異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主   作:北方守護

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第9話 風呂作り(前編)

タケアキの村にカニスが来てから2週間程経った頃……

 

「そういや……カニスって何処から来たんだ?」

村の中の家の1つでタケアキは竹で何かを編みながら気になっていた事をカニスに聞いた。

 

「アッ、話してませんでしたっけ?そうですね……私の村はタドミールから南西の方向にある獣人達が住む村から来たんです……っていうか私は飛ばされたんです」

 

「ん?飛ばされたって、どういう事だ?」

 

「はい、私の村の近くに古い時代からある遺跡があるんですけど、そこに入り込んだら以前にタケアキさんが私を見つけた所に飛ばされたんです」

 

「ふーん、そうなのか……っとよしっ うん上手く出来たな」

タケアキは話しながら竹籠を完成させていた。

 

「ふぇータケアキさんって器用なんですねー」

 

「小さい頃に婆ちゃんから習っててな、こんな所ならコッチの方が使い勝手が良いから」

 

「そうですね……ってラルド、またラトローボアを獲って来たんだ」

外を見たカニスは獲物を獲って来たラルドに近寄るとヨシヨシと頭を撫でた。

 

「カニスもラルドに慣れてきたな」

 

「それは、そうですよ……毎日一緒にいるんですから そうだラルド獲物を置いてきてくれる?」

 

〔ガウッ〕

カニスに言われたラルドは獲物をタケアキ達が決めた場所に置きに向かった。

 

「それにしても……久し振りに風呂に入りたいなぁ……」

 

「ん?タケアキさん、風呂ってなんですか?」

 

「え?風呂って、体とかが汚れた時に入ったりする暖かいお湯の事だけど」

 

「その……暖かいお湯って何ですか?汚れた時は川とかで水浴びすればいいのに……それにお湯は料理する時に使うんですよ?」

 

「なんだ風呂って知らないのか……じゃあ風呂でも作るか」

タケアキは次にやる事を思いつくと外に出た。


外に出たタケアキは風呂を作ろうと考えてる場所に来た。

ちなみに村は縦2km×横5kmの長方形型の敷地で北を上にして南側に入り口があり、村から北西のグランド山、南東にオネスバブが生息してる竹林がある。

 

タケアキは村の中心部にある家に居を構えておりカニスはその隣の家、ラルドはタケアキの家横に寝床を作ってもらっている。

北部に保管庫があり獲って来た獲物などを置いている。

 

それでタケアキがいるのは村の南西部であり、以前は何らかの行事が行われていたと思われていた。

 

「うん、ここなら大丈夫だな」

 

「それでタケアキさん、どうやってお風呂という物を作るんですか?」

 

「まぁ簡単に言うと入れ物に水を入れて炎で暖めた物がお風呂なんだ」

 

「そうなんですか、それでどうやって、その入れ物を作るんですか?」

 

「それは、こうして【形成】【焼成】うん、大きさはこんな物だな」

タケアキは目の前に200ℓの白いバスタブを魔法で作り出した。

 

「これがお風呂なんですか?」

 

「あぁ、これに水を入れて暖めて体や髪を洗ったりするんだ」

 

「はぁ……けど、こんな空の下で入っても……」

 

「それは心配ないよ【計測】【形成】【焼成】」

タケアキはバスタブを囲う様に魔法で浴室を作り出した。

それは空から見ると【日】の様な形の家で上の部分にバスタブがあり下の部分には何も無かった。

 

「コッチの部屋は何をする場所なんですか?」

 

「こっちは脱衣所って所でここで服を脱いでからお風呂に入るんだ……っとそうだカニスに竹で作って欲しい物があるんだけど」

タケアキはカニスにある物を作る様に指示した。

 

「分かりました、けどタケアキさんは何をするんですか?」

 

「俺はちょっと探し物があってな……ラルドはカニスのそばにいてやってくれ」

 

〔グルル……〕

 

「大丈夫だ、直ぐに帰ってくるから」

タケアキはラルドの頭を撫でると村を出て行った。

 


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