ありふれてない研究者(車椅子)が異世界に来ちゃった話《凍結》   作:排他的

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殺すこと/殺されること

エヒトはやはり間抜けな神だな。 この技能、発現と魔法創成は

ベストマッチだわ。

 

もう少しでキリアさんを助けられる。

カトレアとかいう魔人族とバカ勇者には悪いが、少し実験台になって

貰おうか。

 

「あんたが私を支援してくれるのかい?」

 

赤い髪の魔人族の女がやってきた。

 

「…………これでいいか?」

 

私は発現したゾディアーツスイッチ・ヘラクレスを渡す。

 

「なんだい?これは?」

 

カトレアがスイッチを押すと、金棒を持つ角の怪物、

ヘラクレス・ゾディアーツに変貌する。

 

「私の姿が男っぽくなったけど、いいねぇこれ。

力が漲るよ!」

 

勢いそのままに、周囲の岩を破壊する。

 

そのまま岩は消え去った。

 

「これもってけ。」

 

私はダスタードと呼ばれる仮面ライダーフォーゼの雑魚戦闘員の素と、

全国生中継ができるアーティファクトを渡す。

 

「勇者を公開処刑で殺してやんな。私もムカついててね。」

 

「ありがとさん。礼は言っとくよ。アルヴ様に感謝だね。」

 

「頑張れよ?」

 

「アハトドもいるし大丈夫さ。」

 

…………なんか心配だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定追い込まれてやがる。全国生中継されてんのに。

魔人族は弱いってことに………………

ん?なんであのバカ動かない?………………そう言うことかい。

 

バカ勇者らしいね。とどめを刺さなかったか。

お、スイッチを押したか。カトレアがヘラクレスに変わった変わった!

 

…………やっぱりヘラクレスはオーバーキルかな?ダスタードも

忍者集団だし。遠藤が抜け出したか……メルドを呼びに行ったな?

 

メルドが戦ってるのか。遠藤はギルドに助けを求めに行ったと。

これ全部見られてるの知ったらどうなるんだろ?楽しみだなぁ〜。

まぁいいさ。今までバカにした分返してるだけだしねぇ。

 

…………………………ハジメ!?なんでハジメがここに…………。

ハジメが来たら、不味いかな。

 

しゃあない。介入するなとも言われてないしな?

 

魔法創成。ワープ。

 

ハジメが杭を打ち、ヘラクレスを押し返した後に、私が来た。

 

「カトレア。君にはガッカリしてるんだけど、ヘラクレスをあげたのに。」

 

「いやさここにイレギュラーが来たもんだから…………」

 

「変身。」

 

サガークがサガの鎧を出し、私がそれを身に纏う。

 

「バカ勇者もいい格好だね!カッコイイよ!」

 

「な、なんで佐野が歩いている!なんで魔人族の味方を…………」

 

「…………エヒトの命令だからさ。従うしかない。

まぁ少しは楽しませてもらってたよ?遠藤は知ってるだろ?」

 

「…………お前、生中継してたよな?帝国にもしてるんじゃ?」

 

「正解だ。遠藤。さてと、まずはカトレアを始末しようか!」

 

私はウェイクアップフェッスルをサガークに挿し、

ジャコーダーの赤い鞭をカトレアに巻き付け、焼き切った。

 

悲鳴すら上げさず、殺した。

 

「さ、佐野……なぜ殺した。なぜだ!人殺しだぞ!」

 

「…………ハジメ。お前、ここまで来るのに何人殺した?」

 

「ざっと40は。」

 

「だそうだ。ひとつ言うぞ。バカ勇者。エヒトが私に指示したのは、

魔人族を手伝い、勇者を育てろとのことだ。だけど、君は

カトレアを殺せなかった。殺す覚悟がないから。

端的に言わせてもらおう。君じゃこの世界は救えない。

魔人族、人間、亜人族の仲全てを取り持つ気か?

不可能だな。それこそ一致団結でもしない限り。」

 

「俺なら……それができるはずだ。だって俺は勇者なんだから。」

 

「…………なら、私を倒してみろ。発現。」

 

サソードゼクターとサソードセイバーを発現する。

「変身、キャストオフ。」

 

『チェンジ スコーピオン!』

 

「勇者なんだろ?止めてみろよ。」

 

「限界突破!神意よ! 全ての邪悪を滅ぼし光をもたらしたまえ! 

神の息吹よ! 全ての暗雲を吹き払い、この世を聖浄で

満たしたまえ! 神の慈悲よ! この一撃を以て全ての罪科を

許したまえ!――〝神威〟!発動!」

 

光の一撃が私に当たるその瞬間、

『ライダースラッシュ!』

 

サソードの必殺技により、神威が破られ、そのまま聖剣を破壊、

そして鎧すら破壊する。

 

「ここまで弱いのか。殺したいが、エヒトの手前殺す訳にもいかんしなァ。」

 

「光輝でも勝てねぇのかよ。強すぎる。」

 

「南雲くんも強いと思うけど、レベルが違うわね。」

 

「…………キリアさんはどうしたの?」

 

はっ!となる一同、私はまだ答えられない。

 

「………………お前らに答える義理はない。」

 

「そう。」

 

「勇者。お前多分評判最悪だからな?」

 

「は?なぜだ!」

 

「…………魔人族に情けをかけ、勇者ともあろうものが、

私にも勝てないからかな。言ったろ?全国生中継されてるって。」

 

よくよく考えるとバカ勇者を私は社会的に殺しちゃったのか。

…………やっちゃったZe!

 

「じゃあなハジメ、吸血鬼の嬢ちゃん、うさ耳の嬢ちゃん、

変態の嬢ちゃん、チビ。」

 

「…………戻ってこないのか?」

 

「キリアさんがな。戻って来れないが正しいな。じゃあな。」

 

そのまま私はワープし、オルクスを出て、神域に向かった。

 

 

 

 

 

「やってくれたな?佐野咲人…………」

 

「……何か問題でも?」

 

「あそこまでしろとは言ってないのだが!」

 

エヒトは怒る!怒りまくる!

 

「…………私は悪くないな。」

 

「そうかい。じゃあ、死ね!」

 

「え?」

 

「ノイント!あの女を連れてこい!」

 

「了解致しました。」

 

「何の真似だ?エヒト。」

 

「…………殺すだけだ。貴様とあの女をな。」

 

「…………そうかい。」

 

「?潔いな?どういう腹積もりだ?」

 

「殺れよ。殺せるものなら。」

 

発現と魔法創成を与えた時点で、私に死角はないからな。

 

キリアさんが来た。

 

「じゃあまずは、この女騎士から殺して、貴様を絶望の淵に追いやってやる!ノイント!分解しろ!」

 

「キリアさん。済まないな。」

 

「……構いませんよ。」

 

キリアさんは粒子のように消え去った。

 

「あとは貴様だ!エヒトルジュエが命じる。死ね!」

 

「イェスマイロード。」

 

そのまま私は首を切った。

 

そして、ノイントにより、遺体は消された。

 

………………………………ふふふ。

 

エヒト。覚悟しとけよ。俺に殺される時をな!

 

《次回に続く》




まだまだ物語は終わらない!
今の咲人に死角はない。というのはどういうことか。
分かるのは次回!

割かし、魔法創成による生中継で光輝を社会的に殺すのは
どうかな?と思いましたが、割といいなと思いました。

次回もよろしくお願いいたします

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