変身ヒロインが守る世界にて十人の変身ヒーローは戦う   作:庫磨鳥

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感想、評価、お気に入り登録、ここすき、誤字報告本当にありがとうございます。

情報をとにかくぶちこみました……。

タイトルに書いてあるとおり、天使側の視点となります。楽しんで頂ければ幸いです。



人にならざりけり〈天使〉

――二十歳を超えたらいつ死んでもおかしくありません。そう医者に言われている体でここまで生きてきた。

 

「――ゼェ……ハァ……」

 

人の体に会わせて自動で形が変わる最新式ダブルベッドに仰向けで寝る天使はひどく弱々しい呼吸を繰り返していた。

 

ベッドに寝ているというよりも全身に力が入らなくて、もはや倒れていると言ったほうが正しく、体を起こすことすらできないでいる。34℃という体温からくるあまりの寒さに、軽くて暖かいと評判の羽毛布団を被っているが、その布団の“重さ”が、いまの天使にはあまりにもしんどかった。

 

頭がぼやけて、視界がゆらゆら揺れている。吐きたいほどの気持ち悪い胃腸の調子に、脳が一周回って空腹だと判断しているのか、なにかを口に入れたいという欲求(エラー)に襲われる。しかし、いま水を一口でも飲めば、どんな結果を招くのかは天使は過去の経験から理解しており、そもそも物を口にいれる元気そのものが無かった。

 

「――ヒュー……ヒュー……」

 

まさに虫の息状態であるが、天使には救急車を呼ぶという選択肢は最初から存在しない。なにせ後五分もしたら、『アーマード』が集まる大事な報告会を行なわなければならないのだ。というかそもそも病院で介護される暇なんてどこにも無かった。

 

『アーマード』に属するブレイダーには、ここまで大規模になってしまった組織の立て直しを行なえる人材はいない。天使を除いて。

 

正義はできるものの、その能力のリソースを全て“正義”と呼ばれる過激的な暴力へと割いている。なのでむしろ誰よりも論外でしかなく、それは本人も自覚しているため、いつも通り独断行動はやっているものの、彼にしては天使の指示に大人しく従っていた。

 

その中で『アーマードchannel』を設立し、個人での運営を開始。単なるブレイダーの集まりのような意味でしかなかった『アーマード』に、組織的な利益を発生させて、印象をプラスに操作。組織を明確化にしたからこそ首輪が付いたという安心感を錯覚させるなど、『アーマード』という言葉に意味を持たせた実績が天使にはあった。

 

それはつまり個性が強い、第一世代ブレイダーたち全員を話し合いの元、納得させて、妥協を受け入れさせたという他ならない。今回の『魔装少女協会』という外部組織に対する干渉、言わば“テコ入れ”行為は本来であれば、どれだけの理由があっても忌避すべきものであるが、天使の手腕を見た大人たち誰もが賞賛し、彼の手入れを納得するほどの調整能力を見せている。

 

新協会長の手腕によって落ち着きを見せているものの今だ組織単体では傾いており、漢字の“人”のように外部から支える組織や個人が必要な状態だ。それこそが『アーマード』であり“天使”だった。

 

そのため天使が倒れてしまえば、ようやく落ち着いてきた『協会』は呆気も無く瓦解する。それをもっとも自覚している天使本人は、だからこそどんなに瀕死となっても病院に運ばれるわけにはいかないと考えている。

 

それに、病院に運ばれたとしても、この症状が治らないは分かりきっているからというのもある。天使のコレは“病気による症状”ではなく“風邪ですらない単なる体調不良”でしかないのだから。意味がない事に時間を割いていられる余裕はないという考えもあった。

 

――だが、だからといって話し合いに参加できるような様子に見えないが、天使にはこの状況をどうにかできる“最終手段”があった。

 

「――ヒュー…………」

 

6種20錠、2粉、1液、3漢方。今日飲んだ大量の薬の効果はでる気配がない。他人が聞けば飲み過ぎだと言われる数だが、これは数人の医者が話し合いを行なって決められた正常な薬の数である。

 

むしろ天使からすればもっと増やして欲しいとも言ったが、医者がこれ以上は無理ですと首を横に振った。つまり、このばか見たいな数の薬は医者たちが慎重且つ入念な話し合いのもと許可を出した数である。

 

薬の効果が発揮できないほどの“弱い体”って意味が分からなすぎると生まれてからは、億は言ったであろう文句を、何度も何度も心内ではき続けて辛さ軽減の足しにする。

 

そうこう苦しんでいる間に約束の時間ギリギリとなった天使は、心底嫌な気持ちで仕方ないと『B.S.F』を手に持って思考する。

 

寝ている天使の腰にブレイダー・ベルトが装着される。力を振り絞って『B.S.F』を握った腕を頭上へと移動させる。

 

――――ʚéɪndʒəl tάɪm(エンジェル・タイム)ɞ――――

 

すると透き通る空気そのものみたいな女性の機械音声がベルトから発せられ、神聖あるいは電波系な音楽が流れる。

 

「――へん……しん……」

 

息も絶え絶えな様子で言ったあと天使は『B.S.F』から手を離す。すると天使が横になっているため水平線上にあるベルトに向かって、『B.S.F』は重力に逆らいベルトの方に向かって“真横に落ちていき”、画面とバックルの表面が重なった。

 

――――ʚædvent(アドベント)ɞ――――

 

『B.S.F』が無数の白羽へと変換して、天使を包み込む。羽たちは足から上に向かうように段階的にブレイダー・スーツへと変化していき。ブレイダー・アンギルが現界する。

 

「――スー……ハー……くそ」

 

先ほどまで死にかけといってもいいぐらい苦しんでいた天使は、ブレイダー・アンギルに変身すると、頭痛、目眩などあらゆる症状が落ち着き、呼吸も元通り、何事もなかったかのように体を起こした。

 

――最近、生身でいられる時間が極端に減った。

 

アンギル(天使)の体はもはや室内外関わらず生身で居るのはかなり危険な状態だったが、それでもブレイダーの姿で生活を送ることにアンギルは強い抵抗感を覚えていた。

 

なんと無しに『B.S.F』の内カメラを起動してブレイダー姿の自身を見る。まさに天使を象ったブレイダー・スーツは宇宙服のようだとアンギルは最近思うようになってしまった。

 

「……はぁ」

 

自分の健康を考えれば昔の奈落のようにブレイダーだけの姿で生きたほうがいいのは分かっている。もうブレイダー・スーツの強化機能が無ければ、まともに生きられないのも自覚している。それでも天使(アンギル)は納得できなかった。

 

――憎たらしいとまで思っている自分の不健康なアルビノ体と完全におさらばするのを躊躇う理由。それが踏ん切りをつける事ができないでいるだけの、単なる意地の話であるのは分かっている。

 

――それでも、その意地でここまで生きてきたのだ。理由もなく容易く捨てるには、この虚弱な体には色んなものが詰め込まれすぎた。

 

「って、バカみたいなこと考えてる時間じゃねー!」

 

気がついたら、もう時間が無い、天使は慌てて思考入力を行ない、ブレイダー専用の掲示板アプリを起動する。

 

+++

 

13:天使

終わった……終わってないけど、とりあえず最初にやらないと行けないことは全部終わった……終わってないけど……いったん終わったことにするっ!

 

14:七色

お疲れさまっす……。そんで終わってるのか終わってないのかどっちなんすか?

 

15:天使

どっちもかなー。協会のお掃除はある程度済んだけど、その穴埋めとか補填作業は今からってねー。まぁ、ここまで来れば、ある程度はあっちに丸投げしても良いとは思うけど。

 

16:悪魔

いいのか?

 

17:天使

大きな組織だからねー。しょせんは外部組織でしかない『アーマード』で管理なんてできないし、するつもりもないよ。幸いなんて口が裂けても言えないけど、まともな大人たちも沢山いたから、なんとかなりそう……まぁ、倒れる一歩手前まで働いてもらうことになるけど。

 

18:正義

今の協会に残った奴らは覚悟の上だろうぜ。面構えが違うってやつだ。

 

19:天使

ほんと有り難いことだよー。

さてと、定例報告会はじめようか、はい点呼ー。いーち

 

20:悪魔

2だ。

 

21:正義

3だぜ。

 

22:王様

我はここにいる! 4だ!

 

23:奈落

五だね。モニカたちもいるよ

 

24:希望

ろくだよ

 

25:七色

俺っす!(七) あ、それとみんなも集まってるっす。

 

26:天使

あれ騎士まだ来てないー? 珍しいね。いつもは約束の15分前には来るのに。

 

27:騎士

ごめん。ちょっと寝坊して遅れた。8ね。

 

28:天使

ありゃ、寝坊なんてほんと珍しい。

 

29:騎士

流石に疲れがね。出ちゃいましたよ……疲れがね……。

 

30:天使

あーうん、ほんとお疲れ。

ヨシ! 混沌は欠席、失楽園はいつも通り、というわけで八人全員集まったね。

そんじゃあ。まずは『協会』がなぁなぁですませやがりくださりました活動時間の見直しが済んだよ。(一旦区切る)

 

31:天使

問題になっていた11時から6時までの深夜帯は、成人組による夜間専門で活動するグループを結成。夜に活動する魔装少女(大人)ということで『深夜魔女』って呼称でやっていくみたい……まぁ多分僕たちは変わらず魔装少女って言っていくけどねー。

 

32:王様

そうか! まことに大義である!

 

33:天使

とりあえず東京は活動方法も決まってー、人材も集まってー、発表も終わったから数日中には活動始めるよー。

 

34:七色

あれ? 未成年魔装少女の深夜帯活動って確か県外の方が多いんすよね? 東京だけとなると問題は解決しないんじゃ?

 

35:天使

これからこれからー。大阪と愛知はもう公表の日程決めまで進んでてー。四国は四県共同で人集めは済んでいているよ。他にも全国に交付したマニュアル表を見ながら動いてくれているみたいだから、昼は魔装少女、夜は魔女の時間って言われるのも遠くない未来かもね。これでここ毎日、全国を夜間巡回で飛んでいてくれた王様の負担も減ると思う。

 

36:王様

うむ。無事に設立すれば魔装少女ひいては民たちも一安心するだろう。そうなれば我も城の業務に戻れるというものだ!

 

37:天使

休んで?? その妹たちのためにも。

 

38:悪魔

東京や大阪の都会以外の県は、北陸支部の縄張りでもあるはずだが、あいつらの反応はどうだ?

 

39:天使

流石に人手不足だから歓迎するってさ。金を払ってくれればきちんと働いてくれるとは言え……うん、負担を掛け過ぎちゃったね。

 

40:正義

ナハハ、金の亡者共が根を上げるか。うちの天使は随分な試練を与えたらしいな。

それで、交換出張の件はどうなってる?

 

41:天使

それも滞りなくー、いま一度みんなの前だから聞くけど行ってくれるんだよね? 騎士。

 

42:騎士

ああ。

 

43:天使

……騎士? 本当に大丈夫?

 

44:騎士

ごめん。ちょっとしんどいかも。北陸支部には俺がいくよ……ほんとにごめん、今から見る専になる。

 

45:天使

いいよ。本当にだめそうなら言ってねー。……他のみんなも過労で倒れるまえにマジで休暇申請して。多少無茶しないと駄目な時期だからこそ倒れる時間は無いからね。

 

46:奈落

君もだよ、天使。

 

47:天使

あー。努力します。

まぁ、というわけで北陸支部からの要望通り騎士が行ってくれることになって、代わりに数名北陸支部の魔装少女が東京で活動することになるから。

 

48:悪魔

東京での活動を解禁、そして協会と和解、『アーマード』との連携をアピールするためのブレイダーと北陸魔装少女による交換勤務か、俺には分からん世界だな。

 

49:正義

他にも理由はあるが一番は北陸支部の連中をどこでも戦えるようにするためだぜ。

 

50:天使

北陸支部の戦力は、これから絶対に必要になってくるからねー。夏休み終わり東京がやばいですー、でも色々あって遅れましたじゃ。だめでしょ?

 

それで、このまま話進めるけど、悪魔さん……あなたなにやってんの?

 

51:悪魔

……あれはヒカリソウの奴がいきなり襲ってきたから仕方なくだな……。

 

52:天使

第2支部半壊って悪魔さん?

 

53:悪魔

……アイツの強さ知ってるだろ……それに全力でやらなきゃ第2支部魔装少女全員でストライキ起こすとか言い出したんだぞ。

 

54:天使

ほんとあの脳筋たちは……それでも……なんというか……場所を移すとかできなかったんですかねー……。

 

55:悪魔

移動したほうが危ないんだよ。アイツの固有魔法は十文字槍の刃の線状にある物体切断だ。下手な場所で発動すればビルが斬れる。

 

56:奈落

確かに斬れてたね。第2支部が。

 

57:正義

固有魔法が強力ってのは良く聞くが、アイツの場合は強さも達人級だからなぁ。それに戦闘狂ときた。そいつと悪魔が本気で戦って被害が第2支部半壊ってのはコスパとして得したと思うぜ。

 

58:七色

えぇ……そんな人がよく戦争決闘に出なかったっすね……。

 

59:正義

元々は出場する予定だったみたいだが、悪魔と戦うにしては秋葉ドームは狭いし、観客がいるから本気も出せないしってにべもなく断わったみたいだぜ。

 

60:天使

そういう風に仕向けたどっかの誰かさんが居るみたいだけどねー。

 

61:正義

さて、誰だろうな。

 

62:天使

まったく……まぁ第2支部についてはいいや。どこもかしこもボロボロで改装しないと危ないって話だったし……うん、結果オーライということにしときますっ!

 

63:七色

無理矢理感がすごいっす。

 

64:正義

そんで悪魔。小さな歌姫との生活は謳歌できているか?

 

65:悪魔

このタイミングで聞いてくることかよ!

……なにかと面倒見てくるのが慣れない。このまま家事や飯をやらせていいんだろうか。

 

66:天使

今は好きにさせてあげなよ。アイドルも休止状態になって、お姉ちゃんも失って……いや、もう……そんな感じでさ。大変な時期だからね。正義、歌姫や第五支部周囲はどんなかんじ?

 

67:正義

ネットのほうは静かなもんだぜ。まあ俺が関わっているからだが。だが元関係者どもが第3支部との繋がりを手紙や電話、噂話を広めようと動いている。嘆かわしいものだな。ガキを道連れにしようってのが特に。次点で俺が手紙や口伝を辿れないと思っているってのがな。

 

68:天使

半分以上、正義が撒いた種なんだからちゃんと回収してよねー。

 

69:正義

過労死したら、天国連れてってくれよな天使。

 

70:奈落

……悪魔。

 

71:悪魔

何度も言うが気にするな。あの結末は姉が望んだものだ。

 

72:奈落

……歌姫が、あの事に気付いている様子は?

 

73:悪魔

分からん。ネットは完全に遮断しているみたいだが、とっくの昔に知っているかもしれん。あいつはアイドルとして本音を隠すのが得意らしいからな。本気で知らない振りされると気付けない自信がある。

 

74:奈落

ボクに役に立てるような事があったら何時でも言ってほしい。モニカもかなり気にしている。

 

75:悪魔

ああ。そんときは頼りにさせて貰う。

 

76:天使

歌姫について、いまは見守っていくしかないか。悪魔、しっかりね

 

それと話を進めるけど明日、悪魔は『アーマード』兼秋葉の代表として協会現トップのヴァイオレットと握手会だから忘れないでね。単なる仲良くやっていこうアピールだけどかなり大事な奴だから。

 

77:悪魔

代表扱いされるのはあんまり好かんがな、任せられたには真面目にやるさ。

しかし、切っ掛けの魔装少女とこうして直接対面するとはな。

 

78:七色

最初聞いた時はびっくりしたっす。なにより正義先輩と繋がっていたってことにマジでびびったっす。

 

79:正義

まっ、大人には色んな秘密があるってことだ。

 

80:天使

中二病の塊に、ぼくのかんがえたさいきょうなんたら~っていう小学生の発想を悪魔合体させたような奴がなにいってるんだか……。

 

81:悪魔

別に言う必要も無いし、それが正解だったと俺も思うが、途端にコイツがって成るとなんかハラタツ。

 

82:正義

ナハハ。ちなみに言っておくが出会いこそは本当にたまたまだからな。俺だってアイツがここまで成り上がるなんてのは結構驚いたんだぜ……いい女だよ。

 

83:奈落

君がそう評価するほどの女傑か、いちど直接会いたいものだね。

 

84:天使

なんでもいいけど、正義と長い付き合いがある魔装少女が、現協会のトップだって知られたマジで面倒になるから、ほんとマジで気を付けてよねー。

 

85:正義

わかってるぜ。だから少なくとも夏休みが終わるまでは直接会うことはないだろうよ。

 

86:天使

ならいいけど。それで正義。協会内部で何か見つかった? 幾つかの支部で巣のフェアリーたちが全滅した理由とかも。

 

87:正義

痕跡はあったと言うべきかね。データの上では何も見つからなかったが関係を持っていた上層部の連中が口を割った。『裏案件』もそうだが懲罰部隊とかも関わっていた魔装少女がいたらしい。そいつらから都合よく何かあったら助けるって話だったらしいが、見事に見捨てられたようでな。前々から警察に世話させていたやつも含めて、全員から同じ名前の個人が出てきた。

 

88:天使

そいつが『秘密大工』?

 

89:正義

いや違うやつだ。話を投合すると、そいつは与えるだけ与えてきたと思ったら、勝手に成果をパクって消えるタチの悪い投資家といったところか、『秘密大工』もそいつの下か仕事仲間と考えた方がいいかもな。

 

90:天使

必要なものって?

 

91:正義

金、技術、情報。まあ色々だな。中には何も持っていかずに消えたこともあるらしい。また別の人物の元に現れては碌でもないことを提案して、実行させての繰り返しで、やらかした連中の横繋がりは殆どなかったようだ。

 

92:天使

『裏案件』の大半が個人による主導ばかりだったのは、それが理由だったんだねー。

 

93:正義

口がうまいのか、それとも別の理由か、気がついたら転げ落ちたってのも多い。んで最初は一箇所だったのが様々な方向で別々に腐っていき、今に至るってな。

 

94:悪魔

そいつの素性はどれだけ分かってる?

 

95:正義

ちゃんとわかってるのは呼ばれ方ぐらいだな。アルメガ。それが件の魔装少女の名前だ。せめて顔がわかればいいが、魔装少女相手ですら認識阻害が発生して顔がわからないらしい。ステルス性能が高いってのはいつだって厄介だな。

 

96:七色

不気味っすね。

 

97:奈落

現場に居たのにも関わらずフェアリーの巣の異常に気づけなかった。単なるすれ違いが起きていただけならいいけど……暗殺とか気をつけないといけないね。

 

98:正義

そこら辺はあんまり心配しなくてもいいかもな。どうもこいつは自分の手を直接汚したくないタイプだ。

 

99:天使

正義の勘は当たるからねー。まあ気をつけてはいこう。

 

100:正義

それと天使。俺はそろそろ潜るぞ。

 

101:天使

え? 早くない? 行政や報道機関の対応はどうすんのさ?

 

102:正義

そいつらには俺のサイン入りの身内ネタを山盛りに送ったからな。暫くは動けんだろうさ。

 

103:天使

いや、それは知ってるけど。なんなら組織の人間が起こした不正や犯罪のデータをガチで山盛りに送りつけたの見てたけど、それで止まるものなの?

 

104:正義

この際、中身はどうでもいいんだぜ。正義がやれと言っているんだ。やらなきゃ正義の味方共としては格好が付かないだろう? 

 

105:天使

そんで、ちゃんとやらないと正義そのものが無差別に断罪するんですねー。鬼か。

 

106:正義

夏休み終わりのこともある。協会が管理していた幾つか不明な施設の探索は早いほうがいい。少なくとも七月末まで掛かりきりになると思うぜ。それまでは何があっても対応が遅れると思ってくれ。

 

107:悪魔

気を付けろよ。

 

108:正義

なんか会ったら助けに来てくれるのを願ってるぜ。悪魔。

 

109:悪魔

……はぁ。そんときは早めに呼べ。

 

110:正義

と言っても気をつけるのは地上のお前たちの方かもしれんがな。自分でいうのもなんだが俺の動きを察知して、活発化するかもしれん。気を付けとけよ。

 

111:天使

わかったよ。テロリストと言っていいかわかんないけど、関係各所に警戒するように伝えとく。

それで混沌について聞きたいことが幾つかあるんだけど……希望、いま混沌ってどんなかんじ?

 

112:希望

ずっと辛そう。

話しかけても、こっち見てくれない。

どうにかしたい。

 

113:天使

重傷だねー。

……ねぇ、本人が見ているかもを承知で聞くけど正義。本当に海外の魔装少女捜索は混沌にやらせるの?

本人がやるって言ってるけどさぁ……日に日に明らかに昏くなっていくのを見てるとトドメ刺しそうで怖いんだけど?

 

114:正義

いまのあいつに国内は辛すぎるだろ。どこに居ても協会と魔装少女で持ちきりだ。それぐらいなら外で働かせたほうがいいだろ? 

 

115:天使

でも流石にじゃない?

 

116:正義

これは混沌本人の意志でもある。

もっとも混沌に中途半端にうだうだしているぐらいなら、まずは全てを知ってから悩めって俺が言ったからかもしれんがな。

 

117:悪魔

てめぇ、いつもの事だが正気かよ?

 

118:正義

なんにせよとびきりの切っ掛けが必要なのさ。いまの混沌にはな。

 

119:奈落

危険な賭けと言わざるをえないね……。ボクの目で見える混沌の炎は……あんまり人に言うものじゃないけど、いつもと変わっていないのが不安になるよ。

 

120:天使

……どれだけ生きていると思う?

 

121:正義

半分だ。協会に残っていた資料を見る限り国や組織に直接人身売買された魔装少女のうち。確実に生きているのは四人。恐らく死んでるのが四人だな。それも碌でもない姿でっておまけ付きだ。

 

122:王様

正義よ。我の知能は貴方に遠く及ばない。故に我の想像するよりも遙かに深い考えがあって事であるのは理解している。

しかし、今回ばかりは、あまりにも度が過ぎると言わざるおえない。

 

123:正義

そうだな。俺もそう思うぜ。最初は第一世代の俺らでパパッとやっちまおうと思ったんだがな。これは混沌本人の望みでもある。

 

124:王様

だがっ!

 

125:正義

ここまで来ちまうと、どうすることもできないんだよ。奈落のように。

 

126:奈落

そこでボクを出すのはずるくないかい?

……君のことだ。フォローはしっかりとするつもりなんだろ?

 

127:正義

話し相手になるぐらいしかできんだろうがな。

 

128:天使

わかったよ。人手が足りているわけじゃないし混沌がやるって決めた以上、この話はこれでお終いにするよ。王様もそれでいい?

 

129:王様

ああ。もしもの時は我に遠慮無く申すといい。力に成ろう。

 

130:天使

さて、次は奈落かな。元聖女ちゃんの様子はどう?

 

131:奈落

前に報告した時とそこまで違いはないかな? でも体が大人だからか物覚えがとても早い。もう普通に歩けるし。平仮名、片仮名は全て覚えて、日常会話なら普通にこなせるようになった。

みんなの手伝いを率先してやってくれる。とてもいい子だよ。

 

132:悪魔

本当にただの女の子になったんだな

 

133:奈落

そうだね。そしてもう二度とああならないように見守っていくよ。

それで天使、この子に関しての進展は?

 

134:天使

無事って言えばいいかわかんないけど、あれやこれやして法律上正式に奈落の元で生活できるようにしたよー。元から両親は死んじゃって、親族も疎遠というか、まあ無理ってことで話が纏まるのも想定よりもだいぶん早く終わったねー

 

135:七色

あれやこれや……。

 

136:天使

内容は聞かないでねー。

というわけで元聖女ちゃんは、正式に奈落の家族になったよ。

でも、本当によかったの?

 

137:奈落

うん。ボクにとっては恩人でもあるのは間違いないし、優しいこの子をひとりぼっちにはさせたくないからね。

 

138:天使

わかった。

それと、第3支部の件だけどスレシパちゃんと話し合いはどうだった?

 

139:奈落

お互いの意見を正直に話せたと思う。結論から言えば彼女は心の底から本気だったよ。こんなことがあったからこそ、心が弱っている人々のために手を差し伸べたいってさ。だからボク……僕たち家族の力を少しだけ貸そうと思う。

 

140:天使

じゃあ、監視者として名乗りを上げるってことでいいんだね? あくまで名前貸しみたいなところはあるけど、なにか嫌なことがあったら奈落とモニカさんが前に立たないといけないよ?

 

141:奈落

承知の上だよ僕も彼女も。というかモニカはボクよりやる気だね。確かに第3支部の管理者は奈落に落ちるような犯罪を犯していたかもしれない。でも第3支部が行なってきたことで救われた人は沢山居るんだ。

気負うとは違うけど、巻き込まれて奈落に落ちてしまった人が道に迷わないための灯火になれたらいいと思う。

 

142:奈落

がんばるよー!

 

143:奈落

あの、モニカ。事前に言ったと思うけど大事な話し合いだから……書き込むのはちょっと……。

 

144:悪魔

なんかお前、日を追うごとに腰低くなってないか?

 

145:奈落

惚れた弱みだからね仕方ない、いやあの別にそれが悪いとは言ってないし、むしろ良いって……いや、君が言わせたんでしょ!?

 

146:天使

モニカさんや。お仕置きは大事な話終わってからにしてもらっていいですかね。

えーと、あとなんだっけ……そう、犯罪を行なった魔装少女を燃やすことに関しては『協会』と『アーマード』はノータッチ。つまり今までと同じく奈落の個人的な裁定でやっていくことで話が付いたから。

 

147:奈落

……意外だね。多少の制限は付くと思ったけど

 

148:天使

うん。本当なら『アーマード』と『協会』の両組織の承認を得て、奈落が燃やすって方がいいのかもしれないけど、組織を挟むと生じるタイムラグは逆に危なくなりそうだからってなって、ならもう、それならあくまで個人の意志による活動で押し通した方が良いって話になったよ。

 

149:正義

非公式の取り決めだからな、分かっているとは思うが両組織で公認しているって絶対にバレるような発言はしてくれるなよ。ここまで頑張ったのが全部水の泡になるからな。

 

150:奈落

……天使に正義なんか、余分に疲れさせたみたいでごめん。

 

151:七色

奈落先輩、ふたりに何を見たんっすか……

 

152:正義

話し合い自体は必要だったとは思うがな、どんな楽しい双六でも三回振り出しに戻ると削がれるものがあるぜ……。

 

153:奈落

そうなる前にボクに相談するとかできなかったの!?

 

154:天使

そもそも、こうなったの奈落が君たちの意見に従うよって先行サレンダーしたからだよ?

 

155:奈落

いまオルクスにも言われたよ……今度からちゃんと自分に関しての話し合いはきっちり参加します。

 

156:天使

そうしてねー。

そんで、奈落に関してもう一個。第3支部の監視者に任命するのも合わせて、『アーマードchannel』でちゃんとした生存報告するから、送った台本ちゃんと覚えておいてねー。

 

157:奈落

はい。ちゃんと覚えておきます……。

 

158:七色

奈落先輩、ほんとうに変わったっすね。良い方向にかはわからないっすけど。

 

159:正義

まっ、格好付けなくなったってだけで、これが素だったんだろうぜ。

 

160:天使

さて、『魔装少女協会』そのものの話はまた別の機会に違うスレでやるとして、結構時間も経ったし、今回はこれで終わりかな。

 

161:七色

あ、自分、報告がまだっす!

 

162:天使

ごめん、忘れてた。七色周辺の事はセブンスガールたちからもう全部聞いてるから大丈夫だよー。

 

163:七色

そっちの忘れてたっすか……いや、いいんすけど、ついに報告する役目すら無くなったんすね……。

あ、なら逆に質問いいっすか?

なんか先輩たちとか天使がちょくちょく夏休み終わりって言ってるっすけど、なにかあるのかそろそろ聞いていいっすか?

 

164:天使

あー。本当にごめん。秘密にしている訳じゃないんだけど、七色や騎士、王様には今は目先に集中してほしいんだ……八月初めには絶対に説明するから。

今は『協会』のことに集中してほしい……ごめん。

 

165:七色

天使がそこまで言うことなんっすね。

分かったっす。みんなにも言っておくっす。

 

166:天使

ありがとう。頼むねー。

それじゃ、解散! 

 

167:王様

応! ではな!

城に来るならば盛大に歓迎しよう!

 

168:希望

王様のお好み焼き食べたい。

混沌の分も持って帰っていい?

 

169:王様

無論だ!

 

170:奈落

ボクも王様の粉物久しぶりに食べたいな。こんど家族と一緒に行くよ。

それじゃあね。天使、体に気を付けて。

 

171:七色

また何かあるなら遠慮無く頼って欲しいっす!

たぶん、みんながやると思うっすけど!

 

172:正義

人に言うなら、本物の天使になる前に休めよ。

 

173:悪魔

言い方はクソだが正義の言うとおりだ。無理はするなよ。

 

174:天使

……僕、協会のことが全部終わったら、ハワイでバカンスするんだ。

 

175:七色

なんでわざわざ死亡フラグっぽいの建てて終わろうとするんっすか……

 

 

 

+++。

 

「……ふぅ」

 

報告会が終わったことで緊張から解放されるアンギル。ブレイダーの姿で背伸びしている様子は客観的にみたらシュールな光景なんだろうなとくだらないことを考えてしまう。

 

「ボロは出てない……はずなんだけどねー」

 

アンギルは変身したことにより体調は正常に戻った。だから普通に話せているはずだと報告会で自分の書き込んだレスを見直し、至って普通に話していることを確認して安堵する。

 

――もっとも奈落は(オーラ)を見て、正義は勘か何かで気付いているだろうが、今は僕の事を尊重して黙ってくれているらしい。

 

アンギルはそれが有り難く、もしもの時は無理強いしてでも休ませようとしてくるのを考えると少しだけ怖かった。そしてだからこそ、アンギルは最悪ブレイダー・スーツを身に纏っても体調が戻らなくなった日が来ても、掲示板でのノリを意地し続けなければならないと考える。あのノリが続いているうちは大丈夫だと判断してくれるから。

 

「……一番最初に掲示板でやりとりするって提案した僕天才すぎるねー」

 

『アーマード』に置いて、ブレイダー同士のやりとりは基本的に『B.S.F』内に元からあった専用の掲示板アプリを使った書き込みで行なわれる。

 

重要な会話や情報などをログを辿れば確認できる。主張が強い者同士が集まるので声での会話だと話が混雑する可能性が高いことなどを理由に天使が始めようと言ったのだが、その中で仲間には言っていない理由が幾つもあった。

 

天使にとって最大の理由、そして利点とも言うべきそれは声を出さない、多少会話にタイムラグがあっても問題無いと自身の不調を誤魔化しやすいからだった。

 

――なにかあっても最期までブレイダーとして活動仕切るために自身の体で心配をかけさせない。それがブレイダーになった時に決めた天使の覚悟だった。そんな自分の決めたことが、自身の末期を早めたというのならば。天使はそれでいいと思うのだが……。

 

「……はぁ」

 

こんな事を考えるのは、やっぱりメンタル的な疲れが溜まっているんだろうなと、アンギルはため息を吐く。

 

――つい数ヶ月前まではピザが食べられた。コーラが飲めた。元から小食であったがそれでも問題無く食べられた。しかし今ではチーズの匂いを嗅いだだけで体が拒絶反応を起こし、炭酸を飲めば5分はむせ続ける。健康補助食品のゼリー飲料ですら食べるのが酷く辛い。

 

ブレイダーになってから、今日(こんにち)までの無理が祟ったと言われればそれまでなのはアンギル(天使)本人が、もっとも自覚している。それを踏まえて覚悟の上だったが、それにしたってタイミングが微妙すぎると、どこにも吐き出す予定のない愚痴を内心で片付ける。

 

――“虚弱体質”という四文字で片付けられるのならば、どれだけいいか。

 

「……はぁ」

 

アンギルは連続してため息を吐いた。これからまだまだ仕事はある。『魔装少女協会』の件でもそうだが、少し放置気味にしていた『アーマードchannel』に関係する企画などを纏めなければならない。

 

これからの予定はもうデスクワークだけだが日を跨いでの作業になるのは確実で、今日は生身に戻ることはできない事が決まる。

 

どんどんと生身で居る時間が減っていく。もういっそブレイダーのままで過ごすって決められたのならば、どれだけ良かったかという毎日湧き出る愚痴についにアンギル(天使)は言葉に出して答えてしまう。

 

「天使として生きていくにはねー。人としての未練が多すぎるんだよ……」

 

アンギルはやっぱりメンタルの疲労がやばいかと思いながらも作業部屋へと向かう。今は作業に没頭することが、もっとも気が紛れる方法だと自分を誤魔化して。

 

 

+++

 

 

「――もしもし。お久しぶりです」

 

≪――――≫

 

「はい、またです。また同じ理由でお電話をさせて頂きました」

 

≪――――≫

 

「否定するのはご自由ですが仕方のないことです。何故ならあなたのご子息の問題なのですから」

 

≪――――≫

 

「本日13時。あなたのご子息がまたヤりました。またヤってしまいました。地方から上京してきた年下の女の子を親切と評して睡眠薬のジュースを飲ませて、そのままホテルに連れ込みました。いつもの三人で、そうあなたが入学させた大学で友達になった二人と一緒に行ないました。現在進行形であなたのご子息はその友達と食堂で今日連れ込んだ女の子はまぁまぁだったなと笑い合って楽しそうに定食のカレーを食べています」

 

≪――――≫

 

「これで三回目ですね。秘密が三つになりました。だからその分の上乗せをして貰わないといけませんね。というわけで今回のお値段は前回の三倍頂きたいと思います。3900万です。少し中途半端な気がしますが、値下げは受け付けません。代わりに値上げもいたしませんのでご安心ください」

 

≪――――≫

 

「前回のお支払いで銀行に預けたお金は全て無くなったのは承知しています。ですが家と保険の貯蓄、そして解約返戻金にてお支払い可能なはずです。多少時間は掛かることは承知なので支払い期限は前回よりも長く設定しましょう」

 

≪――――もう……勘弁してください……もう勘弁、してください……≫

 

「期限内に支払われなかったら、大事なご子息の所業は全ての情報を通して世間に明るみになるでしょう。私は所詮第三者でしかありません。なので私が持ちゆる情報を公開した場合に発生する被害者たちのさらなる被害に関してはどうでもよく、文字通りご子息が行なった非業なる行為の全てが白日の下に晒されます……その後どうなるのか、どういった末路を迎えたのか、他の方々を見て知っていることでしょう」

 

≪ううっ……勘弁……してください……≫

 

「もし、ここで止めてしまえば全てが無駄になります。それもいいかもしれません。ですが元より我が身の可愛さ、息子の愛おしさ故にお金を払うと決めたのはあなたです、前回も前々回もあなたです。ついでに言いますが、もしもお金が支払われないのであればあなたがお金でご子息の犯罪を隠蔽したことも晒します。あなたがご子息に注意したのは承知しています。それでも自分の不始末は親が付けてくれることを覚えたご子息は二度もヤりました。それによる親としてどう責任を取るのか、あるいはご子息に報復するのかは、あなたの自由です……でも、いま決めるのはそれじゃありません。息子の不始末を金で隠蔽しますか? しませんか? 私はどちらでも構いません。何故なら私の立ち位置はどこまでも第三者なのですから。ご子息が、あなたが、被害者が、被害者周辺の人々がどうなろうと私は一切関知しません。私がこの件に関して求めるのはお金だけです……3900万円、三度目の罪を犯した息子のために払いますか?」

 

≪……す、こしまって……くださいっ! ……用意します……用意しますので……息子の事を世間に公表することだけは……勘弁じで……ぐだざいっ!≫

 

「ありがとうございます。詳しい内容は今までと同じくメッセージでお送りいたします。それではお金が振り込まれることを心よりお待ちしております」

 

――晴天の中、鉛色のレインコートので全身を掻くし、フードを被る女性が通話を切る。

 

「ガザミ」

 

そんな女性――ガザミに声を掛けるたのは異形の巨人。二足歩行で歩く姿は人ではあるが、全長は3メートルまるで戦闘機のパイロット服を着込み、鉄バケツに見える兜を被り、人で言うところの目元の間にある穴からは仄暗い光が見える。

 

「ガザミ。殻雲から連絡きた。これからは集まって行動するって」

「予定してた日よりも早いですね。なにかトラブルがあったのでしょうか? ……分かりました。合流を優先して、それから話を聞きましょうか。ヨワワ」

 

名前を呼ばれた巨人ヨワワは、ガザミを優しく慎重に抱き上げた。

 

「ガザミ。しかり掴まって」

「はい。それではよろしくお願いします」

魔法生成(クリエイト):〈テレポート〉」

 

ヨワワはガザミを抱き上げると呪文を詠唱。すると周辺の空間が歪んだと思えば。一人と一体はその場から、元から居なかったかのように一瞬で消えた。

 

 

――数日後、彼女の元に3900万円という大金が振り込まれた。

 

 

+++

 

――北陸の大地にて、カラフルな彩りに塗れたドレスを着るマゼンタ色の長髪をした女性が、くるりくるりと回っている。

 

「燦々と輝く太陽、汚れのないピカピカな青い空。こんな日はとても爛々とした気持ちになって、毎日あなたの事を思い出す」

 

左手を胸に置き、右手を水平に伸ばして回る様は見えない誰かとダンスを踊っているようだ。

 

「ピカピカしていてとても幸せだった日の終わりから、私の気持ちはなにも変わっていないよ……。ねぇ、サンちゃん。もしも東京に行ってあなたに出会えたならば」

 

回るのを止めた女性は“あの日”から決めた事を空に向かって告げた。

 

「――コロはあなたを殺します」

 

 

 

――殺戮の魔装少女――

RANK2 コロ

 

 

【挿絵表示】

 

 

 




やることが多い天使。


殆ど台詞だけなのにかなり長くなってしまいました()

これからも北陸支部のエンブレムが沢山出てくると思いますが、気に入って頂けたら幸いです。

今後は14日単位での投稿でやっていきたいと思いますので。それではお待ちになってください次回!
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