【リブート前】ダークファンタジー系海外小説の世界で人外に好かれる体質です 作:所羅門ヒトリモン
鯨飲濁流
悪辣なる悪鬼
◆発生経緯
五百年前、彼の生前は奴隷としてのモノだった。
出身は東と南の境に位置した寂しい漁村。カルメンタリス島では珍しい漁業を行っていた土地の生まれ。
領地としては、内陸に深く入り込んだ海を利用し、獲れる魚や貝類、たまに真珠などを売るコトでそれなりの利益を得ていた。
しかし、その土地を治める領主とその一族からは、マトモな人心など疾うの昔に消え失せていたのである。
もともと豊かな土地ではなかったというのもあり、教養ある支配者階級は学のない市井の人々より遥かに状況の悪さを知っていた。
ゆえにこそ、領民や奴隷は道具である。
自分たちを生かすためなら、他人など使い潰しても構わない。
と、そういう経緯を経て劣悪な環境、奴隷が鞭打たれる毎日ができあがったのである。
後のことは、本編にて語られた通り。
人間として扱われない心の傷。
満たされない飢餓の苦しみ。
鯨飲濁流という悪鬼は、斯くの如き地獄から産み落とされた。
◆種族特性について
吸血鬼には数多くの弱点がある。
陽の光、流れる水、銀や白樺の杭。
主要な都市には必ずと言っていいほど用水路が敷設され、至るところに白樺の木が植えられていたりする。
しかし、それだけ多くの弱点を持っていたとしても、吸血鬼が依然恐れられているのは、彼らが弱点を補ってあまりある無類の怪物だからである。
不死身、怪力、影に潜る、肉体変化(霧化や蝙蝠などの動物含む)、催眠などなど。
そこに加えて魔法まで使ってくるのだから、決して侮っていい相手ではない。
鯨飲濁流の場合、流水を埋め立てるための“
◆魔法について
現時点で代表的なモノを以下に記す。
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彼の変身願望、その最初の対象となったのが海を生きる動物たちだった。 中でも、鯨、鮫、鯱など。 大口を開けて大量に獲物を呑み込む海獣たちに、彼はその夢みたいな食事風景から激しい羨望、憧憬、嫉妬を抱いた。 そして、実際に海に潜って思う存分彼らを喰らい、彼らの世界と行動原理、本能を理解するコトで、魂の裡から滲み出た呪文。“ | ||||||||
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天体操作魔法。陽の光への対応策。 が、本当に宇宙へと干渉しているワケではない。 干渉・操作・支配しているのは、あくまで鯨飲濁流の大魔力によって構築された擬似仮想天体。 言うなれば、空の内側にもう一枚映し出された偽物の空。 その昔、太陽を謳う精霊を喰らったコトで獲得した呪文。舌を火傷した。 | ||||||||
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かつて都市を滅ぼしたトレント。 森の神と畏れられた巨大な大樹。 鯨飲濁流はうっかりそのテリトリーに侵入してしまい、養分とされそうになった。 が、勝負は彼の食欲に軍配があがり、森の神はその霊格ごと取り込まれてしまう。 とはいえ、さしもの悪鬼も植物への変身には多少手こずるのか、「よし、変身だ!」と心の中で意気込まないと変身できない。隠された秘密である。 |
ヴェリタス
深淵の叡智
◆発生経緯
人間だった頃の彼女は、物語の賢人に憧れたひとりの学者だった。
書物を読み、知識を蓄え、物事の道理を弁える。
時には誰かに教えを乞い、師事しながら、世界の仕組みをひとつひとつ勉強。
すべては叡智こそが人類の生活をより良くすると信じていたから。
──だが、物事が壊れるのはいつも一瞬。
ありふれた悲劇。
ありふれた慟哭。
ただそこから、選択した未来だけが、他とは違っていて。
彼女は自らの意思で正気を捨て去り魔性へと転変した。
人間のままでは届かぬ理想がある。
たとえ醜く老いさらばえようと、脳吸いの怪異はこの世のすべての不条理を解体したい。
◆種族特性について
人から転じた魔において、彼女の場合は明確な種族名が存在しない。
強いて言えば、ただ『脳吸い』と呼ばれる怪異。それこそが彼女である。
怪異としての職能は、
対象は人間に限られ、だからこそ、このルール──カタにハメられると先ず逃がれられない。
また、逃がす気もない。特にそれが、優秀な頭脳の持ち主であれば。
……なので、使い魔として契約を結んで以降は、主からその職能を固く禁じられている。禁じられているコトを、感謝もしている。
矛盾しているようだが、この矛盾こそが、ヴェリタスをヴェリタスたらしめる
◆魔法について
現時点で代表的なモノを一つ以下に記す。
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人智ならざる魔性の智慧。 数多くの学者たちの脳を啜り取るコトで何時しか額に開いていた三つ目の 深淵を覗き込む邪眼は、悪魔の頭脳に繋がっている。 魔法としての効果は、未来予知、最適解の算出、まやかしの看破など。 |
薔薇男爵
風光明媚の精霊
◆発生経緯
山紫水明、嵐影湖光、澄み渡る大自然の美。
中でも百花繚乱、千紫万紅、咲き乱れ咲き誇る花々へと向けられた純然たる感謝と賞賛。
感動という、ただそれだけの圧倒的信仰心こそが、彼をこの世に形作った。
◆自称薔薇男爵
彼に二つ名は無い。
この世に発生して千年の時が経つが、彼は人間がそんなに好きではないので、人が多く集まっているような場所にはそもそも足を運ばない。
五百年前のある少女との出会いがなければ、人間を大量に殺戮し二つ名が与えられていたかもしれないが、運命は彼に希望を与えた。
たとえ光の何たるかを一度も知らない盲目の少女でも。
奴隷としての身分からも放逐され、町を追放されるような不運の境遇であったとしても。
薔薇の香りに安らぎを覚え、ありがとうと口にする心の美しさ。
彼女がいたから自分は今も生きている。
……ならば、その恩に酬いるためにも、己は胸を張って生き続けなければならない。
仰々しく大袈裟に、まるで舞台役者のように振る舞い続けるのはすべてそのためだ。
風光明媚の精霊は、今なお彼女のための『おじさま』であろうと決めている。
──まぁ、それはそれとして愉快な芸風であるコトには違いないが。
◆魔法について
彼の使える魔法は実はひとつ。
他の魔法はすべてその派生であり恩恵。
以下に現時点で代表的なものを二つ記す。
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読んで文字通り。 柘榴の実が地面に墜落して無惨に散るように、指先から柘榴の種子を飛ばし爆発させる。 込められた魔力量によって爆発の規模が変わり、最大になると小規模のクレーターを生み出すコトも可能。 “ | ||||||||
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薔薇男爵の視認するすべてのモノを強制的に苗床とし、色鮮やかな花々を発芽・成長させる。その際、生命力を幾らか奪うコトもできる。 彼の庭師としての仕事は大半がこの魔法によって行われていて、精霊女王の片腕に選ばれたのも実質はこの魔法が決め手。 “壮麗大地”を美しく彩り、時たまちょっかいを出してくる黒鴉神の配下も有効利用。 おかげで獣神たちからは薔薇の悪魔と恐れられるようになってしまったが、
「畜生には所詮、美しさの何たるかなど分かりますまい──」
と、彼は気にしていない。 |
幽界狼
翠緑の毒牙
◆発生経緯
カルメンタリス島に生息する動物たちには共通点が存在する。
どの動物も、周囲の環境に極限まで擬態するため、自然の一部を宿しているのだ。
雪深い北部の兎であれば雪のような体毛を。
鬱蒼と生い茂った森林に棲む鹿や豚であれば、木や茸を生やす。
そして、突然変異により淡いの異界に適応した狼ならば、翠緑の燐光を纏うように。
淡いの異界という特殊な環境上、この獣神がいつどこで発生したのかは誰にも分からないが、ひとつだけ確かなコトはある。
もしもある日突然、自分の目の前で空間に波紋や蜃気楼のような揺らぎが生じ、中から翠緑の光が溢れ出したなら、助からないだろうというコトだ。
強靭な顎で噛み砕かれるか、毒に犯され人間をやめるかの二択。
苦しまずに済みそうなのは、果たしていったいどちらだろう?
◆黒鴉神への忠誠
淡いの異界に適応した突然変異の狼といえど、獣であるからにはやはり獣の本能を有している。
カルメンタリス島の食物連鎖。
あるいは、弱肉強食のルールに則って鑑みると、彼らは決して上位に位置しない。
生前であれば魔法も使えないため、ゴブリンにすら下手をすれば敗北する。
然らば、強大な魔力を秘めた怪物たちにはどう逆立ちしたところで戦力差はひっくり返らない。
種としての始まりから、『擬態』を主な生存戦略としている以上、その慟哭と苦渋は筆舌に尽くし難いモノがある。
とりわけこの幽界狼は、そのあたりの蟠りが特に強かった。
そのため、自分よりも遥かに低い位置からスタートしたはずの闇夜鴉──偉大なる黒鴉の神と出会った時、心の内に生じたのはどこまでも純粋な畏敬の念。
彼の王の爪牙となれるなら、これ以上の誉れは存在しないと素直に認めていた。
◆種族特性について
獣神ならば必ず持ち得る環境支配(土地の従属化)。
自らがかつて還った自然環境そのものを周囲に強制的に構築する権能。
森を作り、雪原を作り、夜を作る。
幽界狼の場合は淡いの異界を構築するため、甚大な侵略能力と化していた。
また、これは生前からの引き継ぎであるが瞬間移動が自由にできる。
淡いの異界に潜ってからの再浮上といったプロセスを辿るものだが、こちらとあちらを無闇矢鱈に行き来できないモノにとっては非常に厄介。
全身から滴り落ちている翠緑の毒雫も併せて、なるべくなら近寄りたくない存在と言えるだろう。
黒鴉神
夜羽の獣/冥夜の渡り烏/夜光
◆発生経緯
元は一羽の闇夜鴉。
夜にしか羽ばたけない昼知らぬ鳥。
カルメンタリス島に存在するカラスは二種のみで、対となる存在に白昼鴉がいる。
獣としてはちっぽけな存在で、間違いなく下位。
その生態から人々に嫌われ、不吉の象徴と目される。
だが、彼は究極そんなコトなどどうでもよかった。
彼が望んだのは徹頭徹尾の『自由』であり、世界の半分しか知らないというコンプレックス──『不自由』こそが渇望の源となっている。
女神がカラスを助けたのは、その在り方がたまたま女神の美観に寄り添っていたため。端的に言えば、
◆種族特性について
数多くの呼び名を持っている黒鴉神には、多くの権能が備わっている。
獣神として備え持つ環境支配──夜の構築。
不吉の神でもあるため、鳴き声を聞かせれば恐怖や混乱を呼び起こし、冥府の王として死者を従わせるコトも可能。
とはいえ、黒鴉神の言う死者とは彼に忠節を抱いた配下の獣神たちのコトであり、ほとんどは“
死した配下たちからの報告を聞くコトで、黒鴉神は非常に広い情報網を獲得していた。
他、魂をあの世に運ぶ鳥葬の概念から、魂に干渉する術にも長けている。
自分とは真逆の概念を司る精霊女王のコトは、羽虫と格下に見ながらも内心歯軋りするほどムカついていた。
◆魔法について
現時点で代表的なモノを一つ以下に記す。
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“壮麗大地”の王としての自負から獲得した大魔法。 死は荘厳であり、夜が真実冥府であるならば、まったき闇の大空に綺羅と瞬く星々(魂)は、間違いなく壮麗に他ならない。 我が翼を見よ。我が美しき世界を見よ。 夜は暗くて冷たいが、星降る夜はこれほどまでに素晴らしい。 ……残念ながら、その恋が巨龍へと届くコトは一度として無かったが、彼はまさしく偉大な王であった。 魔法としての効果は、冥府に捉えた魂を、隕星に変えて降り下ろす。 |
大嵐の巨龍
女神の
◆発生経緯、他
天地開闢と同時期に嵐より産まれる。
カルメンタリス島には大まかに分けて三種類のドラゴンがあり、大嵐の巨龍は最も女神に近い。
分類としては、巨龍、純龍、地龍。
大きさのデカイものほど手に負えなさのレベルが段違いになる。
純龍は一般的なドラゴンをイメージしてもらえば問題ない。
地龍は島の動物たちがドラゴンに近くなったモノ。
巨龍はもはや概念……終末と考えれば問題ない。
太古の昔──すなわちは神代においては、数多の勇者、英雄と死闘を繰り広げた。そのため、勇者と英雄が大好き。
人間が好きというよりも、自分を倒そうと頑張ってくれる人間が好き。
◆種族特性について
最強の生物。
ただあるがままに存在するだけですべてを破壊していく禍津神。
人型を取る際も霊格が巨大すぎて最低でも三メートルまでしか縮められない。
島の環境を定期的にクリーンアップするための自殺細胞であるため殺害権──大嵐の巨龍の場合は『頽廃』の権能を所持する。
◆魔法について
以下に現時点で代表的なものを二つ記す。
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魔力で編まれた積乱雲。 それも 力こそパワー。 | ||||||||
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上述の魔法に頽廃の力が加乗された魔法。 女神の因子を活性化させ、万象を風化させる魔力を龍咆に編み込む。 かつては開戦の狼煙代わりによく使った。 だから |
理想の少女像
天使
◆灑掃機構三番
神の工芸品。
人類文明を守護するため、女神が手ずから造り上げた三つの灑掃機構の内、三番。末妹たる
見た目は完全に薄いヴェールで身を包んだマネキン(光輪と光翼は除く)なのだが、埒外の美しさを放つ。
華奢で可憐。
理想の少女像のその名の通り、万人を魅了して止まない少女らしさが詰まっている。
有する使命は兄、姉と同じく魔の殲滅。
その肌は魔法を弾き、その光輝はあらゆる悪罪を灼き滅ぼす。
意思持つ無機物であり、天罰の機能を与えられている。
◆封印について
灑掃機構はその永きに渡る『魔引き』の運命に三機すべてが倦み疲れている。
殺せど殺せど終わらない役割。
現時点で明かせる情報は少ないが、少なくとも、末妹たる彼女の胸中に創造主たる神への怨みが無いとは決して言いきれない。
神は何ゆえ自分たちに意思を与えたのか。
心なき道具であり続けられたらどれほど良かっただろう。
狂い、狂い、壊れ果てた歯車の軋み。
駄作と断じられたかつての日を思い出し、白金の天使は今も苦悩の渦中にある。
天罰機能
理想の少女像もとい灑掃機構に魔法は使えない。
彼女たちにあるのは神から与えられた天罰の機能だけである。
以下に現時点で代表的なものを記す。
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神の雷霆。神罰の光柱。八千条の紫電。絶滅の稲光。 神の権能を文字通り地上に再演する。 不浄を灼き払い魔を撃滅する天使の御業。 ひとつひとつの雷だけなら大したコトはない(巨龍基準)が、八千条の束になって振り落とされると巨龍も冷や汗をかく。 |
用語集はもう少しお待ちください……