この作品はあまりにも何も書けないので脊髄だけで文章を作るリハビリしようという目的から書き始められたものです。ご察しの通り文章を埋めることを第一目標としており、内容は荒いです。洗練を放棄することを目標の一つにしております。各章の長さもきっとバラバラです。
完結は目指しておりません。完結目標の作品は別にあるのでこちらは未完に終わる可能性が高いです。そのことを念頭に置いて暇つぶし以上の期待をせずお楽しみください。
気分が悪くなる、マイナス十三組に転入手続きを出したくなるなどの症状が出始めた場合は無理をせず可及的速やかにブラザバックすることを推奨します。
大事なことなので二回言いました。
◆
気が付くと目の前には白が広がっていた。
いや、厳密には白とは言えない。ミルク色のようで、黒のようで、油膜のように汚らしい虹色に輝いているかのような、そう、言ってみれば目を閉じているときに見える闇が一番近い色。
そうか、目を閉じているのか。そう思って目を開けようとしてもなかなか目が開かない。体がうまく動かせない。まるで夢と覚醒の狭間にいるかのような感覚。いや、そもそも体がない?
ああ、そうか。夢か。
「残念。夢じゃないよ」
突然、何の脈絡もなく目の前に誰かがいた。ひどく見覚えがあるのに、誰なのかさっぱり思い出せない。いつからいたのか、などと考えるのは時間の無駄だろう。夢には厳密な時間の法則など存在していないのだから。
「だから夢じゃないって」
誰かはひどくなれなれしく話しかけてくる。気にとても障るけど、その態度が当然ということを知っているので文句は言えない。
「君は死んだ。そして来世には二次創作の世界に行ってもらう。当然、転生特典という名のチートを三つも引き下げて、ね」
そんな気はしていたので迷いなく頷く。文句を言っても仕方がないことだ。そうなることはとっくの昔に決まっているのだから。ここで文句を言えるほど、子どもを残してはいなかった。ああ、大人の定義をまた一つ思いついた。自分の嫌なことを我慢してできるようになるっていうのはどうだろう。その嫌なことの善悪はひとまず置いといて。
「その定義は興味深いけど論議に使う時間がもったいないから話を先に進めるよ。転生特典の条件は以下の通り。一つ、他の作品で既出の能力であること。オリジナルの能力は認められない。一つ、その能力をひとくくりにして指し示す名称が存在すること。とりあえずはこの二点。適宜質問は受け付けるよ」
ふむ、つまり……。
NARUTO世界の主人公、うずまきナルトの能力が欲しかったとして。
螺旋丸を習得したいっていうのはアリだけど、うずまきナルトが身に着けるすべての能力が欲しいとか、そういうことはできないっていうことか。
「その理解で構わないよ」
ドラゴンボールの
「グレーゾーンだけどぎりぎりアリかな」
じゃあさ。漫画版原作終了時の悟空の能力を指して『お前がナンバーワンだ!』とか命名してさ、そうやって転生特典に指定することは?
「それは無理。他の作品で既出とはいえこっちで命名してひとまとめにするのはオリジナルに抵触するので不可です」
なるほど。だいたい把握した、かな。
チートか……。気が引けるな。もともとゲームをするときでもチートを使うくらいなら百時間かけてレベル上げ作業するほうが好きな性格をしていた気がするし。
「こっちで選んであげようか?」
やだよ。参考までに聞くけど、どんなチョイス?
「直死の魔眼、写輪眼、死神の目」
うん、やっぱり断固拒否だ。最初のやつとか魔眼殺しがなきゃ脳みそあぼんするじゃん。つーか見事に目がつぶされたら詰むチョイスですね。
「てへぺろ」
その顔でやるな。気持ち悪い。マジでドン引きするわ。
うーん、単純に異能っていうなら
「はいわかった。一つ目は
最後まで話聞こうね。球磨川禊の
「了解。一つ目は
……まだ考察中だったんだけど。
ま、いいか。拝啓、蝶ヶ崎蛾々丸様。あなた様の
敬意と感謝は忘れませんから、たぶん。
「ほら、さっさと次決めちゃて。後が押してるんだから」
次に憧れるのは
「ん、二つ目は
ありがとう。あれは性能もピカイチだけど、それ以上にあり方がカッコイイんだよね。チートというものを開き直って選択するのなら入れておきたい代表選手である。
「ん? あれも主人公格っていうか、ラスボスだけどいいの? 恐れ多いとかないの?」
んー、なんだかDIO様なら許される気がするんだ。あの人なんか親しみやすい。吸血鬼だけど。カリスマ溢れているのに妙に小悪党っぽいところがチャームポイントだよね。
「DIOファンにケンカ売ってるね」
まさかー。一ファンとして自分なりに敬愛しているだけですよ。
「どうでもいいね。さて、三つ目いこうか」
どうでもいいなら掘り下げなきゃいいのに。いや、こいつはこういうやつだ。こっちが諦めるしかない。
三つめか。好きな能力は数あれど、いざ自分が使うとなるとパッと思いつくのがないなあ。
「
悪い能力じゃないんだけど、あんまり琴線に触れないんだよね。
いや、それ以前に写輪眼の時にも思ったんだけどさ。あれらって
「てへぺろ」
だからやめろって。
やっぱりチャクラが練れるようなNARUTO世界特有の体の構造や、魔力回路は別売りなわけか。
「Exactly(その通りでございます)」
腹が立つね、それ。
いや、よくよく考えてみれば
まあ
「今まではバレなかったんだけどなー」
今まで、ね。さっき後が押してるって聞いた時にも思ったけど、僕以外にもいるのか。
「そうだよ、知らなかったー?」
いや、知ってたよ。厳密には知らされていなかったけど想像はできて然るべきだった。だってこれはそういうものなんだから。
だったら三つ目は決まりだ。メイド長の時間を操る程度の能力。これがいい。
「特殊能力限定で見れば完全に
語尾に生えた草もまじめにやることも気に食わないけど、人生がかかっているから好き嫌いは言ってられない。
この能力は利便性が高い。時を止めることが家事の延長線感覚で気軽にできるし限定的に時間を早めてリンゴジュースをリンゴ酒にできちゃったりもする。空間をいじって空を飛べればまんま四次元ポケットを作成することもできる。人間には過ぎた人間の力だ。
何より、時間に干渉するという一点において
「ふつうは三つしかない枠、被らないようにチート能力を選択するものだと思うけどな」
三つあれば一つくらいは伏せ札にするもんだと思うけど。特に同じ力を持つ相手が敵に回る可能性がある場合は。
それに何より、相手が
「うわ、えげつないね」
好きなものの間を埋める形で希望した特典だけど、それでも最低限原作の能力者に敬意は払わないとね。自分なりの祈りの形です。
「ふうん。じゃあ三つ目は時間を操る程度の能力で決定。これで三つ特典がそろったね。それじゃあ、グッドラック!」
まるでお約束のように足元に穴が開き、僕は落ちて行った。自分の体さえ定かではない世界なのに、万有引力の法則は健在ですか。
「あ、そうそう。言い忘れていたけど、特に希望がなかったので転生後の体は
それを早く言え。
◆
捨てられた。妥当な判断だと思う。
誰だって両親の国籍を無視して銀髪オッドアイなんて外見で生まれ、さらに得体のしれない力を使う赤ん坊を育てたいなんて思わないよ。親子の情より動物としての本能を優先させた両親を褒めこそすれ恨みはしない。
不幸中の幸いというか、子どもの発達段階を完全に無視して生まれた直後から十全な思考能力と転生特典があったため生きる分には困らなかった。
裏社会は素敵なところだ。魑魅魍魎が跋扈している。忍者がいた。超能力者がいた。妖怪がいた。霊能力者がいた。幽霊がいた。チート能力を三つしか持たない転生者なんて可愛いもんだ。自分より非常識な存在がそばにいることほど心安らぐものはない。自分がここにいてよいのだと思わせてくれる。
適当にふらふらしていたらZOOという組織に拾われました。どうやら転生者を中心とした集まりのようです。顔を合わせた転生者が全員同年代なのは偶然なのか必然か。何はともあれ名前を覚える前に捨てられた僕にリンクスというコードネームと生きる糧と毎日の支持を与えてくれた。
この世でもっとも楽な生き方。それは善良な主人の奴隷であること。ZOOの首脳部は善良とは言い難いけど、何も考えずに支持にさえ従っていれば生きていけるのはマイナスに目をつむるに足りるメリットだ。
生きていく中で
時間を操る程度の能力もそこそこ使えた。手足と同じ感覚だ。使い続けば、当然疲労する。それでも30分くらいなら余裕で時間を止められたし、能力を応用して作った四次元ポケットは倉庫二つ分の広さを維持したまま睡眠が取れる程度にはなった。紅魔館とその地下の図書館を拡大したオリジナルには遠く及ばないが、それでも十分合格点だと思う。
問題は
どうやら僕は
仕方なしに
それでも幼さゆえか、それとも
重ねてマヌケなことに、僕はこの世界が何の二次創作なのか聞き忘れていたのでそのことに気付くまでにだいぶ時間を要したのだけど。
本来優先すべき作品があるのに、完全に筆が止まってしまっているのでリハビリ。
感想や評価されても返せない可能性が高いですが、迷惑ではありません。むしろ嬉しいです、本当に。