最強ギルドの黒猫達   作:旭姫

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聖なる夜の聖なる噂

アインクラッド標準時2023年11月下旬の某日

 

現在、アインクラッドに囚われてから約1年が経過し、最前線がもうすぐで50層―つまり半分を達成するところまで近付いている

 

キリト達が《月夜の黒猫団》を作成・所属してから半年程経ったある日、キリトは何時ものように1人最前線に籠って1人レベリングをしていた帰りにとある噂を聞いた

 

「クリスマスの夜、大きなプレゼントを持ったサンタが現れる」

 

「〝迷いの森〟の中で一番大きな木の下にサンタが現れる」

 

「そのサンタは〈蘇生アイテム〉なるものを落とすらしい」

 

キリトが注目したのは〈蘇生アイテム〉について

 

デスゲームと化したこのアインクラッド内に置いて〈蘇生アイテム〉という物はあまり信じがたいがあるのならば是非とも欲しいアイテムでもある。

 

とりあえずキリトはこの件を伝えるためにギルドホームのある第22層まで帰ることにした

 

ギルド結成当時は頑なにギルド入りを断っていたキリト達が攻略会議でギルドマークをつけてきたことがアインクラッド中のビックニュースとして取り上げられ、1層から攻略に関わりキリト達とも多少仲の良かったディアベルだけでなく新しくギルドを作ったヒースクリフにも驚かれた。

 

そして暫くはキリト達のギルドについて知るために尾行やストーカーなどが何件かあったこともあって暫くは隠れながらの生活だったのだが、そう言ったギルド騒動も月日が立てば消えていき、半年たった今では22層をホームに決めたプレイヤーやキリトやユウキの釣り仲間とは打ち解けるようになった。(ちなみに、キリトとユウキは釣りスキル、サチは料理スキル、ランは裁縫スキルをそれぞれ取得し、暇な時にスキルポイントをあげている)

 

キリトがホームに入ると、背後に黒い何かを具現化させたサチが立っていた

 

キリト「さ、サチ…さん?」

 

サチ「ねぇ、キリト。」

 

キリト「は、はい!」

 

サチ「どこに行ってたの?まさか…1人で最前線に籠ってたとか言わないよね?」

 

キリト「そ、その通りです…。」

 

サチ「私言ったよね?1人で最前線に行かないでって。前それでボロボロで帰ってきて…。」

 

キリト「仰る通りです…」

 

サチ「それで?どのくらい籠ってたの?」

 

キリト「四、五時間程度です。」

 

サチ「はぁ…。」

 

ケイタ「まぁまぁ、サチも落ち着いて。キリトも悪気があった訳じゃないと思うし。」

 

サチ「そう言うことを言ってるんじゃないの!」

 

サチがケイタの庇いもはね除けて叫んだ

 

サチ「私が言いたいのは、心配だから1人で何でもしようとしないでって言ってるの!わかった?」

 

キリト「はい…すみませんでした。」

 

サチ「まったく…」

 

その後、夕食の時間に黒猫団の中で唯一料理スキルを取っていたサチとテツオの作った料理を食べながらキリトは今日聞いた噂を共有した

 

ケイタ「ここに来てからあんまり実感ないけど、そうか。もうすぐクリスマスか…」

 

ラン「確かに、いろんな事がありすぎて、今日が何日かも分かんなくなることありますもんね。」

 

ユウキ「それより、〈蘇生アイテム〉のことをもっと聞きたいな~。」

 

ササマル「たしかに、それに〝迷いの森〟の大きな木の下ってのも気になるな。」

 

キリト「まさか、また〝迷いの森〟の中に入らなきゃ行けないのは面倒だな。」

 

サチ「それに、彼処って一定時間立てばマップの位置が変わるよね?」

 

キリト「そこが厄介なんだが、俺の中では出現する可能性がある場所は絞れている。」

 

ユウキ「調べてきたの?」

 

キリト「いや、違うぞ。まず〝迷いの森〟にはおよそ50を越えるマップが存在していて、その中で大きな木が目立つように生えてるエリアはその内10もない。」

 

ケイタ「つまり、その中にそのサンタ。いやフラグボスが現れる木があるということか?」

 

キリト「その通り。クリスマスの大きな木と言えば。そう、クリスマスツリーのこと。そして、そのクリスマスツリーに使われる木と言えば」

 

ラン「モミの木、ですね。」

 

キリト「そう。つまり、〝迷いの森〟のその10にも満たないエリアの一つを除いた他のエリアの木は、モミの木と似ていて、なおかつ一般的に見比べるのが難しいといわれているモミの木の代用品、杉の木だ。」

 

ササマル「じゃあ、他の奴等よりも速くモミの木の場所を見付けて、俺達で〈蘇生アイテム〉を入手しようぜ!」

 

ユウキ「じゃあ明日から探そう!」

 

キリト「そうだな。だが、大人数はやめよう。」

 

ユウキ「え?どうして?」

 

ラン「ユウキ。大人数で行くと、ばれますよ?」

 

ユウキ「なるほど。じゃあ誰が行くの?」

 

キリト「俺とあと1人で良いだろう。大人数にならず、なおかつモミの木と杉の木を見分けられる」

 

サチ「キリトは分かるの?」

 

キリト「ああ。今の家にモミの木が生えてるからな。見れば分かるよ。」

 

サチ「へぇ~。じゃあ私がついてく。」

 

キリト「分かった。じゃあ、明日のうちに探りに行こう。」

 

サチ「わかった。」

 

ケイタ「じゃあ、明日はキリトとサチは噂を探る。残りのメンバーでレベリングにでも向かおう。」

 

明日の予定がこの瞬間に決まった。





当初はアスナも黒猫団に入れようかと悩んでいたのですが、原作の都合上、アスナには一時的にでもキリトと意見の対立をして貰わなくてはならないし、今後の関わり方的なこともあるので、アスナは原作通り血盟騎士団に入れました

そして今回から原作に戻って行きます。

次回はフラグボス〈背教者ニコラス〉戦です。

ここは黒猫団がいるという状態に合わせて内容は少し変わりますが、ご容赦いただけるとありがたいです。

ちなみに、ケイタ達の攻略組デビューはまだ先です(何時からかは未定)。

では、また次回

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