「100、101、102、103・・・」
朝日が登り、鳥のさえずりが聞こえる頃、タオトは家のトレーニングルームで汗を流していた。
彼は毎朝のトレーニングを欠かさない。
それもPIGMANであるが故だ。
そこへ執事の吉次郎が入って来た。
「坊っちゃま、朝食の準備は出来ておりますのでトレーニングが終わり次第どうぞ」
「うん、ありがとう。もうすぐ行くよ」
かしこまりましたとお辞儀をし、部屋を出て行こうとする吉次郎をタオトは止めた。
「ヨシさん。それとさ、その"坊っちゃま"はそろそろ・・・」
と言いかけたところで吉次郎は、
「申し訳ありません。そうでございましたね、"タオト様"」
そう言うと吉次郎は部屋を出て行った。
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カタカタカタ・・・。
パソコンのキーボードを弾く音だけがこの空間に響いていた。
黒崎邸地下基地、ここでユナは今日も徹夜で作業をしていた。
「ふぁ〜あー。あー今日もオールか〜」
あくびをしながら眠たい目を擦っていると、吉次郎が朝食を持って来ていた。
「ユナ様、お疲れ様でございます。今日も徹夜ですかな?徹夜はお肌に悪うございますよ」
「あ〜そんなことはどうでもいいの。それよりもタオトに頼まれてたバイクの設計よ〜。まったく!人遣いが荒いんだから!」
と言いつつもユナは満足気な顔をしていた。
「表情から察するに良いものが出来上がったのでございましょう」
さすがヨシさん、と指を鳴らすとメインモニターに設計図を映し出した。
「このバイクなら銃弾を受けても壊れることはないし、タイヤもパンクしない。あとは自動運転が出来たりもするわ」
「さすがはユナ様。いつもありがとうございます」
「なんでヨシさんがお礼を言うのよ。ほんとは"あいつ"が言うべきことなのに」
吉次郎は首を横に振った。
「いえいえ。ユナ様が最高のものを作ってくださるからタオト様が無事に帰って来られるのです。私はそのことに対して感謝を申し上げているのですよ」
吉次郎は朝食を作業机の端に置くと、一礼してその場を去って行った。
「ヨシさんもやっぱりタオトのこと心配してるんだな〜。まっ、そりゃそうか」
ユナは吉次郎が運んできた朝食を食べ始めた。
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タオトはリビングで朝食を取っていた。
口と手は食事に、目と耳はテレビのニュースに集中していた。
「昨晩、またもや"PIGMAN"と名乗るピンク色のスーツを着た男が女性を暴漢3人から救ったとの情報が入りました」
この街でPIGMANとして活動し始めてから半年が経とうとしていた。
徐々に市民の間にその存在が広まり始め、今では街のヒーローになりつつあった。
「もっとこの街が平和になればな・・・」
独り言を言いながらタオトは5枚目のトーストに手を伸ばしていた。