優希-Yūki-、再び全国へ   作:瑞華

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第3話、彼女たちのあしあと

 それから来週、朝早く家を出て見知った白い制服から新品の清澄高校の制服となっているはずの南浦数絵を迎えにきたのは片岡優希だった。

 

 

「かずちゃん!、迎えに来たぞ!」

 

 

 それから数分後、短めのスカートになるとかなり色気が付いた南浦数絵が家から出て来た。

 

 

「またせました。片岡さん」

「片岡さんは水臭いじょ、普段から誰でも敬語の口癖じゃなきゃ敬語もいいし普通に優希ちゃんでもなんでもいいぜ!」

「前に会った時、片岡さんに対して原村さんはいつも敬語だったようですが?」

「だから聞いているんだぞ、のどちゃんは誰でも敬語だし敬語でも遠慮なく親しくするから良い!かずちゃんも同じなら敬語でも良いが、かずちゃんの親しく接する形で呼んでって言っているのだじょ」

(私が親しく接する方法?)

 

 

 今まで自分に友達がなかったとまでは思わないが、数絵に同じ目標を共有する仲間は居なかった。背中を任せられない弱物と貶み関係を構築しなかったからあまりお世辞でない方で同じ学年の女の子と話すとなれば、別に敬語一筋でもよい上級生より戸惑ってしまう。

 

 

「それじゃぁ……優希って呼んでも……いいか?」

「当たり前た!」

 

 

 デレの仕方すら下手な数絵の事は気にせず、優希はちょっと細めで温かい手を取って引っ張りながら学校に向かう。優希の強引に近い押し付けに数絵は直ぐ自分にとってむしろ良い方向だど受け入れた。自ら仲間たちのとの距離感と関係性を作り上げる難問を解く重みから開放されたから、これくらいは受け入れる。

 

 

「それにしても凄いなーかずちゃん、一気にお引越しまで済ませるとまでは思わなかったじぇ」

「お祖父様が直ぐ手配してくれたから」

「プロ雀士だったよな?ならやはり強いのか?」

 

 

 昨年は優希にとってその名が広く示す同時に、全国の頂点がどれほど高い領域にいるか知る事も出来た年だった。もう天使や悪魔か神かと交わる経験が毎日出来るのでは無いからこそ、強者を求める様になった。

 

 

「勿論、高校生くらい相手に成りたたなにくらいに強い、私が相手にした誰よりも……私の目標だ」

「そうか、私にも目標はあるじぇー!」

(それは誰だ?)

 

 

 

 

 その日の放課後、新学期に入った以来麻雀部では初に部活らしい人数が部室に揃う事だ出来た。やっとうパソコンではなく雀卓に電源を入れる役割は部長であるまこに回った。

 

 

「新人が入った今日くらいは卓を囲めてよかったのう、感謝じゃ書紀ちゃん」

「その呼び方はマジで辞めてくださいよ」

「早う座れ京太郎!私はもうこの手と腕がが渦巻いて仕方ないのだー!」

 

 

 優希は左手で卓の右側を掴み、元インターハイチャンピオン宮永照のマネをする。

四人は順に場決めを終え自分の席に着いた。

 

 

「須賀さんは生徒会の書紀なんですか?」

「あぁ、この学校では学生議会のですがね……うちの前の部長は知ってますよね?麻雀部の部長で学生議会長だったんですよ、で何故か俺が学生議会に誘われて」

「掛持ちなのは久さんみたいに、それくらい実力に自身が有るって事でしょうか?」

「いや、むしろ逆パータンですよ、俺なんか昨年は午前中に脱落でしたから」

「弱い物にも相手してやる私の優しさに感謝しな、京太郎」

 

 

 優希の挑発にもハイハイと自然に流した京太郎は以前より牌の選択が早くなった。誰でも成長はそれぞれ違うが、数絵にとっては初めて見る相手だけに器量の違いを感じてしまう。

 

 

「それで優希あんた、まだ一年生の中で麻雀経験者探してるんだよな?結構学生議会で話題になったぞ」

「探し出すまで終わらないじょ!」

「諦めが悪いのが優希の取り柄じゃ、良いと誉めてあげよ」

「今年、全国制覇を果たさないと三人に自慢出来ないじぇ!今年は個人戦でも全国優勝狙うからな!」

 

 

 昨年は県代表になれなっかのに一気に優勝とか大きく出たが、この中で一番それに近い者は確かに優希だった。数絵は国麻での実績はあるが、インターハイでは無いから比べれば優希の名がまだ上、だから自分の前に強者が突っ走る楽しさもある。

だが、後ろに座っているつもりは決してない。

 

 

「ツモ、4000,8000です。」

 

 

 

 

 京太郎が作ってくれたタコスを食べるのに夢中な優希の隣で三人はお菓子を少しずつ食べながら息抜きをする。

そして数絵は自分のノートパソコンで清澄の部内で積んである牌譜を見ていた。部内試合を含めて他校との合宿や公式戦のデータも有る、その中で清澄のメンバーが含まれている試合を中点に検討する。もう仲間だから弱点を隠す必要もない。

 

 

「原村さんと宮永さんのデータ面白いですね、特に優希みたいに器量にブレが有るのでなく環境と着衣によって変動が有るって信じ難いくらいです、原村さんの方は衣装だと表現しても良いか迷いますが」

「両方幼い頃からなれた状態が好きってだけじゃ」

 

 

 清澄の元エース達に対する感想を並べた後、数絵は結構厳しい話しに移る。

 

 

「聞かないつもりでしたが、団体戦向けに必要な2名に対する方策はいますか?」

「今の段階では全然ないのう」

「須賀さんは、どれほど来られますか?」

「まぁ、一週間に2度くらでしょうか」

「何だ、これまで来なっかたくせに、のどちゃんが無いから来なくなったけど今はかずちゃんが居るからなのか?私の犬の分際で良い度胸だな!」

「俺が来ても3人だけだからだよ、それに新学期初っ端から学生議会が忙しいのは分かってるだろ!」

 

 

 京太郎がキレた声で優希を追うと直ぐテラスに逃げ込んでしまう。

 二人がふざけなから会話から外されたゆえ、数絵はまこの椅子に方に近寄って声を小さくした。

 

 

「入って早々部の方針に口出しするのでは有りませんが、私にとっては二人と手合わせ出来るこの状況でも満足しています、いつも4人でないのが残念ですが良いと思います」

「でもこのままじゃ団体戦にはエントリーすら出来ないんじゃが?」

「でもこのメンバーなら個人戦では確実に全国出場が出来ます」

 

 

 ひとりだった数絵がどれほど満足していろうか、まこにもよく解った。自分も昨年、たった二人から部員で卓を囲める人数になっただけで嬉しかったし満足出来そうだった。だが、まこも知ってしまったのだ。5人で一緒になれてからこそ得られる刺激と快感を。

 

 

「まだ気の早い話じゃぁ、まって見いんさい、それとこの4人の練習で満足しなくてもえぇわ」

「風越ならともかく練習相手に困ってる学校なら余るほどおるし、4人以上でも新たな相手を欲しがる所もおるじゃけん」

「それには察しが付いてるんですか?」

 

 

 自身は表に出さなかったと思うはずの期待気味が混じった質問に、まこは一言だけを言う。

 

 

「今週末、開けておきんさい、遠征になるじゃろうから」

「そうだ、週末は龍門渕高校へ攻めに行くんだ!かずちゃんも期待してな!」

「優希!気が早う、直ぐバラすんじゃない!」

 

 

 いつの間にか戻ってきた優希は目に炎を灯している。




仲間で一緒でもそれぞれ違う方向に進むのは良くありがちな話ですね。
内容では無っかたんですが、この日勝ったのは総合で優希です。まぁ、優希も化け物って事です。意気込みが重なって最強です。そうであって欲しいだけです。

週中には良く書けないかも知れませんが、少しずつ前進します。
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