死神と魔法使いと幻想郷 作:ジジミカン
でも主人公は眺めてるだけで参加はしません。
では
足元には幻想郷中を被う紅い霧。目の前...だいぶ遠いが前方には見覚えのある二人の人間、巫女と魔法使いの少女達。
今まさに紅霧異変が始まっていた。
気配を消して少女を追跡する自分は端から見るとストーカーそのものだなという自覚はある。
「あの二人はやっぱ強いなァ」
異変攻略開始から暫く眺めているが霊夢も魔理沙も凄まじく強い。
エネルギー、霊夢は霊圧らしきもの、魔理沙は魔力だがその潜在量はそれほどではない(人間としては頂点レベルだが)のに使い方が巧いのだ。
人外に対して相性の良い力だからというのもあるだろうが二人共弾幕ごっこのルールを無視した戦いで上位の人外とマトモに戦えるんじゃないだろうか?
と、考えながら見ていると紅魔館の門番、紅美鈴の全身にモロに星形弾幕が突き刺さり勝負が決まったようだ。凄く...痛そうです。
今まで戦っていた妖怪や妖精達と違い美鈴はかなり粘っていたので蓄積したダメージも多そうだ。
顔面にまで弾幕が突き刺さり前が見えねぇ状態。
「えげつねぇな...」
二人はそのまま紅魔館に入っていくようだがちょっと考える。このままこっそり入って行ったら敵と見なされて襲われるんじゃないだろうかと。
今までは屋外だったので適当に受け流していたが館に入れば大量の妖精メイドからの襲撃は免れない。迎撃しようとすれば気配を消したままとはいかないから更に距離を置く必要がある。なにより観戦に集中できない。
という訳で
「よっこいせ」
気絶した美鈴を抱えて着いていくことにした。この印籠が目に入らぬか。
一応回道はかけておく。
館の扉から中の様子を伺うと電光石火のメイド、十六夜咲夜と霊夢が戦っていた。
魔理沙は自分と同じく観戦モード、しかし己の経験値にする為か集中してしっかり観ているようだ。
霊夢はやはり時間停止の能力が厄介なのか苦戦していた。雑誌と磁石も手土産に持っていくべきだったかとも思ったが、帽子も筋肉もないから滑り落ちて使えないだろう。
ナイフの弾幕を避けた先にはまたナイフ。霊夢も何かが書かれたお札を投げ対抗するが時を止められる咲夜さんは難なく避けられる。
しかしそれだけ不利な状況に見えるのに焦ったようにも諦めたようにも見えない。秘策でもあるのだろうか?
と、そのまま眺めていると咲夜さんの動きが急激に悪くなってきた、
「青ざめたわね」
「自分の恐ろしい結末を察したようね」
「時を止めても無駄無駄」
どうやら空中に撒いてた札の中に連結して敵を拘束する札があったようだ。
それに良く見ると霊夢は自分の手にお札を握りしめている。磁石みたいにブラフにでも使ったのだろうか?
「ぐぅっ...!」
どうやら咲夜さんは全く動けないようだ、あの札だったら鬼も完全に封じられるのだろうか?
霊夢が咲夜さんの前に立つ、顔は見えないが何となく怒ってる気がする。魔理沙もちょっと引いてたし。
「スゥゥゥゥゥ...」
あの巫女拳を構えて息継ぎしてやがる。
「無駄ァーーーッ!」
素手で殴った、札は持ってるけど。
弾幕ごっこはアレで良いのだろうか?
臼魔導師かな?
強くもない(巫女基準)のに手間取らせやがってという怒りがこもってます。