変身ヒロインが守る世界にて十人の変身ヒーローは戦う 作:庫磨鳥
お気に入りが凄い増えてべらぼうに驚きました。また沢山評価して頂き改めてありがとうございます。
本来であれば本戦と連続投稿したかったのですが、三月に入ってから仕事が少し忙しくなりそう、また試験的な意味も兼ねて投稿することにしました( ̄▽ ̄)予定は未定(諦め)。
というわけで(というわけで?)楽しんで貰えれば幸いです。
注:下ネタたくさん。(多分R15に収まっています多分)
※クラッシュの原因と思われる箇所の修正を行いました。なにか問題がありましたら『活動報告』にてご連絡頂けると幸いです。これで問題があれば一旦修正のために作品自体を非公開にしたいと思います。
秋葉ドーム内、魔装少女に用意された楽屋にて。
(はぁ……めんどくさい……)
季節外れの分厚い毛皮風のコートにウシャンカと呼ばれる四角い帽子を被った魔装少女。『エリアル・アイス』は内心で深いため息を吐いた。
「――エリアル・アイスってやっぱでかいよね。ほんっとロシア系って羨ましいよ。胸も尻もそんだけデカかったら、男なんて選び放題でしょ?」
「知らない」
「『固有魔法』と一緒に性格も冷たいな! もうちょっと可愛げないと魔装少女やっていくのは厳しいよ~?」
(めんどくさい……)
174センチの高身長。ロシア美人と呼ばれる顔つき。豊満と評される体付き、そんな自分の容姿をエリアル・アイスはめんどうを引き起こす原因にしかならないと嫌悪していた。
なのに『協会本部』に属し、その強さは最強格に匹敵する事から本部枠として三回戦に出場する事が決まった魔装少女『バスター・クイーン』は遠慮無しにネタにする。エリアル・アイスがなんども本気で自分の楽屋に帰ってくれと言っても、“仲良しだからこその軽口”のように扱って本気で取り扱おうとせず出ようとしないあまりか、エリアル・アイスの私物であるお菓子やジュースを無許可で飲み食いするなどひたすらに無礼な態度をとり続けている。
「それにしても『協会』も大変だよね。大事な試合なのに第5支部のご機嫌取りのためにアイドル出して、相手がキモオタだったからよかったけど嫌だねー。歌の宣伝のために不利益を被るこっちの身にもなって欲しい。エリアル・アイスもそう思うでしょ?」
バスター・クイーンはどこまでも他人を悪く評価する。エリアル・アイスを揶揄っているわけではない。他人を見る目が歪みきっているのだ。故にエリアル・アイスは無視を決め込む。どう答えても自分の意見を曲げないので反応するだけ面倒このうえ無いからだ。
(噂通りの人。大事な決闘って聞いたけど、こんなのを選ぶなんて協会も
「エリアル・アイスも大変だよねー。不戦勝確定とはいえ第20支部からわざわざ、こんな危ない所に来るなんて東京には他にも良いところあるから、終わったら観光しなよ」
(……番号付きの支部は全部東京都の支部! ……ほんとめんどうくさい……!)
支部の番号は都内支部の建設計画段階にて優先順に付けられたものである。そのため土地の規模や使用された予算の額など、数字が若い程大きいものとなっている。
エリアル・アイスは第20支部のリーダー。第20支部は下から二番目の数字を持つだけあって活動地域は東京内であるのにも関わらず人口も少なく、田舎的な景色が広かっている。
在籍する魔装少女はたった3名であり、地方の支部と比べても下から数えた方が早い。建物自体も築数十年は経過している地震対策が不安になる木造建築の公民館である。
だけど、エリアル・アイスはそんな支部を気に入っていた。支部の空気は緩く、自分が私物を持ち出して怠けていても、グレムリンが現れた時にやることやれば何も言われず、エアコンなどの電化製品をケチらず稼働してくれる。居心地がいいのだ。だから、バスター・クイーンの明らかに第20支部を見下している発言は、カチンときた。
「あれ? もう出番? 頑張ってね。なにもすること無いと思うけど。あーあ、私もこの時だけは第20支部の魔装少女になりたかったな。冗談だけど」
エリアル・アイスは怒りを抑えて黙って楽屋を出て行く。このまま同じ空気を吸っていると思うだけで、面倒くささを通りこして魔法を発動してしまいそうになったから。いや、相手がバスター・クイーンでなかったら、エリアル・アイスは挑んでいたかもしれない。
扉をしめてすぐ、怠け者の自分に助けられたのか邪魔されたのか、エリアル・アイスは分からなくなって深いため息を吐いた。
+++
「エリアル・アイス? 貴女が外に出るなんて珍しいけど、なにか会ったの?」
「フスティシア……」
外に出て当てもなく通路を歩いていると、黒髪ロングでキリッとした目つき、儀礼服のような格好の魔装少女。『フスティシア』とばったり出くわした。
「私の楽屋にバスター・クイーンがいるの」
「それは……辛かったでしょう。ごめんなさい。気付かなくて」
「別にいい。そんな顔しないで」
心の底から助けになれなかった事を悔やむフスティシアを見て、エリアル・アイスの旅立っていた怠惰な感情が戻ってくる。
「バスター・クイーンの事はこの戦いが終わったら本部に正式に抗議するわ。まったく本部は何を考えて彼女を放置しているのかしら? いずれは魔装少女全体の問題になりかねないと言うのに」
「アビスに燃やされればいいのに」
「それはダメ。ブレイダー・アビスの行いは私刑よ。恐怖による治世しか生んでいない。確かに『協会』の対策が間に合っていない事実はあるけど、だからこそ出来るだけ自分たちの手で解決していかないと」
「(そういう意味じゃなかったんだけど)……ごめん」
エリアル・アイスの呟きは魔装少女が嫌いな魔装少女に言う常套句であり、決してフスティシアが言うような真面目なものではなかったのだが、説明するの面倒だとエリアル・アイスは適当に謝る。
「あ。ごめんなさい。エリアルが悪いわけじゃないのにね」
「……フスティシア。あなた本当にジャスティスと戦うの?」
フスティシアは真面目で正義感に溢れて、多彩な才能を持ち、面倒見が良くて意識が高い。ぼーっと生きていくことが大好きなエリアル・アイスにとっては苦手なタイプである。
だけど、周囲から人間として生まれた女神様と呼ばれて囲まれている彼女に同情している部分もあり、だからこそエリアル・アイスは基本は身内しか思わない心配をする。
四回戦、彼女は出場する。その相手はあのブレイダー・ジャスティス。フスティシアは代表たちが、ジャスティスの相手にする魔装少女を決められずに頭を抱えていたとき自分から戦うと直訴したのだ。それを聞いた時エリアル・アイスは彼女の正気を疑った。
「ーー戦う。同じ正義を名をもつ魔装少女として彼を絶対に倒すわ」
「……そう、無理しないようにね」
フスティシアは気迫のこもった目で答えた。エリアル・アイスは、自分に出来ることはないと簡単に応援の言葉をかける。
「――エリアル・アイスさーん! どこですかー!?」
「……呼ばれたから行く」
スタッフの呼ぶ声に、エリアル・アイスはめんどくさいなと思いながら、そちらに向かおうとする。
「そう、こんな所で話し込んでしまって申し訳なかったわ。二回戦頑張ってね」
「頑張ると言っても、相手が出ないって話し」
「聞いてないの? ブレイダー・エデン。帰ってきたみたいよ?」
(――厄日。ほんとめんどくさい)
どうやら、楽は出来そうにないとエリアル・アイスはとても深いため息を吐いて、スタッフの声がする方向へとゆったりと歩き出す。
エリアル・アイスにやる気はない。勝敗はどうでもよく、そもそもエデンに最も勝てる可能性があると言った理由で上層部から半ば強制的に五人の内に入れられただけだった。
勝ったら何かあると明確に約束されたわけでもなければ、その逆負けても何かあると言われたわけでもない。
ーーだが、吹けば飛ぶ小さな支部であることは事実で、本部の人間と話した第20支部代表が浮かない顔をすれば、何があったのか察してしまう。
(流石に面倒みてもらっているばかりだと気になる……めんどくさいけど頑張ろう……はぁ)
エリアル・アイスは『協会』や『アーマード』の事情を知らない。『戦争決闘五番勝負』の勝ち負けが何を意味するか無論聞いてはいない。
だが、自分が快適に過ごせる場所を守るために、エリアル・アイスは最初から戦うことを選んでいた。でなければ怠惰な彼女が秋葉にくること自体なかっただろう。
(ーーさっさと凍らせて終わらせる)
+++
1:悪魔
試合終わった後、姉を紹介したいとアイドル妹に連れられたんだが、その本人はさっさとどっか行って姉と二人っきりになってる。
どうすればいいんだこれ?
2:混沌
仲良くなればいいと思うよ(^ν^)
3:悪魔
何度か話を振ってみたんだが、どうも反応が悪くてな。こういう時は退散した方がいいのか?
4:混沌
私はそもそも女性経験記憶にないので何も言えないです( ̄▽ ̄)
5:悪魔
七色は? なんならセブンスガールでもいいが。今日は常にスレを覗いていると思ってたんだが反応がないな。何か助言でも貰えればと思ったんだが。
6:混沌
……ほら、失楽園帰ってきたから(・Д・)
7:悪魔
適切な判断だ。
8:失楽園
あら? 呼んだかしら〜?
9:悪魔
スレ立ち上げて悪いが、ここで相談するのも姉にも妹にも悪い気がしてきた、自分でどうにかしてみるわ。
10:混沌
(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..
11:失楽園
あんまり冷たい態度取られちゃうと暖取りに抱きしめに行っちゃうわよ?
12:混沌
;::: .:.;: ・`).:.;:.:.;: ω・`);::: .:.;: (´・ω・`)ただいま
13:悪魔
クソ! 完全にミスった!! お前の出番もうすぐだろうが!?
14:失楽園
ちょっと準備が遅れているみたいで待機中よ。暇つぶしにスレを覗いてみれば悪魔が童貞卒業しそうになってるじゃない。こりゃ絡みに行くしかないでしょってね!
15:悪魔
テメェに異性のことでとやかく言われたくねぇんだよ! 節操なしが!!
16:失楽園
あらひどい。あんなに私のこと求めたのに!! いざ戻ってきたらこの仕打ち!! ナイスドSね!
17:混沌
【混沌】裏案件書き込み板パート18【報告】の969レス目だねヽ(;▽;)
18:悪魔
こうやって再会できたことは本気で嬉しいと思ってる。タイミングが最悪なんだよ。
あと混沌、わざわざ持ってこなくていい。
19:失楽園
まぁ、揶揄うのはこの辺にしておいてあげるわ。そのお姉さんって明るめ? それとも暗め?
20:悪魔
勝手に話を進めんな!
21:失楽園
妹と戦った怖いお兄さんと二人っきりっていう相手の境遇を考えなさいよ。普通の女の子なんでしょ?
22:悪魔
……ったく。妹とは対照的なイメージだな。人見知りのようだ。
23:失楽園
ならとりあえず妹のことを全面に押し出すように話題にしなさい。共通の話題って言ったらそれしかないんだし、どうせ変に気を使って避けているんでしょ?
24:悪魔
まぁ……な。
25:失楽園
自分じゃなくて姉とくっつけさせようとするってことは仲は結構良いと思うわ。アイドル家業やってんだから、家族と関係最悪なら何を思ってもまずは隠そうとすると思うしね。悪魔から見てどうだったの?
26:悪魔
こういう表現が合ってるかはわからないが、妹の方は結構シスコンって感じたな。姉が早く姉離れしてほしいと言ってはいるが甘えられること自体悪い気はしていないみたいだ。
27:失楽園
まぁいいわね! 血の繋がった百合めの姉妹愛! そこに男が入るのもわたしは好物よ! あと数年したら姉妹丼も夢じゃないわね羨ましいわ!
28:悪魔
◻︎すぞ。
29:失楽園
半分冗談よ。ナニをするにしてもまずはお姉ちゃんの緊張をほぐしてあげなさい。そしたら後は自然に会話もはずむし、流れでベッドインできるわ。
30:混沌
もうほんと変わりなくて私は一安心だよ(´ー`)
31:悪魔
諦観するな、どうにかしてくれ。
32:混沌
むり✌︎('ω')✌︎
33:悪魔
ああもうクソが! ……求めていた助言には変わりないしな。参考にさせてもらう。相談に乗ってくれてありがとな。
34:失楽園
使ったホテル後で教えてちょうだい。
35:悪魔
本当に感謝している、だが今度あったらマジで殴る。
……失楽園、二回戦ほどほどに頑張れよな。ほどほどにな。
36:失楽園
あら、知らなかったかしら? わたしはいつだって全力プレイよ! エロい意味でね!
37:悪魔
もう知らん。じゃあまたな。
38:混沌
頑張ってねー٩(^‿^)۶
じゃあそろそろ僕も退散しまーす、失楽園怪我はしないでね( *`ω´)
39:失楽園
ちょっと待ちなさい先に伝えとくわ。楽園のことよ。
40:混沌
……うん(´-ω-`)
41:失楽園
楽園は予定より早く失墜することになるわ。ごめんなさい。
もう少しだけ頑張ってみるけど期待はしないでちょうだい。
42:混沌
……謝るのは僕のほうだよ(´·×·`)
君が稼いでくれている時間で、なにも解決出来なかった。
43:混沌
……否、むしろ私が甘美に浸ってしまったために、このような事態へとなってしまった。
これでは、なんのために汝が地球を離れてっ……! 本当にすまない!
44:失楽園
別に良いわよ。わたしは女が好き、同じくらい男も好き、エロく感じるものならなんだって好き。だからエロが溢れるこの世界を守りたいだけ、これはわたしの性癖よ。誰にも譲らないしあげないわ。でも現実問題、時間は残されていないとだけは覚えておいて。他の子にも伝えておきなさい。
45:混沌
……失楽園。君はいつだってイケメンだね(✿˘艸˘✿)
46:失楽園
あら!? もしかしてフラグ立っちゃったのかしら!? そろそろスチル回収できちゃう!? あなた相手なら最初は受けがいいわ!
47:混沌
それは絶対ないから(ノꐦ ๑´Д`๑)ノ彡┻━┻
48:失楽園
あら残念。一度で良いから『アーマード』の誰かと寝たいんだけどね。これだけいい男たちが揃っているのに生殺しきついわー。禁欲生活送っているから余計そう感じるわー。あーあ、やっぱり早めにきてナンパの一つでもすればよかったかしら?
49:混沌
ナンパは戦いが終わってからにして(∩゚д゚)アーアー
50:失楽園
勝ったらすぐに帰るわよ。穴を巨根で塞いだけどいつまで我慢できるかわからないもの。世界が早漏でないことを祈るわ。わたしのプレイが終わるまで我慢して欲しいわね~。
51:混沌
なんだろうね、この言っていることなにも間違ってないのに全部間違っている感( ̄▽ ̄:)
52:失楽園
さて、呼ばれちゃったから一発かましてくるわ。
53:混沌
うん、頑張ってねー(ノ´∀`)ノ
54:失楽園
相手は18歳……行けるわね! さあハッスルしましょうか!
55:混沌
ごめんやっぱりそんなガンバんないでほどほどお願いしますあなたの対戦相手普通の魔装少女なんですほんと勘弁してあげてください(p q)
56:混沌
失楽園? しつらくえーん? ……失楽園さーん!!?
アタフタヽ(д`ヽ≡ノ´д)ノアタフタ!!
+++
二回戦がきちんと開始される。その事に驚いた者は少なくなかった。ブレイダーエデンは日本におらず出場できない。そんな噂を誰しもが聞いていたからだ。そのため折角チケットを獲得できたのに試合を見れずに返金の流れかなと残念がっている声も多く上がっていた。
しかし、二回戦は問題なく開始されるという放送が流れて観客は安堵し期待を膨らませた。戦う魔装少女は可哀想だとは思うが絶対面白いことになると。
そんな奇妙とも言える空気が蔓延しきった頃、会場のスピーカーからクラシックな音楽が流れ始める。
≪日差しに照らされ汗が止まない日が多くなった現代。このままでは地球温暖化が進みいずれは人類滅亡! そうなる前に私が冷やしてやると氷の世界から魔装少女がやってきた!≫
(九州生まれなんだけど……めんどくさい)
とても優しい曲調、されど何十にも及ぶ楽器の重々しい音と共にロシア美人の魔装少女――エリアル・アイスが入場口から出てきた。内心で適当が過ぎるとツッコミながら、エリアル・アイスは何処までも気怠そうに指定の位置まで鈍足に歩いて行く。
≪あらゆる生物を凍らせ黙らせる! 進む道を邪魔するものは問答無用に氷像だ! 生命よ、寒さに脅えろ! 彼女こそ氷河期の化身! エリアル・アイスだあああああああああああ!!≫
========================= *Leader of the 20th branch*
* Aerial ice *
*Maso Lady of the ice world* ========================= |
(……あ、やばい)
――エリアル・アイスは誰が考えたんだかと深いため息を吐いた。その吐息は白く氷の結晶が含まれており空気に溶け込むことなく、地面へと落ちていった。
そして、大地に触れた瞬間、グラウンドの地面全てを凍らせた。急激に会場の温度が下がる。観客は寒さに震えだし、スタッフは慌てて観客席の暖房を動かすように指示を出す。
(……うっかり)
エリアル・アイスは先んじて『固有魔法』を発動させていた。その理由はスタッフに事前に発動しながら入場してもOKですと言われたからと簡単なものであったが、出力調整をミスっていた事に気がつかなかった。
(これルール違反で失格にならない? そうなったら流石に気まずい……)
裏に潜んでのんびりしていたいタイプのエリアル・アイスは、のべ数万人の視線が集まるグラウンドに出て無自覚に緊張していた。それ故起きた事故に無表情を貫きながらも彼女にしてはかなり焦る。
そんな中、音楽が一旦止まり、反対側の入場口から一人の男性が静かに現れた。失格にはならなさそうと安堵したのも束の間、現れた人物の正体について考える。
(男……? それにしては凄く細いけど……あ)
≪――優雅に歩むお前の正体に誰もが疑問を持つ≫
ーーとは言っても反対側に入場口から出てきた以上、正体は限られており、すぐに思い当たった。
≪お前はなんだ? ヒーローか? ヴィランか? 男か女か? その問い掛けにお前は答えた! あらゆる性を楽しむために全てとなったと! これが人類の終着地点か!? 刮目せよ!! その名は――!≫
顔や肩の骨格からして確かに男性であることは間違いないのだろう。しかしエリアル・アイスは自分よりも細身な体付きで、きめ細やかな化粧を施し、派手目な衣服に確かな女性を感じていた。
≪ブレイダアアアアアア! エデエエエエエエエエン!!≫
中性という言葉では表せない。一つの身体に男と女、どちらも存在している人物――失楽園は両手を翼のように広げた。その手に持つは“ふたつ”の『B.S.F』。
ADAM≠EVA
右手の『B.S.F』から男性の音声で『
そんな音楽に悦を浸るようにゆっくりと、茶色を下地にして緑かかったバックル、その両横の空洞にそれぞれ『B.S.F』を差し込んだ。
◢UTUWATOINOTCHI◣
◥BODYANDLIFE◤
エネルギーがバックル中心に集められる。熱くなる腹部は失楽園にとって快感でしかなく、それに浸りながら、目を閉じて背筋を伸ばし、顎と胸を上にあげる。そしてゆっくりと両手を斜めに下げた所で、例の言葉を発した。
PARADISE LOST |
――嘆きにも聞こえる高いソプラノボイスと共に、バックルから木が生えてきて失楽園の身体に纏わり付く、それらは形を変えてアーマーへと変貌していき、ある程度形になった所で、今度はアーマーの表面から緑の葉が生え、アーマー表面にくっつくように硬化、第二の装甲として失楽園に纏い――ブレイダー・エデンが現界する。
「折角可愛い子がいるのに、ここはちょっと殺風景過ぎるわね」
ブレイダー・エデンは踵を上げて強く地面を踏みつけた。すると凍り付いた大地から生命が溢れる。多種多様な花が咲き乱れていき、花畑へと様変わりした。
「さあ! 楽園に至る
テンション高めに決める失楽園とは裏腹に、花畑になったグラウンドを見るエリアル・アイスはふと思う。
(――これ、勝てなくない?)
≪ブレイダー・エデン
前書きと後書き書くのも楽しいです( ̄▽ ̄)だから長くなるんだけど……。
これでブレイダーは残り一人となりました。出来れば早めに登場させたいですが、まだまだ道は遠そうです。
次話は仕事と身体の調子次第になりますが、今回と同じぐらいの感覚で投稿したいと思います。寒暖差つらい……。
それまでお待ち頂けると幸いです。
※この度はトラブルに巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。これからもこの作品を楽しんで頂けたら幸いです。
活動報告にて、簡単ではありますが詳細を載せました。よろしければご確認ください。
20話のクラッシュ問題について その2