PIGMAN 〜ザ・小太りヒーロー〜   作:Mr.ぴっぐ

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第1話:ピンクのヒーロー

ヤマトシティにも夜が来る。

しかし、他の街とは異なった夜だ。

この時間帯はより一層"彼ら"の動きが活発になる。

 

「キャー!」

 

夜の街に響く女性の悲鳴。

今日もまた罪なき人が命を奪われようとしていた。

 

「へっへっ(笑)さてさて、どうしたもんかな〜?」

 

「おっ、なかなかいい女じゃん?」

 

「まずは1発ヤッちまうか!」

 

男が3人、すでに目の前で怯えている女性をどうするかで話していた。

その光景をビルの上から観察する者がいた。

ピンク色のスーツに、ブタのシルエットマーク、少し膨れたお腹。

 

「こちらピッグ、これから行動に移る」

 

通信で誰かに連絡を入れると、3人組の男たちに気付かれないよう、ビルから飛び降りた。

 

「や、やめて・・・お金ならあるから、た、助けて・・・」

 

女性は泣きながら1人の男にすがった。

だか、男は笑いながら首を横に振った。

 

「その女性を放せ」

 

突然、どこからか男の声がした。

 

「誰だ?」

 

「もしかして、今噂の"あいつ"じゃないのか?」

 

「ま、まさかな・・・」

 

男たちは身構えた。

すると、声の主は静かに1人の男の背後についた。

 

「そのまさかだ」

 

言い終わると同時に男は気絶させられていた。

 

「こいつみたいになりたくなければここから立ち去れ」

 

しかし、残りの男たちは逃げるどころか向かって来た。

 

「やれやれ・・・」

 

2人の男を軽くあしらうと、怯える女性の元へ向かった。

 

「よかった・・・ありがとうありがとう」

 

女性は目に涙を浮かべなから何度も何度もお礼を言った。

 

「安心して。もう大丈夫。ほら、これ」

 

そう言って彼はおにぎりを差し出した。

 

「困ったときは必ず助けに来る、必ず」

 

遠くでサイレンの音が聞こえ始めた。

警察が誰かの通報を受けて向かってきている。

 

「それじゃあ」

 

立ち去ろうとする彼に女性は咄嗟に叫んだ。

 

「ちょっと待って!まさか、あなたは・・・」

 

すると彼は立ち止まり、振り向いて言った。

 

「俺は、PIGMAN」

 

そして彼はそのまま闇の中へ消えて行った。

 

 

 

 

ー黒崎邸 地下基地ー

 

「お疲れ様でございます、坊っちゃま」

 

「うん。いつもありがとうヨシさん」

 

PIGMAN、もとい黒崎タオトはこのヤマトシティの1大企業である黒崎産業の若社長である。

彼は幼い頃に両親を亡くしているため、黒崎家執事のヨシさんと2人で暮らしている。

 

「ちょっと〜。あたしにもお礼を言ったらどう?」

 

そう言うのは幼なじみのユナである。

彼女はPIGMANスーツ全般を任されている。

 

「そうだった。ありがとう。君のスーツのおかけで今日も無事に帰って来れたよ」

 

彼女は満足そうに笑みを浮かべた。

 

「まぁね、あたしが設計したんだもん。そんなにやわじゃないわ」

 

「それはそうだ」

 

3人で笑っていると、誰かの腹が鳴った。

 

「ヨシさん、夜食・・・あるかな?」

 

タオトは申し訳なさそうにお腹をおさえていた。

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