マリオと奇妙な館   作:スダチ

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キングテレサの過去の話。
キングテレサがピーチ姫を攫うまで……最終話の前に回想です。


オレの野望

「クソォォォオオオッ!」

 

オレは館に響き渡る程の大きな声で嘆いた。

 

クソッ! あの緑……ルイージの野郎! オレをあんな目に合わせやがって!

 

今のオレは昔の事を思い出して、絶賛怒り中だった。ルイージに対して。あの時起こった出来事は今でも鮮明に覚えている。

 

──今から数年前の事だ。オレはキノコ王国を支配しようとしていた。何故かって? クッパの真似事だよ。

 

クッパってさ、めっちゃでかい軍団持ってるじゃん。クッパが招集をかけると部下がワーって集まってくる。その数ったらすげぇよな。クリボー、ノコノコ、ボムへい、ハンマーブロス、カメックetc...

 

オレももともとクッパ軍団だったからよ、そういうのを間近で見てたんだ。んで、そういうのに憧れてたんだ。なんだか一つの国を動かしてるみたいでよ。

 

だってすげぇよな!? 一声かければ、サーっと集まって言うこときいてくれる。みんなでマリオを迎え撃つ時も、それぞれどこの位置についたりとか、作戦を大勢で決行したりだとか。そういうのを全部操作出来るんだぜ!?

 

オレもクッパになりてぇって思ったよ。でもよ、無理なんだよ。クッパ軍団にいる以上、ボスはクッパであって、それは不変だ。

 

このままクッパ軍団にいちゃ、オレの野望は叶わない。だからそれを叶える為に、クッパ軍団を抜けたんだ。その時に、オレについてきてくれたテレサ達が50匹ぐらいいたな。

 

さて、抜けたはいいが、どうするか。オレがボスのキングテレサ帝国をつくるには。今の人員では少なすぎて、到底国をつくれない。それに、折角オレについてきてくれた可愛いテレサ達を使いっ走りにするのは心が痛む。

 

オレは悩んだ。どうすれば国を作れる……? オレがボスで、テレサ達は幹部にでもしてやりたいな。

 

考える。考えて考えて、オレは思いついた。

 

もともとある国を乗っ取って、オレが王になれば良いんじゃないかと。そして、そこに居た住民は、全員部下にしてやろうと。ギャハハ、いいアイデアだ! で、次はどこを乗っとるか。

 

クッパ軍団。あそこは無理だ。全員が戦闘集団な上、ボスのクッパに勝てる気がしない。

 

それならキノコ王国はどうだ。王様はただの人間。ピーチ姫も、まぁ強くないだろう。住民もキノコ族だから怖くない。

 

……あ。でも二人厄介なのがいるな。マリオとルイージだ。あいつらをどうにかしないといけない。

 

どうする……。オレ、マリオに勝てる自信ねぇぞ。第一アイツ、誰かに服従するようなタマじゃねぇしな。

 

どうするどうする。不意打ちでもするか……? でもどうやって……?

 

オレは手で頭を抱えて懸命に考える。そして、ある事を思いつく。

 

それが、『偽マンションでマリオとルイージ騙して額縁計画』だ!

 

どこかではこれを『ルイージマンション』って呼んでる奴もいるらしいがな。

 

まぁ色々と細かい事をやったんだが、端的に言うと、不意打ちをしてマリオを絵の中に閉じ込めたって事だな。そして後から来たルイージも絵の中に閉じ込めてやるつもりだったんだ。

 

そう、つもりだった。オレはルイージの捕獲に失敗したんだ。正直油断していた。あいつがオバキュームなるものを背負ってスポスポスポスポスポスポスポスポスポやってくるなんて想定出来るわけねぇよ! 馬鹿か!

 

そうしてよ。ついにはオレの前に現れてよ。全力で戦ったよ。けどよ。負けたんだよ。

 

クソッ! 怖いのはルイージじゃねぇ。背中のオバキュームなんだよ!

 

あれさえ無けりゃ……

 

そう嘆くのも無意味で、ルイージじゃなくてオレが絵にされたよ。

 

これでオレの計画は完全に壊れた。仲間のテレサも吸い込まれたしな。悔しくてしょうがなかった。

 

長い間、オレは額縁に閉じ込められる事になった。

 

 

ここまでが昔話だ。そして、つい先日、オレの額縁を管理していた人物のミスによって、運良く脱出出来たんだ。久しぶりの外の空気は美味しかったぜ。生きてるって実感出来たからな。──あれ、オレってオバケだから生きてるのか?

 

……まぁ良い。晴れて自由の身になったオレは嬉しくて辺りを駆け回った! 昼は明るくて辛いから勿論夜にな。

 

でも次第に落ち着いてくると、ルイージの事を考えだすんだ。アイツにやられた事を思うと腹が立ってきてよ。それで今に至る。

 

何とか仕返しをしてやりたい……。けど、今のオレは仲間もいねぇし、やれる事が少ない。単身で突っ込んでも、マリオとルイージには勝てっこない。前回みたいな大がかりな不意打ちはもう出来ないし、第一バレる。オレは途方に暮れた。

 

考えても考えてもいいアイデアが浮かばない。このままでは時間だけが過ぎていくと思ったオレは、取り敢えずマリオとルイージを探して、観察してみる事にした。

 

時は夕暮れ。これぐらいの暗さなら、外に出ても平気だろう。オレはキノコ王国でマリオ達を探す。

 

そして、見つける。けど、どういう事だ? ピーチ城でマリオとクッパが戦ってやがる。ルイージはなんか水を撒いてるし、ついでにピーチ姫もいる。

 

オレはこの状況から事態を推測する。そうだな、マリオとクッパのピーチ姫の奪い合いって所か。

 

しかし、奴ら随分と息切れしてるな。そんなに長い間戦っているのか?

 

──そこでふと思った。これはチャンスでは無いかと。

 

でも、チャンスだと言ってもどうする? マリオとルイージを捕まえたとしても、そこからどうする? アイツらを絵にするのには、オレの魔力に加えて、王冠の魔力が必要だ。でもそれは以前ルイージに吸い込まれている。クソ、王冠を被ってないせいで、オレの威厳もイマイチだしな。

 

このままでは何も出来ない。かといってマリオとルイージを捕まえても、そこからどうしようも無い。

 

だが、何かしてやりたい。マリオとルイージをギャフンと言わせてやりたい。

 

ふと、何となくクッパを見る。そこでオレは一つの考えを思いついた。

 

イマイチインパクトに欠けるが、まぁこの際しょうがない。何かする事が大事だ。

 

思いっきりからかってやる。見てろよマリオ、ルイージ。

 

オレは頃合いを見て、そーっとピーチ姫に近寄る。そして、素早くピーチ姫を持ち上げる。

 

「きゃあっ!」

 

ピーチ姫が悲鳴を上げる。それに気づくマリオ達。ギャハハハハ! 覚悟しろよ。オレ様のショーの始まりダァッ!




時系列は、ルイージマンション(無印)〜その後で、ルイージマンション2・3がまだor存在しない世界線だと思ってください(ルイージマンションに至る経緯とか独自設定モリモリなのです)。
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