アルスラーン戦記 称号『完全無欠の王』獲得RTA   作:これこん

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チャートが崩壊しそうなので初投稿です


開幕~ダリューン戦まで

前回から引き続き、友人にダリューンの存在を知らされた所からの再開ですね。

アルスラーン戦記を見たことのない視聴者の方々は何故私がこんなにも焦っているのか分からないでしょうから手短に説明します。

 

ダリューンというのは公式公認のチートキャラで、人の形をした厄災です。はいっ、説明終わり。

え?短すぎるって?大丈夫です。このままゲームが進めばすぐに分かりますよ。

では早速プレイしていきます。チャートが何やら不穏になって来たので心配ですね。で、でも友人の聞き間違いという可能性もワンチャン‥‥‥

 

 

 

>あなたは背後からの視線を感じ取る。振り返るとそこには1人の少年の姿。

>こちらを見ている少年は、恐らくあなたよりも幾らか歳上だろう。長身と、服の上からでも分かる引き締まった身体から放つ存在感は周囲の参加者達から一線を画している。

>あなたは彼を一目見て理解した。アレは紛れも無い強者であると。

 

 

 

‥‥‥もうダリューンで確定ですね。何で公式チート君がここに居るんですかねえ‥‥‥

まあ良いでしょう。こちらも腹を括りますよ。

当たるのが決勝ならば2位、準決勝で当たれば負けても3位決定戦に流れるのでそこでヘマしなければ3位という結果を得られるため、名誉ポイントが得られる順位をとるというノルマは達成出来るのでそうなる事を祈ります。もしそれ以外で当たったら再走ですね。

 

 

 

 

>あなたは友人にこちらを見ている人物が『ダリューン』なのかを確認する。

>「ああ、あの方がダリューン様だ。将来は国一番の勇者になるだろうって言われているらしいな。ていうか何でお前ダリューン様から見られているんだ?」

>あなたは友人に心当たりが無いと伝えた後、ダリューンに会釈をしその場を立ち去る。

>彼は戦場を経験している自分の父親よりも遥かに強いだろう。今までに何人も高名な騎士を見ては憧れを抱いてきたあなたであるが、そんな騎士達がちっぽけに見えてしまう程の強烈な印象。

>あなたは、強者を前に自分が興奮しているのだと気づいた。

 

 

 

 

ほもくんはダリューンと当たるのが楽しみなようですね。かなり好戦的なキャラに育ったので、生まれながらの軍人気質といったところでしょうか。

ステータス上での性格は『真面目』『思慮深い』『大胆不敵』となっていますので、原作で言うとキシュワードみたいな感じです。

 

これらは軍人プレイにおいてかなり有利な性格になっていて、上手い具合に進んで行ければタイム短縮に役立ちますね。

ただ文字通り『真面目』なので、原作のキシュワードみたいになる可能性が‥‥‥いえ、今は考えてもしょうがないのでやめておきましょう。

 

 

 

 

>試合の審判役からあなたの名前が呼ばれる。木剣を手にし、友人達からの声援を背に対戦者の前に立つ。

>初戦の相手は見たところあなたよりも歳上で一回り以上も体が大きいが、先程見たダリューン程の威圧感は全く無い。

>あなたはこんな所で負けるつもりなど毛頭無い。アレは難なく勝ち進むだろうから、共に剣を交えるための条件は単純明快、あなたも勝ち進めば良いのだ。

>彼とは言葉も交わしたことの無い筈なのに、何故こんなにも戦いたくて堪らないのだろうか?

>あなたの疑問に答えられる者など誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

>あなたは対戦者の斬撃を剣の横腹で受け流し、体勢を崩した所に強烈な一撃を叩き込む。相手は地面に転がり、その手から剣を放した。

>観客席から歓声が上がる。これにて準決勝におけるあなたの勝利が決定した。

 

 

 

 

やりましたね、これで決勝進出です。

一時はどうなるかと思いましたが、結局決勝までダリューンと当たる事はありませんでした。10時間以上もかけたデータを破棄するかもしれないと考えると、対戦相手発表の度に心臓が止まる思いでしたよ‥‥‥。

いやー本当に良かった。エクバターナの証は入手出来ませんが、本命の名誉ポイントは無事得られるので再走しなくて済みますね。

 

はっきり言ってダリューンにはどうしても勝てないので決勝戦はほぼ消化試合みたいなものなのですが、ほもくんの経験値稼ぎにはなるので出来る限り頑張ります。

ちなみに一緒に参加した友人達は皆ダリューンに瞬殺されてましたね‥‥‥10代であの動きとかバケモンかな?

ほもくんとダリューンのステータスには今現在でかなりの差があります。ダリューンの方が歳上なので当たり前と言えば当たり前なのですが、例え同い年であっても勝てる気がしませんわ。

 

例えば、ほもくんの筋力(上半身)は現在383で、これは平均的な国王親衛隊の騎士より少し劣るぐらいですね。そう考えると本RTAのほもくんも充分バケモンなのですが、ダリューンは621。この数値は全盛期のバフマンと同じくらいで、これからまだまだ成長するので正真正銘のバケモンです。

 

参考対象として原作開始時で言うと、キシュワードの筋力(上半身)は約890、クバードは約1130、アルスラーンは約280といった具合ですね。

さて、そろそろ決勝が始まると思うのですが‥‥‥

 

 

 

 

>あなたは審判役に名前を呼ばれる。既に敗れてしまった友人達からの声援を受けながら歩いていくと、そこには1人の強者。

>ダリューンの前に立ち互いに礼を交わすと、彼の口が開く。

>「君の名は何という?」

>あなたは彼の問いに対して自らの名を名乗る事で応える。

>剣を構え、距離をとった所でお互いが向かい合う。目の前に立つ事で実感する桁外れな威圧感さえも、あなたにとっては心地良く感じられる。

 

 

 

はい、ということで決勝の開幕です。

まぁ、瞬殺されない具合には粘りたいと思いますが初めての事なので果たしてどうなることやら‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

王都エクバターナの大通りを歩く1人の男。多少の幼さの残る顔付きとは裏腹にその体格は大人顔負けであり、彼の纏う雰囲気はパルス軍歴戦の猛者のそれと大差無い。

彼の名はダリューン、大陸公路の守護者と名高いパルス国の王アンドラゴラスの重臣ヴァフリーズの実の甥である。

彼は現在とある目的のため1名の従者を連れ王都の中心地から多少離れた広場を目指しているのだが、その堂々とした歩みとは対照に余り面白くなさそうな表情をしていた。

 

「アラハドよ、叔父上はどんな意図で私を剣術大会なぞに向かわせたのだろうか?」

 

ダリューンからアラハドと呼ばれた青年は、ダリューンの従者である。彼はダリューンの問いに対して多少言葉を詰まらせながらも答えを紡ぐ。

 

「先日ヴァフリーズ様がおっしゃられたように、あの方はダリューン様に友を作って欲しいのですよ」

 

「友か‥‥‥アラハド、変なことを聞くが私はそんなにとっつき難いか?」

 

「失礼を承知で答えさせて頂きますが、かなり近寄りずらいかと」

 

「そうか‥‥‥」

 

従者から面と向かってはっきり答えられ、多少なりともショックだったのか顔を歪めるダリューン。

何故彼が乗り気で無い剣術大会とやらに向かっているのか、それを語るには多少時間を遡る必要がある。それは今より2日ほど前のこと。

 

 

『ダリューンよ、訓練の息抜きに城下で行われる試合に参加してきてはどうだ?』

 

『叔父上、私はそういうのはあまり‥‥』

 

『わしはてっきり喜んで赴くものだと思い既に役人に参加の意を伝えておいたのだがな‥‥‥』

 

『叔父上⁉︎』

 

『はっはっは!良いでは無いか我が甥よ、同年代の友の1人か2人くらい探してくるとよい』

 

 

屋敷の廊下を歩いていたらいきなり世話になっている叔父、もといヴァフリーズからそう伝えられたダリューン。まだ若いが彼の戦闘力は同年代の者達とは一線を画し、あと数年もすれば国で指折りの戦士になることはほぼ確実。実際彼も自らを世話してくれている偉大な叔父に追いつけるよう幼少の頃より日々の鍛錬を重ねていた。

 

だからこそ剣を握り、馬に跨り、弓を射る時間を常に欲しており、言い方は悪いが自らよりも劣る同年代の少年達と争うよりも、王宮に出入りする高名な騎士に稽古をつけて貰った方が有意義だとの考えを持っている。

今までに彼は叔父であるヴァフリーズ、万騎長や国王親衛隊の騎士など様々な者達から剣を教わっており、彼らの立ち振る舞いから技術まで彼らの全てを取り込もうと努力した。

 

そのためダリューンは口には出さないが心で思ってしまっているのだ。『城下の者達との試合など時間の無駄』だと。幾らアンドラゴラス王が見物に来るとは言っても歴史ある重要な行事だからであり、かの豪傑の目にとまる者などそうそう現れないだろうと。

 

 

 

 

 

 

 

「まあ良いアラハド、出るからには全て勝つ。叔父上の顔に泥を塗るような事はあってはならないからな」

 

会場についたダリューンは従者にそう伝えると、試合の前に体を温めるため木剣を彼から受け取り再び歩き出す。以前来た時、ここらには空き地があった。広くは無いが、1人が動くには充分な広さの場所であったと記憶している。

 

まだ始まる時刻より大分早いので誰にも使われていないだろう、そう思っていたのだが目的地にはダリューンよりも年下であると思われる数人の少年がいた。

 

彼らも今日の参加者であろう。先客がいた事に多少驚き、空き地が使えない事を残念に思うダリューンだったがその刹那、彼はその内の1人の少年に目を奪われる。

歳は己よりも下であろうと予想されるその少年の剣を言い表わすならば流麗の一言。まだまだ荒削りではあるが力強さと美しさを兼ね備えている彼の剣筋は一朝一夕で成せるものではあるまい。

 

当初は少年とその仲間は一対一で打ち合っていたものの、文字通り手も足も出ずに負けてしまうため一対二、一対三と増えていき、最終的には全員を一度に相手するも難なく打ち破る。

少年の年齢を推測するにまだ14か15だろうが、技術のみを見るのなら王宮に出入りする戦士達にも引けを取らないだろう。圧倒的強者である彼が他人の剣に驚くなどいつぶりだろうか。

 

(なかなか骨のありそうな奴もいるものだな‥‥‥)

 

それまでこの大会に価値を見いだせずにいたダリューンであるが、この瞬間彼の中に闘志が宿る。それほどまでに、彼は件の少年に興味を持ったのだ。

 

 

 

 

 

 

その後、ダリューンと例の少年は難なく勝ち進む。ダリューンも凄まじかったが、自分よりも年上の少年達を次々打ち倒す彼も見事であった。

そして両名は頂点を決める戦いで合間見える。ダリューンはこれまでの少年の戦いを見て確信した。この少年は将来パルス指折りの戦士になるだろうと。

ダリューンは自らより一回り以上小さな彼に尋ねる。

 

「君の名は何という?」

 

「‥‥‥ホズモルド」

 

2人の間に交わされた言葉はたったそれだけ。そしてホズモルドと名乗った少年はダリューンを一目見てその口角を上げた。この瞬間ダリューンは彼を自らの好敵手だと見定める。

自分の方が年上だからと言って手を抜くなんて愚行はしない。この少年を1人の男として、そして1人の戦士として相手しよう。

ダリューンは己に向かい合う少年を見て、彼もまたゆっくりとその口角を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




思っていたより好評で震えてる
3日連続投稿なんて初めてだよ‥‥‥
ちなみに今回は反抗期?のダリューンを想像して書いてみた。彼にもこういう時期は絶対あったと思う。

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