オーバーロード ナザリックのキセキなペット枠   作:キーボス

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第マイナス3話 僕は元気に生きてます

 

初心者君は僕に足を引っ張られる形で倒れて呆然としている。

ヘルヘイムに転移直後だが、ヘルヘイムはこんな澄んだ空はしてないんやで?

 

転移先間違えてたのか?

 

「あ、アレクさん・・・」

 

初心者君、リーダと言う名前なのだが、とりあえず起き上がってこっちをみた。

 

「匂いが感じられます。それにこれは草です、土です!息を吸ってますっ!」

 

突然1人で慌て出す。

いや、慌てるではなく、これは・・・興奮している?

 

「落ち着いて!僕明日は仕事なんだ、ログアウトしない・・・とっ?」

 

コンソールが現れない!?

 

「アレクさん!!匂いがわかるんですよ!」

 

リーダ君の言葉に気づいた。

"このカラダ"にはあまりに自然な事だったので気づかなかった。

ゲームで匂いなど、感じたことも無かったのだ。

 

「ファッ!!??」

 

しばし固まったあと、自分も現状が意味不明なことがわかる。

一瞬ユグドラシル2を疑ったが、現在のVR技術ではゲーム内で匂いや、息を吸うことは出来ない。

ましてや、感情に合わせて表情を変えることも。

100年前からの伝統的驚愕シーン専用のネタが出たのは偶然だった。

 

「って、事は・・・?」

 

「全部、全部全部本物なんだぁぁぁぁぁあ!!!」

 

リーダ君が叫んで目の前で走り回る。

レベル30になったであろう彼が走り回っている。

すんごい風を巻き上げ、マンガみたいな土埃。

 

「・・・うせやろ?」

 

僕は1人、その風景を眺めた。

 

 

 

 

 

しばらくして、落ち着いてから改めて周囲を眺めた。

素晴らしい自然だと思う、心のそこからね。

我々からリアルと呼ばれる世界、現実では環境汚染により、人類はガスマスク無しでは外を出歩くことが出来ないほど荒廃していた。

 

人は傲慢だ。

 

核戦争を引き起こし、世界を壊しておきながら、その原因でもある科学技術を今もなお使い続けている。

しかも、草木も生えない世界で、昔と変わらぬ生活水準を保ち続けているのだから。

そんなリアルと呼ばれた現代から、10代の青年がこんな世界にくれば、

 

「すげぇ!すげぇ!アレクさん!空がこんなに!草が一面に!これが草原なんだ!」

 

こうやってはしゃぐわけで。

 

「あー、リーダ君や、嬉しいのも興奮するのもわかるんだが落ち着くんだ。僕ら遭難中だよ?」

 

うん、嬉しいのは僕もだが、広大な草原にぽつんと放り出されているわけで。

なにより、これが現実でカラダもゲームのまま。

つまりさ、僕は異形のかわいいかわいい小動物な訳だ。

そんなんアリなのかい?

もちろん、一時期、異形種狩りが横行していた時代があったから、人間に変身するスキルもとってあるから、人間相手にはいいんだけどもさ。

僕レアドロップ有りの超低確率リポップモンスターだし?間違われて良く狩られたけどさ。

モブとして出れば、倒してよしテイムしてよしの超優良モンスターだし?

だけど、この世界がどういう世界かもわからんし?

 

「アレクさんが居れば平気ですって!俺はレベル30ですけど、アレクさんは押しも押されぬレベル100!テイムモンスターなんじゃないかってレベルの補助の達人ですよ?行けますよ!」

 

あぁー、うん、もしこの世界がユグドラシル基準なら、君は狩られる側だけどね?

言わない方がイイのかな?

 

「はいはい、もしこれが100年前に流行ったって言う異世界転移なら、ずっとこの世界で暮らすんだから、いつでも見れるもの見てないで、人の住んでる町に行こうねぇ~」

 

そう言って歩き出す。

 

自分の影を見る。

やはり、違和感が無いけれど、これはもう僕のカラダなのだろう。

体長15センチ弱、体重3キロの生物。

四足歩行で、額に光の当たり具合で色の変わる宝石がついた狐とリスを足して2で割ったような生物、ゲーム界隈ではお馴染みのアレ、カーバンクルである。

 

ユグドラシルではわざわざカーバンクルを選ばなくても、人間種にして多く優秀な職業を取ればそれだけステータスも伸びてしまう、現に僕のステータスはそう言う人達より低い。

ただ、カーバンクルしか取れないスキル、アタックリフレクトとマジックリフレクト、これが欲しかったのと、純粋にかわいいモンスターとしてプレイヤー達と触れ合って楽しく遊びたかったのだ。

まぁ、異形種狩りが無くても、レアモブと間違われて狩られてしまっていたのだけれどね?

 

「とりあえず行こうか、今のキミはイケメンさ、町や村につけばちやほや間違い無しなんだぜ?」

 

ニヤリと笑みを溢しながらリーダ君に伝える。

 

「っ!?」

 

イイ反応だ10代、若いねぇ。

でも、チョロくない?こんなんで大丈夫かい?

 

「っしゃ!んじゃ、町探しましょ!アレクさん!いや、師匠!肩に乗ってください!」

 

ウッキウキだね、うん、わかるよ。

最初にキャラメイク30分もかけて、まだレベル5の時に課金してキャラメイクいじり直してたもんね。

三日分の昼飯代使ったんだってね。

僕はほら、愛くるしい見た目のために、レベル1の時に課金してキャラメイクしたし、色からパーツ、課金じゃないと出来ないキャラメイク全てにつぎ込んで、1ヶ月栄養ブロックとチューブ食だったけど。

つぎ込んだ分、現実になったんだから儲けものかな?

 

とりあえず、リーダ君の肩に乗ると彼が軽めに走り出す。

 

さて、今頃モモンガさんはなにをしてるのかねぇ?

 

 

 

 

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