【リブート前】ダークファンタジー系海外小説の世界で人外に好かれる体質です   作:所羅門ヒトリモン

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人物紹介②です。


Character introduction Ⅱ

 

 


人間


 

アムニブス・イラ・グラディウス


鋼の英雄/憤怒の剣

 

◆若かりし日

 幼児の頃から大人三人分の腕力を持っていた彼は、その異常性から当然のように奇異の視線を注がれ育った。

 身体機能、能力、どれにおいても常人より遥かに優れ、これはもしや熊や獅子が間違えて人の形になったのではないのかと。

 ともすれば、混血の類ではないかと疑われながら彼は育った。

 頼るべき両親はそんな彼を持て余し、グラディウスの少年期はそのほとんどが貧困街の孤児院にて彩られる。

 分かりやすく言えば、他人から見た彼はまさにスラムのゴロツキそのものであった。

 

 

◆騎士団への入団

 しかしながら、彼はその立ち居振る舞いこそ粗野で粗暴になってしまったものの、その内面は悪とはかけ離れたモノだった。

 他人よりも優れている自分は、その分誰かのために生きるべき。

 自分は何ゆえこのような天恵を得て人々の間にいるのか。

 幸福な身の生まれとは決して言えない境遇の中、彼はふとリンデンの外へ想いを馳せた。

 そして同時に、日々外へと出かけては傷だらけになって帰ってくる者たちのコトも。

 

 ──嗚呼、なるほど。

 

 視界が広がり為すべき道がハッキリと確信できた彼は、その後、何の魔法も使わずただの素手だけで何回かの怪物退治を成し遂げる。

 門前払いを行っていた当時の刻印騎士団も、これには空いた口が塞がらなかったとか何とか。

 

 

◆魔法について

 彼が使える魔法はたった一つだけ。

 

誰かのための怒りの剣(アムニブス・イラ・グラディウス)

 刻印魔法。老グラディウスが文字通り骨身に刻み込んでいる激烈の誓い。

 骨、筋肉、肌の表面。全身の至るところに焼き印を施し、さらには呪文を彫り込んでもいる。

 結果、彼の肉体は生身でありながら鋼鉄と化し、怒りの炎が絶えない限りは何度でも蘇る不屈となった。

 その特性上『剣』に対する親和性が非常に高く、彼が手にする剣は苛烈に熱光する。

 

 


 

ゼノギア(故人)


蛆狩り/驟雨の獣

 

◆かつての日々

 王国のとある有力者の家系に生まれた彼は、幼少期から何不自由なく育てられた。

 知性、品性、特段問題なく。

 本来であれば、その身の上に相応しい将来が待っていたはずなのだが、彼はあまりに心根が善良過ぎた。

 人々の幸福を尊ぶあまり、家を飛び出し聖職へと進んでしまったのだ。

 勝手な真似に当然家のものたちはカンカンに怒ったが、何をどう説得しようと彼はテコでも動かなかった。

 世のため人のため神の教えを広めたい。

 理想や希望に目を輝かすありふれた若者だったのだ。

 

 

◆ドウエル村で

 神にたぶらかされて家を飛び出してしまったバカ息子。

 困った両親は、実子の目を覚ますにはどうしたら良いかを考え、わざと大変な目に遭わせようと画策した。

 教会の上層部に根回しし、ゼノギアを辺境の鄙びた寒村へ派遣させたのだ。

 子どもの頃から何不自由なく育ってきた息子の事、可哀想だがどうせすぐに音を上げると。

 しかし、彼らの目論見は大きく外れ、ゼノギアは何年経っても帰ってこない。そればかりか、人間として大きく成長しているようだった。

 

 ……こうなったらもう、認めてあげるしかない。

 

 だが、その決断が後に最悪の悲劇を招くコトになってしまう。

 端的に言えば、五人の混血児と黒小人(ドヴェルグ)の大群。

 ゼノギア自身が善かれと思って為した行いが、結果として村の崩壊と凄惨な悪夢を引き起こしてしまったからだ。

 以後、彼は人が変わったように懊悩の人となり、贖罪と罰とをひたすらに求める人間へと転落。

 自分が辛い目に遭えば遭うだけ、それが救いに繋がるのだと強く信じ、反対する家族や幼馴染の言を振り切っては危険な任務へ志願するようになる。

 

 ラズワルドとの出会いも、そのひとつだった。

 

 

◆魔法について

 彼が使った魔法は生涯においてたった一度だけ。

 

獣は哭く、驟雨の終わりに(プルウェア・レペンティーナ)

 業魔転変によって荒ぶる獣(地龍)と化したゼノギアは、しかし、その魂をどれだけ奈落に染め上げようと()()()を失わなかった。

 原作においては完全に理性と正気を失い、悪人の気配を嗅ぎつけては驟雨(狩場)を展開、容赦なく殺すだけの怪異となる定めだったが、この世界では異なる運命を手にしたのである。

 魔法としての効果は、ただ一時(いっとき)雨を降らして、左腕のクロスボウから、雨雲を穿つための矢を撃ち放つだけ。

 たったそれだけの、けれど誇らしい魔法である。

 

 


 

リュディガー


灰色の魔術師

 

◆野望の青年期

 彼は魔術師の家系に生まれ、その才能は一族の中でも五指に入る天才だった。

 だが、生まれ落ちた国と時代が悪く、西の宝国では絶えず差別と偏見に晒され続け、両親は精神を病み邪法によって命を絶つ。

 加え、ただでさえ魔術は金を食うというのにロクな仕事にもありつけない。

 若き日のリュディガーはとにかく、そんな生活からの脱却を何より望んでいた。

 南の魔国にさえ行けば、自分は大成できる。

 彼を突き動かしたのはその絶対的な自信があったからでもあるが、やはり普通の暮らしというのに憧れがなかったといえば嘘になる。

 貧しさこそは人の世の悪だと、当時の彼は強く確信していた。

 

 

◆結婚の幸福

 ある日、若きリュディガーは一つの噂話を耳にする。

 何でも、さる秘宝匠の大家が一人娘の難病を治すため、莫大な賞金をかけて方々に人を呼び集めているらしい。しかも、どんな身分でも問わないだとか。

 運命を切り開くチャンス。

 リュディガーは生命を賭す覚悟でその家へ足を運んだ。

 そして人生をかけた正念場。心血を注いだ魔術の成功。

 悪しき病魔は姫の元から去り、父王は熱い涙とともにリュディガーを抱き締める。

 思いがけぬ祝福は、ささくれ立っていた青年の心を優しくほぐして幸福へと導いた。

 

 

◆転落の栄華

 若き日の野望も忘れ、リュディガーは穏やかな幸福に身を包む。

 しかし、待望の子どもたち。自らの血を分けた五人の赤ん坊が切っ掛けで、世界はガラリとその色彩を奪い去った。

 カムビヨンの仔ら──人ならざるモノの血を引くモノ。

 産まれた子どもたちは全員がそうであり、混血児の存在は、人間社会──とりわけ免疫の少ない宝国民にとっては、あまりにも受け入れ難かったのだ。

 

 ──悪魔の血が混ざった秘宝匠。

 ──聖なる血統を穢した邪悪なる魔術師。

 ──清純な顔の裏側はやはり淫売だった。

 ──悍ましい怪物が五匹も国の中に。

 ──殺せ。

 ──そうだ。

 ──悪魔は殺して、首を吊るせッ!

 

 斯くして世界はくるりと裏返る。

 自分を受け入れてくれた養父一家は皆殺しにされ、妻も子どもたちも殺された。

 生き残ったのは穢らわしい魔術師がひとりだけ。

 彼の世界から色が無くなるのは当然で、あるのはただ永遠に続く心の虚しさ。

 

 ……そこから三十年、彼は人類社会──ひいては教会勢力への復讐だけが生きる目的だった。

 

 

◆魔術について

 以下に彼の使用した魔術の中から代表的なものを紹介する。

 

噴火魔術

 彼がかつて幸せを感じられた頃、妻や養父から教わり学んだ商売の仕方。それによって掻き集めた幾多の宝石の内、特に魔力の内包量が多かった火成緑石(ペリドット)を使用した魔術。

 火成緑石自体とある火山の噴火に混じって人の手に渡ったと云われる逸話を持っており、純粋な魔力源としても、術式を成り立たせる構成要素『象徴』として申し分がない。

 術式を解説すると、

 

 ①地に埋める→②手掌で活火山の働きを簡易再現→③火成緑石内の魔力が反応

 

 の大まかな三工程でリュディガーは噴火を可能とした。

 が、当然ながら誰にでもできる芸当ではない。長年の訓練によって培われたリュディガーの暗示能力があってこその御業。

業魔転変の儀

 黒鴉神をドラゴンへと転変させるための魔術儀式。

 禁忌、悲劇、厄災の他にも、様々な厄ネタを島中から掻き集めて生贄とする。

 島=世界の前提をもとに、この世の悪業をすべて集約させた『場』を作り上げ、殺戮行為によってカルマ値を高めさせる。

 カルメンタリス島の動物が地龍へと転変する経緯を利用した大魔術。人の手によって恣意的に魂へと干渉する邪法の極み。

 

 


 

ベロニカ(故人)


火傷顔(フライ・フェイス)

 

◆人物像

 彼女について現時点で語れる情報はあまりにも少ない。

 フェリシアの良き師匠であったコト、刻印騎士として復讐に取り憑かれていたコト、人ではないモノを憎むあまり、時には悪を成し得る人物でもあったコト。

 シーズン2にて殺されてしまった彼女の人となりについて、我々はたったこれだけの情報から推し量るしかない。

 顔に火傷を負った経緯、復讐に取り憑かれていたのは何故なのか。契約していた使い魔は、刻印は、果たして如何なるモノだったのだろう。

 

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