佐天さん最高!佐天さん最高!
オマエ達も佐天さん最高と叫びなさい!!
感想、評価ありがとうございます。
己の前世を思い出したのは、齢12の時だ。目の前には自分に抱きつく可愛い妹の涙子。多分その可愛さがトリガーになったと思われる。
俺、いや私は『とある』の世界に転生した。前世では普通の一般人だったはずだが、何故こんなことになったかは知らない。なんなら本来原作に存在しない佐天涙子の姉になった理由も分からない。
だが、そんなことはどうでも良かった。この子の未来には危機が多く待ち受けている。勿論自分の知る限り原作では死ぬような怪我等はしていなかったが、だからといってそれを許容できるかと問われればそれは無理だ。
ならばその危機から遠ざける為に学園都市に行かせないのか、と問われればそれも違う。御坂美琴、白井黒子、初春飾利との関係はこの子にとって必要不可欠なものだと思っている。原作崩壊がどうとかいうのは私の存在の時点で前提が崩れているし、それ関係なくこの子が未来の親友達と会えなくなるのは嫌だった。
「ねぇ涙ちゃん、学園都市行きたい?」
「うん!私はすっごいのうりょくしゃになっていっぱい人のやくにたつの!!」
「そっか」
舌足らずながら楽しそうに語る彼女を抱き寄せる。
覚悟は決まった。この際最早原作など関係ない。とことん介入してこの子を守り通す。それが私の役目だ。
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なんて誓ったってのにぃ!!
「涙、無事?怪我は?痛まない?多分
「ちょ、お姉ちゃん近い!近いって!!」
涙はそう言って私を押しのけた。え?反抗期かこれ?嘘だろ?心折れそう。涙に拒絶されるとか無理なんだが?は?
「ほんとに落ち着いてって!初春達が困惑してるから!」
そう言われて背後に視線を向ける。呆然とする原作での涙の友人達がそこにいた。
「すまないがこの子の治療が優先だ」
「え?あ、はい」
「いい加減にしろ────ッ!!」
怒られた。
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「お姉ちゃんが私のこと心配してくれてるのは分かってるけど!その場での優先順位ってものがあるでしょ!」
「はい……すいません………」
応急手当を終えた涙子に怒られる女性、佐天零子に御坂達は困惑を隠せずにいた。御坂は先程までとはまるで違うその様子に、白井と初春は彼女があの『
「ねぇ……」
「は、はい?なんでしょうお姉様」
「懲罰部隊ってなんなの?」
一先ず困惑から回復した御坂は至極当然の疑問を白井に投げた。御坂はルームメイトである白井が風紀委員であるために風紀委員についてはある程度知ってはいるが、懲罰部隊というのは聞いたことが無かったのだ。
「懲罰部隊というのは風紀委員長直属の部隊ですわ」
「普通の風紀委員と何か違うの?それ?」
「かなり違いますね。普通の風紀委員は決められた区画の治安維持が通常の業務です。場合によっては犯罪者と交戦することはありますが、普通はできる限り戦闘は避ける事を推奨されているんです」
「黒子は?」
「白井さんは異常なだけです」
「初春……?」
白井から伝わる静かな圧を無視しながら初春は続ける。
「懲罰部隊は逆に、
「何で懲罰部隊だけ?」
「単純に、力を示したというだけだ」
説教が終わったのか、零子が話に口を挟んだ。
「想定しうる最悪よりも更に最悪の状況を一人で打破できると認められた存在が懲罰部隊だ。なれるのは委員長含め超能力者を除く各レベル5人だけ。相応の努力と研鑽を積んだからこその地位だ」
「最悪の状況って?」
「対訓練された大能力者10人とか」
「はぁ!?」
御坂は驚愕の声を上げる。初春と白井に関しては最早声も出せずにいた。唯一前から聞いていた涙子は驚いてはいないが、未だに信じきれていない様子だ。
「いや、無理でしょ!?」
「私達は実際に試験としてそれを打破した。だからこそ認められてる」
唖然とする御坂を後目に零子は時計を確認する。すると用事がある、といって後の対応を白井達に任せてその場から走り去っていく。
「嵐のような人でしたの……」
「ですね……」
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「始まったか……」
一人呟きながら目的地に向けて走る。先程のあれはアニメ超電磁砲1期の1話のシーンだろう。
妹を守る為に風紀委員に入り、懲罰部隊にすら入った私だが、それでもまだ力は足りない。私にとって第一なのは妹が平和に、幸福に過ごすことだが、その為には周りの人間の幸福も必要だ。ならば、できる限り不幸な人間を減らすのが一番の選択。しかしその為にはまだ力が足りない。
だからこそ、
目の前の扉には、大きな盾のマークが刻まれている。ここは風紀委員本部にして、風紀委員の長がいる部屋だ。それはこの学園都市最大の正義の一角にして、
「入るぞ」
「ハローマイハニー♥」
「死ね」
「さぁ、実験を始めようか♥」
目の前で白い少女が、悪辣に笑った。
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