「  」の兄であり、テトの兄   作:主義

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吸血種①

一週間ぐらい費やしてしまったが吸血種(ダンピール)の国に付く事が出来た。森精種(エルフ)とはどうせいつかまた出会うだろうし..その時に考えるとして今は....この現状をどうするかだな。

 

「予想以上にかなり酷い状況だな」

 

俺は吸血種(ダンピール)の今の状況をこの目で見てかなりまずいと思った。正直な事を言うと絶滅するのも時間の問題だろう。このままいけば...一年....いや、半年後には絶滅している可能性だってないとは言い切れない。

 

 

「兄さんの言う通り....かなり酷いね。これじゃゲームどころじゃないね。国の衰退はもう待ったが聞かないだろうし..元々、吸血種(ダンピール)が生きていくには他の種族の血液や体液が必要になってくる。かと言って僕が作った十の盟約によってそれは困難になり今では絶滅するかしないかまで追い込まれているか..。正直、人間(イマニティ)のところよりこっちの方がかなりまずい状況と言えるね」

 

確かにテトが言ったように...いくら人間(イマニティ)が最下位に追い込まて危機的状況だと言ってもそれは絶滅では無くゲームでの敗北で追い詰められているだけだ。それならまだ俺の弟や妹のように頭の良い奴がうまくすれば逃れる方法はあるが絶滅に関しては...それよりもっと解決するのが難しくなってくる。

 

 

「テト...全権代理者はどこにいると思う?」

 

あまり目立つのは俺の本望でもないしテトもそうだろう。だけどこの状況を見て見ぬふりは出来ないからな。今回は特例ということで良いだろう。

 

 

「.......そうだね。多分...あそこじゃないかな」

 

そう言ってテトは道端に倒れている一人....一体と行った方は良いのかもしれないが吸血鬼が一体、地面に寝転がっている。今にも死にそうな感じで倒れている。

 

 

「あれが全権代理者か....何でそう思うんだ?」

 

 

「だってあの吸血鬼が右手に持っているものを見てくださいよ...」

 

 

何を持っているんだと思ってみてみるとそこには.........

 

 

 

                  「種の駒」

 

 

「うん。種の駒を持つことが許されているのは種族の全権代理者だけと決まっているからね。そしたらあの子が全権代理者の可能性はほぼ100%と思って僕は言ったんだよ」

 

確かにあの子が持っているのは種の駒で間違いない。人間(イマニティ)のところで空と白が手にしたのを見たからな。だが、だとしたら何で全権代理者があんなところで倒れているんだ。

 

疑問に思いながらも俺とテトはその人物に近付いて行った。

 

「お~~、生きてますか~~~」

テトは近付くとすぐに倒れている吸血鬼の耳元でそう言いだした。テトが何度か繰り返して言っているとその吸血鬼が小さな声で何かを呟きだした。

 

「ち.....ち.....ち..が.......」

 

血か....だが、一般人であれば血を吸われるともう二度と日光が照っている場所に行くことは出来なってしまう。だからほぼ隔離された吸血種(ダンピール)という一族。

 

俺は上半身に着ているものを全部脱いで倒れている吸血鬼に肩を近づけた。

 

 

「飲め...お前には聞きたい事もあるからな」

テトが慌てて止めようとするが俺が自分の背中を指差すと安堵したようにため息を付き事の一部始終を見ていた。

 

 

「ほ...ん..とう.に..の..んでい.いいの?」

 

 

「良いと言っている。だから早く飲め」

 

 

俺が急かすとすぐに吸血鬼は俺の肩を噛み血を飲んだ。

 

 

 

 

そして1分ぐらい続き...俺はちょっと長すぎるんじゃないかと思った。普通10秒も噛んでいればかなりの摂取量のはずなのに...まだ噛んでいる。

 

 

「おい...長すぎじゃないか?もう良いんじゃないか」

 

 

「だめぅ.......もっとぅ...もっとぅ...もっとぅ..」

このままにしておいたら俺の血液を全て吸い取られるんじゃないかと思い俺は少し強引に逃げる事にした。

 

 

「え....もっと吸いたかったですぅ....」

さっきまで地面に倒れていた吸血鬼とも思えないぐらいに元気になっている。これなら話す事も出来るだろうな。そう思い俺は脱いでた服をまた着た。

 

 

「全権代理者がまさか倒れているとは思わなかった...何で倒れていたんだ?」

 

 

「血...血....血...吸いたいですぅ..」

 

 

「ちゃんと話してくれたら吸わせてやってもいい。だから今の状況を話してくれ」

 

もう大体の状況などは分かっているがやっぱり答え合わせは必要になってくるからな。それに全権代理者の声でこの状況を聞いておかないといけないしな。

 

 

「..吸血種(ダンピール)は血液や体液が無ければ生きていけないのですぅ。でも、十の盟約が作られてしまって血液を人から摂取する事が出来なくなってしまったのですぅ~だから吸血種(ダンピール)は絶滅寸前まで来てしまったのですぅ~.....ヌーレ様」

途中まで理解は出来たが...こいつは最後にこの話では絶対に出ないはずの名前を出した。

 

「何でそこでヌーレが出てくる?」

 

 

「だって~目の前にヌーレ様が居ますから。名前を呼ぶのは普通ですぅ~」

何でか知らないがこいつは俺の事をヌーレだと理解しているらしい。決してこちらから名乗ってはいない...だとしたら、ほぼ俺が上半身裸になった時に体に刻み込まれている文字を見たからと言ったところか...。

 

 

俺は腕まくりをして自らの腕に刻み込まれているものを見せながら俺は言った。

「これを見てそう思ったのか?」

 

 

「確かにそれもありますけどぉ~~血の味で確信しましたぁ~」

 

血の味.......そんなもので吸血種(ダンピール)は分かるもの何だろうか。大戦の時にはそんな事は言っていなかったがな。

 

 

「血の味って種族や一人一人違うものなのか?」

 

 

「.....違いますよぉ~特にヌーレ様のはこの世と思えないくらいに美味しいんですよぉ~~~だからもう一回だけ吸わせてくださいよぉ~~~~~~」

そう言いながら吸血鬼は俺に迫ってくる。いくら神様の俺でも自分の血を無限に生成できるわけじゃない。何度も何度も連続で吸われ続ければ貧血になり最悪の場合、死ぬ可能性もある。

 

 

「落ち着け!俺の言うことを聞いてくれれば好きな時に血を吸わせてやるから大人しくしろ!」

そう言うと吸血鬼は静止した。どうやら俺が言った事がきいたようだな。

 

 

「...仕方ないですね~..いつでも好きな時に吸わせてくれるなら今はおとなしくしていますぅ~」

勢いで言ってしまったがかなりこれは面倒かもしれない。まあ、今はそんな事をいちいち考えても仕方ないだろう。

 

 

「お前は何故、16の駒が一種族に付き一つなのか知っているか?」

これに気づけているのがどれくらいいるのか確かめておきたい。全権代理者の中で一体何人が気付けているのか。

 

 

「うん。知ってますよぉ~..16の駒はチェスの片面の駒の数と一致しますし..そこら辺を考えると唯一神への挑戦権が全種族を統一..奪うにしてもチェスの駒(種の駒)を16個集めたものが神への挑戦権を得る事が出来ると思っているんですけどぉ~違いますかぁ~ヌーレ様~」

 

この吸血鬼は説明している時も何度かよだれが垂れそうになっていた。こいつそこまで血が飲みたいのか。あまり我慢させると後々、俺が何かされる可能性もあるからこいつの理性がまだあるうちに飲ませておいた方が良いかもしれないな。

 

 

「お前もう我慢出来ないだろ」

俺は仕方無くまた、上半身を脱ぎ地面に腰を下ろした。

 

 

「ありがとうございますぅ~ではいただきます」

 

 

 

吸血鬼は俺の肩に手を当てて勢いよく牙を俺の肩に突き刺した。もう何度目か分からないぐらい血を吸われているからか痛みすら無くなり吸血鬼が離れるのを待つだけだ。テトは少し不安そうな顔をしながら俺の方を見ているけど....テトも止める事はしない。

 

そして今回も約1分近く血を吸いこれ以上はダメだと思い吸血鬼を自分から離した。本当にこいつはほっとくと俺の血を全部吸い取ってしまいそうで怖いな。

 

 

「これで少しは満足したか?」

 

 

「...まだ満足はしてないけどぉ~..これ以上してヌーレ様に嫌われるのは嫌だから~今回はこれ以上血を吸う事はしないよぉ~」

 

 

 

 

さすがに何度も何度も繰り返し吸われると限界がくる。そして最終的には貧血で倒れてしまうからな。

 

 

「それでさぁ~この後どうするつもりなの?」

ここにきてテトが口を開き問いかけた。

 

 

 

「..全権代理者として.......吸血種(ダンピール)を絶滅させるわけにはいかないからぁ~やっぱりどこかと同盟を組むのが良いのかなぁ~」

 

同盟とかは別に悪いわけではないと思う。だが、同盟を組む以上は相手にも利点が無ければ同盟は成立しない。こちらには利点だけで相手には欠点だけとなったら誰も同盟を組む気にはなれない。

 

 

同盟を組むうえで大切なのはどれだけ相手に利点があると思わせられるかだ。そうでなければ同盟の成立はほぼ不可能。吸血種(ダンピール)が他の種族に一体何の利点を与えられるかだ。

 

 

 

「今の現状化で吸血種(ダンピール)は何を他種族に与えられるんだ?」

 

 

「........う~ん......何もないかもぉ~」

 

 

「それだとどの種族も同盟には応じないだろう。何かないのか?なんでも良い。交渉材料になりうるものであれば何でも良いんだが」

 

 

 

もう一度吸血鬼の全権代理者は考えたがやっぱり何も思いつかなかったみたいでお手上げのようなポーズを取っている。

 

 

 

 

「そうか........お前はもっと吸血種(ダンピール)の数を増やしたいと思うか?」

 

 

「増やした方が良いとは思いますけど~今すぐにとは思いませんねぇ~」

 

今は絶滅しない事の方が第一優先と言うことか。それはそうだな。

 

 

「じゃあ、一先ずはこの状況で良いんじゃないか....下手に急ぎすぎたりし過ぎると逆に他種族との争いが起こる可能性もあったりするからな。今は大人しく事の成り行きを見ていた方が良いだろう。それと一つ聞きたいんだがお前は血液無しでどれくらい持つんだ?」

 

 

「....ずっと飲みたいけどぉ~..飲まなくても死ぬ事は多分、ないと思いますよぉ~今日だけでかなりの血液を摂取しましたしぃ~」

 

 

「なら俺たちが去った後も当分は大丈夫だな」

 

 

「もう...行っちゃうんですかぁ...?」

初めてこいつが少し悲しそうな顔をした。あまりここに長居する気はないが逆にすぐに去る気も無い。まだ、何も観光もしていないしこれからの事もまだ決まってないからな。

 

 

「まだ行かない。だが、いつかは俺も去る時が来るからな。その時のために聞いただけだ」

 

 

それからは少し会話をして俺は適当に寝泊まりが出来そうなところを探してテトと何故か付いて来た吸血鬼と一緒に寝た。

この中で一番出番を多くして欲しいのは誰ですか?

  • テト
  • プラム
  • アズリール
  • 空白
  • フィール
  • クラミー
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