Doll meets Human?   作:敵前逃亡兵士

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あけましておめでとうございます(大遅刻)

今年も当小説を宜しくお願い致します

出来れば評価して頂けると作者が喜びますので是非お願いします。

また、誤字脱字等有りましたらそちらも併せて宜しくお願い致します。

それでは本編をどうぞ





act.23 Operation hypothermia# 3

 

 

 

 

ー雪山 FN小隊&ブルーチームー

 

 

 

 

慣れない雪山を歩きつつ、巡廻する鉄血の人形達を蹴散らし、目標である『ジュピター』にいち早く到着したのは、FAL率いるFN小隊の面々であった。

 

 

「やっと目的地に着いたわね」

 

「周辺に敵影無しよFAL。さっさと入口を探しましょ?」

 

 

早速『ジュピター』の周辺を探索するFN小隊。程なくして入口を見つけるもロックが掛かっていて入ることは叶わなかった。また、解除方法が網膜スキャンー恐らく事前登録されたハイエンドクラスの人形の物しか反応しないー方式の為、一行は思わぬ形で足止めを食らうのだった。

 

 

「で、どうする?」

 

「どうするもこうするも、入口が開かないんじゃ話にならないわ。他の小隊と合流するか、私達だけで何とかするしかないでしょ」

 

 

Five-seveNの問いかけに対しFALが頭を抱えながら答える。

 

 

「いっそのことモグモグ・・・ハイエンド人形にモグモグ・・・来てもらうっていうのはモグモグ・・・どうかな?」

 

「一体どうやって呼ぶのよ。第一、そんなことしたら連中が大勢で攻めてくるにきまってるでしょ?それに、仮にハイエンド人形が来たとして、そいつの網膜が登録されてるか分からないのよ?博打にも程があるわ」

 

「でもモグモグ・・・そこに監視カメラモグモグ・・・あるよ?モグモグ・・・ゴクン」

 

「「は?」」

 

「ほら、あそこ。バリッモグモグ・・・」

 

 

FALとFive-seveNの気の抜けた声を尻目に、FNCが監視カメラの場所を指差す。

 

 

「このお馬鹿!何でもっと早く教えないのよ!?」

 

「えぇー、だってさっき偶然見つけたんだもんモグモグ」

 

「はぁ、もういいわ。これで敵が大挙として押し寄せて来るのが確定したわね。だったら全部ぶっ倒してついでにハイエンドの首を頂きましょう」

 

 

半ばヤケっぱちに言うFAL。そんな中Ballistaが背後から迫る影を見つける。

 

 

「後方より接近する影を確認!数4!」

 

「言ってる側から来たわね!各員迎撃用意!」

 

 

FALの号令で一斉に攻撃態勢を取るFN小隊。誰もが銃爪を引こうとしたその瞬間、FN49が何かを発見する。

 

 

「ままま、待ってください!」

 

「何よ49!敵はすぐそこまで来てるのよ!?」

 

「そそ、その敵の居る方向から、灯りが付いたり消えたりしてるんです!これってもしかして、モールス信号じゃないですか?」

 

「モールス信号?49、貴女分かるの?」

 

「は、はい。以前講習を受けたことがあるので・・・」

 

「ならなんて言ってるか解読してみて」

 

「はい!えーと、こちら・・・ブルーチーム・・・合流する・・・撃つな・・・です!」

 

「ブルーチーム!無事だったのね!各員迎撃用意を解除。49、彼等にゆっくり出てくるように伝えてくれる?」

 

「わ、分かりました」

 

 

FALの指示でモールス信号を送る49。数分後、木の影からS-117を先頭にブルーチームが現れ、無事FN小隊と合流することができた。

 

 

「久しぶりの再会ね、S-117」

 

「あぁ、そちらも無事で何よりだ」

 

 

お互いそう言いつつ握手をするFALとS-117。

 

 

「皆さんご無事で何よりです」

 

「まぁ何度か鉄血とドンパチやったけどね。それより貴女達が乗ってるそれって、ドラグーンの機動歩行装置?よく鹵獲出来たわね?」

 

「はい。乗り心地はイマイチでしたが、これのお陰で鉄血に遭遇することなく此処まで来れました。」

 

コンテンダーとFive-seveNも副官として互いの状況を報告し合う。そこへWAが『ジュピター』に関して質問する。

 

 

「FN小隊が先に到着したってことはもう周辺の探索は終わってるのよね?入口は見つかった?」

 

「見つかったは見つかったけど、セキュリティにロックが掛かってて入れなかったわ。しかも解除方式が網膜スキャンだからハイエンド人形の眼球が必要よ」

 

「それは厄介ね。チーフ、どうにか出来そう?」

 

「確認してみる。ウロボロス、話は聞いていたな?」

 

 

チーフがそう言うと掌から二頭身のウロボロスが現れ説明する。

 

 

「残念だが今の私ではロックの解除は不可能だな。まぁ、厳密に言えば出来ないこともないが、侵入した瞬間連中にバレてハイエンド人形が部下を従えてすっ飛んで来るぞ?」

 

「それなんだけど・・・。実は私達、ジュピターの監視カメラにバッチリ映っちゃったみたいで・・・」

 

「ふむ・・・それはどのくらい前だ?」

 

 

ウロボロスが腕を組みながらFALに質問する。

 

 

「貴女達と合流する前だから・・・5分〜10分前位かしら?」

 

「それならいつ連中が来てもおかしくないな。最悪複数のハイエンド人形を相手にする羽目になるからな」

 

「ジュピターの上は確認したか?」

 

「それって砲身部分ってこと?生憎そこまで調べる時間は無かったわ。」

 

「なら俺が確認してこよう。FAL、君に一時的に部隊を預ける。コンテンダー、何かあれば彼女の指示に従うんだ」

 

「分かりました」

 

「それは良いけど・・・。一体どうやって登るつもり?」

 

「なに、手はあるさ。モニター、彼女達のサポートを頼む」

 

「リクレイマーの頼みとあれば喜んで」

 

 

チーフはそう言うと左腕のグラップルワイヤーを起動し、器用に『ジュピター』の壁を登っていく。

 

 

「貴女達の隊長っていつもあんな感じなの?」

 

「まぁ・・・大体そうですね」

 

 

FALの問いかけに対しコンテンダーは苦笑混じりで答える。

 

 

「そう言えば、J11地区の噂は本当なの?1人で人権団体過激派のアジトに殴り込んで殲滅したって話」

 

「何故ご存知何ですか?その件は確か極秘作戦として一般には知られていないはずですが・・・」

 

「長い事隊長なんてやってると色々と情報が入ってくるもんなのよ。で、どうなの?」

 

「はい、事実ですよ。当時、作戦立案を含め全てチーフが仕切っていましたから」

 

「やっぱり噂は本当だったのね。・・・DMRとの賭けに負けたかぁ(ボソッ)」

 

「賭けがどうしたんですか?」

 

「あぁ、コッチの話よ、気にしないで頂戴」

 

 

FALとコンテンダーが談笑する中、モニターが飛んできたことで空気が一変する。

 

 

「お取り込み中申し訳ありません。先程広域センサーを起動した所、接近する多数の熱源を確認しました。現在こちらに接近中です」

 

「来たわね!数は?」

 

「大小合わせて約100ほどです。また高エネルギー反応を確認、あぁいけない、皆さんその場から動かないでください」

 

 

モニターはそう言うと6機の小型ドローン(センチネル)を展開し、フォースシールドを発生させる。次の瞬間、凄まじい熱線が飛来しシールドと衝突する。熱線により周囲の雪は溶けて岩肌が覗き、木々は一部が炭化していた。その後、オープンチャンネルにて熱線の主から通信が入る。

 

 

「今のを防ぐとかグリフィンの虫ケラにしては中々やるじゃない?」

 

「この粘着質な声・・・アンタドリーマーね!?」

 

「正解よぉ。フフッ、賞品は貴女達の首でいいかしらぁ?」

 

「良いわけ無いでしょこの陰険女!」

 

「熱源さらに接近、距離100を切りました」

 

「こちらAK12、敵影を視認したわ。攻撃許可を」

 

「蜂の巣にしてやりなさい!」

 

Понятно(了解よ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー『ジュピター』上部 S-117ー

 

 

「始まったようだな」

 

 

バイザーに映る二頭身のウロボロスが呟く。

 

 

「援護に行かなくて良いのか?」

 

コイツ(ジュピター)の破壊が最優先だ。それに、彼女達は強い。簡単には殺られたりしないさ」

 

「信頼してるんだな」

 

「事実を言ったまでだ。・・・あったぞ、非常用のバックドアだ」

 

「セキュリティロックは掛かってるが、この程度なら問題ない。開けるぞ?」

 

「あぁ、頼む」

 

 

ロックを解除し、クリアリングしつつ中へと入るS-117。警戒しつつ暫く歩いていると制御室らしき広い空間へと出る。

 

 

「どれに繋げれば良い?」

 

「その中央の端末だ」

 

 

ウロボロスの指示に従い、チップを中央の端末に挿入するS-117。程なくして『ジュピター』を掌握したと報告が入り、自爆シーケンスを起動しようとする。すると突然、大型モニターに明かりが付き、画面越しに黒髪の少女が怒声を上げる。

 

 

「ちょーーーっとまったぁぁぁぁぁ!!!私のジュピターになにしようとしてるのさぁぁぁぁぁ!!!」

 

「何だ?」

 

「気にするな。ただの馬鹿の叫び声だ」

 

「そうか」

 

「無視するなしーーー!!!ってかその声ウロちゃんじゃんおひさー!!代理人に殺されたって聞いてたけど元気そうじゃん!!」

 

「はっ!代理人の射撃の腕がボロクソだったからこうして今は肉体を失い、またデータ上の存在として身をやつしているがな。あとウロちゃん言うな!!」

 

「ウロボロス、自爆シーケンスの準備はどうだ?」

 

「今やってる!」

 

「ちょいちょいまったまった!!そんなことしたら折角建てた私のジュピターが壊れちゃうじゃん!!いくらウロちゃんでも怒るぞー!?」

 

「好きにしろ。こっちは仕事でやってるんでな。・・・出来たぞ!タイマーは10分にセットしておいたぞ。」

 

「了解した。脱出するぞ」

 

「あっこーらー!!帰ってこーい!!!」

 

 

画面越しに叫び散らす少女を尻目に制御室を後にするチーフとウロボロス。バックドアまで戻り下の状況を確認するべくコンテンダーに通信を繋ぐ。

 

 

「S-117よりコンテンダー、ジュピターの破壊準備は完了した。そちらの状況は?」

 

「チーフ!御無事でしたか!私達は現在、夢想家の部隊と交戦中です!それに加え、夢想家がこちらの射程外から攻撃してきて苦戦しています!」

 

「大まかでいい、そいつの場所は分かるか?」

 

「でしたらモニターさんと切り替えます!・・・おぉ、リクレイマー!無事で何よりです。何の御用でしょうか?」

 

「コンテンダー達を射程外から攻撃してる奴の場所を知りたい」

 

「少々お待ちを・・・。暫定ですが攻撃ポイントを算出しました。62%の確率でポイントA3-6に陣取っています。」

 

「分かった。モニター、お前は引き続きコンテンダー達の援護を頼む」

 

「リクレイマーの頼みであれば喜んで」

 

 

通信を切ったチーフはマップを開き、ポイントを確認するとグラップルワイヤーを『ジュピター』の砲身部に向け射出する。

 

 

「で、一体どうやって夢想家を仕留めるつもりだ?」

 

「『上から』奇襲を掛ける」

 

「待て、まさか貴様、ジュピターの砲身部から飛び降りるつもりじゃないだろうな!?」

 

「・・・・・・」

 

「何とか言え!!」

 

飛ぶぞ(・・・)

 

「いや、待て!まだ心の準備がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

振り子の要領で空高く上がるチーフ。数秒の滞空の後、指定されたポイントへ向け落下(・・)していく。

 

 

「・・・居たぞ」

 

 

落下するチーフの眼下、そこには大口径のビーム砲を撃ち終えクールダウン中の夢想家が居た。

 

 

「さぁて、そろそろ飽きてきたし次は出力最大にして撃とうかしら?・・・あ?」

 

 

これが雪山における夢想家の最期の言葉となった。彼女が最期に見たのは熊程ある巨体と、オレンジ色に光るバイザーであった。

 

 

「全く・・・。どうして貴様はそうどっからでも飛び降りたがるんだ!あれか?自殺願望でもあるのか!?」

 

「そんなものはない」

 

「だったら・・・はぁ。まぁいい、夢想家の間抜け面が拝めただけでも良しとするさ」

 

「そうか」

 

 

そうチーフは言いつつ夢想家の頭に刺さったコンバットナイフを引き抜く。そしてその傍らにあったビーム砲を回収する。

 

 

「S-117よりコンテンダー、目標の排除に成功した。そっちはどうだ?」

 

「こちらコンテンダー、こちらも敵部隊の排除が完了したところです」

 

「了解した。後5分でジュピターが自爆する。退避ついでにこちらに合流出来るか?」

 

「分かりました。」

 

 

無事チーフと合流するFN小隊&ブルーチーム。ちょうどその時、1つ目の『ジュピター』が大きな音を立てて崩れていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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