ありふれてない研究者(車椅子)が異世界に来ちゃった話《凍結》 作:排他的
…………………………。
殺さなきゃ。キリアさんの為に、殺さなきゃ。殺さなきゃ。
「清水…………すまない。キリアさんの為に死んでくれ。」
「サガーク。」
奇怪な音ともに、私の手の元に飛んでくる。
私の腰にベルトとして付く。
テレビでジャコーダーと言われた、サガの武器をサガークに挿す。
『ヘンシン……』
サガの鎧が現れ、車椅子のない、歩いている私に装着される。
時間制限もなく、バースシステムを超えたドライバー。
武器はひとつしかないが、大量の魔力を持ち、
王の風格まで感じさせる鎧を見る。
私のステータスは今、
筋力などの6項目全てが100万。エヒトにより改良されたようで、
ものすごく高い。
天職、魔法研究者ではなくなり、賢者と、神の処刑人となっている。
技能、呪いの枷が追加され、他の技能も新しくなった。
加工技能は、精製。魔法図書館などの技能は消え、
限界突破はなくなり、複製、魔法破壊、魔法創成と少なくなった。
今の技能は5つしかない。
清水を殺す…………。殺さなきゃいけない。そうすれば、
いつかまたキリアさんと一緒に過ごせるから…………。
ウルの町ーー
「清水君、落ち着いて下さい。誰もあなたに危害を加えるつもりはありません……先生は、清水君とお話がしたいのです。どうして、こんなことをしたのか……どんな事でも構いません。先生に、清水君の気持ちを聞かせてくれませんか?」
膝立ちで清水に視線を合わせる教諭に、清水のギョロ目が動きを止める。そして、視線を逸らして顔を俯かせるとボソボソと聞き取りにくい声で話……というより悪態をつき始めた。
「なぜ? そんな事もわかんないのかよ。だから、どいつもこいつも無能だっつうんだよ。馬鹿にしやがって……勇者、勇者うるさいんだよ。俺の方がずっと上手く出来るのに……気付きもしないで、モブ扱いしやがって……ホント、馬鹿ばっかりだ……だから俺の価値を示してやろうと思っただけだろうが……」
「てめぇ……自分の立場わかってんのかよ! 危うく、町がめちゃくちゃになるところだったんだぞ!」
「そうよ! 馬鹿なのはアンタの方でしょ!」
「愛ちゃん先生がどんだけ心配してたと思ってるのよ!」
反省どころか、周囲への罵倒と不満を口にする清水に、玉井や園部など生徒達が憤りをあらわにして次々と反論する。その勢いに押されたのか、ますます顔を俯かせ、だんまりを決め込む清水。
教諭は、そんな清水が気に食わないのか更にヒートアップする生徒達を抑えると、なるべく声に温かみが宿るように意識しながら清水に質問する。
「そう、沢山不満があったのですね……でも、清水君。みんなを見返そうというのなら、なおさら、先生にはわかりません。どうして、町を襲おうとしたのですか? もし、あのまま町が襲われて……多くの人々が亡くなっていたら……多くの魔物を従えるだけならともかく、それでは君の〝価値〟を示せません」
教諭のもっともな質問に、清水は少し顔を上げると薄汚れて垂れ下がった前髪の隙間から陰鬱で暗く澱んだ瞳を教諭に向け、薄らと笑みを浮かべた。
「……示せるさ……魔人族になら」
「なっ!?」
清水の口から飛び出したまさかの言葉に教諭のみならず、ハジメ達を除いた、その場の全員が驚愕を表にする。清水は、その様子に満足気な表情となり、聞き取りにくさは相変わらずだが、先程までよりは力の篭った声で話し始めた。
「魔物を捕まえに、一人で北の山脈地帯に行ったんだ。その時、俺は一人の魔人族と出会った。最初は、もちろん警戒したけどな……その魔人族は、俺との話しを望んだ。そして、わかってくれたのさ。俺の本当の価値ってやつを。だから俺は、そいつと……魔人族側と契約したんだよ」
「契約……ですか? それは、どのような?」
「それは…………グハッ!」
『ウェイクアップ……』
スネーキングデスブレイクが発動する。
「すまないが、それ以上は言わせられん。依頼のため、利益のために」
キバの紋章が現れ、清水がそこに投げ入れられ、
出てくる。
「神の判決を言い渡す。死だ……」
「やめて!」
清水は教諭の言葉で止められる前に爆発した。
「お前、誰だ?清水を殺すなんて、それにそれは仮面ライダーサガ
だよね?なんで、君が……」
「ハジメ、気をつけろよ。そして目立つな。これ以上、な。」
「は?どういうこと?それに僕をハジメって……」
教諭が目の前に出てくる。
「どうして清水くんを殺したんですか!」
「主エヒトの判決です。言ったでしょう?神の判決を言い渡す。と。」
「…………そんな理由で殺したのか!貴様!」
ハジメが激昂する。
「ハジメ。お前程度では私は殺せない。」
「なんだよ!ハジメハジメって!お前は僕のなんなんだよ!」
「…………君の親友だ。」
「……………………は?」
変身を解除すると、ハジメ含むその場の全員が驚愕する。
だってそうだろう?3日会わずにいた、
あの剣製者が、私が銀髪になり、スーツを着て、立っているんだから。
「な、なんで佐野くんが歩けているんですか……」
「教諭。それについては神の処刑人として働くためにエヒトが
治したとしか言えないですね。」
「……だったら、俺たちを元の世界に戻してもらうことも可能じゃ
ないのか!?」
「そうよ!何とかしなさいよ!」
「……無理だ。」
「は?」
「私はそういうことを頼めない、頼めなくなった存在だからな。」
「………………どういうことだ?」
答える前に銀髪美人さんが現れる。
「処刑人戻りますよ。我が主がお呼びです。」
「そうかい」
「ちょっと待て!咲人!」
「じゃあな。ハジメ。また会おう。」
そのまま私は銀髪美人と共に戻ることになった。
で、またここかよ。
「ふむ。ちゃんと殺したようだな。」
「あぁ。これで解放してくれたりは……」
「ないぞ。解放せんわ。」
「ちっ。けちぃ神だな。」
「ふふふ。まぁよい。次はホルアドにて、オルクス大迷宮に出向き、
魔人族の女確か…………」
「カトレアです。創造主様。」
「そうだった。そのカトレアを支援せい。お前の世界の怪人を
作ればいい。技能『発現』をやろう。」
「了解だ。」
「もう少し任務をこなしたらあの女と3分間会わしてやろう。」
「たった3分間か。」
「せめてものの慈悲だ。有難く受け取れ。」
「あぁそうかい。」
「では行ってこい。」
そう言われると、神域から無理やり外に出された。
ケチな神だな。
私は発現を確認する。確かに、私が構造の知らないものでも作れる。
………………待てよ?そうなると…………
…………………………………………………………………………………………………………やっぱあの神バカだわ。
《次回に続く》
発現と天職が役に立つ。次回、光輝くん、社会的に死す!
デュエルスタンバイ!
次回は真面目に面白そうだなぁ。打ち込むのが。
次回もよろしくお願いいたします。