ありふれてない研究者(車椅子)が異世界に来ちゃった話《凍結》 作:排他的
何だこの部屋は。大理石でできた広間か?
そんなことよりだ。何だこの壁画は。めちゃくちゃ胡散臭そうだな。
私はキリストを信じないし、仏教も信じない。
ハジメに借りたライトノベルにもなんかあったな。
神を信仰している狂信者が転生してきた人間に
戦わせるとかいうの。
で?なんだ。この周りの跪いて祈っている人間は?
はよ説明して欲しいのだが……
そんなことを考えているとお爺さんといいたいが、それよりかは
若そうな人がこんなことを言ってきた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。
歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に
就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。
以後、宜しくお願い致しますぞ」
………………………………勇者?なんだそれは?
我々は普通の……いや私以外普通の学生だぞ?
私とクラスメイトは違う部屋に連れてこられた。
長テーブルが並んでいる部屋だ。
例に漏れず、煌びやかな部屋だがな。
まぁいい。
そのイシュタルタルソース……やばい。研究しか頭にないから
話した人の名前を覚えられない。
…………イシュタルだ。そのイシュタルが言うには、
魔人族やばい危険⚠。よし、異世界から勇者呼んで強制的に
魔人族殺させようぜ!ってわけらしい。
やるメリットがないな。帰れないなら研究所が欲しいところだ。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようって
ことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に
許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も
心配しているはずです! あなた達のしていることは
ただの誘拐ですよ!」
畑山教諭。異世界じゃ、こちらの常識は通用しませんよ。
どうせ帰れないでしょうし。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は
現状では不可能です」
場に静寂が訪れる。
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?
喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。
我々人間に異世界に干渉するような魔法は
使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかも
エヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
畑山教諭が落ち込み、席にストンと座り込むと
クラスのみんなが騒ぎ出す。
「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
正直に言っていいですかね。うるさいです。
ハジメも狼狽えているようだがな。
しかし、周りも周りでめんどくさそうだ。
大方えび天……あ、エヒトか。エヒトに選ばれて喜べないなんて
と思っているのだろう。
そんな中、天之河が立ち上がり、みんなの注目を集める。
俺はタブレットでコアメタルの研究を続けているが。
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。
彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。
この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。
それを知って、放っておくなんて俺にはできない。
それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから
妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると
数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
うんうざい。あの能天気大丈夫か?
ただ。無駄にカリスマがある。そのカリスマに引き寄せられていた。
みんなが。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……
私もやるわ」
「雫……」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというように
クラスメイト達が賛同していく。畑山教諭はオロオロと
「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った
流れの前では無力だった。
「ランゴバルドさんと呼ばせていただく。」
「どうしました?」
「私はあなたがたの言うその戦いとやらには参加しない。」
私は明確な意志をイシュタル・ランゴバルドに伝えた。
だが、
「おい!佐野!君はこの世界の困っている人を救いたい
とは思わないのか!」
天之河が怒鳴り返してくる。
「なぁ天之河。私は動き回れないからそう言っただけなのだが、
なぜそう怒鳴る。君はあれかい?車椅子に乗る人間に向かって、
戦いを強制させるのかな?」
「そうは言ってない!だが、君は優秀な技術者だ!
君はその力をこの世界に役立たせなければ……」
「天之河。なんで私がそんなことをしなければならない。
私の研究は私の使いたいように使う。
私の研究データを使いたいなら、それに見合った報酬なりを
用意すべきではないかな?」
「お前!なぜお金にこだわる!僕達は苦しむ人々を助けるために
呼ばれたんだぞ!なら、君の研究はこの世界のために……」
「世の中は金と契約でできている。
それが出来ないのなら、私の研究データなりなんなりを使うことは
許さない。」
「お前!」
「ランゴバルドさん。私の研究データはコアメタルと呼ばれる
私の世界の最高硬度の金属の精製方法とその加工方法です。
まぁその研究データはこの車椅子に入ってますが。」
「私たちは何をすればよろしいかな?」
「私とクラスメイトの生活保障、戦いを強制しないことですね。
精製できるのはこの世界で私だけです。専用の機械もここには
ないでしょうし。材料を用意してくれれば、加工まで致しましょう。」
「わかりました。国王陛下にも掛け合って見せましょう。
その代わり、契約は護って頂きますよ。」
「任せてくださいな。」
容易いことだった。コアメタルの精製方法は車椅子にあり、
車椅子と私にはチップが埋め込められており、
そのチップは私の心臓のすぐ隣にある。
なので私にしか使えない。
コアメタルにより、ハジメとその他の安全を保証出来たのだ。
まぁいい方だろう。
《次回に続く》
どうも排他的です!
コアメタルと咲人の交渉により、戦いを強制しないという
約束を取り付けさせました!
次回はステータスが明らかになります!
次回もよろしくお願いします!
ステータスとトータスの役割書くの忘れてました…………
明日は休みですのでステータス類は明日明後日に出します。
すいません。