マリオと奇妙な館   作:スダチ

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遊技場のキノピコ

「あっ。さっきの大きな声はマリオさんとルイージさんだったのね!」

 

入ってきたマリオとルイージに、手を振って呼びかける女の子はキノピコ。

 

「キノピコじゃないか!」

 

意外な子の登場だ。僕達とクッパ、ピーチ姫とキングテレサ以外にこの館に来ている者がいるとは。ルイージは彼女の姿を見て、まず思った一番の疑問を投げかける。

 

「キノピコちゃんはなぜ、ここに?」

 

「うーん。なんて言えばいいかな」

 

少々複雑な事情なので、キノピコは手を頭に当てて考える。

 

キノピコがここにいる理由は、キノピオと大体同じだ。キノピオがキッチンに閉じ込められたように、キノピコはここに閉じ込められていた。

 

キノピコは頭の中の整理がつくと指をピン、と鳴らし、マリオ達にこうなってしまった経緯を説明する。

 

「そんなことが……」

 

「じゃあキノピオもどっかにいるのか?」

 

マリオの問いかけにキノピコはコクリと頷く。

 

「そうか。キノピオはまだ見てないから、まだいくつか部屋があるのか」

 

「エート。どうしてこんなことになっちゃってるの? マリオさん達が来てるってことは、何か事件とか?」

 

マリオはキノピコにこの館で起こってる事を話す。キングテレサ、ピーチ、そして鍵の事を。

 

「それで、多分鍵がこの部屋にもあると思うんだが……」

 

「もしかして、鍵ってコレかな?」

 

「何っ!」

 

マリオの言葉を聞いたキノピコはポケットから鍵を取り出す。

 

「ビリヤードで遊んでる時に偶然見つけたの」

 

「おおっ! ソレだソレ! キノピコマジナイス!」

 

「探す手間が省けたね! 兄さん」

 

褒められると少し照れるキノピコ。鍵をマリオに渡す。

 

「じゃあ、あのドアを試してみるか」

 

マリオは奥にあるドアを指差す。──と、キノピコが二人に尋ねる。

 

「あの、ワタシついていっても良いですか? キノピオに会えるかもしれないし……」

 

「おう」

 

「全然大丈夫。キノピコちゃんもおいでよ」

 

「うん!」

 

マリオは鍵を挿し込む。開いたようだ。こうしてマリオ、ルイージにキノピコを加え、次の部屋へと進んでいく。

 

「うおぉ……」

 

部屋に入ったマリオは目の前の光景に魅了される。見渡すと、ピアノ、ドラム、トランペット。その他諸々の楽器。どうやら音楽室のようだ。

 

 

 

 

「ふぅ」

 

そう一息をつくのはクッパ。隣には何を考えているのか、ゴミ箱の上に座り、パタパタと足を動かしているキノピオがいる。

 

「……腰は大分落ち着いた。さて、行くとするか」

 

クッパはすっくと立ち上がる。その姿は、堂々としており、いつもの大魔王に戻っていた。

 

キノピオもそれに気づき、ぴょんとゴミ箱を降りる。

 

──どうやってここを脱出するか。

 

休んでいる時に、クッパとキノピオは取る行動を決めた。

 

ガレキで塞がれたような場所。そこをかきわけて進む。他は鉄の壁なので、壊すのは難しい。かきわけて進んで、外に出れる事を祈るのだ。

 

「行くぞキノピオ! お前はガレキが当たらんように、ワガハイの真後ろにくっついてろよ!」

 

「はいっ! クッパさん!」

 

「うぉぉぉおおお!」

 

クッパはガレキを両手でガッシガッシと掴み、横にかきわけて行く。キノピオはその後ろにしっかりと位置取り、クッパを見守る。

 

そのクッパの姿はキノピオにとって頼もしく、力強く感じた。

 

お願いします……! クッパさん……!

 

どんどんと進んでいく。何度もガレキをどかしていくクッパの手は次第に傷ついていく。それでも、手を緩めずに、天へ、月が見える景色へたどり着く為に。進む。

 

少し坂道になる。このまま進んでいけば、外に出られるはず。

 

怯まずにクッパは手を動かす。キノピオは自分が何も出来ない事を歯痒く思うが、クッパの邪魔だけはしないように、ピッタリと真後ろについていく。

 

 

 

 

スピードを緩めず、突き進む。

 

 

 

 

「おっ」

 

クッパは小さく声を上げる。そのままガレキをしっかり退けていく。空間が見える。ガレキが無くなる。そして──

 

生い茂る草の上に足をつけ──

 

「出たぞーっ!」

 

クッパは喜びの声をあげる。

 

「あぁ、ついに……脱出出来たんですねっ!」

 

キノピオとクッパは互いに手を取り合って喜び合う。そのクッパの顔の輝きは、普段は決して見せる事の無い程だった。

 

 

 

 

大分落ち着いたクッパとキノピオは、館に入り直す。幸い出た場所は館が見える位置だった。

 

そうして、二人はマリオ達に再会すべく、館内をひた走るのであった。

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