感想やミス等ありましたらぜひお知らせください。
それでは本編をどうぞ
ーG&K本社 地下射撃場ー
貸切状態の射撃場にドンッ、ドンッと銃声が響く。指揮官を示す赤い服装の大男が手に持つ銃ーデザートイーグル50EAーから放たれる弾丸は寸分の狂いもなくターゲットの中心を撃ち抜き、手元の端末に情報が表示される。それに満足したのか男は銃の安全装置をロックし、受付へと歩いていく。
「お疲れ様クラインさん。銃の調子はどうだった?」
「問題ない。流石は本社1のガンスミスだな」
「もう、煽てても何も・・・って、あたしが言ったんだっけ?あはははは・・・」
射撃場の管理者であるRFBが苦笑いする。
「にしても、ここ数日良く来るけど、任務の方は大丈夫なの?」
「暫くは非番だとヘリアントスから通達があってな。特にすることもないからこうして訓練してるだけだ」
「はぁ、スコーピオン達にクラインさんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいよ。あいつらが来るときは大体ストレス発散目的だからね」
机に肘を置き頬杖を付きながらRFBが愚痴る。
「ま、あたしは
「ん?RFBは戦術人形じゃないのか?」
「あー、まぁ隠すことでもないし、クラインさんなら話してもいっか。烙印システムは知ってるよね?」
「あぁ、銃と人形をリンクさせる技術だろ?」
「あたしね、実は
「そうか・・・悪いことを聞いたな」
「良いの良いの!別によくある話だし、クラインさんが謝る必要なんて無いよ!それに
湿っぽくなった身の上話を強引に終わらせた彼女は次に調整する銃を手に取ろうとしたその時、施設内に配置された赤い警告灯と共に警報が一斉に鳴り響くのであった。
ー10分前 1階エントランスホールー
「はぁ、各施設の監査の次は本社に報告・・・。いくら人手不足とはいえ、私のキャパを超えていますわ。これが終わったら絶対スプリングフィールドさんのお店でケーキバイキングを楽しみますわ!」
そう一人愚痴を言いつつホール内を歩く赤いコートを纏った10代の少女、カリーナ。その才能から本社の後方幕僚に任命され、毎日膨大な業務に追われるもそれらを期日内に終わらせるエリートである。そのまま社員用ゲートを通ろうとした時、周囲にいた大人達や警備として配備されていた人形たちが一斉にざわめき出す。
「何ですの一体、まさか鉄血の襲・・げ・・・き・・・」
周囲の視線の先が気になり振り返るカリーナ。その瞳に映ったのは空中に浮かぶ、紫色をした流線型の大きな物体であった。
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ー鉄血鹵獲武装兵員輸送機「ファントム」内ー
「目標上空に到達。光学迷彩、過負荷のため解除されました」
「構わん。ハッチ開放、兵員降下と同時にStrikerに斉射をさせろ。私も出る。斉射後、現区域を離脱しろ」
「了解です、
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「何なんですの・・・アレ。まさかUFOとか?」
カリーナを含め多くの人々がソレに目を奪われ、中には写真を撮る者までいた。警備担当の人形も含めて・・・。そんな中、浮遊する物体はゆっくりと側面を向け、ハッチを開放し中身を次々と吐き出していく。
「あれは鉄血の人形?じゃああのUFOも・・・!皆さん!伏せて!!」
カリーナが叫んだ次の瞬間、台座に固定されたStrikerのマシンガンから猛烈な弾丸の雨がエントランスホールへ降り注ぐ。瞬く間に窓ガラスが砕け散り、壁面に弾痕が次々と穿たれていく。
「斉射止め!Guard隊は前進、敵の出方を見る。Guard隊に被害が出たらRipper隊も前進させろ」
「了解しました、調停者」
「よし。ファントム、現区域を離脱だ、急げよ」
「けが人を奥に運べ!奴等は待っちゃくれないぞ!あと中央管理室に警報の発令と、エントランスホールに増員を要請しろ!」
耳がキーンとする中、カリーナはとある人形に声をかけられた。
「おいアンタ!大丈夫か?怪我はしてないか?」
「え、えぇ。大丈夫ですわ。ありがとうございます、えーっと」
「俺はここの警備責任者のトンプソンさ。と言っても今日は非番でこれから出かけようとしてたんだが・・・。そうもいかなくなっちまった」
割れた窓ガラスの先からは横一列に並んだGuardがジリジリと迫っていていた。一方戦術人形達もテーブルやソファ等で簡易的なバリケードを構築し既に臨戦態勢に入っていた。
「アンタ指揮官か?出来ればここの指揮を取ってほしいんだが・・・」
「ごめんなさい。私後方幕僚で実践経験は・・・」
「なら暫くは俺達でやるしかないか。アンタは奥でけが人を診ててくれるか?」
「わかりましたわ」
「オーケー決まりだ。向こうは頼んだぜ」
トンプソンはそう言うとコートの中から
ー現在 G&K本社 地下射撃場ー
「な、何!?何の騒ぎ!?抜き打ちの避難訓練とかじゃないよね!?はっ!もしかして鉄血が攻めてきたとか!?」
「落ち着けRFB。先ずは情報収集だ」
そう言うとクラインはポケットからインカムを取り出し通信を始める。
「モニター、聞こえるか?何が起きているか教えてくれて」
「おぉ、リクレイマー!ご無事で何よりです。現在一階のエントランスホールで戦闘が行われています。」
「敵の勢力は?人間か?」
「いいえ、恐らく人形かと。かなり統率された動きを取っていますね。リクレイマー、今どちらに?」
「地下の射撃場だ。非常口もエレベーターもロックが掛かっている。解除出来るか?」
「可能です。少々お待ちを、リクレイマー」
数分後、エレベーターのロックが解除され、中に入るクラインとRFB。行き先を指定し下へ降下するエレベーター。到着先にある電子ロック式の扉を解除し中に入る。
「状況は?」
「遅いぞ117!敵は特徴からしてGuardとRipper、数は20体程だな。だが統率が取れているからハイエンドクラスも居る可能性がある」
「それだけ分かれば十分だ」
クラインはそう言うと服を脱ぎ、黒インナーの状態でとある装置の上に立つ。
「RFB、済まないがそこのコンソールのボタンを押してくれないか?」
「もう何がなんだか・・・コレを押せばいいのね?」
ボタンを押したと同時に装置が起動し、クラインの四肢や胴体に特殊なアーマーが装着されていく。そしてRFBにはその姿に見覚えがあった。
「クラインさん・・・貴方もしかして・・・」
「説明は後だ。緊急事態だ、手を貸してほしい」
最後にヘルメットを被りウロボロスの入ったチップを挿入したクライン・・・マスターチーフはRFBに対し言った。
ー1階エントランスホールー
「なんかこっちの攻撃効いて無くない?」
「弾丸は当たってるはずなのにまるで手応えがない。まさか強化型?トンプソン!不味いよ!」
「とにかく弾幕を張るんだ!増援のライフル隊が来るまで持ちこたえろ!」
「スコーピオンが被弾!」
「大丈夫スコーピオン!?動ける!?」
「アチチチ!あ、アレ?弾が当たったところが動かないや」
「MP40が頭部に被弾!行動不能!」
「無闇に体を出すな!当たりどころが悪けりゃ一発で殺られるぞ!」
警備隊はGuardのシールド(物理盾とエネルギーシールドによる二重構造)に対し有効打を与えることができず、徐々に負傷者が増えていった。そんな時、エントランスホール2階に人影が複数現れ、銃口をGuardに向ける。
「遅くなりましたトンプソン!ライフル隊、これより攻撃を開始します!」
「来たかスプリングフィールド!奴等の盾はこっちの攻撃を無力化してる!頭を狙え!」
「心得ました。総員!徹甲弾装填!目標Guard頭部!」
「地の利はこっちにあるってね!」
「撃てぇ!」
号令と同時にライフル隊による一斉射撃がGuardを襲う。大半は防御態勢を取り難を逃れるも、反応が遅れた数体は頭部を見事に撃ち抜かれ機能を停止させていた。
「後方よりRipper接近!数10!」
「SVDの隊はRipperを!私の隊はこのままGuardを抑えます!」
「りょーかい!総員、徹甲弾装填そのまま、目標接近する敵Ripper部隊!狙いは各自任せる!撃てぇ!」
狙い澄まされたSVD達の弾丸はRipper達を容易く貫く・・・筈だったが、命中したにも関わらず精々が体勢を崩す位で有効なダメージを与えることは叶わなかった。
「いやいや冗談でしょ!?全然効いてないじゃん!反則っしょあんなの!」
SVDの抗議の声も虚しくホールに侵入するRipper達。そして2階にいるライフル隊に向け緑色のプラズマ弾を次々に撃ち込んでいく。ライフル隊の援護が弱まったことでGuardが防御態勢を解除、ジリジリと再度侵攻を始めようとしたその時、側面から徹甲弾の掃射によって阻まれる。
「今だよチーフ!」
M2重機関銃のトリガーを引きながらRFBが大声で叫ぶ。その影からチーフは素早く動きRipperの群れに突撃していく。
「そこのお前!無茶だ!一旦こっちに合流しろ!」
「大丈夫だ、問題ない」
トンプソンの心配を他所にチーフは近くに居たRipperに対し至近距離でKSGのバックショット弾を一発、二発、三発撃ち込み倒す。そのまま隣りにいた2体のRipperを殴り倒し、ヘッドショットで仕留める。そしてRipperが持っていた銃ープラズマガンーを両手に持ちRipperのシールドを次々と剥がしていく。
「ライフル隊、今だ。攻撃しろ」
「誰だか知らないけど、サンキューってね!撃てぇ!」
チーフの合図で2階にいたライフル隊がシールドの無くなったRipperを狙撃、次々と撃破していく。
「アイツ何者?トンプソン知ってる?」
「知らん。一応味方の様だが・・・」
そのままチーフは鉄血の残存部隊をプラズマガンを使って掃討しようとした時、背後から何かを感じ取りその場を退く。その刹那、赤い閃光が弧を描きチーフがいた場所を両断する。
「ウロボロスが言っていたハイエンドクラスか」
外見は西洋の甲冑の様なプレートを身に着け、右手には見覚えのある刀身ー赤いエナジーソードーを持った人形がそこにはいた。
「ほぅ、今のを避けるか。」
「目的は何だ、鉄血の人形?」
「私の名前は
「アービター・・・、だと?」
「そこまでだ鉄血!アンタが連れてきた部下は皆スクラップにしてやったぞ!次はアンタの番だ!」
アービターとチーフを中心に円を描くように警備隊の人形たちが取り囲みつつ叫ぶ。2階からもライフル隊が狙撃体制を整え何時でも斉射できる状態だった。
「だが挨拶はここまで。この辺でお暇させてもらうとしよう」
「見逃すと思ってんのか?」
「それは違うな。お前たちが見逃すんじゃない。私がお前たちを見逃すのさ。また会おう、マスターチーフ。いや、悪魔よ」
アービターはそう言うと光学迷彩を起動、一瞬の隙をついて包囲網を突破し逃げていった。
「全く、休暇が台無しだぜ。アンタ、奴と知り合いか?」
煙草を吸いつつ、チーフに近づきながらトンプソンが尋ねる。
「いや、初対面だ。だが昔、共に戦った男に少し似ていたな」
こうして、G&K本社襲撃事件は幕を閉じるのであった・・・