ヤマトシティにも夜が来る。
しかし、他の街とは異なった夜だ。
この時間帯はより一層"彼ら"の動きが活発になる。
「キャー!」
夜の街に響く女性の悲鳴。
今日もまた罪なき人が命を奪われようとしていた。
「へっへっ(笑)さてさて、どうしたもんかな〜?」
「おっ、なかなかいい女じゃん?」
「まずは1発ヤッちまうか!」
男が3人、すでに目の前で怯えている女性をどうするかで話していた。
その光景をビルの上から観察する者がいた。
ピンク色のスーツに、ブタのシルエットマーク、少し膨れたお腹。
「こちらピッグ、これから行動に移る」
通信で誰かに連絡を入れると、3人組の男たちに気付かれないよう、ビルから飛び降りた。
「や、やめて・・・お金ならあるから、た、助けて・・・」
女性は泣きながら1人の男にすがった。
だか、男は笑いながら首を横に振った。
「その女性を放せ」
突然、どこからか男の声がした。
「誰だ?」
「もしかして、今噂の"あいつ"じゃないのか?」
「ま、まさかな・・・」
男たちは身構えた。
すると、声の主は静かに1人の男の背後についた。
「そのまさかだ」
言い終わると同時に男は気絶させられていた。
「こいつみたいになりたくなければここから立ち去れ」
しかし、残りの男たちは逃げるどころか向かって来た。
「やれやれ・・・」
2人の男を軽くあしらうと、怯える女性の元へ向かった。
「よかった・・・ありがとうありがとう」
女性は目に涙を浮かべなから何度も何度もお礼を言った。
「安心して。もう大丈夫。ほら、これ」
そう言って彼はおにぎりを差し出した。
「困ったときは必ず助けに来る、必ず」
遠くでサイレンの音が聞こえ始めた。
警察が誰かの通報を受けて向かってきている。
「それじゃあ」
立ち去ろうとする彼に女性は咄嗟に叫んだ。
「ちょっと待って!まさか、あなたは・・・」
すると彼は立ち止まり、振り向いて言った。
「俺は、PIGMAN」
そして彼はそのまま闇の中へ消えて行った。
ー黒崎邸 地下基地ー
「お疲れ様でございます、坊っちゃま」
「うん。いつもありがとうヨシさん」
PIGMAN、もとい黒崎タオトはこのヤマトシティの1大企業である黒崎産業の若社長である。
彼は幼い頃に両親を亡くしているため、黒崎家執事のヨシさんと2人で暮らしている。
「ちょっと〜。あたしにもお礼を言ったらどう?」
そう言うのは幼なじみのユナである。
彼女はPIGMANスーツ全般を任されている。
「そうだった。ありがとう。君のスーツのおかけで今日も無事に帰って来れたよ」
彼女は満足そうに笑みを浮かべた。
「まぁね、あたしが設計したんだもん。そんなにやわじゃないわ」
「それはそうだ」
3人で笑っていると、誰かの腹が鳴った。
「ヨシさん、夜食・・・あるかな?」
タオトは申し訳なさそうにお腹をおさえていた。