オーバーロード ナザリックのキセキなペット枠 作:キーボス
いつもは暇すぎて夢と現をまどろんでいるのだが、今日は来客によりしっかりと意識を保っていた。
額の宝石をグシグシと腕で拭い、次いで目元も腕で拭う。
人間時代よりもうケモノとしての方が長生きで、すでに自分でもこの姿の方が慣れてしまっていた。
「あれから色々あったねぇ」
「なんだい?年寄りみたいな事を言って」
「おや、聖獣様には200年は昨日の事かい?」
「いや、キミは殺しても死にそうにないし、おチビさんと一緒に先生!ってニコニコしていたのが懐かしくてね。いや、僕の方が年寄りかな」
「ふふ、そりゃ200年だよ?人間ならとっくにくたばっている歳さ」
楽しそうにするネクロマンサー少女、いやもう婆さんか。
彼女は昔からムードメイカーだったが、イケ婆になったものだ。
「それで?茶飲み話でもしに来たのかい?それなら数日泊まっていくといい。僕は暇で暇で仕方無いからね」
今現在ここは、アイテムボックスに大量にあった飛行石と呼ばれる石を雲より上に浮かべた空中庭園。
何故飛行石、と思ったかい?ユグドラシルはすごい昔のおとぎ話すらも取り入れていたのさ。
まぁ説明文だけで、中級者用の武器素材で、遺産級(レガシー)の武器防具がギリギリ作れる鉱石だ。
本来は重い武器や防具をアジリティー用、AGI補正付与をするための素材。
ただ、説明文にはこの鉱石を大量に含んだ土地は昔浮き上がり、どこかで浮遊大陸として、どこかを漂い続けているだろう、そう言う説明文だ。
ならば、作れるだろう?何の意味もないアイテムも、ユグドラシルの設定通りの効力を持つのだから。
見つからないかって?それこそまさか、遥か上空にあるちょっとした小さな一軒家ごとき、誰も気づきやしないさ。
「すまないけど、1人意固地になって辺境でポツンと暮らしてる泣き虫がいてね?あいつを今のあたしの後釜として、冒険者にしたいのさ」
それは・・・、いいね、面白そうだ。
たまに遠隔視の鏡で見ようかな?
ふふふ、なんだか楽しくなってきたぞ!
「いいんじゃないかな?僕やツアーと同じで、寿命なんて気にならない種族なんだ。自分の種族を気にしたって仕方無い、それに楽しみを持たなきゃそれだけで狂ってしまうよ」
「ふふ、それでこそ、あたしらの先生さね。って訳で手伝って貰おうか!」
いつまでたってもイタズラの無くならない子は、あろうことか僕をムンズと掴んで歩き始める。
「あー、説明してから行動しようね?昔から言ってるけど、これキミの悪い癖だよ?」
「どうせ断らないだろう?」
「まぁ、ね?」
ふぅと大きなため息と共に転移するのだった。