変身ヒロインが守る世界にて十人の変身ヒーローは戦う   作:庫磨鳥

33 / 44
感想、お気に入り、評価、ここすき、誤字報告ありがとうございます。

今回から最後まで物静かな展開になると思いますが楽しんでいただければ幸いです。


ブレイダー・アビス

ボクは自分(ボク)を人と思ったことは無い。そもそも産まれた理由が猫の代わりだった。持論であるが産まれてくるものは等しく赤ん坊という生物で、それから親に愛され育てられて初めて人間という生物になるのだろう。なので愛されず、優しくされず、勝手に背が伸びた自分は人と成る機会を失った。

 

ただ、そんな生物が人になった気でいられた瞬間があった。それこそがモニカと一緒にいる時間だった。

 

出会ったのは学校に行く気すら完全に無くして焼却炉前でただ座っているだけの平日の昼だったか、切っ掛けと呼べるものはなく偶然にも何気なしに通り過ぎようとしていたモニカと目が合った。

 

――こんにちわ! と近づいてきた彼女は見たことのない明るい笑顔で挨拶をしてきた。でもボクは受け入れるわけでも拒絶するわけでもなく、ただぼーっと見ていた。それから彼女はボクの隣に座り、ぐいぐいと話しかけてきたのだ。その時の事を思い出す度に強引なのは最初からだったんだなと可笑しくなって笑ってしまう。

 

モニカのことについて知っていることは少ない。なにせ彼女は口数が少なく自分のことを話すことが希だったし、ボクの事を聞くこともしなかった。また感情が豊かだったため、意思疎通で困らなかったこと。ボク自身が人に聞くという能力がそもそも欠けていたと理由は多い。

 

それでも彼女との日々は幸せというものを与えてくれた。お土産と言って食べたアイスはとても美味しくて、半分こにしたアイスを食べている彼女の横顔を見るだけで、煙草やライターのとは違う、心地の良い暑さが全身を駆け巡った。

 

正直に話せば当時のボクは烏滸がましいながら、彼女を同類だと思っていたふしがある。なにせボクにとって同年代の人間というのは学校に行って感情的な振る舞いをしている人のことを言い。一方で彼女は平日でも休日でも関わらず昼になれば、ゴミ捨て場へと来て、帰るまで座って過ごすので自然とそう思うようになった。

 

だけど不幸な事は何もないと言った風に笑う彼女を見て、自分とは違い、ちゃんとした人間であるとすぐに認識を改めた。

 

だからボクは悪いことを考えてしまう。いずれは彼女はこんなゴミ捨て場(奈落)からボクを置いて地上(普通)へと戻って言ってしまうのではないかと。

 

どれだけ気のせいだと誤魔化そうとも、こんな所に永遠に来てくれるほうが不自然であることには気付いてしまっていた。だから孤独になるという恐怖と、モニカに会えなくなる日が来るという不安に強く支配された心に夢が芽生えた。

 

――ちゃんとした人となって、彼女とずっと居たい。

 

いま思えばこれこそ腹の底から吐き出したいほど烏滸がましく、到底赦されるべきではない他人からしたら悪夢同然の夢ですらない、自分勝手を極めた我が儘というべきものだったのだろう。

 

だけど当時のボクは初めてできた夢に浮かれまくって思い立ったら吉日と言わんばかりに、彼女にちゃんとした人になるにはどうしたらいいと尋ねると、少し驚きながらもちゃんと勉強する事かなと返事をしてくれた。

 

それを間に受けたというよりかは助言を貰うこと自体初めてで、まるで女神様からの地獄を抜け出すお告げのように、ボクはその日から知識を得ることに貪欲となる。学校にも通い出した。図書室でひたすら本を読み始めた。これも彼女から聞いた助言のひとつだった。

 

幸い咎める大人はいなかった。同年代たちもボクで遊ぶのは飽きたのか構わなくなってきたので、誰にも邪魔をされることなく色んな本をとにかく読んで、今まで無かった知識を次々と吸収していった。

 

教科書で常識を、絵本で技術を、図鑑で世界を、漫画で社会を。小説で他人を学んで昼の給食終わりに学校を飛び出しては彼女に会いに行って、一緒に動画を見て、時々話す。そんな生活を続けていくと次第に理解力が高まり、会話は無いにしろモニカの考えや思考を理解できることが増えて嬉しかった。

 

だから、彼女が夢を口にした時、ボクはなにも言えなかった。

 

小学校での生活ももうすぐ終わるそんな時だったと記憶している。彼女は唐突に魔装少女になりたいと夢を語った。理由は言わなかったし、聞く余裕も無かった。なぜなら自然とその夢を本気で叶えたいものだというのを理解できてしまったからだ。

 

魔装少女についてはこの時知っていた。逆に言えば当時は実物を見たことが無く知識だけとも言えた。今思えば要らぬ不安だったのかもしれない。でも当時のボクは図書館で見た魔装少女になるためにはという絵本の中身を鵜呑みにすることしかできなかった。

 

魔装少女になる条件は個人的に感じた印象を含めてひと言に纏めるなら“まともである”ことだった。まともは普通という意味だ。この時には蓄えた知識がある答えを出してしまっていた。ボクは生涯を犠牲にしたって普通になれないと言うことだ。ボクは彼女にとって“普通”の他人ではない。

 

まず父が分からない、もうこの時点でだめだ。普通じゃない家庭の子だ。母の仕事をしている。もはやメインはボクで母の2代目なんて呼ばれている。あってはならない、普通かどうか以前の問題だ。それ以外にも親から、大人から、同年代から与えられた七つを超える闇は手遅れなほどボクを犯している

 

つまり魔装少女に本気でなりたい彼女にとって産声を上げた時から人間失格なボクは夢を叶えるさいの邪魔者にしかならない。彼女はそんなこと考えていないのだろう。なにせ難しいことは結構適当なのだ。魔装少女になることを本格的に目指し始めたとしても、毎日とは行かなくてもボクに変わらず会いに来てくれる。そんな気がした。

 

――夢から覚める音がした。人の声か風の音に似ているそんな音だった気がする。理性がぶっ飛びそうなほどの悲哀というものを知る。辛いことは沢山あったけど、全てを忘れられるほどの衝撃を受けた。

 

確かに彼女はボクとの時間を捨てようとは欠片ほど思っていない。そう分かってしまったからこそボクという存在は必ず彼女を不幸にしてしまう、そんな答えへと辿り着いてしまう。具体的な理由は掃いて捨てるほど沢山あるが、ボクが夢を叶えてしまえば、ボク自身が彼女の“奈落”となってしまうであろう。

 

それだけは嫌だった。それだけは本当に嫌だった。烏滸がましいボクは彼女の夢を応援したい気持ちよりも遙かに強く、彼女に取ってボクが母のような存在になってしまうのが心の底から嫌だった。

 

――ボクは彼女と会うのを止めた。怖くてゴミ捨て場へと行けなくなったと言ってもいい。心の中で陳腐な言い訳を繰り返して本音を埋め、知識を得ることを現実逃避の道具にした。しかし、夢を失ったボクは生きる気力を削いでしまい。何事にも身が入らなくなる。

 

彼女に会いたい、彼女に遭いたい、モニカに逢いたい。

 

限界は割と早めに来た。気がつけば欲だけは人並みになってしまったボクは一ヶ月我慢したご褒美だと、とち狂った理由を付けて焼却炉に急いだ。あれだけ息を上げて走ったのは初めてだった。初めて無邪気になった瞬間だった。行けば居るなんて確信を持っていたわけじゃない。むしろもう居ないのが当然だと諦めていた。それでも、彼女との思い出の場所なんだ。そこに居るだけでボクは生きていける。もしも、なにかの拍子でもう一度モニカとであえるかもしれないという夢を持って一日を暮らせるんだと信じて疑わなかった。

 

 

 

――その日。ボクは彼女と再会しなかった。それから数年間ゴミ捨て場には近づくことはなかった。

 

 

 

+++

 

「……モニカ」

 

目が開かれる彼女を見てアビスは我慢できずに名前を呟いた。肩に掛かるほどの茶髪以外に特徴と呼べるものがない平凡的な少女。アビスがよく知っている彼女そのものであったが、その瞳には炎しか映っていない。

 

それでも棺桶の中の人物がモニカ本人であることをアビスは確信していた。なにせ炎の形が正しく想像通りのものだったからだ。それを無しにしても直感的なものが絶対彼女だと強く訴えていた。

 

「ふわぁ~……?」

 

よく寝たと盛大な欠伸をして背伸びをしようとするが棺桶に当たり、あれっ? と周辺を見てアビスに気付いた。モニカはギョッと目を見開き顔を青くする。そして全身を震わせて両腕でバッテンを作った。

 

「わたし、おいしくないよ?」

「――ふっ」

 

アビスのマスクは正面から見ると中々に恐怖を煽られる造形となっている。状況を把握出来ていないモニカは、そんなアビスのマスクを見て、化け物に捕まったと勘違いしてしまい、とにかく美味しくないアピールをする。

 

素っ頓狂な、だけど彼女らしい第一声と反応。そして仲間内からホラーゲームにそのまま出演できそうな見た目だよねと言われたのを思い出したアビスは思わず失笑してしまい、ビクッと余計にモニカを怖がらせてしまう。

 

「ごめんね。怖がらせるつもりは無かったんだ……“はじめまして”ボクの名前はブレイダー・アビスって言うんだ……その……」

 

喋り始めてすぐに感情が喉に引っかかり言葉を詰まらせる。それとは別の何かが膨らんで口から出てきそうになるのを我慢するだけで余裕がなくなってしまって次へと行けない。そんなアビスをモニカはじっと見つめた。

 

「……たま君?」

 

アビスは正体を見破られることを予想していなかったわけではない。妙に聡い彼女の事だ。もしかしたらという気持ちがあった。しかし、いざ言い当てられると筆舌しがたい幸福感に満たされる。その所為で最後まで隠し通すつもりだったのに、誤魔化す発想そのものがどこかへと行ってしまい静かに頷いた。

 

「久しぶり……一ヶ月ぶり?」

「そうだね。きっとそれぐらいだ」

「身長すごい伸びたね」

「そうだね。モニカが小さく感じるよ」

 

モニカはふくれっ面になった所で会話を終わらせる。ずっとこの日を待ち望んでいた。きっと話したいことも沢山あった。だけど変わらない必要最低限かも怪しい、会話量にアビスはどうしようもなく満足してしまった。

 

アビスが手を差し出すとモニカは機嫌良さそうに躊躇いなくその手を握って起き上がった。殆ど一緒だった身長は、今では平均的な男女の差ほど開きがあってアビスとの視線が会う角度が上であることに気付いたモニカはちょっと悔しそうにした。きっと自分のほうが年上なのにとか思って居るんだろうなと察してしまい、アビスはまた笑いそうになる。

 

――ああ、本当に烏滸がましい……。

 

アビスは視線をシスター・イースターに向ける。こちらを微笑んで見ているだけで動こうとしない。蘇らせた時点で彼女の役割は蘇生した人物を再び天に還す時まで不要になる。いつもであれば自分に指示を出す進行役の大人がいないこともあり、シスター・イースターは動くこと無く黙って見守り続ける。それがアビスにとっては純粋に有り難かった。

 

――ふと、背後の炎の壁の奥が気になったが、すぐに意識から無理にでも追いやる。

 

「ねえ。たま君」

 

意を決したように名前を呼ばれて、アビスは視線をモニカに戻した。とても緊張して、なにかを覚悟した初めてみる表情に、アビスは思わず面を食らって反応を返すことが出来なかった。

 

「私ね。魔装少女になったんだよ」

「……うん、知ってるよ」

 

――彼女は夢を叶えていた……はずだった。

 

「知ってたんだ……うん、魔装少女になったの、だからね……」

 

サプライズをしたかったモニカは、驚かせようとしたのが失敗となったことで少しだけ残念そうにした。だけど、それが本題ではないと立ち直り、何かを言おうとするも顔を赤らめて言葉が詰まっている。

 

「わっ」

 

彼女をずっと眺めていたいというのがアビスの偽りのない本心であったが、このまま時間が過ぎてしまえば烏滸がましい自分はまた余計な欲を生んでしまうと、強引に抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこというものだ。突然のことにモニカは慌てふためくが、どこか嬉しそうで、アビスは炎からモニカの感情の変化を正確に感じ取ったが気付かないふりをして歩き出した。

 

「あなたに救いを与えられたでしょうか?」

 

アビスたちが舞台から降りたことに反応して、シスター・イースターは定められていた問いかけを行なう。

 

「そうだね。……救われてしまったよ」

 

――シスター・イースターの所業は決して許されるものではない。でも彼女とこうして再会できたのは、彼女の『固有魔法』あってのもので、今まで穴が空いていた部分が確かに埋められたのだ。それが彼女の与える救済だというのなら、アビスは確かに心から救われてしまった。

 

アビスはモニカを気遣うように舞台から降りて、舞台と炎の壁のおおよそ中心部分で立ち止まった。すると周辺の床から炎が湧き出てきて、二人を囲った。

 

「たま君?」

「怖いと思うけど、もう少しだけ我慢してね」

 

不安そうにする彼女を下ろして、優しく抱きしめた。戸惑いながらゆっくりとモニカもまたアビスを抱きしめる。

 

――ボクは、最初にあった日、君を拒絶しなければならなかったんだ。

 

 

+++

 

 

彼女と最後にあって数年が経った。夢も無くし、生きる意味というものを完全に失ったボクであるが、どうしてか未だに息をしていた。もしかしたらもう一度だけ彼女に会える。そんな期待をしていたのかもしれない。幸いと言ったら皮肉にしかならないかもしれないが、母が寝たきりになったことでその介護や、人らしい生活をするための行為のおかげで時間を潰す術がなくなることは無かった。

 

――火事が起きて母が死んだ。家を失い行く当てもない。自由になったと言えば聞こえは良いが、ペット以下の扱いをされていた畜生が、いまさら首輪を外されたからといって、どうすればいいと言うのが正直な思いだった。

 

開放感はあったけどそれよりも、これから幸せに生きていけるという未来が存在しないという自覚による虚無感と絶望に勝っていて、思考はすぐに停止した。

 

そんなボクの身体は勝手に歩き出した。音もなくゆったりとして向かうのは例の焼却炉があるゴミ捨て場。ミスターに出会ったのはその道中だったと思う。他の皆と同じく明確な記憶が消されているのだ。誰かにあったことだけ覚えている。そして気がつけば『B.S.F』を手に持っており、その画面には手書きらしき文字で綴られた短文が映し出されていた。

 

 

 

------------------------------------------------

 

 

 

赦さないでくれ

 

己を奈落の化身にしたことを

 

忘れないで

 

奈落の底にも炎が灯ることを

 

 

 

Mr.

 

 

 

 

 

気がつけば変身方法が頭の中に情報として存在していたが、この時はどうでもいいとまったく気にしなかった。彼女が愛用していたために欲しくてたまらなかった『B.S.F』(スマホ)も、今更だと興味を無くし握りしめたまま存在を忘れてしまう。ただあの場所へ行きたい。彼女に会いたい。それだけだった。

 

――焼却炉前には人が居た。知っている女だった。小学校の時、ボクを虐めていた女性グループのリーダー。思い出せたのはあいつがボクのことを覚えていたからだ。視線があってすぐに顔を歪ませたあいつはヒステリックに罵倒を投げかけてきた。正確な内容は覚えていない。それほどに慣れきったくだらない内容だったとだけ記憶している。

 

――お前のせいだ!

 

それだけ言ってあいつは魔装少女に変身して、ボクを痛めつけ始めた。あいつはこうなるのが当然だと何度も何度も蹴り殴り絞めて壁に叩き付けた。何時ものように我慢しよう。そう最初は思って居た。そうすれば知らないうちに終わるから。

 

だけど、あいつの言葉を聞いて次第にボクは狂った。あいつがここにいる理由を知ってしまい怒り狂ってしまった。こんなのが魔装少女になっていたことで彼女を汚された気がしたのもある。腹の底から湧き上がる怨嗟の炎を燃料に肉体が動き出す。コイツに“同じ目に合わせたい”と立ち上がると、腰回りに異常な熱さが纏わり付き、自然と『B.S.F』を持つ腕が動いていた。

 

 

――――≪The abyss gate is opened≫――――

 

 

――これがボクの初めての変身。悪を倒すのでもなく、誰かを護るためでもない。ただ目の前の魔装少女(人間)を殺したくてたまらないという“殺意”によるものだった。

 

人々に救いを与える神聖な言葉だとは知らなくて、ボクは深い憎悪を込めて言い放った。

 

 

 

「変身」

 

 

 

――――≪Reach out!≫――――

 

 

 

感情()が制御できず己の身体を焼く、炎は全身に回り瞳は炭へと変化し、視界が炎に(まみ)れる。痛みが多い人生だったけど、それらとは比べものにならない熱さによる激痛に襲われて絶叫する。焼死体のように黒焦げとなったが意識ははっきりとしており、無理矢理片腕を前に出すと指先から黒ずんだ皮膚が剥がれていき、ブレイダー・スーツが露わになる。

 

――奈落でいい。炎でいい。いま目の前の魔装少女を燃やせるというのならば。ボクはボクたらしめた奴らと同じ存在でいい。明日という未来を黒焦げにする畜生でいい。

 

ボクは――ブレイダー・アビスだ

 

 

 

 

 

――――≪THE END≫――――

 

 

 

 

 

 

結局、ボクはあいつを殺すことが出来なかった。魔装少女としてのあいつを燃やして普通の女に戻した後、殴り殺そうか絞め殺そうか、それとももっと惨めに殺してやろうかとほんの少しだけ悩んでいると、突如として焼却炉の錆びた錠前が壊れて地面に落ちた。

 

奇跡的な偶然に意味を感じ取ってしまったボクは呆然になり、その間に彼女は逃げてしまった。自分から足取りを探す気は無いけど、どこかで死んで欲しいと心の底から思う。

 

――あの日。一ヶ月ぶりに訪れたゴミ捨て場の、使われていないはずの焼却炉の煙突から煙が上がっていた。錠前は付け直されていた、小さな血の跡があった。何が起きたのか知るには充分だった。だけど正解するのが怖くて答え合わせをすることができなかった。

 

――彼女がもうどこにも居ないことを知るのが怖かった。

 

とても幸せな夢を見ていた。一度は覚めたと思っていたけど、それも夢の中での事だったのだろう、ボクはまだ夢の中にいたんだ。モニカはどこかで立派な魔装少女になって、いつかもう一度再会できる。そんな夢だ。

 

――数年ぶりに彼女と再会したボクは夢から覚めて、きっと初めて泣いたんだ。

 

+++

 

「そういえば聞きたいことがあったんだけど」

「……?」

「ボクの事を探していた魔装少女と会わなかった?」

 

――モニカは気まずそうに笑って誤魔化した。その反応で自分の推理は正しかったと証明された。あいつがゴミ捨て場にいたのはボクが目的だった。魔装少女となったことでボクの存在は完全な汚点になったから消しに来たのかも知れない。モニカはそんなアイツに話しかけられて……。

 

「……怒ってくれたんだ」

「だって……たま君のこと悪く言ったから」

「……ごめん。ごめんね」

 

――たま君のせいじゃないと頭を撫でられる。悪いのはアイツだと顔を顰める彼女に違うと言いたかった。だけどアビスはこれ以上は烏滸がましい懺悔にしかならないと計画を実行に移す。

 

「あの日から、ボクが奪ってしまったものを……いま返すよ」

 

 

+++

 

 

459:奈落

望めばなんでもできる?

 

460:混沌

なんでもは言い過ぎたかな(^^;)

たとえば奈落の場合だと炎に関係しそうな事なら強く望めばできるようになると思う(≧◡≦)

 

461:悪魔

言い直してもらってもよくわからんな。

 

462:正義

これは悪魔、お前のスキルのほうがわかりやすいかもしれないぜ。電気でも雷でも、どっちでもいいが操れたとして肉体を強化できるとか、光の速度で移動できるだかは違う話ってな。

 

463:悪魔

そうなのか? 漫画じゃ大体そんな感じだったからあまり違和感なかったが。

 

464:正義

物理法則で真面目に考えるよりかは魔法の観点で考えたほうがわかりやすいかもな。雷属性を付与する魔法と身体強化の魔法は完全に別ものだろ? 

 

だが、デビルのスーツに電気を蓄積させると肉体機能が強化される能力は、雷ないし電気という元を基盤として行なわれている強化だ。まるでアシストスーツの概念だけを都合良く付け加えたようにも見える。にしたって限度知らずにも程があるがな。

 

465:奈落

その存在への解釈が、そのままスキルとして昇華する?

 

466:混沌

大体その考えであってると思う(^_^;)

ようは何事もイメージとそうであれと言う強い意志次第(╬•᷅д•᷄╬)

 

467:正義

俺の苦手な分野でまいっちまうぜ。まあすでに自分なりのものを完成させちまったし今更か。

 

468:奈落

ボクは炎に関係するものってことだよね。炎……どんなことができるんだろう?

 

469:悪魔

あー、炎といえば再生ってイメージもあるな。不死鳥だって炎の鳥っていうだろ? 傷とか癒せるようになるかもしれんな。

 

470:正義

昔っから神様扱いされている存在だ。命の干渉とかも普通にできちまったりしてな。それとも生命の創造とかか?

 

471:混沌

君たちいつも仲悪いのにこういう時だけ結構いうこと似るよね?

\(^ω^)/

 

472:悪魔

やめてくれ、なんか嫌だ。

 

473:正義

ナハハ、似てるってだけで全然違うぜ? まっ、あとは物体の加工から野菜炒めまで自由度だけで言えば混沌の次にはありそうだな。

 

474:奈落

命か……。

 

475:正義

念のために言っておくが冗談のつもりだったぜ?

 

476:奈落

ごめん。ちょっと考えてみたけどボクが操れるのはあくまで炎だけだから、加工はできても肉体を作る材料はどうするってなるし、魂を下ろす術も無いからね。生物の命をどうこうするのは無理だと思う。

 

477:混沌

逆に言えば、それさえクリアしたらいけそう´д` ;

 

478:奈落

そうだね……うん。理論上はできるのかな?

 

479:奈落

それさえどうにかすれば……できるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪THE END≫

 

 

 

 

 

 

 





かなり圧縮しました……。情報が抜けてないか心配です。

ミスターとの出会いは、みんなあんな感じで出会った時の記憶が殆どありません。なので独白だとどうしても淡泊になってしまっているといった感じです。

それではお待ちになってください次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。