったと思う。

 

ゲルドが的当てで玉を外したゴブリンの子供に内緒で一回おまけをしてあげたりする優しい一面を見つけたり、ランガたちが花火が苦手だとわかったりもしたな。あのエンカが花火の音を聞いた瞬間、びっくりしてこっちに突っ込んできたからな。恥ずかしかったのか、すぐに離れたけど。

 

あと、ヒヨが目をキラキラさせてアワナミを引っ張って色々と遊びまわっていたな。

リムル考案の食べ物もどれも美味かった。

 

一番夏祭りで面白かったのは、ハクロウとゴブタがやっていた金魚すくいだな。

子どもたちには普通の小さな金魚をすくわせていたのだが、大人向けの金魚型の魔魚をすくうのは指を喰われるかどうかのスリルがあってよかったな。

 

最終的にはポイの持ち手で眉間を突いて動きを止めたところを仕留めた。

 

ヒヨやゴブタの修行をしていない時などは、よくハクロウと一緒に釣りに行ったりもする。

この前の釣りでは、あのゴブタがハクロウの目を欺いたりしてたな。

 

成長に合わせて、翌日からあいつの修行の量を倍にしたのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日、今日はベニマルと2人で部隊の編成の見直しを行っている。

 

「ジン様は、軍の指揮を行ったことがあるのですよね?」

 

「ああ。と言っても、数回程度だがな」

 

開拓地に行った時のラヴィエンテ討伐戦の指揮も大変だったが、一番大変だったのはラオシャンロンとシェンガオレンの同時進行だな。

 

二匹が争ってくれれば楽だったんだが、あいつら一直線に砦を目掛けて進んで来たんだよな。

 

「それでも構いません。それで、軍を率いる際の注意すべき点などを聞けたらなと思いまして」

 

「そういえば、お前は本格的な指揮したりするのはオーク軍との戦いが初めてだったな」

 

俺がそう言うと、ベニマルは苦笑しながら肯定する。

 

「ええ。ですので、勝手がわからなくて困っているんですよ」

 

「・・・・わかった。俺の個人的な考えで良ければ話してやる」

 

「ありがとうございます!」

 

結局、俺とベニマルは日が暮れるまで一緒に部隊の指揮などについて話し合う事になったのであった。

 

途中からベニマルの愚痴を聞くだけになっていた気がするが、アイツも吐き出せるときにはそうした方がいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くあぁぁ・・・・っ」

 

そして、夜。

 

話を切り上げた後、俺は新たに完成した大浴場に浸かり、のんびりと寛いでいた。

 

この大浴場は、リムルが陣頭指揮を取って作ったものだ。

 

熱が逃げない性質を持つ影空間を利用して、リムルとソウエイが『影移動』を使って配管作業を行う事で遠くの火山地帯から温泉を引っ張ってきて完成させたのだ。

 

これにより、温度調節の必要もないので、常に快適な温度の温泉に入浴出来るようになった。

 

因みに、俺とリムルの家にも、それぞれ個人用の風呂が設置してある。

 

大浴場はカイジン達の頑張りのおかげで十数人が同時に入れる広さがあり、それぞれ女性用と男性用。そしてどちらも入れる混浴となっている。

 

そもそも俺は温泉と言われたらユクモ村やセリエナの温泉のイメージが強く、普通は男と女で別れて入るとリムルから聞いたときは少しだけ驚いたし、リムルも俺が混浴を作ろうと言った事に驚いていたな。

 

まぁ、さすがに裸ではなく、ユアミシリーズをモデルにした湯着を着て入ると説明したら、納得してくれたけど。

 

こっちには、主にヒヨとアワナミなど、俺と話をしたいという奴らがよく来る。

 

後、この混浴の場だけは俺が指揮を執り、ユクモ村の温泉と同じような造りになっている。

 

・・・・・未練はないつもりだったが、こうしてこっちの世界で過ごしていると、色々と思い出すことがある。

 

特にアスカには悪いことをした・・・・新大陸での任務が終わったら、色々と話をするって約束を果たせなかったな。

ハヤトも大丈夫だろうか?噂では、百竜夜行の兆候が見られると聞いていたから、新大陸から戻り次第、アスカや団長たちと一緒に応援に向かうつもりだったからな。

 

・・・・・・・だが、俺たちの次の世代の若いハンター達も成長しつつあった。きっと、彼ら彼女らならば、どんなモンスターが相手でも乗り越えられると信じよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、今日はなんだっけ。第一次都市計画完了兼、大浴場開設兼、第三農場開墾兼、クロベエ鍛冶工房新設兼、ヒポクテ草ノルマ達成兼、第六回ゴブリン邂逅祭その他諸々の記念で・・・・・

 まぁ、とにかく乾杯だ!」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

リムルの音頭で、宴会が始まる。

 

この町の魔物たちはとにかく宴が好きだ。

だが、そう何度もやっていては流石にキリがないので、こうして定期的にまとめて祝う事としている。

 

みんなでワイワイと酒を飲みながら、俺は、会場の端でこちらを見守る黒髪を視界の端に入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宴を終え、夜も更けた頃。

俺は街を一望できる丘へと来ていた。

 

月明かりの下、樹の根元にある『彼女』の墓の前に座り、しばらく眼下に広がる町並みを眺めていると、背後に気配を感じ、口を開く。

 

「『お盆』だったか?リムルの世界の文化で、夏の一時期、死んだ者や先祖の霊が戻ってくる時期・・・だそうだな」

 

そう言いながら、振り向く。

 

そこには、俺とリムルと初めて会った時の『彼女』の姿があった。

 

「久しぶりだな。シズ」

 

「・・・見えていたんですね、ジンさん」

 

少しばかり半透明な姿で立っていたのは、俺とリムルが看取ったシズエ=イザワだった。

 

「ああ。なんとなくだけどな。お前さんが来てるのはわかっていたよ」

 

俺がそう言うと、彼女は嬉しさ半分。寂しさ半分といった表情を浮かべる。

 

「リムルとは会って来たのか?」

 

「うん。さすがにスライムさんは私には気づいていなかったけど、元気そうで安心しました」

 

「・・・あいつは、お前さんの事をずっと気にしていたぞ」

 

「知ってます。私自身、ちょっと気になっていましたから、お母さんにちょっと出かけてくるって言って、やってきちゃいました」

 

「そうか。その様子だと、死んだ母親とは会えたんだな」

 

「はい。・・・・・あれ?私、スライムさんとジンさんに母の事を話しましたっけ?」

 

「お前を取り込んだ後に、僅かに読み取れた記憶で見たらしいぞ。それ以外では、『彼ら』に関するものが僅かに見えただけらしいが」

 

「そうだったんですね・・・・・」

 

俺がそういうと、シズは微笑みを浮かべて、俺の隣に腰掛けた。

 

しばらく、2人で街を眺めていると、ふと、彼女を見て思い出し、俺は彼女に問いかけた。

 

「なあ、シズ。一つ聞いていいか?」

 

俺の言葉に、シズは小さく首肯する。

 

それを確認した後、俺は質問を口にした。

 

「お前が付けていたあの仮面・・・・あれ、誰かからの貰い物だったりしないか?」

 

俺の問いに、シズの瞳が揺れ動く。

 

どうやら、俺の予想は当たっているようだ。

 

「・・・知っているのですか?あの人を・・・・・」

 

「お前さんの言う『あの人』ってのが俺が知っているのと同一人物は分からんが・・・・・

 シズと初めて会った時は町の開拓などに気を取られて忘れてたんだがな。あの仮面に見覚えがあるんだよ。前の世界でな」

 

俺がそう答えると、シズは俯き、膝の上で両手を握り締めている。

 

「俺がその仮面の持ち主と知り合ったのは、俺が元いた世界。そこでの出来事だ。異世界から迷い込んだって言ってたアイツは、最終的に俺たちが協力して元の世界に戻っていったんだが、その時に着けてたんだよ。あの『抗魔の仮面』を」

 

あれは俺達が『渡りの凍て地』を発見する前・・・・・歴戦王のクシャルダオラの討伐をしていた時だったんだよな。

 

さあ狩るぞ!と思ったら、見たことない奴が襲われていたから驚いたもんだ。

 

「・・・・あの仮面は私の恩人から貰ったもの。あの仮面のおかげで、あの時までイフリートを抑える事が出来たんです」

 

「そうか・・・・・」

 

そのままお互いに無言になる。

 

だが、それは決して居心地の悪いものではなかった。

 

やがて、山の向こうから朝日が顔を出し始める。

 

それと同時に、シズの身体が薄くなり始めた。

 

もう時間切れのようだ。

 

「そろそろ帰るみたいだな」

 

「はい。色々とありがとうございました」

 

「気にするな。俺も久々にお前に会えて楽しかった」

 

俺がそう言うと、シズは少しだけ寂しそうな顔をした後、何かを思い出したように口を開いた。

 

「あの子たちの事、よろしくお願いします」

 

「・・・・あぁ。機会が出来たら、必ずリムルと行って来る」

 

俺がそう言うと、シズは優しく微笑んで消えていった。

 

その後、町に戻った俺は、今日は休む事にして眠りについた。

 

次は何をしようかと考えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いていたらいつの間にかシズさんがヒロインしてました。どうも、邪神イリスです。

兎にも角にも、いよいよ次話から新章へと入ります。

今後出てくることのない設定ですが、ユクモ村のモンスターハンターに関しては、MHP3の主人公という設定です。ポッケ村のハンターと違って会ってそうなので。

あと、シズの記憶云々も自分の妄想です。アニメの描写で母親と再会していたから、お盆の際になんかそんなやり取りでもしたのかなーって思ったので。


それと、感想欄で「こうした方がカッコイイ」などのご意見を頂けました。本当にありがたいです。

今後も何か文章で疑問があった点がありましたら、教えてほしいです。
こちらでも気を付けていますが、見落としがある場合もあるので、その都度修正していきたいと思います。











おまけ


現時点でのジンのステータスです。知りたいという方もいるかと思うので、ここで公開しておきます。






名前:ジン=テンペスト

年齢:享年50歳(現在は若返って、23歳ぐらいの頃の姿になっている)

性別:男性

種族:真竜人

加護:暴風の紋章、???

称号:魔物を統べるもの、???

魔法:なし

ユニークスキル:『相棒』、『狩猟者』、『竜戦士』

エクストラスキル:『剛力』、『身体強化』、『超嗅覚』

コモンスキル:『威圧』、『思念伝達』

耐性:痛覚無効、腐食無効、捕食耐性、その他『竜戦士』で装備する防具及び変身するモンスターによって変動



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