日も傾いてきた人里には人通りは依然として減らず、老若男女問わず何人もが闊歩していた。
その中でも、青いメイド服を着た金髪の女性、灰色のトレンチコートを着た白髪の女性、デニムのジャケットを着た黒髪の女性の3人組は、さぞ異彩を放っていた事だろう。
事実、通り過ぎる人々はチラチラと私達を見てくる。
そんな事を気にも留めず、ニコニコと緋焔刃を抱きかかえるカメリアは嬉しそうに私にこう言った。
「本当にありがとね灯音、大好きよ」
「うん…うん?どういたしまして。」
「ありがとね灯音」までだと思って適当に返事を返したら、その先にあったのはラブパワーでした。
なんとも言えない返事を返してしまった私は、取り敢えずどういたしましてと言い、その場を乗りきる。
ちなみにこの打刀、値段などどうでもいいと言っていた私にとっても中々高額であった。
現代の日本円に換算して約100万円、中々いいお値段である。
武器には値段で渋らないと言った私だったが、後悔こそ無いものの少し痛手だ。
「それにしても、完成すると更に美麗だね。」
「本当よねぇ」
カメリアから緋焔刃を貸してもらい、まじまじと眺める。
試し斬りの時とは違い、鍔や鞘が完成された緋焔刃。
全体を漆黒に塗り潰した鞘には“焔”と緋い文字で書き込まれており、楕円状の鍔は焔を彷彿とさせる荒々しい模様がくり抜かれていた。
まさに緋焔の名に相応しい美麗な風貌である。
こんな打刀を鍛えることができる小傘は、最上大業物14工を15工に変更し、名を連ねたいものだ。
「カメリア、帰ったら私にも振らせてよ」
「ええ、良いわよ」
「ありがとー」
それにしても私を含めたこの女三人、戦いと武器が好きすぎるのではないか。
武器の好き具合に関しては私に叶うやつなんて居ないけどねっ、武器はサイコー!!!
とか考えつつ歩いていると、夢月のお腹から大きな唸り声が響いてきた。
同時に夢月を見る私とカメリア。
「……お腹すいたの?」
「…うん」
少し照れくさそうに後頭部を掻きながら夢月はペロリと舌を出して言った。
んー…ちょっと可愛いのがなんかムカつく。
それは良いとして、そういえば未だ昼食をとっていなかったことを思い出した。
折角人里に居るんだし、たまには外食をとるのもいいかもしれない。
「じゃあ、今日はどっかでご飯食べて帰ろっか。」
「賛成!」
「良いわね、さすが灯音だわ」
何がさすがなのかは分からないが、どうやら二人とも乗り気なようなので私は帰り道沿いにある定食屋に二人を連れていくことにした。
その定食屋は私がたまに行く所で、幻想郷には海がないというのに何故か海の魚を取り扱っている不思議な店だ。
味も非常に絶品なので、なんだかんだ私も久々に行くのが楽しみである。
私達は少女のように手を繋ぎ、人通りの多い通りで柄にも無くスキップをしながら定食屋に向かったのだった。
「「「ホップステップジャ〜ンプ!」」」