マリオと奇妙な館   作:スダチ

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森に潜む奇妙な館

ピーチ城に残された三人。辺りはすっかり暗くなっていた。すぐに助けに行かなければいけない、という事はわかっているのだが、体が思うように動かない。

 

「くそ……ここにきて疲れが一気に押し寄せて来たのだ……」

 

地面をドン、と叩きながらクッパは言う。しかしそれに力強さは無い。

 

「キングテレサ……俺たちが消耗した所を狙いやがって、卑怯な奴め」

 

「でも……なぜキングテレサはピーチ姫を? クッパはともかく、攫う理由が無いと思うんだけど……」

 

ルイージは疑問を口にする。マリオとクッパも確かに、と頷く。一体何のために攫ったのか、到底思いつかなかった。

 

しかし、このまま考えていてもあまり意味がないので話題を移す。

 

「確か、北の洋館って言ってたよな」

 

北の洋館、と言われても皆見当がつかない。距離も近いのか遠いのかわからず、情報はその名の通り『北』にあるという事だけだ。もし今の状態で洋館を探すにしても、もしそれが遠くに存在する場合、辿り着く前に三人の体力が無くなるだろう。

 

マリオ達は今の状況と自身の体の状態を考えた結果、休んで回復を待ってから出発することが得策だと考えた。

 

「取り敢えず中で休もうか」

 

ルイージはそう言い、城内に入る。その後にマリオとクッパも続く。幸いピーチ城も夏季休暇中で、一部の者以外の多くの兵士が居ない。ピーチ姫が攫われた事が知られると騒がれて面倒だったので、マリオ達はクッパを見て驚くキノピオ兵を無視して奥に進んだ。

 

「ぐ、ピーチ城のドアは小さくて入りにくい……」

 

ピーチの部屋に三人は入り、鍵を閉める。ここならより見つかりにくいからだ。

 

「ふぁ〜あ。それじゃ、お休み」

 

マリオはおもむろにカーペットに寝転がる。クッパは壁に寄りかかって、ルイージはピーチのベッドと壁の隙間に入って寝た。

 

 

 

 

「きろ……ルイージ……起きろ……」

 

「うう……ん……」

 

マリオの声に気づき、ルイージは目を擦る。

 

「兄さん」

 

「目が覚めたな」

 

ルイージは体を起こす。マリオは少し笑うと、クッパの方を起こしに行く。ふと時計を見ると、午前0時12分を指していた。

 

──夜中じゃないか。

 

ルイージはこの時間に起こされたことを不満に思いつつも、身体の調子を確認する。──どうやら疲れは取れているようだ。続いて起きたクッパも寝ぼけ眼で立ち上がり、ストレッチをする。

 

「二人とも回復したようだな」

 

マリオは冷蔵庫から飲み物を取り出す。

 

「これ飲んで、まずは目を覚そうぜ」

 

ルイージとクッパに手渡す。

 

──兄さんが一番元気そうだな……。流石の体力だよ。

 

ルイージはそう思いながら貰った麦茶を飲む。

 

「……ふう。しかし、ピーチ姫のものを勝手に飲んでしまって良いのか」

 

「あー、まぁ無断で部屋を借りてる時点であまり変わらないだろうよ」

 

それにピーチ姫なら許してくれるだろうしな──とマリオは言う。そんなこんなで適当な話をしながら、飲み終わった三人は、よし、と気合いを入れ直す。

 

「じゃあ行くか」

 

外は暗いので、懐中電灯を持ってピーチの部屋を出る。監視員に見つからないようにこっそり移動しながらピーチ城を脱出する。

 

辺りはまだ街灯や一部の家の明かりで見えない程に暗くは無かった。が、北に進むにつれキノコ王国のはずれに向かうため、明かりが少なくなっていく。マリオ達は懐中電灯をつけ、さらに進んだ。

 

「思ったんだけどさ、これ朝になってからじゃダメなの?」

 

「いや、今じゃないとダメだ。キングテレサは光が苦手だ。朝になってどこか別の場所に隠れられちゃさらに面倒だしな」

 

それにあまり待たせすぎるとピーチ姫に悪いしな、とマリオは少し笑って言う。

 

先に進む。家が立ち並んでいた景色が段々と木の生い茂った景色に変わる。森だ。

 

「この辺が怪しいな……」

 

クッパは辺りを見回しながら言う。ここならば洋館の存在を自分達が知らなくてもおかしくない、そう考えた。

 

その考えは的中し、暫くすすむと、何やら薄紫色の大きな建物が木々の奥に見える。

 

マリオ達は近づいてみると、より大きく感じられた。窓の位置と高さからして2階建てのようだ。

 

「これ……だな……」

 

キングテレサがいるであろう、洋館を見つけた。クッパはドアを開けようとする。

 

「鍵はかかっていないようだな」

 

クッパに続き、マリオとルイージも入る。まずは電気をつけよう──

 

懐中電灯を移動させて探していると、声が聞こえて来た。

 

「ギャハハハハ! よく辿りつけたな」

 

「この声はまたキングテレサだよ!」

 

「ああ。おいキングテレサ! ピーチ姫をどこにやったんだ」

 

マリオが尋ねるとキングテレサは高笑いしてから答える。

 

「ちゃーんとオレの所にいるぜ。返して欲しけりゃこの館を探してみな! だがドアには鍵がかかってて鍵を探さないと進めないからな! じゃあ、楽しみに待ってるぜ。ギャハハハハ……」

 

そういうと、声はしなくなった。マリオが呼んでみても、反応は無い。妙に説明口調だった事に若干の違和感を覚えながら、状況を整理する。

 

「つまり、この洋館に辿りついた僕達は、ピーチ姫を助ける為に鍵を探さないといけないと」

 

「そのようだな。だが、妙にのせられているような気がして腹が立つのだ!」

 

「おっ、電気みっけ」

 

マリオはスイッチを押すと、この部屋が明るくなった。まずは手当たり次第に家具を調べてみる事にした。

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