死神と魔法使いと幻想郷 作:ジジミカン
主人公が真面目っぽい事を言ったりしますが性格が至って不真面目です。
あと詠唱破棄が訓練次第で威力低下無しに使えるのはここだけの設定という事でお願いします。
では
青年散策中
力の高まりを感じる、自分のではなくそもそも霊圧ではない。それなりに長く幻想郷にいる経験から妖怪の力だと分かる。正確な場所は破面ではない自分だと分からない、と言うことで
「“南の心臓北の瞳 西の指先東の踵
風持ちて集い 雨払いて散れ”
縛道の五十八『掴趾追雀』」
鬼道が使えるって素晴らしい!
本当はすでに九十番未満は破道も縛道も威力低下無しに詠唱破棄できるけど急いでるわけじゃないしちゃんと詠唱する。
捕捉したエネルギーからより強力な物を選別する。そしてソレは人里から見て魔法の森の更に奥、霧の泉と呼ばれる場所の近くの館から発せられている、つまり
「紅魔郷が始まるのか...!」
異変の前兆だと判明した。
人里に急ぐ、今回の異変に限らないが記憶が確かなら紅魔郷は解決が遅れる。
吸血鬼から発せられる紅い霧が幻想郷を被うだけの異変だが人体には害があったはずだ。
この世界では紅魔館から人里と博霊神社の距離は同じ程度、霧は確実に人里を被う。
外に出なければ大丈夫だとは言われていたが今既に弱っている人間であれば死ぬかもしれない。永遠亭は頼れない、そのうえ自分に病気は治せないがケガ程度なら回道で治せるし体力位なら回復できる。
ただの自己満足、後で自分の心に良くない物を残さないための処置だがやらないよりは良いだろう。
ついでに慧音さんには
「魔法の森の奥で妖怪の力が高まっているように感じます、異変の前兆かもしれないのでもしもの時は里から、家から出ないように周知しておいてください」
と、伝えておいた。それなりに自分も人里から信頼を得ているからか話自体はすんなり通ってくれた。
あとは紅魔郷開始まで毎日通い続ければ良いハズだ。
ついでに自分の目的も遂行する。
当然異変解決を見届けることだ。
前世では画面の向こう側だった存在をこの目で捉えられるのだ、こんなチャンス見逃すわけにはいくまい。
と、そこで当日になる前に本人達に会いに行くのも良いかな、と思い始めた。
解決後の宴会に参加したいという下心がほとんどだが。
とはいえ魔理沙とはシナクを通じて何回か会っている。知識で知っていた通り好奇心旺盛で常に笑顔で元気な女の子だった。
なので今回は霊夢に会いに行くことにした。ちゃんと手土産に良いお茶っ葉とせんべい、お賽銭用の小銭を持って。
いつも通り空を踏みつつ博霊神社に跳んでいたが上から見る博霊神社はなんというかちゃんとしていた。夏なので当然落ち葉などはあまり無いのだが道に汚れや雑草は無く神社自体も良く掃除されていて全体的に綺麗といった感じだ。
前世の知識からだらしない巫女と言ったイメージがあったから意外であった。
見た所外には霊夢も参拝客も居ないので逆に不気味に感じるが。
とりあえず神社の敷地内に着地してお賽銭を入れる。本当はたくさん入れたいが怪しまれたく無いので大体現代で500円位の量を。
正しい参拝の方法はあるがやり方より心が大事と考えてるのでとりあえず鈴を鳴らし手を叩き礼をする。
死神が神頼みするのもアレなので
「死なない程度にがんばります。」
とだけ誓っておいた。
持ってきたお茶っ葉とせんべいはお賽銭箱の上の奥に置いておく。
後日会ったときに名乗り出れば良いかなと。
そのまま振り返り拠点に帰ろうとしたところで
「死神が神社に来るなんて何事かと思ったけど何もしないのね、なんだか拍子抜けだわ」
背後から声を掛けられた。なんというかしゃべり方はキリッとしてるのに声が甘ったるい感じだ。
霊夢か紫かな?と思いつつ神社の方に向き直り声の主を見ると
「初めて見る顔よね、私はこの博霊神社の巫女の博霊霊夢、妖怪と仲良くする気はないけどちゃんと気持ちを込めて参拝してくれた以上は参拝客として扱うわ。」
素敵な楽園の巫女がいた。
というか今何かをやらかしていたら不審者どころか敵と見なして排除されていたのか?
思わず震え上がった。
ここの霊夢は不真面目に見えて職務はしっかりこなします。
剣八っぽいですね。