最強ギルドの黒猫達   作:旭姫

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最初のボス

攻略会議も終わった夕方頃

 

翌日の攻略の前の前夜祭のようなものが行われた

 

真ん中の噴水の前では、キバオウとディアベルが腕を組ながらエールを交わしていた

 

そして、フードを被ったプレイヤー《Asuna》は賑わいから離れたところに座って黒パンを噛っていた

 

黒パンはとても堅く、味もそんなにしないものなのだが、この1層内では値段的な理由で重宝されている

 

そんなアスナの元にキリト達がやって来た

 

キリト「それ旨いよな。」

 

「この黒パンのどこが美味しいのよ」

 

サチ「工夫はしてるよ。」

 

サチがメニューバーを操作すると一見普通そうな壺を取り出した

 

キリト「その壺に触れてみてくれ」

 

アスナがその指示にしたがって壺に触れた

 

壺に触れると、小さな球体がその手につく

 

キリト「その手で黒パンをなぞってみてくれ」

 

黒パンをなぞると、黄色く甘い匂いのクリームが表れた

 

それを疑いつつも食べると、その美味しさにアスナの気分が(一時的に)上がった

 

キリト「このクリームは1つ前の町で受けられる〈逆襲の雌牛〉というクエストの報酬なんだよ。もし気になるなら教えるよ。」

 

「いい。私はこれを食べるためにいる訳じゃない。」

 

キリト「じゃあなんのために?」

 

「私が、私でいるため。始まりの町で燻るくらいなら、戦って死のうと思うの。」

 

キリト「明日はやめてくれ。俺はどんな理由であれパーティーメンバーに目の前で死なれるのは困るからさ。」

 

サチ「じゃあ明日の作戦会議をしようよ。」

 

キリト「そうだな。ユウキとランへの連絡は任せた」

 

サチ「任せて」

 

それから数分もしない内に2人はやって来た

 

キリト「2人とも速いな。」

 

ユウキ「作戦会議って言われたら来ないわけにはいかないからね。」

 

ラン「ところでキリト。場所はどうするのですか?」

 

キリト「俺達の泊まっている所でいいだろう。彼処なら盗み聞きされることはないし、あの場所を知っているのは俺ら以外だと1人しかいないしな。」

 

サチ「キリトは色々知ってるよね。牛乳飲み放題、INNの看板のかかっているホテルよりも少し高いけど、お風呂付きだから」

 

ラン「ち、ちょっと待ってください!?私も元βテスターですけど、お風呂付きの民泊なんて聞いたこと無いですよ!?」

 

「お風呂…!?」

 

アスナがキリトの襟を掴む

 

キリト「な、なんだよ」

 

「今何て言った?」

 

キリト「牛乳飲み放題?」

 

「その後」

 

キリト「お風呂付き」

 

「…使わして。」

 

キリト「?」

 

「お風呂、使わせて!」

 

キリト「わ、わかった。とりあえず行こうか。」

 

5人はキリトの案内で、キリト達の使っている宿屋へと向かった

 

ラン「1層にこんなところがあるなんて…知らなかった…」

 

キリト「まぁここはたまたま見付けたってだけなんだよね。その唯一知ってる人にも正規版で見付けてから教えたし」

 

ユウキ「本当に物知りなんだね。それにしてもお風呂なんて久しぶりだよ」

 

キリト「俺は最後でいいから先に皆で済ましてきてよ。」

 

計5人がお風呂を済ませると、翌日の話し合いをしていた

 

キリト「俺達の今回の目的はボスの取り巻きである《Luin kobolt Sentinel(ルイン・コボルト・センチネル)》をボスに近づけさせないことで、可能なら撃破だ。まずは俺とランで敵を引き付けるから〝スイッチ〟して3人が攻撃してくれ。」

 

「スイッチ?」

 

サチ「君、MMOはSAOが初めてなんだね。じゃあキリト、私教えてくるね。」

 

「え、ちょ、ちょっと」

 

サチはアスナを連れて部屋を出ていった

 

それからしばらくして戻ってきた2人を含めて5人になった時に、アスナが何故自分の名前がわかったのかと言う疑問から全員で自己紹介したりして、翌日を迎えた

 

キリト達5人はボス部屋まで作戦を立てながら歩いていた

 

前方には他のプレイヤー達が仲良く話しながら歩いていた

 

アスナ「どうして、こう呑気なのよ…」

 

ユウキ「まるで遠足みたいだね。」

 

アスナ「もしこれがファンタジーの世界で、ボス級のモンスターと戦う場面になったらこう言う感じで遠足みたいな空気感で攻略に向かうのかな?」

 

キリト「そうなんじゃ無いかな。なにせ、その人達はモンスターを倒すのを仕事にしているんなら、慣れてるはずだし」

 

アスナ「でも怖く無いのかしら?」

 

キリト「怖いだろうな。でも、彼らにはもっと怖いことがあるんだよ。」

 

サチ「怖いもの?」

 

キリト「最前線に乗り遅れることさ。自分で進めるのは少し怖い、でも誰かがクリアするのはそれはそれで嫌だ。って感じだ。」

 

アスナ「それって、偏差値70だとかテストで学年上位5人をキープするとか、そう言うこと?」

 

((((……))))

 

キリト「ま、まぁそう言うことだな。(偏差値って、もしかしてアスナは年上か?)」

 

そんなわけで話しながら進んでいると、ついにボス部屋の前までやってきた

 

ボスの部屋の前は大広間のようになっていて、ボスの部屋は、豪華な装飾が施された他とは違う大きな扉によって区切られている

 

そして、ボスはその区切られた扉より外には出ない

 

攻略組の面々はそれぞれ装備を確認して、全員が終わったタイミングで前に立っていたディアベルが手を叩いた

 

「注目!これからボス部屋だ。ここまで2ヶ月、色々あったがここからが本番だ。俺から言えることは1つ。『勝とうぜ!』」

 

「「「「「「「うおぉぉぉぉ!!!!」」」」」」」

 

「突撃!!」

 

扉を開け、武器を構えて突入した

 

全員が入り終わったタイミングで、薄暗い部屋が明るくなり、反対側に大きな玉座とそれに座る第一層のボスモンスター《Ilfang The Kobolt Lord(イルファング・ザ・コボルトロード)》が姿を表した

 

 





アンケートは次回投稿で締め切ります。

ではまた次回

ディアベルは…

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