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くすんだ白い髪と青い瞳、真っ白なセーラー服に身を包み、更にその上から白衣を身にまとった少女。見た目だけで言えば凄まじい美少女だ。そう、
「酷いなぁ、そんな嫌そうな顔を向けないでくれよ
「本性出てるぞ」
「別にさっきのもガチだぜ♥?普通に性的にグチャグチャにしたいしされたいし♥」
「内面がクソオブクソのお前なんざお断りだ。抱いて欲しけりゃ完全に私の言いなりになることだな」
「ふーむ、今はまだ無理かなぁ♥でもそのうちお願いするぜっ♥」
甘ったるいその声に嫌悪感を表しながら、私は本題に入った。
「で、何故呼んだ?」
「
予想していたことの一つだったが、その言葉に表情が歪む。わざわざ呼び出しての仕事だ、風紀委員のもののはずがない。それは死者が出ることと同義だ。
「安心しなよ♥最終的に死人は何人か出るけど、
「場所は?」
「送っといた♥」
スマホを確認し、扉に手をかける。できる限り早くこの場から離れたかった。そこで再びあの甘ったるい声が部屋に響いた。
「少しくらい、デレてくれてもいいんじゃないかな♥?試しに
「……じゃあな
「苗字じゃ意味ないんだけど………」
そんな声が、背後から飛んできた。
────────────
「ここか……」
眼前にあるのは、この街ではありきたりな研究施設だ。何をやっているかは知らないが、あの女が持ってきた案件だろうがなかろうが、倫理観がパージしたクソみたいな実験なのはほぼ確実だろう。
あの女、木原定理が私に渡す案件は、アイツが
「ちっ……」
そのことに舌打ちしつつ、電子式の扉を素手でこじ開けて中に入る。バキンッ!という音と共に研究施設内に警報がなるが、問題ない。同じく懲罰部隊の一人が外で張っているし、どうせここで逃げれても追跡されて殺されるだけだ。その時にデータを持ち逃げしていたらそのデータも破棄される。
「き、貴様はっ!」
「黙ってろ」
腹にヤクザキックを叩き込む。奥の方にいた研究員を巻き込みつつ吹っ飛んだそいつを流し目に、そこらの機械に向けて拳を振り回す。私の能力は大能力者の
殴り、蹴り、潰す。単純作業を繰り返す。研究員はどうでもいい。徹底的にデータを、設備を破壊し尽くす。少しでも残ればアホが無駄に引き継いで研究を始めかねない。
「あらかた破壊し尽くしたかな」
至る所から火花が散り、様々な装置の残骸だらけの施設内で独り言ちる。今更こちらに突っ込んできた、恐らく完全AI化されたパワードスーツに右拳を叩き込んで破壊し、その場を後にしようとして────
「ぁ……ぅ……」
そんな声を、能力によって強化された聴覚が捉えた。すぐに声の方へ向かう。電気系統が私のせいでイカれた為か、扉は全て開いている。少し進めば、一番奥の扉から人らしきものが飛び出ていた。
「これは……」
小さな女の子だ。真っ白な髪と肌、服は病院の入院着に近い。そして私に気付いてか薄らと開かれたその瞳の色は、真紅。白と赤という、あまりにも見覚えのある二色。実物を見た事のある私から言わせれば、
私はその少女に触れようとして────
「……っ!」
────バチンッ!と弾かれた。
見覚えのある現象に、思わず眉間に皺が寄る。その部屋のネームタグが、彼女の正体を物語っていた。
「知らんぞこんな厄ネタ………」
Base Accelerator.
原作にもない完全なる未知が、私の前に姿を現していた。
────────────
「……美味しい?」
「……」
純白の女の子がごく僅かな動作で頷く。
あの後、一先ず私は彼女を自身の住むマンションに連れて行った。警備員に連れて行けば、彼女は数時間後には行方不明になっているだろうし、木原定理の元に連れて行くのは抵抗がある。
恐らく、奴はこの子のことを知っていて伏せたのだろう。そしてこうして私がこの子を助けているのも想定内の筈だ。あいつは私の開発担当だ、一方通行の担当だった木原数多が彼の
(どうしたもんかな……)
Base Acceleratorというのがかの第一位のDNAを指しているのは容易に想像がつく。この子は一方通行のDNAを元に作られたのだろう。即ちそれは、この子がこの学園都市においてダイヤモンドですら足下にも届かない莫大な価値を有していることにほかならない。
「ん?眠い?」
「……」
彼女がスプーンを持ちながら船を漕ぎ始めた。軽く抱き寄せて膝枕をし、頭を撫でる。そうして彼女を眠らせながら、私は思考の海に沈んでいく。
(第一位のDNAという確証は無いけど、必要も無いな……)
仮に違ったとしても、この子の持つ能力は彼と同じく
この子は狙われる。この子の素性が漏洩すれば、それこそ
「はぁ……厄介なことになった……」
深いため息をつきながら、私はこの子を寝室に連れて行った。
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